法事法要
家に仏壇は必要?置く意味とは?置かない場合の注意点や仏壇以外の供養方法も解説
更新日:2025.06.17 公開日:2021.12.22

記事のポイントを先取り!
- 仏壇は「家の中にある小さなお寺」
- 仏壇が必要ない理由は様々
- 仏壇の処分は方法を選ばなければ無料でも可能
- 仏壇があっても位牌は大切
故人やご先祖を祀るために幅広く用いられている仏壇ですが、必要ないという見解もあることをご存じでしょうか。
本当に仏壇は必要ないのか、仏壇の必要性について知っておきましょう。
そこでこの記事では、仏壇を置く意味について詳しく説明しています。
仏壇の役割や仏壇が必要ない方におすすめな供養方法についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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仏壇が持つ意味とは
仏壇とは、仏様を祀る壇のことです。
仏壇は、一般的に故人やご先祖を祀るためのものと認識されていることは、冒頭でも述べた通りですが、本来の意味は少し違います。
仏壇には、「仏」という文字が使われているように、仏像および仏具とともに仏様を祀る台をさします。
つまり、家庭における仏壇は、お寺にある仏壇(内陣)を小型の箱にデザインしたものであり、「家の中にある小さなお寺」と捉えることができます。
お寺へ足を運ばなくても、家庭で仏様を祀ることができるように造られたことが、仏壇が持つ本来の意味だといえるでしょう。
仏壇の役割
次は仏壇の役割をご紹介していきます。
以下に詳しく解説します。
故人と対話する場
仏壇には、故人と対話ができる場としての役割があります。
対話によって故人と改めて向き合い、その死を受け入れることで故人を忘れないように心に刻むことができます。
故人だけではなく、自分とも向き合うことができるのが仏壇の大切な役割の一つです。
悲しみを癒す場
大切な故人との別れによる、深い悲しみを癒すことも仏壇の役割です。
仏壇を置いて故人を祀り、故人が生前に好きだったものをお供えすることにより、思い出とともに故人を近くに感じることができます。
また、仏壇を通して故人がいつでも見守ってくれているようにも感じることができるため、癒しとともに勇気を与えてくれます。
命の繋がりに感謝する場
ご先祖の代から現在に至るまで、命が繋がって今の自分があることに改めて感謝する場としても、仏壇の意義があります。
また、併せて家族が元気に過ごせていることへの感謝を伝えることも大事です。
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仏壇が必要ない理由は様々
仏壇には上記のような役割があり、多くの方に必要とされています。
ただ一方では、仏壇は必要ないと考える方もいます。
仏壇が必要ない理由について、以下に詳しく解説します。
置くスペースがない
仏壇を置くスペースがないことが、必要ないと考える理由の一つとして挙げられます。
仏壇には様々なサイズがありますが、いずれもそれなりのスペースを必要とします。
一般的な仏壇の大きさには、三尺~四尺仏壇や一間仏壇などがあります。
三尺仏壇は幅64センチ~81センチ、奥行は55センチ~61センチです。
四尺および四尺五寸仏壇は幅110センチ~135センチ、奥行は62センチ~75センチもあります。
いずれも155センチ~180センチほどの高さがあり、一間仏壇にいたっては2メートルを超えるものもあります。
最近ではコンパクトに設計された家も多く、仏間などのスペースも設けていない場合がほとんどです。
そのため、仏壇を置くことを、あきらめてしまう方もいます。
家の様式とマッチしない
家の様式、つまりインテリアに合わないという理由から仏壇は必要ないと考える方もいます。
仏壇は基本的に木製で、昔ながらのデザインのものが中心のため、最近の家に多いモダンな内装や家具には合わないこともあります。
また、最近の新築住宅には和室がないことも多く、初めから仏壇を置くことを想定していない設計も主流となってきています。
このような家に住むにあたっては、仏壇は必要ないと考える方は多いでしょう。
家族間のトラブルになる
実は、家族間のトラブルのもとになりやすいことが、仏壇は必要ないとされる理由の一つに挙げられます。
それは、相続時に発生する可能性のあるトラブルです。
自宅や金銭などは相続財産の対象となりますが、仏壇やお墓は相続財産ではなく、「祭祀財産(さいしざいさん)」という扱いになります。
遺言により祭祀財産を引き継ぐ方がいればよいのですが、基本的に相続の対象とはならないため、別で祭祀継承者を決める必要があります。
この祭祀継承者は遺言が無い場合には、慣習や家庭裁判所の判断によって選出されますが、これがトラブルに発展する場合があります。
祭祀継承者に選ばれると、仏壇や墓地の維持管理や経済的負担を負います。
これらの費用は相続財産のように負担を分けることもできず、その費用を他の相続人に請求しても当然とは主張できません。
祭祀継承者の選出は拒否ができないばかりか、上記のような負担を一挙に背負わなければならないこともあります。
その反面、祭祀継承者は管理の自由が認められているため、仏壇やお墓を単独で処分することができます。
これにより、維持管理の経済的負担を回避するため勝手に処分を行ったことにより、親族間のトラブルに発展する可能性があります。
このようなトラブルを避けるためには、事前に親族間で話し合いを行っておく必要があるのですが、仏壇がなければ処分について悩むこともありません。
そのため、はじめから仏壇は必要ないと考える方もいます。
仏壇が必要ない方におすすめな供養の仕方

仏壇が必要ない方には様々な理由があることを上記にご紹介しましたが、仏壇が必要ない方はどのように供養をすればよいのでしょうか?
以下におすすめの供養方法について解説します。
手元供養
手元供養とは、自宅など身近な場所に遺骨の全部または一部を保管して供養を行う方法です。
遺骨のみを保管するため、仏壇が必要ない方には適した供養方法です。
手元供養は、故人を身近に感じ祈りを捧げたい人が故人に対する思いを形にした供養方法の一つです。
故人との繋がりが深い場合、なるべく近い距離で故人と寄り添っていたいという考えから、手元供養という方法を選ぶ人が、近年増加しています。
手元供養は比較的新しい供養方法で、お墓の継承が難しかったり、家が手狭なマンションなので仏壇が置けないといった事情から、手軽に遺骨を保管して供養することが可能です。
手元供養の方法には、遺族によって様々な方法があります。
ミニサイズの骨壺やペンダントの中に入れるなど、お墓に遺骨を埋葬するよりも故人を身近に感じとることができ、金銭的な負担も少ないというのが何よりのメリットです。
永代供養
永代供養とは遺骨を霊園やお寺に預け、永代に渡って管理してもらう方法です。
お墓や仏壇を用意する必要が一切ないため、こちらも仏壇が必要ない方には適した供養方法です。
予め安置期間が決まっている個別安置型や、他の遺骨と一緒に安置される合祀型など、永代供養には様々なスタイルがあり、普通にお墓を購入して供養するよりも安い金額で対応することが可能です。
永代供養は費用が安いこと以外にも、宗教宗派に関係無く利用ができたり、生前から契約ができるので墓地を探したりするなどの遺族の負担を限りなく抑えることができます。
ライフスタイルが多様化する中で、費用が掛からない永代供養は、近年増加しているのが現状です。
永代供養について気になった方は、こちらの記事を参考にしてください。
ミニ仏壇セット
一般的なサイズの仏壇は必要ないが、小さな仏壇なら置きたいという方にはミニ仏壇セットがおすすめです。
設置スペースも取らず、モダンな家にも合うデザインのミニ仏壇もあります。
ミニ仏壇についてもっと詳しく知りたい方へ↓
コンパクトなミニ仏壇の魅力とは?置き方や購入方法等も紹介【みんなが選んだ終活】
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仏壇を処分したい時の方法とかかる費用
次は、仏壇を処分したい時の方法についてご紹介します。
また処分の際にかかる費用についても解説します。
菩提寺に依頼
菩提寺(ぼだいじ)がある場合には、こちらに処分の相談を行うことが一般的です。
菩提寺とは先祖代々のお墓があるお寺のため、仏壇の処分についても快く引き受けてくれることでしょう。
ただし菩提寺といえども、最近では防災や環境配慮の観点から、仏壇の引き取りおよび処分ができない地域もあるようです。
菩提寺に仏壇の処分を依頼した場合の費用は、実費ではなくお布施という形でお支払いします。
仏壇の処分のお布施に明確な相場はありませんが、1万円~10万円が目安です。
なお、あくまでも目安のため事前に菩提寺に確認しておくようにしましょう。
自治体に依頼
自治体に依頼する方法もあります。
この場合には、粗大ごみとして処分することになるでしょう。
費用については格安で済む可能性が高く、目安は大きさにもよりますが数百円~数千円程度です。
ただし、粗大ごみとしての処分に抵抗がある場合や、ご近所の目が気になる場合には他の方法を検討する必要があります。
費用を抑えて処分する方法としてはおすすめの方法といえます。
仏具店や業者に依頼
仏具店や業者に依頼して処分する方法もあります。
仏具店においては専門店であることから、スムーズに処分を行うことができます。
費用は大きさにもよりますが、2万円~8万円が目安です。
ここでの業者については主にリサイクル業者をさしますが、場合によっては無料で引き取ってもらえる場合があるため、費用面ではおすすめです。
ただし、仏壇としては扱ってもらえないため、雑な処分をされる可能性があります。
あくまでも仏壇であるため、この点については検討の必要があるでしょう。
仏壇があれば位牌は必要ない?
仏壇があれば、位牌は必要ないのでしょうか?
以下に解説します。
位牌の種類
主に供養に用いられる本位牌には、大きく三種類あります。
- 塗り位牌(ぬりいはい)
- 唐木位牌(からきいはい)
- モダン位牌
これらの位牌から、仏壇にあった素材と大きさのものを選びます。
なぜ位牌が大切なのか
仏壇とはご本尊を祀る祭壇であるため、仏壇さえあれば位牌は必要ないのでは?という意見もあります。
しかし、位牌には故人の霊が宿るとされており、その故人の名前が刻まれています。
そのため位牌に名前が刻まれている限り、故人のことを忘れずに供養し続けることができます。
故人の存在を忘れず、いつまでも向き合っていくためにも、位牌は必要であるといえます。
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よくある質問
ここからは、よくある質問を取り上げて回答していきたいと思います。
Q1親が亡くなってしまった場合、実家の仏壇は誰が引き継ぐのか
実家の仏壇を引き継ぐ人の一般的な考え方
- 長男(または長女)
伝統的には、家督を継ぐ長男が仏壇を引き継ぐケースが多いです。ただし、現代では必ずしも長男に限らず、親の介護をしていた人や、仏壇の管理を担う意思のある人が引き継ぐ場合もあります。 - 親と同居していた人
実家で親と同居していた人が引き継ぐケースも一般的です。同居していた場合、仏壇がすでにその家にあるため、引き継ぎがスムーズになることが多いです。 - 法要やお墓参りを積極的に担う人
実際に仏壇を管理したり、法事やお墓参りなど仏事を続けていく意思のある人が引き継ぐことも増えています。
注意点
- 親族間でよく話し合うことが大切です。
法律的には「仏壇を誰が引き継がなければならない」という決まりはありません。相続財産とは異なり、家族の信仰や慣習を大切にしながら、家族間でよく話し合って決めるのが望ましいとされています。 - 引き継ぐ人がいない場合
家族の事情によって引き継ぐ人がいない場合は、お寺や霊園で「仏壇供養」や「魂抜き供養(閉眼供養)」を行い、仏壇を閉じる(処分する)方法もあります。
Q2家庭内で二人が亡くなり、どちらも宗派が異なる場合はどうすればよいか
宗派が異なる場合の考え方
1. 基本的には「家」単位で一つの宗派を優先するケースが多い
- 家庭内で仏壇を設置する場合、基本的には家(同じ戸籍単位)でひとつの宗派で祀ることが一般的です。
- どちらか一方の宗派に合わせて仏壇を管理し、法要を行うことが多いです。
2. 両宗派の教えを尊重し、両方に配慮した供養を検討する
- 例えば、お葬式や法要の際に、それぞれの宗派の僧侶をお呼びして供養を行うことも可能です。
- 宗派が異なる場合、仏壇やお位牌を分けて管理することもあります(個別に祀る、あるいは合同で祀る場合でも宗派ごとの作法を大切にする)。
具体的な対応例
ケース | 対応方法例 |
どちらかの宗派に統一したい | 家族で話し合い、主に家を継ぐ人(仏壇を引き継ぐ人)の宗派に合わせて供養を行う |
両方の宗派を尊重したい | – 法要の際に両宗派の僧侶を呼ぶ- お位牌をそれぞれの宗派ごとに準備して分けて供養する- 両宗派のお経を順番にあげてもらう(併修と呼ばれることもある) |
特に決まりがない場合 | 宗派問わず家族で話し合い、一番納得のいく形で供養をする(お寺や菩提寺にも相談する) |
注意点
- お寺・僧侶に相談するのが安心です。
宗派によっては他宗の儀式を認めない場合もあるため、信頼できるお寺やお坊さんに相談すると良いでしょう。 - 家族間の合意を大切にする。
宗教・宗派の問題は非常にデリケートなので、家族でよく話し合い、故人の意向も尊重しつつ、納得のいく形を選びましょう。
Q3仏壇は家のどこに置くべきか
仏壇を置く場所の一般的な考え方
1. 家族が集まりやすい場所に置く
- リビングや和室、家族が普段過ごす場所に置くと、日常的に手を合わせやすく、家族全員でお参りしやすくなります。
2. 静かで落ち着いた場所に置く
- 静かな和室や床の間(床の間があれば)に置くのが一般的です。
- 賑やかな場所や台所・トイレの近くは避けるのがよいとされています。
3. 直射日光や湿気を避ける
- 直射日光が強く当たる場所は、仏壇や仏具を傷める原因になります。
- 湿気の多い場所(浴室近く、結露しやすい部屋など)も避けた方がよいです。
具体的な配置例
おすすめの場所 | 理由 |
和室(床の間) | 格式があり、落ち着いた場所。伝統的に仏壇を置くのに適している。 |
リビング(目立たない一角) | 家族が集まりやすく、お参りしやすい。 |
2階の静かな部屋 | 集中してお参りできる。 |
避けた方がよい場所
- 台所や浴室の近く(湿気や油煙が多い)
- 玄関や通路(人の出入りが多く落ち着かない)
- トイレやその近く(不浄とされる場合が多い)
その他のポイント
- 方角は必ずしも決まりがあるわけではありません
伝統的には「南面北座(仏壇が南向き、参拝者が北向きに座る)」という考え方もありますが、現代の住宅事情では家族が参拝しやすい場所を優先することが多いです。
お寺や地域の習わしも確認を
地域によってしきたりが異なる場合があるので、菩提寺や親戚に確認しておくと安心です。
仏壇は必要ないについてのまとめ

ここまで、仏壇の必要性についてや、仏壇が必要ない理由などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 仏壇の意味は「家の中にある小さなお寺」
- 仏壇は必ずしも必要ではなく、他の供養方法もある
- 仏壇を無料処分できる方法はあるが、取扱いに注意
- 位牌は先祖や故人の名前を忘れないためにも必要
以上、これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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