法事法要
仏壇の適切な置き場所や向きは?仏教や宗派ごとの決まりとは
更新日:2022.01.24 公開日:2021.12.15

記事のポイントを先取り!
- 仏壇の置き場所は仏間か床の間が基本
- 直射日光や多湿の場所は注意
- 神棚との位置関係にも注意
自宅に仏壇を置くときにおすすの場所、あるいは避けた方がよい場所についてご存知でしょうか。
仏壇については置き場所のほか、向きや方角についても各宗派で決まりがありますので、知っておく必要があります。
そこでこの記事では、仏壇の置き場所や向きについて詳しく解説していきます。
この機会に仏壇の正しい置き方を覚えておきましょう。
風水や家相の観点から考える仏壇の置き場所についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。

こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
おすすめの仏壇の置き場所
仏壇の置き場所に関しては特に決まりはなく、家の作りなどに合わせて置くのが一般的です。
ここでは、仏壇の置き場所としておすすめの場所をいくつか紹介していきます。
仏間
仏間とは、仏壇や位牌を安置するための部屋のことです。
昔の和風住宅では、はじめから仏間として畳の部屋を1部屋割り当てることがよくありました。
しかし、昨今の住宅事情では仏間を備えた住宅は少なくなっており、どうしても仏間が必要な場合は、和室を仏間に改築したりすることもあります。
仏間の構造としては、以下のものがあります。
- 半床仏間
- 地袋付仏間
- 三尺仏間
- 一間(六尺)仏間
「半床仏間」「地袋付仏間」は下方に物入れが設置されており、仏壇としては置きタイプを選ぶことになります。
「三尺仏間」「一間(六尺)仏間」であれば台付き・床置きタイプとするか、置きタイプとする場合は別途、置台が必要になります。
仏間がある場合は、仏壇の大きさを仏間に入るように合わせる必要があります。
仏壇を購入したものの、仏間に設置できないということがないようにしましょう。
床の間
床の間は、掛け軸などの装飾品を置く飾り棚としての機能を持つ和室の一部です。
床の間を仏壇の置き場所とするのに違和感を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、床の間は家における最高位の場所のなので、仏壇を置くにはおすすめの場所です。
居間・リビング・寝室
ご先祖様や故人の位牌を安置して供養するのも仏壇の重要な役割です。
家の中でも家族がよく集まるところを仏壇の置き場所とすれば、仏壇に手を合わせて、ご本尊やご先祖様を供養しやすくなります。
また、ご先祖様の霊も子孫を常に見守ることができます。
こうした理由から居間・リビング・寝室に仏壇を置くこともおすすめです。
仏壇を置くのに適さない場所
仏壇は設置すれば末永く使うものです。
そのため、仏壇を長持ちさせる必要があり、環境を選んで設置することが大切です。
ここでは、仏壇を置くのに適さない場所や条件について説明します。
直射日光が当たり、湿度が高い場所
仏壇の多くは木製であるため、時間が経つと反りやねじれなどが顕著になり、湿気が高いと傷んだり、カビが繁殖したりしやすくなります。
ゆがみや傷みが進む場合は、修理に多額の費用をかけることにもなりかねません。
よって、直射日光が当たるところや湿度の高いところは仏壇の設置には向きません。
また、エアコンの風が常に当たる場所も乾燥を早めるため避けるべきです。
床の間の向かい
床の間は家の中でも最上位の場所とされているため、床の間に向かい合わせに置くことは好ましくありません。
床の間と向かい合わせる場所は下座となるので注意しましょう。
みんなが選んだ法事法要の電話相談
みんなが選んだ法事法要では葬儀や法事法要のご相談に対応しております。 お悩みにある方はご相談ください。

24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける

5万円からご案内!
4万円からご案内!
仏壇の向き・方角について
仏壇をどの向きあるいはどの方角に向けておくかについては、諸説があります。
ここでは、代表的な考え方として、南面北座説、東面西座説などについて配置方法や理由などを説明します。
南面北座説とは
仏壇の正面が南を向くように設置するという考え方です。
この場合は、北向きに座って仏壇に向かうことから、南面北座と名付けられています。
お釈迦様が説法を行う際に南向きに座ったとされていることから、仏壇も南向きに設置するという考え方が生まれました。
また、古代中国で王は南を向いて座し、家来は王の前に北向きに座るのが慣習といわれており、これにならうという説もあります。
仏壇を北向きに置くのはよくないという考え方の元にもなっています。
北向きを避けるのは、南向きに置けば、仏壇に直射日光が当たることがなく、風通しがよいことから、家の中で最適な置き場所とされている考え方です。
東面西座説(西方浄土説・極楽浄土説)とは
仏壇を東に向けて安置し、西向きに座って仏壇に向かうことになるので、東面西座説と名付けられてます。
古代インドの慣習では、東は日の出るところで李新出世のかなう縁起のよい方角とされており、これにちなんで仏壇も東向きに安置するという考え方です。
西方浄土説・極楽浄土説と呼ばれることもあります。
これは、仏教でいう極楽浄土は、西方のかなたにあるとする考え方に由来するものです。
西向きに座って拝むことは、極楽浄土に向かって礼拝することにもつながります。
春夏秋冬説とは
春夏秋冬説とは方角を季節で表現するもので、春夏秋冬を東南西北にあてており、どの方向にもよいことがあるという考え方です。
春(東)は全てのものごとの始まりで、夏(南)は実を結び、秋(西)は収穫の時期であり、冬(北)は収穫物を収めると説かれています。
また、十方浄土といって、どの方角にも仏の世界があるという考え方も存在します。
十方とは、東・西・南・北・四維(東南、南西、東北、北西)・上・下のことです。
本山中心説とは
本山中心説とは、仏壇の前に座り、拝む方向の延長線上に宗派の総本山がくるように仏壇を設置するという考え方です。
すなわち、仏壇は各宗派の本山を背にするように配置し、拝む人が本山を向くようにします。
この場合は、本山と自分の住まいの関係から方角を決めることになります。
本山や住む場所によって、東向きにも西向きにも南向きにもなります。
各宗派がお勧めしている仏壇の向き・方角

各宗派では、仏壇の向きにもおすすめの向きがあります。
以下で各宗派のお勧めする向き・方角を紹介します。
曹洞宗・臨済宗
曹洞宗と臨済宗では、仏壇の正面が南を向く南面北座説を推奨しています。
これは、お釈迦様が説法する際には南向きに座っていたとする説によるものです。
浄土真宗・浄土宗・天台宗
浄土真宗・浄土宗・天台宗では、東面西座説がよいとされています。
浄土真宗・浄土宗・天台宗のご本尊である阿弥陀如来は西方浄土にいるとされているからです。
西方浄土は人間界から遠く離れた西のかなたにある仏の国を指すものです。
ご本尊である阿弥陀如来を東向きに置くことで、拝む際に西方浄土に向かって拝むことができます。
真言宗
真言宗では、本山中心説がよいとされており、拝む方向の延長線上に総本山があるように、仏壇を置きます。
真言宗の総本山は、和歌山県にある高野山金剛峯寺なので、仏壇の背が高野山金剛峯寺を向くように仏壇を安置します。
家と高野山金剛峯寺の位置関係によって方向は変わります。
日蓮宗
日蓮宗では、特に決まった方角に置くことは薦めていません。
したがって、向きに関係なく、自由に置いても問題ないとされています。
みんなが選んだ法事法要の電話相談
みんなが選んだ法事法要では葬儀や法事法要のご相談に対応しております。 お悩みにある方はご相談ください。

24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける

5万円からご案内!
4万円からご案内!
仏壇と神棚の関係
日本は八百万の神という言葉にあるように多神教の国です。
したがって、日本の家庭では、仏壇と神棚の両方が家の中にあることは普通のことです。
では仏壇と神棚の関係にルールはあるのでしょうか。
以下で詳しく説明します。
仏壇と神棚を同じ部屋に置いてもいい?
仏壇は仏教の寺院を模倣して造られたものであり、ご本尊や故人、ご先祖様を祀ります。
一方、神棚は神道の神様を祀る場所です。
上記の違いについて理解があれば、同じ部屋に仏壇と神棚を置いても問題ありません。
しかし、同じ部屋に置くうえで、置き方などには気を付ける必要があります。
部屋に神棚がある時気を付けたいこと
ここでは、仏壇のある部屋に神棚を祀っているときの留意点について説明します。
神棚の向かい合わせに置かない
仏壇と神棚と向かい合わせに置かないように注意しましょう。
向かい合ってしまうと、上座と下座という上下関係が生まれてしまいます。
仏様と神様に人間が上下の区別を付けることはできません。
可能であれば、仏壇と神棚が同じ方向を向くように配置するとよいでしょう。
神棚の真下に置かない
仏壇を神棚の真下に置かないよう注意しましょう。
仏壇に安置しているご本尊は、各宗派で最高位にあるものです。
仏壇を神棚の下に置くと、最高位であるはずのご本尊より高い位置に神様が位置することになってしまうからです。
風水・家相の観点から考える仏壇の置き場所

ここでは、風水・家相の観点から、仏壇の置き場所や方角としてよいといわれている諸説を紹介します。
風水を考える場合
ここでは、風水の観点から考える仏壇の置き場所として都合がよい場所、逆に仏壇の置き場所としては避けた方がよい場所を説明します。
向いている向き
風水の観点では東南が吉方位であり、仏壇の向きは南東・南・東・西がよいとされています。
さらに、できるだけ家族が集まりやすく、にぎやかな場所がよいとされています。
向いていない場所
仏壇を置くのに適さないのは、以下のものがあります。
- 人の集まらない場所
- トイレの隣
- 階段の下
- 寝るときに足が向く方角
家相を考える場合
ここでは、家相の観点から考える仏壇の置き場所として都合がよい場所、逆に仏壇の置き場所として避けた方がよい場所を説明します。
向いている向き
家相からみた場合、部屋の配置によって仏壇を置くのに都合のよい方角は変わってきます。
東側の部屋 | 南か西 |
東南側の部屋 | 南向き |
西側の部屋 | 東向き |
北西側の部屋 | 南か東 |
北側の部屋 | 南か西 |
向いていない向き
仏壇を北東側や南西側の部屋に置くのは避けるべきとされています。
仮にそうした部屋を置き場所とせざるを得ない場合は、仏壇の向きを南か西にするとよいでしょう。
鬼門について
鬼門とは、北東(うしとらの方角)の事で、陰陽道では鬼が出入りする方角とされています。
日本では、鬼門は縁起が悪いとされており、鬼門が気になるのであれば、家の中心から見て北東の方角に仏壇を置くのは避けた方がよいでしょう。
みんなが選んだ法事法要の電話相談
みんなが選んだ法事法要では葬儀や法事法要のご相談に対応しております。 お悩みにある方はご相談ください。

24時間365日無料相談
0120-33-3737
電話をかける

5万円からご案内!
4万円からご案内!
仏壇の置き場所まとめ
ここまで仏壇の置き場所についての情報や仏壇の向き、方角などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 仏壇の特定の決まった置き場所はなく手を合わせやすい場所がよい
- 仏壇が長持ちするよう、直射日光が当たるところや湿気の高い場所は避ける
- 宗派によっては、おすすめな仏壇の向きがある。
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
都道府県一覧から葬儀場を探す
こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。

こちらでご希望のエリアから葬儀場を検索できます。
監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
法事法要の関連記事
法事法要

更新日:2022.08.14
仏壇前に置く座布団の赤と紫の違いとは?サイズや柄にも注目!
法事法要

更新日:2022.11.10
法名軸にお布施は必要?費用や書き方を紹介!過去帳のお布施も解説
法事法要

更新日:2022.05.10
仏壇に団子を供える意味は?団子の作り方やお供えの仕方まで解説
法事法要

更新日:2022.05.10
仏壇の上に書く「雲」の意味とは?雲字の種類、書き方を解説
法事法要

更新日:2022.05.10
仏壇にはどんな花がおすすめ?お供えする際のマナーについても紹介
法事法要

更新日:2022.05.28
仏壇の処分で魂抜きをしないとどうなる?仏壇の正しい処分方法を紹介