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墓誌の読み方と彫刻内容!名入れの順番や時期・費用・追加彫りを解説
更新日:2022.07.05 公開日:2022.07.26
お墓に眠る先祖の名前が刻まれる、墓誌という石碑をご存知でしょうか。
墓誌の読み方や彫刻内容を知っておくことで、墓誌の役割を知ることができます。
そこでこの記事では、墓誌の読み方や彫刻内容について解説します。
この機会に、名入れの順番や費用などについても覚えておきましょう。
後半には、墓誌の名前の修正方法と費用についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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墓誌の読み方と彫刻の内容・墓碑との違い
墓誌(ぼし)は、お墓の近くに建てられる石碑で、ほとんどの場合、そのお墓に眠る故人の名前がすべて刻まれます。
墓誌に名前を彫刻する際は、その内容は方法にある程度の決まりがあります。
その方法や読み方を知っておくことで、墓誌を見るだけでどのような方が眠っているのかわかるでしょう。
墓誌の内容とその読み方、宗派ごとの違いや墓碑との違いについても紹介します。
墓誌の読み方と彫刻の内容
仏教における墓誌には、多くの場合で戒名(法名)・俗名(生前の名前)・没年月日・享年(没年齢)が彫刻されます。
順番もこの通りになっていることがほとんどなため、順番に読んでいくことで墓誌を見ればどのような方が眠っているのかがわかるでしょう。
また、墓誌に故人の名前以外を彫刻する場合もあります。
具体的には、座右の銘や辞世の句などが多く、生前の故人の考えや意思を表すものが彫刻されます。
墓誌には宗教的な意味がないため、こうした自由度の高い文字を刻むこともできるのです。
墓誌の宗派ごとの呼び方・墓碑との違い
墓誌にはさまざまな呼び方があります。
特に多いものでは、霊標や墓標などがあり、他にも戒名碑や戒名板などとも呼ばれます。
また、浄土真宗では戒名を使わないことから、法名碑などとも呼ばれることがあります。
いずれの呼び方も墓誌と同じものを示しますので、念のため覚えておくと良いでしょう。
また、誤解されがちな言葉として、墓碑や墓石があります。
墓石は故人の名前などが刻まれた、お墓の上に設置される竿石のことを指すので、誤解する方も少ないでしょう。
しかし、墓標は特に勘違いしやすい言葉です。
墓標の意味としてもっとも正しいものは、その近くに誰かが埋葬されている事実を示す石碑です。
そのため、広義的な意味合いでは、墓誌や墓石のどちらの意味とも重なる部分があります。
どちらが近いかで判断するのであれば、墓石と墓標が近い意味合いになるでしょう。
また、墓標には功績や弔意を示す目的で建てられることもあり、その場合は故人の業績なども一緒に刻まれます。
それぞれの違いを広義的に表すのであれば、墓誌は記録、墓石と墓標は標(しるし)のことを示します。
墓誌の名入れの順番と時期・位置と大きさ
墓誌に名入れする際、その順番や時期に明確な決まりはありません。
しかし、一般的なケースというものはありますので、覚えておくと参考になることもあります。
墓誌の名入れの順番や彫刻する時期、建てる位置や大きさについて紹介しますので、ぜひ覚えておきましょう。
墓誌の名入れの順番と時期
お墓に眠る方全員の名前を彫刻するのが一般的ですが、仏教の縦書きであれば没年月日の早い順に右から彫刻されていきます。
そのため、場合によっては、親より先に子の名前が刻まれる場合もあるでしょう。
こうした際には、子の名前を彫刻する際に誰の子であるかを明記する場合もあります。
また、没年月日に合わせた順番以外にも、夫婦連名でまとめるなどの家系図を考慮した刻み方をする場合もあります。
この場合は、没年月日にこだわらず、夫婦は連名で彫刻し、その次に子どもや孫などを順々に名入れできるようにスペースを空けておくのです。
詳しい彫刻内容は、家庭によって異なる場合もありますので、基本的には上記のようになっていることを知っておきましょう。
名入れする時期についても、明確な決まりはありません。
一般的には、お墓と同時期に建てるか、墓石に名前が彫刻しきれなくなったタイミングです。
お墓と同時期に建てることで、石材店が割引をしてくれる場合もありますし、複数回に分けて工事する必要もなくなるので、遺族にとっても石材店にとっても楽な方法です。
お墓は、四十九日の法要までに建てることが多いので、同時期に建てるのであればお墓と一緒に相談しておくと良いでしょう。
また、墓石に故人の名前を直接彫刻したくない方なども、墓誌を利用します。
墓石には家名だけを刻み、墓誌に名入れをする際も、お墓と同時に建てることとなるでしょう。
墓誌がない場合ではお墓に名前を刻みますが、墓誌と比べるとお墓はそこまで広い彫刻スペースがありません。
そのため、お墓に眠る方が多くなればなるほど、墓石の空きスペースがなくなっていきます。
物理的に彫刻できなくなってしまえば、墓誌を設置してそちらに書いていくしかないため、このタイミングで墓誌を建てる方も少なくありません。
承継墓として建てるつもりでいるのなら、最初から墓誌を建てておくほうが色々と都合が良いでしょう。
墓誌の建てる位置と大きさ・形
墓地の建てる位置や大きさにも、厳格な決まりはありません。
家庭の事情に合わせたように設置することが可能です。
しかし、そもそも墓誌が建てられるようになった理由に、お墓の量が増えて一人ひとりのお墓を建てられなくなった経緯があります。
そのため、墓誌を建てる際には、決められた区画内で建てなければなりません。
お墓から離して設置するのは区画の大きさ的に難しいうえ、周囲のお墓との兼ね合いによって誤解を招く可能性もあります。
そのため、多くの墓誌は、お墓のすぐそばの左右どちらかに建てられることが推奨されます。
昨今では、外柵の位置に埋め込むように建てられる墓誌もありますので、必要に応じて検討してみるのも良いでしょう。
墓誌の大きさにも明確な決まりはなく、石材店が推奨する大きさにも、さまざまな大きさが用意されています。
その中でも基本サイズとされるもので、77cm×55cm×10cm(横×縦×厚み)となっています。
区画の関係で厚みを抑えているものなどもありますので、石材店と良く相談してみると良いでしょう。
墓誌の費用は石材の使用量も影響するため、大きさによって費用も変動しますので、そちらも判断材料にすることをおすすめします。
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墓誌の費用・名前の追加彫りを解説
墓誌を建てる際の費用相場は、5万円〜20万円です。
墓誌の費用は、石材の種類や使用量・デザイン・設置費用・彫刻費などの内訳によって決められます。
より良い種類の石材を使ったり、大きな墓誌を建てれば、その分高額になりますし、墓地の立地が設置困難であればその分費用もかさみます。
彫刻費は、おおよそ決まっており、ひとりあたり3万円〜5万円程度とされ、これは追加彫刻の際にも同じ費用が必要です。
墓誌のデザインはおおよそ決まっていますが、ある程度自由なこともあり、少し凝ったデザインにする家庭もあります。
デザインにこだわれば、その分費用もかさむことを覚えておきましょう。
これは形だけに限らず、文字の書体や文字数によっても変動する可能性がありますので、その点についても十分注意してください。
また、彫刻の際に墓地まで足を運んでもらう場合には、出張費も別途かかりますので覚えておきましょう。
石材店によってはさまざまなセット料金を用意している場合もありますので、墓誌の設置を検討している方はしっかり相談してから決めることをおすすめします。
墓誌は必要か?いっぱいになったら
墓誌という言葉を知らなかった方がいれば、その必要性に疑問を持つ方もいると思います。
また、墓誌が故人の名前で埋まってしまった場合の対処法についても気になる方はいるでしょう。
それぞれの疑問に回答しますので、ぜひ参考にしてください。
墓誌は必要なのか
結論としては、墓誌は必ず建てなければならないものではありません。
墓誌はそのお墓で眠る故人の名前を残すためのものですので、承継墓でなかったり人数が眠る故人が少なかったりする場合であれば墓誌は不要です。
また、仮に故人が多数眠るお墓だとしても「先祖代々之墓」などとしてまとめることもできますので、一人ずつ刻む予定がない場合にも必要ありません。
墓誌を建てる必要性はありませんが、家庭によってはあると便利な場合も多々あります。
例として、お墓に多くの方が眠る家庭や、墓地のレイアウトがお墓を背中合わせにしているような場合には、墓誌の設置が推奨されます。
いずれの場合も墓石に書ききれないことが要因で、前者は墓石のスペースがなくなってしまいますし、後者は墓石のうしろに刻まれた名前が隠れてしまうのです。
また、墓石を加工する際には、閉眼供養(へいげんくよう)するほうが良いとされています。
お墓には故人の魂が宿るともされており、そのまま加工するのは故人の魂を削ることともなるため、一度閉眼供養にて魂を抜くのです。
彫刻も加工することに変わりないため、何度も彫刻する場合にはその回数だけ閉眼供養をしなければなりません。
閉眼供養には手間も費用もかかるので、少なくできるのなら遺族も楽になるでしょう。
墓誌には魂が宿ることもないため、墓誌を利用することで、閉眼供養の回数を減らせるメリットもあります。
いずれの場合も、最終的には家庭の考え方に依存します。
家族で話し合ったうえで、どうするか判断するのが良いでしょう。
墓誌の名前がいっぱいになったらどうする
墓誌の大きさには限界があるため、そのお墓に眠る故人が多くなれば、いずれは墓誌に名前を刻めなくなります。
長い歴史を抱える家庭であれば、その後の対応に困ることもあるでしょう。
刻みきれなくなった際の対処法には、墓誌の裏面を使う方法・新しく墓誌を建てる方法・彫刻の内容をまとめる方法などがあります。
墓誌は専用の石材で作られていますので、表面にも裏面にも同じように彫刻を入れられます。
そのため、表面が埋まってしまっただけであれば、裏面に同じ人数の名前を刻むことが可能です。
また、お墓を設置している区画に余裕があるようなら、新しい墓誌を建てても問題ありません。
実際に数枚の墓誌を建てている家庭もありますので、今後も長い年月お墓を維持する予定であれば、新しい墓誌を建てると良いでしょう。
見た目がもっともすっきりする方法として、名前をまとめる方法もあります。
墓誌の表面に刻まれた名前すべてを削り「先祖代々之霊」などとまとめることも可能です。
このようにまとめることで、同じ面であっても新たなスペースを確保できます。
ただし、名前をまとめる際には表面を全体的に削る必要があります。
そのため、何度もまとめる加工を繰り返していると墓誌の厚みが薄くなってしまいます。
まとめる回数にも限界がある点には、十分に注意しておきましょう。
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墓誌の名前の修正方法と費用
墓誌に彫刻した名前に、なんらかの誤りが見つかるケースがあります。
万が一このようなトラブルがあった際には、遺族の意向にはよるものの基本的に修正する必要があるでしょう。
すでに墓誌に彫刻してしまった文字を修正する場合、文字が消えるまで削る必要があります。
もし1文字だけ削って修正しようとすると、綺麗な表面が1ヶ所だけへこんでしまうでしょう。
そのため、誤った文字が1文字だけだったとしても、基本的には表面をすべて均等に削ってから再度彫刻するのが一般的です。
表面を綺麗に削るのにも新しい彫刻を入れるのにも、技術と手間がかかりますし、表面全体を削るので墓誌の質量も減ってしまいます。
ちょっとした部分の修正だけであれば一部削って修正することも可能ですが、そういったケースは稀であることを覚えておきましょう。
彫刻を依頼する際は、依頼者が原稿を書いて石材店はそれに合わせて彫刻します。
そのため、原稿の時点で内容が誤っている場合は、彫刻も誤った内容が刻まれます。
修正には費用もかかりますし、回数にも限界がありますので、原稿を書く際には細心の注意を払ってください。
修正の費用については、一部分だけを修正するだけであれば2万円〜3万円、全体を削る場合であれば12万円〜15万円が最低限の目安です。
また、実際に彫刻する量や石材の種類などによっても費用は変わりますので、上記はあくまで参考程度に考えてください。
加工が困難ともなれば新しく作り直すこととなり、さらに費用も高くなります。
石材店側のミスで彫刻内容が誤るケースもありますが、この場合は石材店が負担するのが基本ではあるものの、石材店によって考え方が異なるので注意しましょう。
少しでも間違った彫刻を避けるためにも、原稿の時点で注意しながら書いておき、何度も確認して確実なものを提出することをおすすめします。
墓誌についてのまとめ
ここまで墓誌についての情報や、費用を中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 墓誌はそのお墓に眠る方の名前を刻む石碑
- 刻む内容や大きさに明確な決まりはない
- 墓誌を建てる費用は5万円〜20万円、彫刻費は3万円前後が相場
- 名前の修正時は全体を削る必要がある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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