お葬式
厄払いにはどんなマナーがあるの?服装や祈祷料などのマナーを紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.08
日本では厄払いを行うことで、良くないことが起こるのを防ぐ風習があります。
厄払いを受ける際に、どのようなマナーがあるのかを知っておきましょう。
この記事では、厄払いを行う際の様々なマナーについて解説していきます。
厄払いのマナーを詳しく知っておけば、実際に自分が行う時に役立つことでしょう。
代理・喪中での厄払いなどのシチュエーションについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 厄払いとは
- 服装に関するマナー
- 祈祷料に関するマナー
- 受け方に関するマナー
- お札・お守りに関するマナー
- 代理での厄払いは失礼になる?
- 喪中でも厄払いはできる?
- 生理中の厄払いはマナー違反?
- 分からなければ神社に相談すること
- 厄払いのマナーまとめ
厄払いとは
厄払いとは、神社で祈願・祈祷を受けることによって、厄を払う儀式のことを指します。
つまりこの儀式は、自分にとって良くないことをもたらすものを払うためのものです。
一般的に厄年に行われることが多いですが、厄年に限らず悪いことが続く場合などにも受けることがあります。
厄払いは神道の教えに則った儀式であり、神道で良くないとされる穢れ・邪気を払うことを目的としています。
また、これと同じような儀式として、厄除けがあります。
一般的に厄除けは寺院で行われる儀式であり、厄が降りかからないように予防するものです。
対して厄払いは自身が持つ厄を払うための儀式なので、儀式の意義にも違いがあります。
スポンサーリンク服装に関するマナー
ここからは厄払いに参加する際の服装マナーについてご紹介します。
男性と女性それぞれの服装を紹介するので、参考にしてください。
男性の服装
厄払いにはフォーマルな服装で参加するのが一般的です。
男性の場合であれば、黒かネイビーなどのシックな色味のスーツを着用するのが良いでしょう。
また、ネクタイは黒か白のものを付け、靴はスーツに合わせて革靴を履きます。
普段スーツを着ないという方は、ジャケットやスラックスを着用することでフォーマルな印象の服装になります。
女性の服装
女性も男性と同様に、落ち着いた色味のフォーマルスーツかワンピースを着用するのが一般的です。
スーツやワンピースなどがない場合は、シックな色味の襟のある服にパンツやスカートを合わせましょう。
夏にサンダルを履く場合は素足で履くのを避け、ストッキングを着用してください。
私服でもマナー違反ではない
上述したように、厄払いにはフォーマルな服装で出席するのが望ましいと考えられますが、私服もマナー違反ではありません。
特に若い方だと、スーツやフォーマルなデザインの服を持っていないという方もいらっしゃるでしょう。
その場合には、シックな色合いの私服であれば問題ありません。
マナー違反な服装
男性も女性も派手なものやラフなもの、奇抜なデザインのものは厄払いの服装として相応しくないとされています。
例えば、カジュアルな印象を与えるデニムや露出の多いショートパンツ、ミニスカートはNGです。
厄払いは神社で行う儀式であるため、礼儀をわきまえてカジュアル過ぎない服装を心がけましょう。
また、拝殿に入る時には事前に上着や手袋・マフラーなどの防寒具を外すのがマナーです。
拝殿は神前であり神聖な場所であるため、服装にも充分に気をつけましょう。
神社ごとの服装マナー
上述したのはあくまで一般的なマナーです。
厳密にいうと服装のマナーは、神社ごとに異なります。
神社によってはジーンズなどを着用して参加することを認めている場合もあるでしょう。
もし服装について不安がある場合には、あらかじめ儀式を受ける神社に問い合わせることをおすすめします。
不安が払拭され、落ち着いて厄払いに臨めるでしょう。
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祈祷料に関するマナー
厄払いの際に神社に渡す祈祷料は「初穂料」と呼ばれます。
元来、日本ではその年初めて取れたお米の稲穂を初穂として、神様に捧げるという風習がありました。
現在では、稲穂の代わりとして「初穂料」としてお金を捧げるのが一般的です。
まずはのし袋の選び方や書き方、祈祷料の金額の相場についてご紹介します。
のし袋の書き方
初穂料ののし袋は、紅白の蝶々結びの水引が付いているものか、白封筒を使います。
その際、表書きには「御初穂料」と書きましょう。
表書きの下には自分の名前をフルネームで書きます。
中袋には表面に金額を書き、裏面に住所と名前を書きましょう。
中袋がないタイプの場合には、のし袋の裏面に住所と金額を書きます。
祈祷料の相場
初穂料は、5000円〜1万円が相場です。
ただ、神社によって必要となる初穂料が異なるため、事前に神社側に問い合わせておくことをおすすめします。
包む金額には、忌数字として嫌われている「4」や「9」といった数字が含まれないようにしましょう。
また、お札は新札を用意し、のし袋の表面側にお札の表面が来るように入れます。
お札が複数枚になる時には、全ての向きを揃えるのが正しいマナーです。
祈祷料の渡し方
初穂料は、のし袋を袱紗(ふくさ)に包んで持参しましょう。
これはのし袋が汚れたり折れたりしないためです。
初穂料を渡す時には、包んでいた袱紗からのし袋をまず出します。
そして包んでいた袱紗をたたみ、その上にのし袋の文字が相手向きになるように置きましょう。
相手に両手で差し出します。
その際、「本日はよろしくお願いいたします」と一言添えると丁寧です。
のし袋に入れずにお金をそのまま渡すのはマナー違反です。
神社によっては、のし袋に入っていなければ受け取ってもらえないケースもあるので注意しましょう。
スポンサーリンク受け方に関するマナー
次に、厄払いを受ける際のマナーについてご紹介します。
厄払いを受けることになった場合の流れを知っておきましょう。
事前予約をする
厄払いは事前に予約をしなくても、当日の申し込みで行ってくれることが多いようです。
しかし、神社の行事などと重なる場合や、繁忙期の場合にはその日中の厄払いは難しくなります。
また、神社によっては事前予約必須という条件の場所もあるでしょう。
その場合は、当日に厄払いを行うことはできません。
あらかじめスケジュールを抑え、事前予約することをおすすめします。
当日の流れ
ここからは実際に厄払いを受ける際の、当日の流れについてご紹介します。
以下の手順を知っておけば、自身が受ける際もスムーズでしょう。
受付
まず神社に到着したら、厄払いの受付を行います。
受付は社務所で行うのが一般的です。
必要な書類に記入し、求められた場合にはここで初穂料を渡します。
もし初穂料を求められなかった場合には、いつ出せば良いかを尋ねておきましょう。
手水
受付が終わったら、案内されるまでの間に手水で手と口を洗い、清めておきましょう。
手水はまず、右手で柄杓を持ち、左手に水をかけて清めます。
次は左手で柄杓を持ち、同様に右手を清めましょう。
両手を清めたら次は右手で柄杓を持ち、左手に水を注いでその水で口をすすぎます。
口をすすいだら最後に両手で柄杓を持ち、柄杓を立てるようにして持ち手部分に水を流して清めます。
最後に柄杓を置いて一礼すれば手水は終了です。
昇殿
手水を行ったら、いよいよ拝殿に靴を脱いで上がります。
また、その際、裸足で昇殿するのはマナー違反とされているため注意しましょう。
玉串拝礼
拝殿に入ると、儀式が始まります。
儀式では神主が祝詞(のりと)を呼んだり、巫女が神楽(かぐら)を舞ったりすることで厄を払ってくれます。
また、儀式の最後では玉串を受け取り、祭壇に供える玉串拝礼を行います。
玉串拝礼は、参加者が自分で行う場合が多いようですが、場合によっては神主が代理で行う場合もあります。
お札拝受
玉串拝礼が終わったら、祈祷は終了です。
祈祷後は、厄から身を守るためのお札やお守りなどをいただいて帰ります。
お札は家の神棚に飾り、お守りは普段から持ち歩くようにしましょう。
お礼参りも忘れないこと
厄払い後には無事に過ごせたことへのお礼として、神社にお礼参りに伺いましょう。
お礼参りは一般的に、厄払いの一年後に行くのが良いとされています。
お礼参りではまず、厄払いの時にいただいたお札やお守りを返納します。
その後神社に参拝し、神様への感謝の気持ちを表しましょう。
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お札・お守りに関するマナー
ここからはお札やお守りに関してのマナーをご紹介します。
厄払いでお札やお守りをいただいた場合には、以下の祀り方・返納の仕方を参考にしてください。
祀り方
厄払いのお札は、南か東向きに飾ると良いとされています。
これは南が明るい方角であること、東が太陽の昇る方角であることが理由です。
また、お札を飾る場所は自分の頭よりも高い位置が良いとされています。
神様の気が入っているお札を、人間よりも高い位置にいる神様の分身として飾るためです。
なお神聖なお札は、汚い場所に飾ったり、画鋲などで刺したりしないように気をつけましょう。
1階の部屋に飾る場合も気をつけてください。
なぜなら2階に上がった時に、お札よりも高い位置に自分がいることになってしまうためです。
もし1階に飾りたい場合は、お札の上の天井に「天」という字を書いた紙を貼り付けましょう。
そうすればそこが一番高い位置と認識されます。
お守りをいただいた場合は、普段から肌身離さずに持ち歩きましょう。
もし様々な理由から持って歩くのが難しい場合には、お札と同様に家の中に祀ります。
返納の仕方
厄払いのお札やお守りは一般的に、それをいただいた神社に返納するものとされています。
返納する際は、神社に直接出向くのが良いでしょう。
返納はただお札やお守りをお返しするだけではなく、自分の感謝の気持ちを伝えるためでもあります。
今まで自分を厄から守ってくれた神様に対してお礼を伝えるためのお礼参りも兼ねて、返納に向かいましょう。
また、もしお札やお守りをいただいた神社を再度訪れるのが難しい場合には、近所の神社に返納します。
場合によっては、何らかの事情でそれさえ難しいということもあるかもしれません。
そのような時にはお札やお守りに塩をかけて、新聞紙などに丁寧に包んでゴミに出しましょう。
ゴミに出す場合は他のものと一緒にするのではなく、お札やお守りだけを別で包んで捨てます。
神聖なものであることを忘れず、神様への感謝を伝えて処分しましょう。
スポンサーリンク代理での厄払いは失礼になる?
厄払いを行いたいと思っていても、仕事や介護などで忙しく行けない方もいるでしょう。
その場合、他の方に代理で行ってもらいたいと考える方もいるのではないでしょうか。
結論を言うと、厄払いを他の家族が代理で行うことは問題ないとされています。
代理であることと、厄払いをしたい人の名前と生年月日を神社へ伝えましょう。
しかし、神社によっては代理での厄払いを受け付けていない場合もあるため、事前に問い合わせておくと安心です。
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喪中でも厄払いはできる?
神道では、死を穢れだと考えているため、忌中や喪中に神社へ入ることはマナー違反とされています。
特に、四十九日を終えるまでの間の期間である忌中は、「穢れを広げる」として境内に入ることがタブー視されています。
そのため、忌中の場合には厄払いを行わない方が良いでしょう。
最近では昔よりもこうした考え方が薄くなっており、喪中であれば問題ないとしている神社もあります。
神社によって、喪中におけるお参りへの考え方は様々です。
もし喪中で厄年になった場合は、厄払いに行っても問題ないかどうかを事前に神社に問い合わせてみましょう。
スポンサーリンク生理中の厄払いはマナー違反?
神道では血を穢れとして捉えるため、生理中に厄払いに行くのは避けるようにと昔からいわれてきたようです。
そのため、生理中に厄払いへ行くのはマナー違反ではないかと考える方も多くいます。
しかし、現代では生理中の厄払いがマナー違反という考えは薄くなってきているようです。
元々、これは生理中は身体が弱っているから安静にしておくべきだという考えに基づいたものだという説もあります。
もし体調的に問題ないようであれば、参拝に行っても良いでしょう。
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分からなければ神社に相談すること
もし厄払いを受けるに当たって分からないことがある場合は、事前に直接神社に相談することをおすすめします。
これは神社によって、考え方やマナーが異なる場合があるためです。
その神社について知るためにも、厄払いをする神社に直接尋ねるのが良いでしょう。
曖昧なまま当日を迎えてしまうと、不安な気持ちで儀式に向かわなければならなくなります。
事前にはっきりさせ、落ち着いて儀式に参加できるように準備しておくことが大切です。
スポンサーリンク厄払いのマナーまとめ
ここまで厄払いのマナーについて詳しく紹介してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 厄払いは神社で祈願・祈祷してもらうことで自分の厄を払う儀式
- 厄払いの服装は男性・女性ともにフォーマルな格好が最適
- 厄払いは事前予約すると安心
- 多くの神社では代理で厄払いするのは問題ないとされている
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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