法事法要
金の仏壇?高級仏壇である金仏壇の相場や特徴を解説
更新日:2022.05.10 公開日:2021.12.22

記事のポイントを先取り!
- 金仏壇は外側を黒い漆塗り、内部に金箔が施された仏壇
- 金仏壇は、上質な材料、精巧な技法、工程から作られる
- 金仏壇の他に唐木仏壇・モダン仏壇・永久仏壇もある
- 浄土真宗であっても、金仏壇は必須ではない
仏壇は代々受け継がれていくものですが、核家族が多い現代では、仏壇がない家は珍しくありません。
そのため、身近な方が亡くなれば仏壇を購入しなければならない方も多いのです。
仏壇店にはたくさんの種類があり、きらびやかな「金仏壇(きんぶつだん)」を目にした方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこでこの記事では、金仏壇について詳しく説明していきます。
この機会に古くから大切に受け継がれてきた、金仏壇がどんなものか覚えておきましょう。
金仏壇以外の代表的な仏壇の種類についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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金仏壇とは
金仏壇とは、外側の木地全体に黒の漆塗り(うるしぬり)が施されていて、内部が金箔や金粉できらびやかに装飾された仏壇です。
別名「塗り仏壇」とも言います。
木地に用いられるのは、桧(ひのき)、松、杉、朴(えのき)、欅(けやき)などです。
金仏壇は、使用された金箔や金粉の量、重ねて塗られた漆の厚さ、高度な技法などにより値段が決まります。
仏壇が一般家庭に広がり始めたのは、室町時代だと言われています。
浄土真宗(じょうどしんしゅう)の中興の祖(ちゅうこうのそ)である蓮如上人(れんにょしょうにん)が、民衆にわかりやすく布教活動し始めたのがこのころです。
次第に各家庭に仏壇や仏画が置かれるようになりました。
江戸時代になり仏式の葬儀と仏壇が主流になると、浄土真宗では金仏壇が作られるようになったのです。
金仏壇は、浄土真宗の本山の寺院を模倣して作られています。
このような流れから浄土真宗で主に使われますが、他の宗派でも使うことが可能です。
金仏壇の種類やサイズ
ここでは、金仏壇の種類やサイズについて解説します。
金仏壇といえば、大きなサイズをイメージする方も多いでしょう。
しかし様々な種類がありますし、サイズもコンパクトなものから大きなものまで取り揃えられています。
種類やサイズについて、以下にまとめました。
種類
一つ目が、浄土真宗大谷派(東本願寺・通称「お東」)の宗派のものです。
金仏壇の中でも漆塗り面が多く、全体的に落ち着きがあります。
内部の柱の色が、黒色であるという特徴があります。
二つ目が、浄土真宗本願寺(西本願寺派・通称「お西」)のものです。
金仏壇の中でも金箔面が多いため、きらびやかな印象があります。
浄土真宗大谷派(東本願寺)との大きな違いは内部の柱の色で、金色なのが特徴です。
三つ目が、浄土真宗高田派のものです。
三重県津市にご本山がある宗派で、高田派特有の龍彫りの柱、宮殿に設けられた扉が特徴です。
四つ目は、禅宗仏壇と呼ばれる浄土真宗以外の宗派向けのものです。
浄土真宗以外の宗派とは、曹洞宗、臨済宗、天台宗、浄土宗、日蓮宗、真言宗などが挙げられます。
浄土真宗以外の宗派では、唐木仏壇(からきぶつだん)という木目が美しい仏壇が使われるのが一般的ですが、一部の地域では金仏壇が選ばれることもあります。
金仏壇には、国内産のものと海外産のものがあります。
海外産は量産されているので、低価格で出回っています。
国内産は高価ですが、「お洗濯」と言われる修復をすることができるので、長く使い続けられます。
海外産は、修復できないことが多いのが難点です。
サイズ
仏壇のサイズは「号」という単位で表記するのが普通ですが、金仏壇の場合は「代」という単位が古くから用いられてきました。
この「代」は、仏壇の内部にお祀りする掛け軸の寸法を表し、大きさは30代、50代、70代、100代、150代、200代に分類されます。
- 30代(高さ131cm・幅66cm・奥行き50cm)
- 50代(高さ151cm・幅76cm・奥行き54cm)
- 70代(高さ166cm・幅81cm・奥行き59cm)
- 100代(高さ173cm・幅85cm・奥行き70cm)
- 150代(高さ175cm・幅97cm・奥行き77cm)
- 200代(高さ180cm・幅122cm・奥行き81cm)
なお、金仏壇のデザインにより多少大きさが変わるので、購入時に細かいサイズを確認しましょう。
このサイズは、あくまでも内寸です。
仏壇そのものの高さ・幅・奥行きは、その仏壇ごとに違います。
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金仏壇の価格相場
ここでは、金仏壇の価格相場についてご説明します。
金仏壇の相場は、100万円から150万円と想定されます。
金仏壇は全体に黒の漆塗りを施し、内部に金箔や金粉を用いるなど、他の仏壇と比較して豪華なつくりであるため値が張ります。
同じ金仏壇でも、漆を何度も塗り重ねるなどの手間がかかるもの、高度な技術が施されたもの、高い純度の金箔を使うなど、材料の質によっても価格差が出てきます。
金仏壇の工法

金仏壇は高級な仏壇として知られています。
ここでは、金仏壇にはどのような材料が使われているのか、どのような技法や工程があるのかについてまとめました。
木地
前述でも少し触れましたが、木地とは木材のことです。
桧、松、杉、朴、欅の他にも、合板やボードなども組み合わせて使われています。
塗り
金仏壇の表面には、漆塗りが施されています。
漆塗りは、何層にも重ねるほど耐久性が高くなり、その分手間がかかるため値が張ります。
カシュー漆という化学塗料が取り扱いやすく低価格なので、漆の代わりに用いられることもあります。
しかし、化学塗料では漆ほどの耐久性はありません。
下地
下地(したじ)とは、木地の上に漆を塗る前に、面を整えるために塗るものです。
この下地塗りをすることで漆の密着度が高まるので、とても重要な工程と言えます。
下地の材料には、牡蠣(かき)やホタテ貝から作られる胡粉(ごふん)や、動物の皮・骨・筋などの煮汁から作られる膠(にかわ)があります。
大量生産される低価格の金仏壇には、化学塗料の下地(ポリサフェーサー)も使われます。
金箔
金仏壇の内部は、金箔が施されています。
金箔は金を薄く打ち伸ばして作られますが、金の純度に応じて色の名前が付いています。
純度が最も高いものを五毛色(ごもうしょく)、続いて一号色、二号色、三号色、四号色となります。
もちろん純度が高いほど高価です。
高級品の中には、金箔だけでなく金粉が使われているものもあります。
薪絵
蒔絵(まきえ)とは、漆を使って絵師が文様を描き、漆が固まらないうちに金粉・銀粉などを蒔いて付着させる技法のことです。
蒔絵には、磨き蒔絵、高蒔絵(たかまきえ)、平蒔絵(ひらまきえ)があります。
大量生産する際には、シルクスクリーン印刷技術が用いられます。
彩色
彩色(さいしき)とは、色を付ける工程です。
彩色には2種類あり、極彩色(ごくさいしき)と淡彩色(たんさいしき)と呼ばれます。
極彩色とは濃い色を強調すること、淡彩色とは淡い色を付けることです。
彫刻
金仏壇には、柱の飾り、欄間(らんま)、障子の腰などに様々な彫刻が施されています。
一枚彫りと付け彫り(細かい彫刻を付け足したもの)があります。
錺金具
錺金具(かざりかなぐ)とは、仏壇仏具に使われる補強金具・装飾金具のことです。
金属を加工するための工具・鏨(たがね)を使用した手打ち技法が伝統的に用いられています。
現在では、金属に圧力をかけて作るプレスや、金属転写技術である電気鋳造(でんきちゅうぞう)も使われます。
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仏壇の種類
仏壇には金仏壇の他にも「唐木仏壇(からきぶつだん)」「モダン仏壇」「永久仏壇」があります。
以下に詳細をまとめたので、ご覧ください。
金仏壇
前述にてご説明しましたが、金仏壇とは、外側の木地全体に黒の漆塗りが施されていて、内部が金箔や金粉で、きらびやかに装飾された仏壇のことです。
金仏壇の相場は、100万円から150万円と想定されます。
唐木仏壇
唐木仏壇とは、美しい木の色や木目を生かした仏壇です。
唐木三大銘木といわれる黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、鉄刀木(たがやさん)や、桑、桜などを使用して作られます。
関東地方を中心として利用され、大きさは金仏壇より小型なものが多く出回っています。
唐木仏壇の相場は、70万円から100万円と想定されます。
モダン仏壇
モダン仏壇とは、洋室にぴったり合う家具調デザインの仏壇のことを指します。
金仏壇や唐木仏壇のような、欄間彫刻や宮殿などの特徴を取り入れないことが多いです。
リビングルームに置いても違和感のないデザインとコンパクトさが人気となっています。
モダン仏壇の相場は、50万円前後と見積もると良いでしょう。
永久仏壇
永久仏壇は、一部の仏壇店にて作られている仏壇で、どの宗教にも使えます。
洋室でも和室でもマッチするシンプルな形状で、大きさは小さめのものが主流です。
モダン仏壇との決定的な違いは、永久仏壇の方がより伝統的な仏壇の形状に近いということです。
分解や組み立てが何度でも簡単に行えるので、長く使えます。
世代を超えて受け継いでいくことができるのも魅力のひとつです。
価格は作っている仏壇店によりますが、50万円から100万円と予測できます。
浄土真宗は金仏壇でなければならないのか
浄土真宗で使われる金仏壇ですが、宗派が浄土真宗であれば必ず使わないとならないのでしょうか?
実は、宗派でどの仏壇を使わないといけないといったような、厳密な決まりはないのです。
昔からの習わしのようなもので、長い間ずっと守った方が良いとの考えが先行され、それに従う方が多かったのでしょう。
ここで、仏壇の歴史について少し触れておきます。
仏壇が一般家庭に広がり始めたのは、室町時代だと言われています。
浄土真宗の中興の祖である蓮如上人により、民衆に分かりやすく布教され、各家庭に仏壇や仏画を置くことが広まりました。
蓮如上人が広めたこの仏壇は、先祖の位牌を安置するものではなく、阿弥陀如来(あみだにょらい)を拝むためのものと位置づけをしています。
江戸時代になりキリシタン禁止令が出され、仏式の葬儀と仏壇が主流になると、浄土真宗では金仏壇が作られるようになったのです。
金仏壇は、浄土真宗の本山の寺院を模倣して作られています。
一方、浄土真宗以外の宗派では、金仏壇のようにきらびやかな仏壇を用いることは、ほとんどありませんでした。
浄土真宗以外の宗派での仏壇は、仏様もご先祖様も祀る場所と考えていることも、金仏壇が普及しなかった理由と考えられます。
唐木仏壇が主流となったのも、江戸時代になってからだと言われています。
しかし、現在は昔とは生活事情が大きく違います。
和室を持たない家には、金仏壇は浮いてしまうかもしれません。
各家庭の事情で、予算的に手に入れられない場合もあります。
生活に支障をきたす程の金額では、本末転倒になってしまうでしょう。
浄土真宗であっても、唐木仏壇を選ぶことに問題はありません。
また、浄土真宗でない方が金仏壇のきらびやかさに惹かれて購入することもあるのです。
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金仏壇まとめ

ここまで、金仏壇についての情報や、金仏壇以外の仏壇の種類を中心に説明してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 金仏壇は外側が黒の漆塗り、内部に金箔が施された仏壇のこと
- 金仏壇には様々な種類やサイズがあり、国内産だけでなく海外産のものもある
- 金仏壇の相場は、100万円から150万円
- 仏壇には大きく分けて「金仏壇」「唐木仏壇」「モダン仏壇」「永久仏壇」がある
- 浄土真宗であっても、必ずしも金仏壇でなければならないということはない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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