法事法要
仏具セットとは?セット内容や金額相場を紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.14
仏壇にはさまざまな仏具がありますが、仏具セットについてはご存知でしょうか。
仏具セットの内容や相場費用を知り、お手入れをすることは大切になります。
そこでこの記事では、仏具セットの注意点について詳しく説明していきます。
この機会に、仏具の取り扱い方法や購入の仕方を覚えておきましょう。
仏具の処分方法や仏具のみを飾る際の注意点についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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仏具とは
本来、仏壇は本尊をまつる場所といった意味合いがあり、仏壇に仏具を飾るようになりました。
その仏様に仕えるために置くと考えられているのが、「具足(ぐそく)」になります。
仏事における具足は「供養のための道具として程よくそろった、仏に仕える道具」といった意味があります。
仏具は日々のお供えで仏様やご先祖様に感謝の気持ちを表すための大切なツールとなり、ご遺族の想いを伝える媒介物と言えます。
そもそも仏具とは何なのか説明していきます。
仏具とはご先祖様や故人を祀って供養するためのものになります。
代表的なものとしては、香炉(こうろ)や花立(はなたて)、燭台(しょくだい)です。
これらは最低限欠かせない道具として、三具足 (みつぐそく)と呼ばれております。
香炉は、ご先祖様や仏様のお食事である香を香らせるための道具です。
花立は、文字通り花をお供えする際に花を立てるための道具です。
燭台は、仏様が迷わないようにするための灯りを灯すための道具です。
これらの三具足に加えて五具足(ごぐそく)というものもあります。
詳しくはこのあとの章で紹介していきます。
仏具セットを購入できる場所
次は仏具セットはどこで購入できるのか紹介していきます。
それぞれのメリットやデメリットについても紹介していきますので、参考にしてください。
仏具店
古くから仏具を購入するのに一般的な場所と言えば仏具店になります。
近所にある仏具店で仏具を購入するといった方も多いでしょう。
仏具店で仏具を購入することのメリットとしては、専門的な知識を持っている販売員に直接相談しながら仏具を選ぶことができる点です。
一言に仏具と言っても、宗派によって使われる仏具が異なったり、並べ方が違ったりします。
こういったことから、実は仏具こそ知識が問われるものになるのです。
せっかく自分で選んで購入した仏具が自分の宗派と合わないものでは悲しくなってしまいます。
そのため、専門的な知識がない方にとって仏具店は安心できる購入場所になります。
また、実際に目で見て触れたりして、仏具の品質やサイズを確認できます。
仏具の値段は安い物から高い物までさまざまです。
中には、外国産で安価ではあっても品質が良くないものもありますが、実際に仏具を見ながらであれば失敗するリスクも低くなります。
ネット販売と比べてデメリットとして挙げられることは、仏具店で購入するケースでは実際に足を運ばなければいけないため、手間と時間が必要な点です。
いつでも簡単に購入できるネット販売と比べるとこの点はデメリットと言えるでしょう。
ネット販売
近年ではネット通販にて仏具を購入する方も増えています。
ネットで仏具を購入するメリットとしては、いつでもどこでも隙間時間で仏具を簡単に購入できる点です。
また、仏具店で購入するケースと比べると比較的安い価格で購入できる場合が多い点は、メリットと言えるでしょう。
ただし安価である分、品質が良くないものもありますので、注意が必要です。
仏具を購入する際に品質を重視するのであれば、国産を選択することをおすすめします。
外国産のものは、国産のものと比べると作りが粗かったりします。
またネットで購入する際には、実際に届いたときにサイズや色合いなどがイメージと異なる場合もあります。
これらはネット販売でのデメリットと言えるでしょう。
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仏具セットの内容は?
ここからは仏具セットの具体的な内容について紹介していきます。
必要最低限そろえたい仏具である三具足、あるいは五具足セットやスタンダードな6点セットについて、項目ごとに紹介していきます。
三具足
三具足の内容としては、香炉・花立・燭台になります。
個数はそれぞれの仏具が1つずつになります。
五具足
五具足の内容としては、三具足の内訳が香炉1点、花立1対(ふたつ)、燭台1対(ふたつ)の構成になります。
6点セット
6点セットになりますと、内訳は三具足に3つの具足が加わります。
以下に内容を紹介しますので参考にしてください。
- 線香立て
- 香炉
- 仏飯器
- 花立 (1点)
- 茶湯器
- 燭台 (1点)
仏具セットの金額相場は?
仏具セットの内容について理解できたところで、気になってくるのが金額だと思います。
金額の相場を知ることで、実際に購入を検討する際の参考にしてください。
必ずそろえるべき三具足セットの金額の相場は、1万〜3万円程度です。
五具足セットの場合は、3万〜5万円が相場となり、スタンダードな6点セットの相場も同様に3万〜5万円になります。
こちらは一般的なサイズの相場費用になりますが、ミニ仏壇などの場合には上記の金額よりもやや安くなります。
また、伝統的な真鍮素材の仏具セットではなく、陶器など他の素材を使った三具足の場合も一般的な金額より多少安くなることが多いです。
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仏具セットを購入するときの注意点
次に、仏具セットを購入するときの注意点について、それぞれ紹介していきます。
まず1つ目に、仏具セットの種類として三具足や五具足、6点セットなどのさまざまな組み合わせがありますが、どのセットの中にも位牌は入っていないのが基本になります。
この理由としては、位牌は個別にそろえることが基本であるためです。
仏具セットにはないので、位牌は葬儀が終了したらすぐに仏具店へ注文することをおすすめします。
葬儀の際に使用される白木位牌には、故人名や戒名、没年月日が記載されていますので、来店の際に持参するといいです。
2つ目の注意点としては、宗派によって使用する仏具が異なる点です。
仏具セットを購入する際には、自分の宗派に適した仏具を選択するようにしましょう。
迷った場合には、寺院や仏具店のスタッフに相談することをおすすめします。
3つ目の注意点としては、セットの中に必要なものと不要なものがあるため、セット内容をよく確認する必要があります。
予算をあらかじめある程度決めておけばそれに見合った仏具セットを紹介してくれるケースもあります。
内容を確認しながら見積もりをしっかり出してもらい、予算に合った仏具セットを購入するようにしましょう。
仏具の手入れ方法
次に、仏具のお手入れ方法について触れていきます。
種類別で紹介していきますので、参考にしてください。
真鍮製
真鍮製の仏具は金属製のもので、年数が経過するにつれて味わい深い色へと変化していくことが特徴です。
真鍮製は皮脂などの汚れが付きやすく、使っていくうちに酸化によって光沢が失われ、黒ずんだ色になってきてしまうため、正しいお手入れが必要です。
緑青のサビのようなものが出てくると水で洗っても落ちなくなりますので、手間がかかっても仏具磨きはできる限り頻繁に行うことが大切です。
料理で使う酢や掃除でも役立つクエン酸パウダー、酸性洗剤など、ご家庭にあるものを使って仏具磨きすることをおすすめします。
表面に黒ずみがなければ、乾いた柔らかい布でホコリを取る程度で十分きれいになります。
ただし、黒ずみがでてきたらお湯にお酢を少量垂らして、その中に漬けこむといいです。
実際のお手入れ方法について以下にまとめます。
①酢を溶かしたお湯に仏具を浸け、サビを落とす
②いったん水ですすいだあと、布やキッチンペーパーなどで仏具の汚れを磨く
③汚れが落ちたら再度すすいで、最後に乾いた布でよく水気を拭き取る
お湯が冷めてしまうまで放置しても黒ずみ汚れが落ちないケースでは、専用の仏具磨きを使用するといいでしょう。
仏具専用の洗浄剤や磨き剤などを使う方法もあります。
購入できる場所としては、仏具店やネット通販などで購入可能です。
お手持ちの仏具に市販の磨き剤が使えるかどうか不安な際には、仏具店で店員に確認することをおすすめします。
黒ずみがこびりついて落ちないときには、サビ落とし液などを使用してから磨くといいです。
長い期間お手入れしておらず明らかにくすんでいるような仏具は、浸け置くタイプより布でこする磨き剤の方が汚れ落ちが良いです。
仕上げに専用の艶出し剤を使用すれば、より輝きが増します。
漆器製
漆器とは、仏具に漆(うるし)を塗り重ねて作るものです。
過去帳を乗せる台である見台や、お供え物を乗せる台である高坏やりん台、彼岸用の食器などは漆器製が多いです。
塗りの仏具は、プラスチック製品や高級品の場合は木製の漆塗りのものが多いです。
基本的にはやわらかい布で拭きとることをおすすめします。
汚れが強いケースには、まずは固くしぼった布で水拭きし、その後すぐに乾拭きすることがポイントです。
乾拭きする際の布もやわらかい素材のものを使用するようにしましょう。
ごわごわした布や固い布、たわしなどを使用すると、表面の塗装を傷つけることがあるので注意が必要です。
水気をしっかり取らないと、シミになったり仏具が腐敗したり、変色する原因になりますので注意が必要です。
食器洗いの要領で中性洗剤を使ってお手入れできますが、強くこすると傷んでしまうため注意が必要です。
特に、お彼岸の際にお餅などをお供えしたあとは要注意になります。
お餅のこびりつきが取れるまで水に漬けてから洗うようにしましょう。
また浄土真宗の仏具では、上卓、前卓、供笥、和讃卓、見台のように、金箔あるいは金粉を使用したものがあります。
指の皮脂にて指紋が付いてしまうと非常に落としにくく、状態によっては専門の業者さんにクリーニングを依頼しないと落ちないこともあります。
よって金の部分にはなるべく触れないようにしましょう。
可能であれば、白手袋を着用してお手入れすることをおすすめします。
陶器製
陶器製の仏具は、他の仏具と比べるとリーズナブルなのが特徴です。
そのため、予算を抑えたい場合などにはおすすめです。
絵柄が好みのものであるとニーズに合いやすいでしょう。
陶器製の場合には、落としたり乱暴に扱うと割れてしまうことがあるので、お手入れの際には丁寧に扱うようにしてください。
万が一セットのデザインで購入したものが割れてしまった場合の対応も紹介しておきます。
欠けた破片をすべて集められるようであれば、修復方法として金継ぎ(きんつぎ)と呼ばれるものがあります。
金継ぎとは、割れた部分に金を塗布して、接着剤のように継ぎ合わせする技術になります。
セットのデザインで同じ物の買い替えが難しいケースでは、しばらくは金継ぎでしのぐことをおすすめします。
金継ぎすることで逆にいい味になることもあります。
お手入れ方法としては、基本的に水や中性洗剤を使用しても問題ありません。
陶器製の仏具は、日常生活で使用している仏具以外の陶器を扱うときと同様の感覚でお手入れしていただいて構いません。
ただし、仏具の表面の柄やデザインが剥げ落ちそうなものには充分に注意してください。
灯立てなどの火を使用する仏具の場合は、熱を持っている状態で水洗いすると割れる可能性があるので注意が必要です。
必ず時間を置いて、熱が冷めた状態になってから水洗いするようにしましょう。
灯立てのロウは、少し温まった状態でつまようじなどを使用してつつくように取ると綺麗になります。
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仏具の処分方法
次に仏具の処分方法について紹介していきます。
仏具を処分する際には、そのまま一般ごみとして分別して捨てても問題ありません。
ごみとして出す場合は、各地域の回収ルールに従って分別しましょう。
仏具の場合は、一般ごみとして処分することに対して抵抗がある方も多いと思います。
そのような場合には、新しく仏具を購入した仏具店や寺院に相談してみるといいでしょう。
仏具店や寺院を通して、仏具を処分する業者を紹介してもらえるケースがあるのでおすすめです。
ただし、参拝の対象である本尊や脇侍(きょうじ)の掛け軸や過去帳、位牌を処分したいときには、まずは菩提寺(ぼだいじ)に相談することが一般的になります。
この理由としては、魂抜きをしてもらうことがマナーになるためです。
菩提寺のないケースでは、新しく仏具を購入する仏具店から紹介してもらうか、インターネットを通して魂抜きを依頼できる僧侶を探す方法があります。
仏壇を置かずに仏具だけ飾っても良い?
近年では住居環境の変化や無宗教などのさまざまな理由で、ミニ仏壇や位牌だけをお祀りするようなケースも増えてきています。
このようなケースについて、以下で紹介していきます。
ミニ仏壇
近年では核家族化やライフスタイルの変化、居住環境の理由でひと昔前のような大きな仏壇が置けないケースも多くなっています。
そのような際には、ミニ仏壇を選択するケースもあるでしょう。
ミニ仏壇にはさまざまなデザインのものがあり、インテリアにもマッチしやすいものが多く、自分の住宅に合ったものを選択することができて人気が上昇しています。
ミニ仏壇は、その名の通りサイズも小さく置き場所を取らないため、集合住宅でも設置可能です。
またおしゃれなデザインが多く、周囲の家具ともマッチしやすいことが特徴です。
別名「モダン仏壇」と呼ばれることもあります。
位牌だけでお祀りする
近年では、さまざまな理由から従来のような立派な仏壇を用意しない家庭も増えてきています。
そのため、中には位牌だけお祀りしても大丈夫なのか疑問に思われる方も多いと思います。
結論から言うと、位牌だけでお祀りし、供養しても構いません。
位牌が故人の魂そのものであるのに対し、仏壇は故人にとっての家のような存在と言われています。
家である仏壇がなくても、故人をお祀りすることは可能になります。
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仏具セットまとめ
ここまで仏具セットの相場費用についての情報や、お手入れ方法を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 仏具は日々のお供えで仏様やご先祖様に感謝の気持ちを表すためのツール
- 宗派によって使用する仏具が異なるため、注意が必要
- 真鍮製は目立つ汚れが付きやすいため、正しいお手入れが必要である
- 仏壇を置かずに位牌だけで供養しても問題はない
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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