法事法要
仏壇と厨子の違いは何?役割と種類を紹介!
更新日:2022.05.10 公開日:2021.12.24

記事のポイントを先取り!
- 厨子にはもともと食物棚や本棚としての役割があった
- 丸厨子や木瓜形厨子など複数の種類がある
- 厨子型仏壇は元々一部の宗派で取り扱われていたもの
近年、生活スタイルの変化から仏壇のデザインも多様化が見え、厨子型のミニ仏壇も目にする機会が増えました。
厨子(ずし)はお仏壇の新しいモデルというわけではなく、日本で古くから用いられてきた仏具の一つです。
そのため、仏壇と厨子についてその違いやもともとの用途を知る方は多くありません。
そこでこの記事では、仏壇と厨子の違いや役割について詳しくご紹介します。
この機会に、厨子についてや仏壇にも詳しくなっておきましょう。
一般的な仏壇と厨子型仏壇の違いについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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厨子とは
そもそも厨子とは、仏像やお位牌といった大切なものを保管しておくための箱のことです。
両開きの扉がついており、長方形のものが多く、現代の仏壇のルーツとも言われています。
厨子の歴史は非常に深く、現存するものでは法隆寺が所蔵する「玉虫厨子(たまむしのずし)」が有名でしょう。
玉虫厨子は飛鳥時代に製造され、現在では国宝として大切に保管されています。
また仏壇のような形のほか、円筒形や屋根がついた家屋形のものも見受けられ、現代ではデザイン性が高いものも豊富です。
厨子の役割
現代では、厨子は仏具の一つと捉えられています。
しかし、元々は仏具に限らず様々なものを収納する戸棚のような意味合いがあったと言われています。
そこで、厨子のルーツをひも解いて元々の意味合いから現代の厨子の役割まで、詳しくご紹介します。
元は食物や書籍を入れておく戸棚
厨子は中国が発祥と言われており、元来、厨房で使われる食物や書籍を収納する棚として用いられてきました。
そのため厨子の「厨」は厨房の字からきているとされています。
当初、日用品を収納する棚であった厨子は、時代の流れと共に仏像などを大切にしまっておく仏具としてかたちを変えていきます。
その経緯はひとえに、仏像など礼拝の対象物を少しでも良い場所に安置したいという信仰心の表れと言えるでしょう。
仏像を直射日光やホコリから守る
現代において厨子は、仏像などの礼拝対象を直射日光やホコリから守る役割を担っています。
木製の仏像や仏画、お位牌などはそれらの外部刺激を受けると時間と共に劣化していってしまいます。
外的刺激を避けることでいつまでも美しいかたちを保ってくれることでしょう。
ただ、ご先祖様の位牌や宗派の象徴である御本尊を厨子に納めて保管することは、それらを大切に保護するだけではありません。
厨子に納めた礼拝対象は、故人やご先祖様と心で繋がることの出来る神聖な空間を作り上げることが出来ます。
そして、いつまでもご自身の近くで心の拠り所となってくれることでしょう。
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仏壇と厨子の違いは何?
礼拝対象を納める意味では仏壇も厨子もあまり変わりがないように見えますが、実はそうとも言い切れない側面があります。
前述の通り、厨子はそもそも戸棚のような意味合いもあり、必ずしも仏壇のように仏様を納める必要はないのです。
特に大きく異なる点は、仏壇は一家に一基が原則ですが、厨子は一つでなくても良いところでしょう。
仏壇は、故人やご先祖様に対しいつでもお参りができるよう、お寺の本堂を自宅に構えたイメージです。
対して厨子は、仏様に限らず遺品やお守りなど、大切なものを納めておくことが出来ます。
礼拝対象を納めて神聖な空間とするために、ご自身の住宅環境やライフスタイルに合わせて最適なものを選ぶと良いでしょう。
厨子の種類
厨子にはいくつかの種類があります。
主に屋根の形状によって種類が分けられていますので、個々に詳しくご紹介します。
丸厨子
厨子の中で最もポピュラーなものが、この丸厨子でしょう。
屋根に丸みを帯びた造りになっており、木製の黒や朱の漆塗りで造られているものが多く、好みで選ぶことが出来ます。
扉部分はシンプルなデザインがよく見られますが、内側は金箔が施されているなど高級感のある印象を受けます。
木瓜形厨子
屋根部分が横広がりで、4つの隅に独特のアクセントがあしらわれた厨子を木瓜形(もっこうがた)厨子といいます。
扉部分も華やかな装飾のものが多く、内側は丸厨子同様金箔が施されているものが多いようです。
平厨子
奥行がほとんどない、平べったい印象のある厨子です。
板厨子と呼ばれることもあり、奥行がないので位牌や仏像を納めるのには向きません。
主に、仏画を納めてお祀りすることが多いでしょう。
帽額厨子
帽額(もこう)厨子は屋根部分が大きく、まるで軒下があるようなデザインの厨子です。
扉を開いた際、上部に金の額隠しが見えるなど、豪華で華やかな印象を与えるものもあります。
両面厨子
厨子の前後に扉がついているものを両面厨子といいます。
両側から扉を開けることができる仕様なので解放感がありますが、一般家庭で使用する機会は少ないでしょう。
印籠厨子
印籠(いんろう)厨子とは印籠のかたちをしており、持ち運び出来るコンパクトな厨子をいいます。
厨子は様々なものを納めておけますので、納めるものによって選べるようサイズも豊富に用意されています。
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厨子型仏壇と一般的な仏壇との違い
本来であれば、私たちがよく目にする従来の長方形のお仏壇は「厨子型仏壇」と言われています。
しかし、現代においての厨子型仏壇は、位牌や仏像を納めるコンパクトなお仏壇を指して紹介されている場合が多いでしょう。
ただし一部宗派では、もともと厨子が内臓されているお仏壇を使用します。
そのため厨子型仏壇とひと口にいっても、捉え方は仏壇を取り扱う販売店などによって異なる場合がありますので注意が必要です。
そこで、厨子型仏壇と一般的な仏壇の違いについて、現代の考え方をあわせて詳しく解説します。
大きさの違い
厨子型仏壇と一般的な仏壇の違いとして第一に上げられるのが、仏壇そのものの大きさです。
厨子型仏壇は、現代のライフスタイルに合わせたコンパクトな作りのものが多く、厨子型ミニ仏壇などと紹介され、モダン型仏壇より更にサイズが小さく、インテリアに合わせて様々なデザインが選択出来ます。
また、モダン型仏壇などと紹介されている家具調の仏壇よりもサイズが小さく、インテリアに合わせて様々なデザインが選択出来ます。
ただし日蓮正宗で厨子型仏壇を求める際は、一般的なサイズの仏壇を紹介されます。
仏壇の名称や紹介の方法が統一されていないので、ご自身の宗派を確認した上で仏壇を選択しましょう。
宗派の違い
もともと、厨子型仏壇は日蓮正宗など一部の宗派で使われていた仏壇です。
そのため厨子型仏壇というと、聞く人によっては上記の宗派を連想される場合もあるでしょう。
ただし、日蓮正宗などは仏壇内部や仏具が一部異なりますので注意が必要です。
また、厨子型ミニ仏壇などという名称で販売されている仏壇については宗派を問わず使用できます。
デザインや用途の違い
厨子型仏壇はどの宗派の方でも使用でき、デザイン性や用途も個人の考え方によって様々です。
限られたスペースでも配置がかないますので、ご自身のライフスタイルに合わせて選んでも問題はありません。
ただし、菩提寺がある場合は仏壇の魂入れなどの儀式もあるので、菩提寺と相談しながら決めても良いでしょう。
また、日蓮正宗で厨子型仏壇を構える際は、その宗派の教えにならった購入をおすすめします。
厨子を購入する際の選び方のポイント
多くの種類がある厨子ですが、実際に購入する際に注意したいポイントについて解説します。
サイズ
厨子のサイズは、非常に豊富に用意されています。
そのため、まずは自身が求めたい厨子のサイズ(縦・横・奥行)を明確にしておきましょう。
特に、インターネット通販などで購入する場合は、サイズのイメージがつきにくい場合もあります。
厨子は仏具店などで取り扱いがありますので、実際に実物を見ることができると安心です。
仕様
厨子には大切な物を納めるだけのシンプルな仕様から、ダウンライトなどの装飾があるもの、扉が自動で開くものなど様々です。
また、セミオーダーで厨子を制作出来る店舗もあり、仕様変更がかなう場合もあります。
気になる仕様があればピックアップしておくと、厨子を買い求める際の指針になるでしょう。
デザイン
厨子には、実にたくさんのデザインがあります。
前述した厨子の種類によって厨子の形状が異なるほか、最近では素材や装飾もかなり豊富になりました。
木製のシンプルなものや、中にはガラス素材で造られていて中身が見えるデザイン性の高いものもあります。
自身の気に入ったものを選択すると良いでしょう。
金額
厨子の金額はサイズや素材、デザインによって大きく異なります。
持ち運び出来る小さなサイズのものではおおよそ5千円から販売されています。
しかし、デザイン性の高いものや大きいものは30万円を超えるものも少なくありません。
厨子は仏具の一つですので、一度買い求めたものは長いお付き合いになることが多いでしょう。
気に入ったものと長く付き合うためにも、サイズやデザインだけでなく、こうした価格帯も購入時の注意ポイントの一つとなります。
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仏壇と厨子まとめ

これまで仏壇と厨子の違いや、厨子の種類について中心に解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 厨子は元々は戸棚としても使われていた
- 仏壇は一家に一基とされているが、厨子は特に決まっていない
- 厨子型仏壇は宗派によって異なる場合がある
- 厨子はサイズや仕様など種類が豊富にあり、金額も様々である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

唐沢 淳(からさわ じゅん)
経歴
業界経歴10年以上。大手プロバイダーで終活事業に携わる。葬儀の現場でお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから大人数の葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとにも数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、ユーザー目線でのサービス構築を目指す。
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