法事法要
三具足とは何を指すの?三具足の意味や飾り方などを紹介
更新日:2022.05.17
祭壇や仏壇に飾られる、燭台・香炉・花立の3つを三具足(さんぐそく/みつぐそく)といいます。
三具足はどのように並べて、飾るのが正しいのでしょうか。
そこで、この記事では三具足について詳しく説明していきます。
この機会に、三具足の意味についても知っておきましょう。
四具足(しぐそく)や五具足(ごぐそく)についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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三具足とは
三具足とは、燭台・香炉・花立の3つの仏具をまとめた呼び方です。
具足には「過不足がなく、必要なものが揃っている」という意味があります。
三具足の歴史は、およそ650年以上前の室町時代からといわれています。
それまで三具足の定義や並べ方は決められていませんでした。
室町〜江戸時代にかけて徐々に三具足の定義は固まっていったようです。
仏具の中でお参りに欠かせない三具足には、「故人が安らかに眠れるように」「仏のご加護があるように」という願いが込められています。
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燭台には火を灯した蝋燭を供え、花立てには生花を飾ります。
香炉は線香を立てたり焼香の際の受け皿となりますが、なぜこれらをお供えするのかについて説明していきます。
蝋燭をお供えする意味
蝋燭(ろうそく)の灯は穢れ(けがれ)を祓い、煩悩を浄化する効果があるとされています。
また、蝋燭の灯は暗闇を照らしてくれるため、ご先祖さまが現世と浄土を行き来する際の目印になります。
蝋燭は仏様の慈悲や知恵の象徴という位置づけになっており、お供えに欠かせないもののひとつです。
燭台の素材やデザインについては、宗派ごとの明確な決まりはありません。
真ちゅう製や陶器製、黒檀(こくたん)を使用した燭台もあります。
近年では、火事の心配がない電気式の蝋燭が人気です。
香炉をお供えする意味
香炉とは線香などの香料を熱したものを入れ、香りを発散させる容れ物のことです。
焼香の際は抹香を落とすところが香炉となります。
仏教では、故人が亡くなると香りを食べるとされています。
線香を焚くことは故人への供養であると同時に、浄土へ旅立つ際の道しるべの役割も兼ねています。
遺体の保存が難しかった古代では、腐敗臭を紛らわせる実用的な意味もありました。
また、線香の香りが部屋の隅々まで行き渡ることで、仏壇にお参りする人の心を清め、仏さまと心をつなげるとされています。
香炉には火舎(かしゃ/ほや)香炉や土香炉・長香炉など、たくさんの種類があります。
火舎は主に浄土真宗で使用される香炉です。
丸みを帯びた3本脚のデザインが特徴で、蓋のついているタイプです。
土香炉も浄土真宗で使用される香炉で、青磁(せいじ)という青緑色の釉(釉)で仕上げられています。
丸みを帯びたデザインや、透かし彫りの入ったデザインなどさまざまです。
線香は折って寝かせる形で供えます。
長香炉はその名の通り、長細い形の香炉で線香を寝かせてお供えする宗派で使用されます。
線香を立ててお供えしないため、火事の心配があまりない香炉といえるでしょう。
花をお供えする意味
花立てには生花をお供えして故人を供養します。
故人の好きだった花を供えることで故人を思い出し、会話をしているような気持ちになれます。
また、厳しい自然環境の中できれいな花を咲かせて生き抜く姿から、仏様のもとで修行する故人と重なるという意味合いも含んでいます。
四十九日までは白色の花をメインに飾りますが、忌明け以降はカラフルな色の花を供えても問題ありません。
中国の五行説にちなんで、五色や六金色(ろっこんじき)がベースになるのが一般的です。
五色とは「青・赤・黄・白・黒(紫)」の5色を指します。
六金色は「青・赤・黄・白」に淡紅(橙色より少し茶色よりの色)と五色の混合色を加えた6色のことを指します。
花の種類に厳密な決まりはありませんが、棘や毒のある花はタブーとされています。
お供え用として飾るので日持ちの良い種類を選ぶことも大切です。
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三具足の飾り方
三具足はどのように飾ればいいのでしょうか?
ここでは、三具足の並べ方について説明します。
三具足の並べ方
三具足の場合、まず香炉を中心に置きます。
向かって左側に花立て、向かって右側に燭台を置くのが基本の形です。
3本脚の香炉の場合は、1本が正面を向くようにして置きましょう。
三具足はどこに飾る?
三具足は仏壇の最下段に飾るのが一般的です。
もし、置けないようであれば仏壇前に台を用意して飾ります。
台には直接置かず、飾り用の布を敷いてから置くようにしましょう。
五具足とは
三具足と似たような言葉に五具足があります。
五具足とは「香炉×1・燭台×2・花立て×2」の5つの仏具をまとめた総称です。
三具足に燭台と花立てを1台ずつ追加した形が五具足です。
普段、仏壇にお参りする際は三具足で十分ですが、回忌法要など特別な弔事では五具足を使用することが多いようです。
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五具足の飾り方
ここでは、五具足を飾る場所や並べ方について説明します。
五具足の並べ方
五具足の場合、中心に香炉を置きます。
香炉の両脇に燭台を置き、さらに左右の燭台の脇に花立てを並べます。
このとき、燭台は香炉よりも少し奥側に置き、花立ては燭台よりもさらに奥側に置くようにしてください。
五具足はどこに飾る?
五具足を飾る場所は、基本的に最下段となります。
仏壇のつくりによっても変わってきますが、最上段はご本尊が祀られ、位牌はご本尊よりも少し低い位置に置きます。
中段は仏飯器や茶湯器・高坏に乗せた果物など食べ物を中心に供えます。
仏具はその下の段に置かれるのが一般的です。
引き出し式の棚がついている場合は、その棚に仏具を置くこともあります。
五具足が置けない場合は?
近年では、マンション向けのコンパクトな仏壇も販売されています。
仏壇が小さいと、五具足を置くのが難しい場合もあるでしょう。
そのようなときは三具足でお供えしても問題ありません。
法事・法要でも無理に五具足を置かず、三具足で執り行いましょう。
スポンサーリンク宗派ごとの三具足
先述通り、三具足とは香炉・燭台・花立を1組にまとめた総称のことですが、宗派ごとに三具足の内容が変わることはあるのでしょうか。
ここでは、宗派ごとの三具足について説明していきます。
宗派による違いはほとんどない
三具足は、どの宗派でも「香炉・燭台・花立」の3つが基本です。
三具足とは仏教特有の飾りものになります。
故人が亡くなってすぐに設置される枕飾りから日常の仏壇まで、三具足は必ず置かれます。
線香を立てる本数や、お参りの仕方などは宗派によって違いがありますが、三具足に関してはどの宗派も同様の仏具となります。
浄土真宗における四具足とは
四具足は浄土真宗における仏具であり、浄土真宗以外ではあまり見受けられません。
浄土真宗には本願寺派と大谷派がありますが、それぞれ四具足の内容は異なります。
本願寺派
本願寺派の四具足とは、「燭台・火舎香炉・華鋲(けびょう)×2」となります。
華鋲(けびょう)とはひょうたん型の浄水を入れる仏具のことで、2つで一対が基本の形です。
浄土真宗においては花供養ではなく、樒(しきみ)を香木(こうぼく)として活けます。
大谷派
大谷派の四具足は「燭台・火舎香炉・仏器×2」が基本の形です。
仏器とは飲食をお供えするための仏具です。
仏器には盛糟(もっそう)という型抜きの道具を使って、ご飯を山盛りにして供えます。
宗派によって四具足の内容が異なるため、購入の際は気を付けてください。
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六具足や十一具足とは
三具足や四具足・五具足以外にも、六具足や十一具足として仏壇・仏具店で販売されてるものがあります。
六具足とは「花立て×2・燭台×2・前香炉×1・玉香炉×1」の仏具を指します。
しかし、宗派や仏具店によってセット内容は異なります。
「燭台・香炉・花立て」の三具足に「仏飯器・湯呑・線香差し」を加えたものを六具足とするところもあります。
十一具足とは、六具足に「線香差し・マッチ消し・仏飯器×2・茶湯気」の仏具を加えたものです。
販売店によっては玉香炉の代わりに、りんを入れるところもあります。
スポンサーリンク三具足まとめ
ここまで、三具足の情報に加え、四具足・五具足についても詳しくお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りになります。
- 三具足とは「香炉・燭台・花立て」の3つの仏具を指す
- 五具足とは「香炉・燭台×2・花立て×3」の5つの仏具を指す
- 浄土真宗では宗派によって四具足の内容が異なる
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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