法事法要
お斎料が必要な場面は?相場や渡し方、注意点をご紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.02.19

記事のポイントを先取り!
- お斎料は法事後の会食の費用
- お斎料の相場は5,000円~1万円
- 御膳料は僧侶に渡すお金
- お斎と直会は儀式の目的が違う
法要の後、施主が参列者を招待して会食を行うことがあります。
この会食は「お斎(おとき)」と言いますが、お斎について知っている人は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お斎について詳しく説明していきます。
この機会に、お斎が必要な場面や相場について覚えておきましょう。
お斎と直来の違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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お斎とは
お斎とは、法要が終わってから僧侶や参列者を招いて会食を行うことです。
僧侶や参列者への感謝を示すものであり、参列者全員で思い出を語り合って故人を偲び、故人を供養するものです。
お斎を行わない場合は法要が終わったタイミングで、施主が挨拶を行なう時にそのことを伝え、代わりに返礼品をお渡しします。
また、僧侶が会食に参加しない場合は「御膳料」をお渡しするのが一般的です。
なお、お斎の「斎」の字は「斎食(さいじき)」という仏教用語が語源です。
意味は、正午や夕刻などの時間に摂る食事のことですが、法要などを行なった時の食事という意味もあります。
お斎料とは
お斎料とは法要後の会食(お斎)にかかる費用のことです。
お斎料は施主が会食の会場のレストランや飲食店、仕出し弁当を発注したお店に支払います。
参列者は香典と一緒に施主に渡すため、香典とは別で用意する必要はありません。
香典に5,000円程度多く上乗せして渡すことが多いですが、地域などによって上乗せする金額は
異なるため、施主に確認したり他の参列者に相談するといいでしょう。
僧侶がお斎に参加しない場合は、感謝の意をこめて、僧侶にお膳料をお渡しします。
僧侶さまにお布施や場合によっては御車代を渡すことがあるので、お寺や僧侶などに確認をとってから感謝の気持ちを示しましょう。
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お斎料の相場と渡し方
ここではお斎料の相場、渡し方のマナーについて解説します。
お斎料の相場
僧侶に、会食に代わる金銭として渡すお斎料(御膳料)の相場は地域や会場によって異なりますが5,000円~1万円程度と言われています。
大人数の法要で何人かの僧侶が読経する場合は、人数分のお斎料をまとめて1つの封筒に入れて渡しましょう。
一般的には「御膳料」と表書きをしますが「お斎料」と書く場合もあります。
参列者は香典に上乗せする
お斎は、故人の供養とあわせて僧侶や参列者への感謝を伝えるためのものです。
よって、お斎の費用は喪主側が負担することになります。
しかし、喪主側が負担にならないように参列者は香典にお斎料を上乗せするのがマナーです。
なお、お斎の費用を上乗せする場合の香典の相場は1~3万円程度です。
お斎料を僧侶に渡すタイミング
葬儀が始まる前の、喪主や遺族と僧侶が顔を合わせる時にお斎料を渡すといいでしょう。
葬儀をお願いする際に、お布施と御膳料もまとめて渡しましょう。
忙しくて葬儀開始前に渡せなかった場合は、葬儀後になっても問題ありません。
渡すことなく僧侶が先に帰ってしまうことがないように注意しましょう。
合同の葬儀や法事の場合、あいさつの時間が十分に取れないこともあります。
この場合では僧侶に直接渡せないため、儀式が始まる前に受付で渡すようにしましょう。
お斎を執り行わない場合
お斎は故人を偲ぶための儀式ですが、お斎が行われない場合もあります。
お斎が行われない場合でも、参列者が気持ちよく法要に参列していただけるように工夫しなければなりません。
まず、お斎を執り行わないことが既に決まっている場合には、案内状にその旨をはっきり書いておきましょう。
法事や法要の日程をご案内する際には、すでにお斎を行わないことが決定している場合が多いようです。
そして、案内状を送った後に急遽お斎を行わないことになる場合は、電話や口頭、メールなどで参列者に伝えるようにしましょう。
またお斎を行わない場合には、法事や法要の最後に施主があいさつする際にその旨をお伝えします。
なお施主は挨拶の後、参列者全員が退出するまでお見送りをするようにしましょう。
お斎を行わない場合の挨拶としては以下のようにすると良いでしょう。
「本来ならば食事の席を設けさせていただくところではございますが、遠方はるばるお越しいただいている方もたくさんいらっしゃるため、これでお開きとさせていただきます。
お忘れ物のないようお持ち帰りください。
この度はありがとうございました。」
さらに、お持ち帰り用の弁当を持ち帰っていただくのもよいでしょう。
お斎を行わない場合、お斎でお出しする料理の代わりとして差しあげるのです。
香典を受け取る場合は、その金額も考慮してお斎の金額と同額のお弁当をお渡ししましょう。
弁当にくわえて返礼品をお渡しするという方法もあります。
返礼品にもう一品プラスすることで、お斎の代わりのものであることを参列者に理解していただけるでしょう。
返礼品はお菓子などの食べ物や、洗剤やタオルなどの日用品などの消えものと言われている品がいいでしょう。
その他にもカタログギフトを送ることもあります。
香典を辞退するという方法もあります。
法事や法要の香典には、お斎の代金も含むものとなりますので、お斎を行わない場合には香典を辞退してもいいのではないでしょうか。
お斎料と御膳料の違い
「お斎料(おときりょう)」と「御膳料(おぜんりょう)」は、ともに仏事の会食に関係する言葉ですが意味が
若干異なります。
「お斎料」とは、施主が法要後の会食会場となるレストランや寺院に支払う費用のことです。
一方「御膳料」は、喪主側がお斎に参加しない僧侶へお渡しする金銭になります。
僧侶が法要の後の会食に参加する場合はお渡しする必要がありません。
会食を行わない場合でも御膳料はお渡しするものとされているようです。
かしこまって「御膳料」などとは言わずに「お斎料」と言う地方もあります。
御膳料以外に仏事で僧侶に渡す金銭には、お布施やお車代などがあります。
それぞれ、言葉のニュアンスは違っているため注意が必要です。
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お斎料とお布施の違い
お布施とは、僧侶の読経に対しての感謝の意味で金銭をお支払いするという解釈が通説です。
お布施は僧侶がお経を詠んでいただいたことへの対価ではありません。
お布施の「布」という文字は、文字通り布(ぬの)のことです。
お布施は、毎日の修行のためボロボロになった衣服を着ている僧侶に、布を献上して差しあげることがもともとの意味です。
この善行と言える行為は、意味が転じて金銭を表す言葉になりました。
ご本尊と寺院への衷心を示すための金銭というわけです。
僧侶はお布施を御本尊や寺院のための寄付と考え、自分のためにいただいたものとは考えません。
お斎と直会(なおらい)の違いは?
「直会(なおらい)」は祭事の後に行う会食のことですが、同様のことを行うお斎とはどういった違いがあるのでしょうか。
儀式の違い
お斎とは、仏教における法要が終わって、施主と僧侶、参列者が一緒に行う会食のことを言います。
本来の意味としては仏教の「斎食(さいじき)」という言葉から来ています。
この言葉は「決められた時間に食事をとる」という意味です。
お斎は、施主が僧侶や出席者に対して、法要へ出席いただいたことへの感謝の意を伝える意味があります。
また、遺族や親族で食事をしながら故人の思い出を語り合うことで故人を供養するという意味合いもあるでしょう。
一方「直会」とは、神式の行事の最後に、神主と参列者がお供えしていた神饌(しんせん)を皆で分け合います。
そして、お酒を飲んだり食事をしたりするのです。
「直会」とは「直り合い」、つまりお下がりをいただいて通常の生活に戻るということです。
お斎と直会は、神事や法事にご出席いただいた方をもてなすための会食という点では共通するものです。
しかし、儀式という観点では両者には違いがあります。
直会とは神式の祭事や葬儀が終わって、神主と参列者がお供えしていた食物のお下がりをいただきます。
みんなでお下がりをいただき、食事したりお酒を飲んだりすることで日常の生活に戻るための儀式なのです。
お斎の場合は仏教における法要が終わって、施主が参列者や僧侶といっしょに食事を行うことです。
法要へ出席いただいたことへの感謝を伝えるとともに、故人を偲ぶための儀式と言えるでしょう。
簡単に言えば、直会は日常生活に戻ることが目的で、お斎は故人を供養することが目的であるという点で両者は異なるのです。
行うタイミング
儀式の違いに加えて、直会とお斎は実施するタイミングも違います。
直会の場合は、神事や祭事が開催される都度のタイミングで行うのがよいとされています。
一方、お斎の場合は四十九日法要が終わった後のタイミングで実施すべきものです。
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お斎料のまとめ

ここまでお斎についての情報や、お斎料についてお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- お斎料は法事や法要後の会食にかかる費用
- お斎料の相場は5,000円~1万円程度で、渡し方は香典に上乗せする
- お斎料は会食の費用で、御膳料はお斎に参加しない僧侶に渡すお金
- お斎と直会とは儀式の目的や行うタイミングが違う
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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