法事法要
浄土真宗における弔い上げについて。宗派ごとの違いも解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.11

記事のポイントを先取り!
- 弔い上げとは年忌法要を全て終了する行事のことである
- 浄土真宗の弔い上げは三十三回忌が一般的である
- 浄土真宗の年忌法要は親族で集まり故人を偲ぶためのもの
浄土真宗は独自の考え方がある宗派ですが、弔い上げについてはご存知でしょうか。
浄土真宗の理解を深めることで、ご先祖様や故人の供養にも繋がります。
そこでこの記事では、浄土真宗における弔い上げについて詳しく説明していきます。
この機会に、浄土真宗における弔い上げのマナーやタイミングについて覚えておきましょう。
後半では弔い上げの後にする事についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 弔い上げとは
- 浄土真宗においての年忌法要の考え方
- 浄土真宗における弔い上げについて
- 各宗派における弔い上げのタイミング
- 浄土真宗における法事の準備と進め方
- 浄土真宗の法事におけるマナー
- 弔い上げの後にする事
- 浄土真宗における弔い上げについてのまとめ
弔い上げとは
弔い上げとは、故人が供養するために定期的に開催する年忌法要を全て終了する行事のことです。
別名「問い上げ」や「上げ法要」または「揚げ斎(あげどき)」などとも呼びます。
また年忌法要は、追善供養の1つになります。
追善供養とは、遺族などが故人のためを想って法要を行い供養することで、故人がより良い方向へ進むことを祈ることです。
故人を供養することで、その善行が遺族自身にも返ってくると考えられています。
日頃のお墓参りや仏壇に手を合わせるといった行為も、追善供養の1つになります。
僧侶や親族を呼んで法要を執り行うことを年忌法要と言い、弔い上げは最後に開催する年忌法要のことです。
宗派にもよりますが、一般的には三十三回忌や五十回忌で年忌法要は弔い上げとなることが多いです。
この理由として、仏教では三十三回忌や五十回忌の法要となるタイミングには、どのような魂であっても極楽浄土へ行くと考えられているためです。
弔い上げのあとは、それまで供養していた故人の魂は成仏して仏様となり、ご先祖様の霊となるとされています。
浄土真宗においての年忌法要の考え方
浄土真宗においての年忌法要の考え方は、他の宗派とは異なる点が多いです。
他の宗派は追善供養として年忌法要を行いますが、浄土真宗では人は亡くなったらすぐに成仏すると考えられているため、追悼供養としての意味合いはありません。
浄土真宗においての年忌法要は、遺族や親族で集まることで故人を偲ぶために行うといった考え方になります。
故人を通して仏教の教えに触れることで、ご先祖様や仏様、故人に改めて感謝する機会となるのです。
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浄土真宗における弔い上げについて
浄土真宗では、一周忌・三回忌・七回忌・十三回忌・十七回忌・二十三回忌・二十七回忌・三十三回忌を行い、弔い上げは三十三回忌とすることが一般的です。
これは他の宗派と同様のタイミングと言えます。
実際にどの法要を弔い上げにするかどうかは、明確には決まっていないのが事実です。
弔い上げのタイミングは、お寺の考え方や地域によっても異なります。
そのため、弔い上げをどの法要のタイミングで行うかは、菩提寺や親族とよく相談して決めることをおすすめします。
各宗派における弔い上げのタイミング
次は宗派別の弔い上げのタイミングについて紹介していきます。
一言に仏教と言ってもさまざまな宗派があるので、ぜひ参考にしてください。
真言宗
真言宗では、一周忌から十七回忌までを通常どおりに行います。
その後、二十三回忌と二十七回忌を省略して代わりに二十五回忌を24年目に行います。
弔い上げは三十三回忌に行うケースが多いです。
真言宗では、その後も「五十回忌」や「百回忌」などの「遠忌(えんき)」と呼ばれる年忌法要を行うことが特徴です。
曹洞宗
曹洞宗では、一周忌から二十五回忌までを通常通りに行い、三十三回忌が弔い上げとなるケースが多いです。
ただし、地域によって違いがあり、二十五回忌を行わない代わりに二十三回忌と二十七回忌を行う場合もあります。
曹洞宗では真言宗と同様に弔い上げを行ったあとに、五十回忌や百回忌を行うことが特徴です。
臨済宗
臨済宗では、一周忌から十七回忌までは通常通りに行い、その後の法要は地域差が出ることが多いです。
地域によって、二十三回忌を行うところと二十五回忌を行うところに分かれるようです。
弔い上げは三十三回忌に行い、その後の年忌法要は行わないことが一般的になります。
日蓮宗
日蓮宗では、一周忌から十七回忌までを通常通りに行います。
その後、二十三回忌や二十七回忌を行いますが、二十五回忌を行うことで二十三回忌と二十七回忌を省略するケースがあります。
日蓮宗では、弔い上げという概念がないことが特徴として挙げられます。
本来は弔い上げを行うことはありませんが、法要を取り仕切る者が亡くなった時点で最後の年忌法要とする場合もあるようです。
天台宗
天台宗では一周忌から十七回忌までを通常通りに行います。
その後は、二十五回忌を行う代わりに二十三回忌と二十七回忌は省略することが多いです。
天台宗の弔い上げは、三十三回忌になります。
浄土真宗
浄土真宗は、他の宗派とは法要の考えが異なることが特徴です。
年忌法要は故人の追善供養として行うことはありません。
浄土真宗では、人間は亡くなったらすぐに成仏すると考えられています。
そのため、故人が極楽浄土に行けるように手助けする追善供養を必要としません。
浄土真宗が考える年忌法要の目的は、親族が集まり故人を偲ぶこととされています。
年忌法要や弔い上げを行うタイミングに関しては、他の宗派と同じです。
一周忌から始まり三十三回忌まで通常通りに行い、弔い上げはこの三十三回忌とされています。
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浄土真宗における法事の準備と進め方
次に、浄土真宗における法事の流れを紹介していきます。
準備から返礼品まで一通りの流れを説明していきますので、参考にしてください。
お寺に連絡
まずは法事の日程を決めていきます。
参列する遺族や親戚の都合を確認してから、お寺へ法事を行う旨を伝えるといいです。
あまりにもぎりぎりに連絡するとスケジュール調整が難しくなるため、時間に余裕を持って調整を進めていきましょう。
先祖代々のお墓のある菩提寺(ぼだいじ)があるケースでは、菩提寺に連絡することをおすすめします。
なお、自宅にて法事を行う場合には、必要なものを全てそろえる必要があります。
具体的には、御本尊や掛け軸、ろうそくを用意しましょう。
また仏壇の飾り付けも行うことになりますので、必要な物について事前に確認し、余裕を持って準備していくことをおすすめします。
案内状の送付
法事の日程が決定したら、次は案内状の送付作業をしていきます。
法事に招待する方々に、法事の日程や会場を記載したものを発送します。
なお、身内のみで法事を執り行い、全員がお寺の場所や会場を知っているケースでは、電話やメールによる案内でも問題ありません。
また、浄土真宗では人間は亡くなったらすぐに成仏すると考えられています。
そのため他の宗派とは異なり、法事の意味合いは追悼供養の意味合いではないので「冥福」や「供養」といった言葉を使わないよう注意しましょう。
お斎の予約
法要後の会食である「お斎」の会場が自宅ではなくお店の場合、事前に予約しておくことをおすすめします。
予約する際に法事で利用する旨をあらかじめ伝えておけば、適した料理を提供していただけます。
お酒は振舞っても問題ありませんが、お祝い事を連想させるような伊勢海老や鯛などは避けることがマナーになります。
参加する人数が多いと予測される際は、会場までの移動手段がない方のためにも送迎してくれるお店を選ぶとよいでしょう。
お供え物と返礼品の用意
法事を行う際には、お供え物や返礼品の準備も必要となります。
お供え物としては、餅や落雁(らくがん)を用意することがおすすめです。
お供えする台は宗派ごとのマナーやルールがありますが、左右に同じ数ずつお供えすることは、他の宗派と同様になります。
配置に関してはあまり気にしなくても大丈夫です。
自宅で法事をするケースでは、線香や花、経本も必要となるので覚えておきましょう。
返礼品とは、参加者に対して香典のお礼としてお渡しするものです。
参列者が来る場合には感謝の気持ちを表すためにもきちんと準備をするようにしましょう。
返礼品におすすめのものは、お菓子や故人の好物だったもの、近年ではカタログギフトの人気も上がってきています。
スポンサーリンク浄土真宗の法事におけるマナー
浄土真宗の法事におけるマナーについて紹介していきます。
項目ごとに分けて紹介していきますので、気になったものから順にご覧ください。
香典
浄土真宗では、香典袋の書き方が他の宗派と異なります。
香典袋には四十九日前であっても「御霊前」ではなく、「御仏前」または「御香典」と記載することがマナーになります。
この理由としては他の章でも説明した通り、浄土真宗には成仏するといった概念がないためです。
浄土真宗では亡くなってすぐに仏様になると考えられているため、香典袋には「御仏前」と記載します。
数珠
浄土真宗には浄土真宗本願寺派や真宗大谷派などの宗派がありますが、数珠は宗派によってマナーが異なります。
浄土真宗で使われる数珠は、蓮如結びの房が特徴の数珠を使用することが一般的です。
これは、浄土真宗では念仏を唱える際に数取りの必要がないためです。
持ち方は、浄土真宗本願寺派では数珠を二重にして合掌した手に掛け、房を下に垂らすようにすることがマナーです。
一方で真宗大谷派では、二重にした数珠を両手に掛け、房は上から左側に垂らすようにすることがマナーです。
数珠の持ち方は間違えやすいポイントであるため、法事に参加する際には事前に確認することをおすすめします。
焼香
浄土真宗では焼香の作法も特徴的です。
他の宗派では、一般的に御香をつまんで額に押しいただくことが多いですが、浄土真宗ではつまんだ後に焼香を額に押しいただかずそのまま香炉にくべます。
焼香の回数については、浄土真宗本願寺派は1回ですが、真宗大谷派では2回とされています。
焼香の回数は宗派により異なりますので、十分に注意しましょう。
線香
浄土真宗では、線香の立て方についても他の宗派と異なります。
線香は香炉に立てることが一般的ですが、浄土真宗では寝線香がマナーになります。
寝線香とは、1本の線香を2つか3つに折って寝かせることです。
このように線香の立て方が一般的な作法とは異なるためので、間違えないように注意しましょう。
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弔い上げの後にする事
最後に、弔い上げが済んだ後にすることを紹介していきます。
一般的には位牌の処分や永代供養の手続きを行いますが、浄土真宗では基本的に位牌を必要としないため不要になります。
浄土真宗でも希望すれば位牌を作ることは可能になりますので、位牌の処分についても紹介します。
位牌は寺院にてお焚き上げをすることが一般的です。
弔い上げ後の遺骨は、先祖代々のお墓で永代供養をしてもらうことも、合同墓に遺骨を合祀(ごうし)して永代供養をしてもらうこともできます。
ただし合同墓で合祀をするケースでは、一度お墓に納めた遺骨を後から取り出すといったことはできなくなります。
そのため、親族間でしっかりと話し合った上で、合祀するかどうかを決めることをおすすめします。
浄土真宗における弔い上げについてのまとめ

ここまで浄土真宗における弔い上げについての情報や、マナーを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 一般的には三十三回忌や五十回忌で弔い上げとする
- 寺院を介して法要を行う場合は準備を前倒しで行う
- 浄土真宗の香典袋の表書きは四十九日前でも御仏前
- 弔い上げ後は位牌があれば位牌の処分と永代供養の準備をする
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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