法事法要
お盆になすときゅうりをお供えする理由とは?飾り方や作り方も紹介
更新日:2022.06.05 公開日:2021.10.23
お盆の代表的な風物詩といえば、きゅうりとなすで作られた飾りものです。
一見可愛らしい姿に見えるこの飾りものには、実は重要な意味があります。
今回は、なすときゅうりで作られた飾りものをお盆の時期にお供えする理由についてご紹介します。
精霊馬や精霊牛の作り方や飾り方、処分の方法などについてもご紹介していきます。
ぜひ最後までご覧ください。
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お盆になすときゅうりをお供えする理由
日本では古くより、お盆の時期にきゅうりとなすをお供えする慣習があります。
このきゅうりとなすは、そのままお供えするのではなく、精霊馬(しょうりょううま)や精霊牛(しょうりょううし)と呼ばれる飾りものにしてお供えします。
ここでは、お盆の時期になすときゅうりをお供えする理由についてご紹介します。
精霊馬・精霊牛とは
精霊馬と精霊牛とは、お盆にお供えする飾りのことを言います。
精霊という言葉は、亡くなった方の霊魂を意味します。
亡くなった方の霊魂があの世とこの世を往来するために乗るものを精霊馬と精霊牛といいます。
基本的に精霊馬と精霊牛はセットで飾られることが多く、馬と牛の2頭を1組で精霊馬と呼ぶケースも多くあります。
先祖の霊を運ぶため
お盆の時期になると、ご先祖様は、あの世からこの世へと帰ってくると言われています。
その際に、ご先祖様の霊を運ぶ乗り物がこの精霊馬と精霊牛です。
精霊馬には「足の速い馬に乗って、少しでも早くこの世へ帰って来て欲しい」、精霊牛には「お供え物をたくさん積んで、なるべくゆっくりとあの世へ帰って欲しい」という気持ちが込められています。
また、地域によっては、精霊牛に乗ってこの世へ帰って来て、精霊馬に乗ってあの世へ帰ると考えられているところもあります。
なすときゅうりの理由
数ある野菜の中でも、精霊馬と精霊牛にはなぜきゅうりとなすが用いられているのでしょうか?
その理由には諸説あり、明確な答えは分かっていません。
ただ、有力な説の一つとして、きゅうりもなすも共に夏が旬の野菜であること、全国各地で収穫が可能であることが関係していると考えられています。
きゅうりとなすのお供え物には、お盆の時期に旬を迎える新鮮な野菜をご先祖様へお供えしたいという供養の気持ちが表されています。
また、地域によっては、お盆の時期にサトウキビをお供えするところもあります。
きゅうりやなすと同様に、サトウキビは亡くなった方の霊魂があの世へ帰る際に使う杖に見立てられていると言われています。
精霊馬・精霊牛の飾り方
精霊馬と精霊牛の飾り方は、地域などによっても異なります。
ここでは精霊馬と精霊牛の一般的な飾り方についてご紹介します。
お迎えする時
精霊馬と精霊牛は、精霊棚(しょうりょうだな)に飾るのが一般的です。
精霊馬と精霊牛の置き方は、地域によっても異なります。
一般的な置き方の例としては、次のようなものがあります。
- 精霊馬と精霊牛の頭を共に仏壇の方へ向けて置く
- 精霊馬の頭を仏壇の方へ向け、精霊牛の頭を反対側(自宅から外側)へ向けて置く
また、精霊馬と精霊牛を精霊棚ではなく門や玄関先に飾る地域もあります。
その際には、精霊馬と精霊牛共に自宅から外を向くように置きます。
送り出す時
ご先祖様の霊をお迎えする際、精霊馬と精霊牛の頭を共に仏壇の方へ向けて飾った場合には、送り出す際に向きを変える必要があります。
送り出す日には、精霊馬と精霊牛の頭を共に仏壇とは逆の方へ向けて置き直します。
ご先祖様の霊をお迎えする際に、精霊牛の頭を仏壇とは逆の方へ向けて飾っている場合には、送り出す日に向きを変える必要はありません。
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精霊馬・精霊牛の作り方
精霊馬と精霊牛の一般的な作り方についてご紹介します。
まず始めに、精霊馬と精霊牛の材料を準備します。
- きゅうり
- なす
- 割り箸または爪楊枝8本
きゅうりとなす共に、少し曲がった形をしているものを選ぶと動物らしく見えます。
作り方の手順は、次のようになります。
- 割り箸を半分(2本)に割り、2本とも4等分ずつに折る
- きゅうりとなす共にへたのついている方を頭に見立て、それぞれお腹にあたる部分に4等分した割り箸(または爪楊枝4本)を刺す
精霊馬・精霊牛共に、割り箸(または爪楊枝)の長さを調整することによって、見た目にもバランスがとれたものが出来上がります。
スポンサーリンク精霊馬・精霊牛の片付け方
お盆の間にお供えをしていた精霊馬と精霊牛ですが、お盆が終わるとその処分方法に悩む方は多くいらっしゃいます。
ご先祖様にお供えしていた飾りものを、そのまま燃えるゴミとして処分するのはあまりおすすめできません。
精霊馬と精霊牛の処分方法には幾つかあり、地域によっても異なります。
一般的な処分方法としては、次のようなものがあります。
- ご先祖様をお送りする日とされる16日に送り火で燃やす
- 同じく16日に精霊流しで川などに流す
- 菩提寺に処分をお願いする
- 土の中に埋める
- 半紙など白い紙に包んで、塩で清めて捨てる
昔は、ご先祖様を送る日であるとされている16日に、他のお供えものと一緒にして送り火で燃やしたり、精霊流しで川に流して処分することも多かったようです。
しかし、現代では精霊馬と精霊牛を半紙などで包み、塩で清めて燃えるごみとして処分する方も多くいらっしゃいます。
また、精霊馬や精霊牛は野菜で作られているため、「食べてしまっても良いのではないか?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
精霊馬と精霊牛は、ご先祖様の乗り物としてお供えされていたものであるため、通常のお供えものとは多少意味が異なります。
そのまま処分するのはもったいないと思う方も多いかもしれませんが、食べるのは避けた方が無難です。
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なすときゅうりは別のものでも大丈夫?
ご紹介してきた通り、精霊馬と精霊牛はきゅうりとなすで作るのが一般的です。
では、きゅうりとなす以外の野菜を使用しても良いのでしょうか?
ここでは、精霊馬と整理牛を他の野菜で作っても良いのか、またアレンジをしても良いのかなどについてご紹介します。
別の野菜でも大丈夫
精霊馬と精霊牛には、昔からきゅうりとなすを用いるのが一般的とされてきました。
しかし、現代ではきゅうりとなす以外の野菜を用いて精霊馬と精霊牛を作る方も増えています。
もともと精霊馬も精霊牛も作り方はとても簡単です。
どんな野菜であっても、馬や牛の胴体部分に見立てることができる野菜であれば、足に見立てた割り箸や爪楊枝を刺すことで精霊馬や精霊牛を作ることができます。
そのため、きゅうりやなす以外にもトウモロコシやズッキーニ、ミニトマトなどを用いて精霊馬や精霊牛を作る方もいらっしゃいます。
また、地域によってはサトウキビをご先祖様が使用する杖に見立ててお供えするところもあります。
そのため、必ずしもきゅうりとなすを用いなければならない訳ではありません。
ただし、ご先祖様に旬の新鮮な野菜をお供えしたいという気持ちを表すのであれば、きゅうりやなす同様に夏野菜を用いることをおすすめします。
フェイク品でも大丈夫
きゅうりとなすを使って、一から自分で精霊馬や精霊牛を作るのが大変と感じられる方もいるかもしれません。
また、夏の暑い時期に野菜をそのままの状態で飾っておくと、特に高温の場所では腐ったり虫がついたりといった心配もあります。
最近では本物の野菜で作るのではなく、ローソクやプラスチックなどの素材で作られた精霊馬や精霊牛も販売されています。
これらは本物の野菜を使用していないため、多少高温の場所であっても腐ったり虫がついたりといった心配は必要ありません。
また、本物そっくりのものから可愛らしいものまで種類が豊富にあり、ネット通販などでも気軽に購入することができます。
アレンジしても大丈夫
先程、一般的な精霊馬・精霊牛の作り方をご紹介しましたが、近年では、自分の好みにアレンジを加えて作る方も多くいらっしゃいます。
もちろん昔ながらの精霊馬や精霊牛は、風情がありお盆の時期の風物詩となっています。
現代においては、割り箸を使って精霊馬に首を着けてみたり、精霊馬と精霊牛を車に見立てて作られたりもしています。
このようにオリジナリティー溢れる精霊馬や精霊牛が作られており話題となっています。
精霊馬の地域と宗派の差異
お盆の飾りといえば精霊馬ですが、地域によっても扱いが違ったり、宗派によって差異があったりします。
ここからはそうした違いに焦点を当てて詳しく解説していきましょう。
精霊馬は飾る地域と飾らない地域がある
精霊馬は地域によって飾るところと飾らないところがあることをご存知でしょうか。
基本的に、飾るのは東日本だけの風習だと考えられています。
西日本では精霊馬を飾るという風習があまり浸透しておらず、精霊馬をお盆に飾ることを知らない方も多いです。
そのため、東北地方や関東地方では精霊馬が作られますが、関西地方や九州地方では作らないことが多いです。
精霊馬は全国的な風習ではないということを覚えておきましょう。
北海道から中部地方までは送り盆にしか精霊馬を飾らない
精霊馬を飾る地域でも、地方によって飾る期間が異なっています。
具体的には北海道から中部地方までと関東地方で、飾る期間が異なっているのです。
北海道・東北・中部地方では多くの地域で、送り盆の日にしか精霊馬を飾らないとされています。
そのため、新暦の送り盆である7月16日に精霊棚に精霊馬を飾り始めます。
その後、その日の内に処分されるというのが基本です。
一方、関東地方では迎え盆の日に精霊棚に精霊馬を飾ります。
そのため、7月13日に精霊馬を飾り始め、お盆が終わる7月16日まで飾り続けることとなります。
このように、飾る地域でも風習が異なることを覚えておきましょう。
西日本は精霊馬ではなく精霊舟を作る
精霊馬を基本的に飾らない西日本ですが、精霊馬の代わりとして精霊舟を作ることがあります。
この精霊舟は精霊流しと呼ばれる長崎や佐賀などで行われる行事で使われるものです。
麦わらや木といった素材で作られるもので、明かりを灯して川に流します。
精霊舟は故人の魂を乗せて、極楽浄土へと送っていくと考えられています。
このことから、東日本と西日本では、故人の送り方が違うということが分かるでしょう。
また、沖縄ではサトウキビを先祖があの世へ帰る時に杖として使うとされています。
そのため、このサトウキビをお供え物として仏前に供えることが多いようです。
地域によって精霊馬以外のものが、故人のために用意されているということがお分かりいただけたでしょう。
浄土真宗では精霊馬を用意しない
地域性以外にも、宗派によって精霊馬を用意しないケースもあります。
具体的には、仏教の宗派の1つである浄土真宗では用意しないものと考えられています。
また、それだけでなくお盆飾りも基本的に準備しません。
これは浄土真宗の教えが関係しています。
浄土真宗では先祖は全員仏様になると考えられているため、先祖が霊としてお盆に帰ってくることはないとされているのです。
そのため、精霊馬などのお盆飾りは用意せず、いつもと同じように過ごします。
宗派によってお盆に対しての考えも様々であるということがお分かりいただけるでしょう。
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お盆のなすときゅうりまとめ
今回は、お盆の時期になすときゅうりをお供えする理由について、精霊馬や精霊牛に関する情報も含めてご紹介してきました。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
- お盆の時期に旬を迎える野菜をご先祖様へお供えしたいという気持ちがある
- 精霊馬と精霊牛の飾り方は、地域によって置く向きが異なる
- 送り火で燃やす、精霊流しで川に流す、白い紙に包んで塩で清めて捨てるなどといった方法がある
今回ご紹介しましたこれらの情報が、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧頂き、ありがとうございました。
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