法事法要
木魚にはどんな意味があるの?読経の際に叩く理由について説明
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.11
葬儀や法要などで、読経の際に木魚を叩く姿を目にしたことがある方は多いかと思いますが、この意味合いについてはご存知でしょうか。
木魚の意味合いや叩く理由を知ることで、より気持ちを込めた故人の供養に繋がると思います。
そこでこの記事では、木魚にはどんな意味があるのかについて詳しく説明していきます。
この機会に木魚についての理解を深め、ご先祖様や故人の供養に繋げましょう。
デザインによる木魚の違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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木魚とは
まず、木魚とはそもそも何なのか説明していきます。
木魚とは主に仏教で使われる仏具のことです。
形は丸みを帯びており、中は空洞で外面に魚の鱗をかたどった彫刻が施されています。
また、中が空洞で真ん中に大きな割れ目があることが特徴です。
中に空洞を作ることによって「ポクポク」という特徴的な音を奏でることができ、楽器として使用されることもあります。
僧侶が読経を行うときに叩いて鳴らすための木製の道具となり、叩く際には先端に布を巻いた棒状のバチを使用します。
これらのバチは「木魚バチ」や「木魚バイ」もしくは「木魚しもく」と呼ばれています。
木「魚」の意味とは
次は、木魚の意味合いについて紹介していきます。
なぜ魚の形がモデルになったのか、由来についても説明していきます。
魚である理由
なぜ木魚が魚の形をしているのか、その意味合いは諸説あるとされています。
魚にはまぶたがないので、眠るときにも目を閉じません。
この姿を見た昔の人々は、魚は眠らないものだと考えていました。
魚のように眠らずに修業に打ち込めるように魚をモデルとして作られたといった説があります。
また、読経中に眠くならないよう、眠気覚ましや戒めの意味で魚の形にしたなどという説もあります。
このようにさまざまな説がありますが、本当のところは不明です。
丸みを帯びている理由
木魚は名前の通り魚をモチーフにしており、古くは鯉やシャチなどの形をした平たい板で、魚板と呼ばれていました。
現在一般的に言われる木魚は、一身二頭の竜や魚などが向き合って珠を囲う形となっており、その様相から「円木魚」や「団形魚」と呼ばれています。
体には魚の鱗などが彫られており、その口には煩悩の珠がくわえられています。
上記のように、今の木魚は鈴のように丸い形をしています。
いつ頃、現在のような丸い形になったのか、詳しい由来は不明ですが、開梆が伝来した後に形をかえて、現在の丸い鈴の形になったと言われています。
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木魚を叩く意味とは
木魚の意味合いや由来を知った上で、木魚をなぜ叩くのか、その意味合いを説明していきます。
所説ありますので、それぞれ紹介していきます。
読経の途中で眠らないため
お経は単調であるため、聞いていると眠気が出てくる人も多いです。
そのようなときに、木魚の特徴的な「ポクポク」という音を聞くことで、眠気覚ましの効果があると考えられています。
リズムをとるため
読経の際には僧侶によって、リズムが速くなったり遅くなったりと、リズムが崩れてしまうことがあります。
そのような際に木魚を打ち鳴らすことで、リズムを整える効果があるとされています。
木魚を鳴らすことで、メトロノームのように一定のリズムを取ることに繋がっています。
また、木魚が魚板とされていたころでは、起床や集合、食事など合図のために音を出す道具として使用されることもあったそうです。
煩悩を吐き出すため
木魚は本来、平べったい魚のような形をしていました。
口の部分には「煩悩の珠」である玉があしらわれていました。
木魚を叩くことで煩悩を吐き出させるといった意味合いがあったそうです。
木柾と鉦吾について
では次は、木柾(もくしょう)と鉦吾(しょうご)について紹介していきます。
これらを使用する宗派を以下で紹介していきますので、ご覧ください。
木柾を使う宗派
木柾とは、読経や唱題の際に叩いて音を出す木製の仏具のことをさします。
木柾には、欅や桜や花梨などの木材が使われることが多いです。
使用方法は木魚と同様で、倍と呼ばれる棒で叩いて鳴らします。
形は、円形のものが多いです。
音としては「かんかん」と甲高い音を鳴らすことが特徴です。
木魚と同様に、木柾を用いる際には専用のお布団を下に敷いて使用します。
木柾は日蓮宗や法華宗などで用いられます。
木柾が主に使用される宗派は日蓮宗ですが、木柾ができるまでは木魚が一般的に用いられていました。
鉦吾を使う宗派
鉦吾とは、撞木(しゅもく)あるいは支木(しもく)と呼ばれる木製の仏具で叩いて音を鳴らすものになります。
鉦吾は読経や念仏、御詠歌(ごえいか)を読み上げる際に、拍子を取るために使用される金属製の仏具です。
鉦吾はお皿を伏せたような形をしているので、別名を伏鉦(ふせがね)や叩鉦・敲鉦(たたきがね)、あるいは鉦(かね)とも呼ばれています。
支木と呼ばれる小槌のような形のもので叩き、音としては、「きんきん」と甲高い音を鳴らすことが特徴です。
鉦吾では、木魚などで使われるようなお布団ではなく、六角畳台(タタミ)と呼ばれるものを敷くことが一般的です。
鉦吾は、天台宗や真言宗、浄土宗などで用いられます。
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デザインによる木魚の違い
次に木魚のデザインについて説明していきます。
デザインが異なる理由や材質の違いについても紹介しますので、参考にしてください。
デザインが違う理由
木魚のデザインとして一般的なものは、龍やシャチを模したものになりますが、実際のところは特定の決まりというものがありません。
そのため、職人によっては独特なデザインの木魚が生み出される可能性もあります。
実際に特殊なデザインの木魚は存在するので、調べてみるのもいいかもしれません。
価格については、使用する木材やサイズによって大きく変わってきます。
使用する木魚に関しても、サイズや形状に決まりはありませんので好みのものを選ぶことが大切です。
ご自宅のお仏壇やその他の仏具に合わせた際の大きさや色、素材を比較して選択することをおすすめします。
また、購入する前には必ず実際の音を確認して耳触りではないかどうか判断することも大切になります。
使用される材質
木魚に使用される主な木材には、桂蘭、本楠、本桑、白木などが挙げられます。
スポンサーリンク近年における木魚の使われ方
最後に、仏具以外で近年注目を集めている木魚の使い方について紹介していきます。
木魚は立派な打楽器として使用されることもあります。
音の特徴から一見面白く聞こえるかもしれませんが、オーケストラの演奏にも使用されることがあるようです。
誰もが知る「ぽくぽくぽく」というシュールな柔らかい音色は、近代音楽では好まれています。
木魚を楽器として使用した場合には「テンプル・ブロック」や「チャイニーズ・ブロック」とも呼ばれます。
木魚は単体ではなく複数のものをセットにして使用されるケースが多いです。
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木魚の意味まとめ
ここまで木魚の意味合いについての情報や、木魚をたたく理由などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 木魚とは僧侶が読経の際に叩いて音を鳴らす仏具
- 木魚は魚などのデザインが施されている
- 木魚は眠らないように修行するために魚のデザインが模された
- 近年では木魚を楽器としても扱っている
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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