法事法要
白木位牌と本位牌は何が違う?白木位牌の扱い方について説明
更新日:2022.04.30 公開日:2022.05.19

記事のポイントを先取り!
- 白木位牌は仮位牌で一時的なもの
- 本位牌は故人の依代であり材質などが違う
- 位牌の処分はお焚き上げなどがある
- 浄土真宗でも白木位牌はある
家族が亡くなると位牌を用意しますが、位牌には種類があることをご存知でしょうか。
主な種類として白木位牌と本位牌がありますが、どのような違いがあるのかは知らない方も少なくないと思います。
そこでこの記事では、白木位牌と本位牌の違いについて解説します。
この機会に、白木位牌の扱い方についても覚えておきましょう。
後半には白木位牌のままでも問題ないかについて触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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白木位牌とは
白木位牌とは、仏教において四十九日法要を終える前に扱われる位牌です。
別名では仮位牌などとも呼ばれており、名前の通り故人が仮の依代とするための位牌になります。
白木位牌には戒名と俗名、没年月日や享年が書かれます。
仏教の考えとして、人は死後49日の期間を経て成仏するとされており、成仏するまでの間は白木位牌に魂を宿してその後本位牌へ移るとされているようです。
白木位牌と本位牌の違い
位牌には、白木位牌と本位牌、少し特殊なものとして寺位牌というものがあります。
寺位牌は名前の通りお寺で管理する位牌になりますが、白木位牌と本位牌は遺族の家庭で管理することがほとんどです。
白木位牌と本位牌にはどのような違いがあるのか、またそもそも本位牌とはなにかについて解説します。
本位牌とは
本位牌は、四十九日法要を終えて故人が成仏したことを示す位牌です。
素材が変わったり塗り加工がされていたりする位牌で、見た目には白木位牌よりも豪華に見える位牌になります。
また、本位牌は大きく分けて2種類あり、管理方法などによって種類が定まります。
故人ひとり、または夫婦の連名などで位牌を作る際は札位牌が扱われ、一般的にはこの札位牌を使うケースが多いでしょう。
対して、先祖代々の位牌をまとめて管理する位牌を繰り出し位牌と言います。
繰り出し位牌は、戒名などを記した板状の位牌をまとめて保管できる形をしており、先祖を大切にしている家庭であれば利用する方もいるでしょう。
それぞれの違い
白木位牌と本位牌にはさまざまな違いがあります。
位牌の意味や材質などが主な違いとなりますので、それぞれの違いについて解説します。
材質
白木位牌は名前にもある通り、材質には白木を用います。
対して本位牌は、黒壇などの高級木材を使ったものや漆を塗った上に金箔などをちりばめたものなど、材質の異なる位牌もあります。
昨今ではモダン位牌と呼ばれる、現代の家庭に合ったデザインを選べる種類のものもあり、さまざまな選択肢がある位牌です。
また、それぞれの目的にも関わるところですが、一般的に本位牌は白木位牌よりも小さいものとなっています。
大きさが違うからといって、それぞれの位牌における故人への想いが異なることはありませんので安心してください。
目的
白木位牌と本位牌ではそもそも、その目的が異なります。
前述の通り白木位牌は仮位牌とも呼び、仮位牌と本位牌という呼び方をすることでその内容がわかりやすくなると言えるでしょう。
白木位牌は「仮」としていることから、故人の魂を一時的に宿すための位牌になります。
この白木位牌に一時的に宿った故人の魂が、四十九日法要により成仏する際、本位牌へと移ることで今後の依代を本位牌とするのです。
こうして本位牌に故人の魂が宿ったあとは、それぞれの家庭で管理することで常に故人と一緒にいられるようになります。
入手方法
白木位牌は葬儀で扱われることから、戒名などを付けたあとに葬儀社側で用意してくれる位牌です。
故人の死を知ってから葬儀などの準備で忙しい遺族のことも考え、葬儀に必ず間に合うように葬儀社が用意してくれます。
しかし、本位牌は自分たちで手配しなければなりません。
基本的に四十九日法要での魂移しとなるため、四十九日法要までに完成するように手配する必要があります。
この際、自分で勝手に用意することも可能ですが、葬儀社に相談して準備することで安心して本位牌の用意ができるでしょう。
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白木位牌から本位牌へ移行するには

白木位牌から本位牌に移行する際、どのようなタイミングや手順が必要か知っておくことも大切です。
まず前提として、本位牌へと移行するのは四十九日法要で行うことを覚えておきましょう。
そのため、よほどの事情がない限り四十九日法要までに本位牌が完成するように手配しておいてください。
仏壇店などで本位牌を手配する必要がありますが、葬儀社と相談することで信頼のおける仏壇店を教えてもらえたりするため、段取り良く準備できるでしょう。
実際に白木位牌から本位牌に移行する際は、四十九日法要の中で閉眼供養(へいげんくよう)と開眼供養(かいげんくよう)による魂移しが行われます。
閉眼供養は白木位牌に宿る故人の魂を取り出す儀式で、開眼供養は白木位牌から抜けた故人の魂を本位牌に宿す儀式です。
上記の儀式を終えることで、その後は白木位牌を処分して本位牌を故人と考えて供養することとなります。
移行した後の白木位牌について
本位牌に故人の魂を移したあとは、基本的に白木位牌を処分する必要があります。
一般ゴミとして処分することも可能ですが、今は宿っていないといっても故人が宿っていた位牌ですから、粗末に扱うのはあまりいい気もしないでしょう。
白木位牌の処分方法として一般的なものは以下の2種類になりますので、ぜひ覚えておきましょう。
お焚き上げをする
仏具などの故人の魂に関与したものの多くは、お寺などでお焚き上げを依頼するケースがほとんどです。
それは白木位牌も例外ではなく、お焚き上げを依頼して行ってもらうことで安心して処分できるでしょう。
注意点として、お焚き上げで処分する前に閉眼供養による魂抜きを必ず行ってください。
もし閉眼供養を怠ってしまうと、故人の魂が宿った状態で燃やすこととなり、故人を苦しめてしまいます。
白木位牌であれば移行の段階で閉眼供養することが一般的なため大丈夫だとは思いますが、必ず閉眼供養を忘れないようにしましょう。
仏壇店に処分してもらう
仏壇店で本位牌を購入した際、お店によってはサービスとして白木位牌の処分も請け負ってくれる場合があります。
こうしたケースでは無料で引き取ってくれることも多く、処分の段階でお焚き上げまで行ってくれるので安心して処分を任せられるでしょう。
どの仏壇店でも行ってくれるとは限りませんので、事前に確認してみることをおすすめします。
もし仏壇店のサービスを利用する場合は、閉眼供養を終えた白木位牌を直接持っていったり郵送で送ったりなどして、後の処分を仏壇店にお任せしましょう。
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浄土真宗にも白木位牌は存在する?

浄土真宗では、人は死後すぐに成仏しこの世から去るという教えがあるため、基本的に位牌に故人の魂を宿す行為がありません。
そのため、本位牌などを用意することもなく、故人の名前などは法名軸を用いて管理します。
とはいえ葬儀などでは法名軸の用意もなく故人を想う対象がなくなってしまうため、白木位牌のみ扱うケースがほとんどです。
浄土真宗に戒名はないため、この白木位牌には法名などが記されます。
浄土真宗では四十九日法要を目処に故人との別れによって生じた悲しみが癒え、仏への信仰心を深める教えがあり、白木位牌もこの際に処分します。
この際、本位牌に移行することはありませんが、白木位牌の処分方法は他宗派と変わらないと思って良いでしょう。
基本的には、お焚き上げなどで白木位牌を処分してください。
また、浄土真宗では死後、魂がすぐにこの世を去るとしていることから、開眼供養や閉眼供養といった儀式が行われない傾向にあります。
白木位牌のままでも大丈夫?

基本的に四十九日法要を基準として白木位牌を本位牌に移行すると解説してきましたが、白木位牌のままではだめなのかと考える方もいるでしょう。
実際のところどうなのか、また誰しもが疑問に思う内容について解説しますので、ぜひ参考にしてください。
規則的には問題ない
基本的に、白木位牌から本位牌への移行は絶対的なものではありません。
さまざまな理由により本位牌に移行できない場合は、白木位牌のまま供養していても問題ないでしょう。
ただし、白木位牌を使い続けることは多くの問題に繋がることから、本位牌に移行することが強く推奨されています。
前述した通り、白木位牌は本位牌よりも大きく作られています。
これは葬儀の際の視認性なども考慮したうえでの構造ですが、その大きさのため自宅での管理などが困難です。
一般的な仏壇で白木位牌を飾るのは難しいでしょう。
また、その材質や加工の関係から、白木位牌は経年劣化に対する耐性があまりありません。
白木位牌のまま管理していては、どれほど丁重に扱っていても早い段階で目に見える劣化が始まってしまうでしょう。
上記のような理由から、やむを得ない理由がない限りは本位牌に移行することをおすすめします。
四十九日後でも移行はできる?
本位牌への移行は、基本的に四十九日法要で行うものです。
しかし、本位牌の準備が間に合わなかったり移行するか悩んでいたりして、四十九日法要で移行できないケースもあるでしょう。
仮に四十九日法要を過ぎてしまった場合でも、本位牌への移行は可能です。
とはいえ、移行するためには僧侶の都合も必要なうえに開眼供養などの儀式も行わなければなりません。
そのことから、四十九日法要後に移行する場合は、大きな法要となる百箇日であったり一周忌を基準として移行しましょう。
さらに後となれば3回忌などになりますが、遅くとも一周忌までには移行することをおすすめします。
そもそも位牌は必要なの?
位牌はそもそも、故人の魂を宿すための依代です。
位牌があることで故人の魂は現世と繋がっており、結果として遺族も故人を供養できると言えるでしょう。
そのため、基本的な仏教宗派で位牌は必要なものとして考えられます。
位牌という対象があることで、供養の際に故人を強く想えるため、位牌は遺族にとっても大切なものとなるでしょう。
しかし、浄土真宗のように供養を必要としない考え方の宗派もあります。
こういった宗派では、故人の依代となる位牌を必要としないため、故人の名前を残すための法名軸などといった代替品があります。
また、無宗教であれば当然位牌はいりませんし、散骨や手元供養などの仏壇を介さない供養方法を選択する場合も位牌は必要ありません。
昨今ではさまざまな形態での供養が確立しているため、必ずしも位牌を用意しなければならないということはないでしょう。
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白木位牌と本位牌まとめ

ここまで白木位牌と本位牌の違いについての情報や、本位牌への移行に関する情報を中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 白木位牌は仮位牌であり一時的に故人の魂を宿す依代
- 本位牌は故人をずっと宿す依代であり材質や目的などが違う
- 移行後の白木位牌はお焚き上げなどによって処分する
- 白木位牌のままでも問題ないがデメリットもある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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