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法事法要

お盆の棚経とは?棚経を受ける時の注意点・お布施について解説

更新日:2022.05.17

お盆

仏壇に向かって祈りをささげる僧侶の背中

記事のポイントを先取り!

  • お盆は先祖の霊を迎え入れる
  • 棚経に関する連絡は早めに
  • 盂蘭盆会や施餓鬼といった法要も

お盆はお墓参りに行くタイミングとして認知されています。
また多くの人にとってお盆とは、ご先祖さまを迎え入れる時期として知られています。

お盆には棚経と呼ばれる法要が毎年行われます。
人によっては聞き慣れない棚経とはいったいどのようなものなのでしょうか。

そこでお盆の棚経について、本記事では網羅的に解説します。

宗派による棚経の違いについても触れているのでぜひ最後までご覧ください。

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  1. お盆の棚経とは
  2. 棚経を行う場合のお盆の流れ
  3. 棚経を受ける時に気をつけること
  4. 棚経を受ける時のお布施について
  5. 宗派による棚経の違い
  6. その他のお盆法要
  7. お盆の棚経まとめ
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お盆の棚経とは

頭の中にクエスチョンマークがある顔のシルエット

棚経(たなぎょう)という言葉の意味を理解しているという人は、あまり多くないのではないでしょうか。
その一方でお寺にお墓を持っている家庭にとっては、お盆の棚経は毎年行う儀式でもあります。

棚経には由来となる歴史や行う意味があります。

具体的な儀式の内容などを含め、それぞれご紹介します。

棚経で行うこと

お盆の棚経では、僧侶が各家庭をまわりお経をあげます。
この行為そのものが棚経です。

つまり棚経とはお盆に行われる仏教の法要のことです。
その際には主に仏壇周りの準備が必要になります。

鈴や香炉といった仏具、提灯やお花、お供え物としての野菜や果物を用意します。
仏壇の前には棚を置き、そこに用意したものを並べ僧侶にお経をあげてもらうのです。

お盆の時期、各家庭ごとに仏壇の前に棚を設置するため「棚経」という名称がついたといわれています。

棚経の意味

棚経はご先祖さまへの感謝の気持ちを伝える意味があります。
そのために僧侶を招きお経を読んでもらいます

その間、家族はご先祖さまに線香をあげ、手を合わせて祈りを捧げます。
このことから、ご先祖さまを祀る棚を「精霊棚(しょうりょうだな)」と呼びます。

棚経の由来

棚経の歴史は今から400年ほど前の江戸時代にさかのぼります。
棚経は当時の「隠れキリシタン」を摘発するために始まったとされています。

当時の幕府は、徐々に信者が増えていたキリスト教を危険視していました。
そのためキリスト教は原則禁止とされている時期でもありました。

キリスト教信者は幕府の禁止を知りつつも、隠れながら信仰を続ける必要がありました。
自らの信仰を秘密にし、キリスト教の象徴であるマリア像や十字架も仏壇の引き出しに隠していました。

そのことから当時のキリスト教信者は「隠れキリシタン」と呼ばれていました。
檀家を装った隠れキリシタンを摘発するために、僧侶が各家を棚経で周ったのです。

僧侶はお経をあげる前提で、隠しものを探すために仏壇の引き出しなどを開けて調べたのです。
この棚経によって多くの隠れキリシタンが見つかり、さまざまな罰を受けたという歴史があります。

棚経の期間

棚経はお盆の期間に行われます。
お盆の時期は仏教において重要な時期です。

お盆は死後の世界とこの世が近くなるとされています。
そのため各家庭では提灯を飾り、帰ってくるご先祖さまを迎え入れるのです。

棚経で用意される棚が別名で「盆棚(ぼんだな)」と呼ばれるのも、お盆に行う法要が由縁です。

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棚経を行う場合のお盆の流れ

ステップアップのイメージが描かれた紙

棚経の歴史や意味などがわかったところで、具体的な流れについて気になるところだと思います。
棚経は1日で終わるものではなく、お盆の前から準備が始まり数日間かけて行われます。

時系列順に解説しますので、参考にしてください。

お供え物の準備をする

棚経に使うお供え物の準備を行います。
お供え物には季節の野菜や果物を用意します。

これは百味五果(ひゃくみごか)という教えによるものです。
百味には「多くの美味しいもの」五果には「茄子、瓜、麺、餅、鰻」という意味があります。

お盆の前日までに準備が完了しているのが理想です。

1日目

お盆の1日目は迎え火を行います。
地域ごとにさまざまな方法がありますが、共通しているのは用意した提灯に火を灯すことです。

提灯を持ってお墓に行きご先祖さまを迎えに行ったり、玄関に提灯を飾りご先祖さまを招いたりします。

これを迎え火といいます。

2日目〜3日目

お盆の2日〜3日目は棚経のために僧侶が家まで訪れます。
お経を読んでいただくのでお布施を用意して納めていただきます。

また、家族が揃うタイミングでもあるため、会食の準備も必要です。

4日目

4日目はお盆の最終日にあたり送り火を行います。

送り火とは、迎え火の逆でご先祖さまを送り出すことです。
地域によって灯籠流しや精霊流しの行事が執り行われます。

このタイミングでお供え物の片付けも行います。

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棚経を受ける時に気をつけること

開いた本の上に置かれた虫眼鏡

お盆の時期は、お寺やお坊さんが忙しい時期です。
棚経を受ける時に気をつけることは、基本的にはお寺やお坊さんへの配慮です。

気をつけるべき点の具体的な内容をご紹介します。

棚経の時期・依頼方法

棚経の時期はお盆で忙しい時期なので、依頼は早めに行うことがお互いにとって大事なことです。

新盆の場合は全てにおいて特別なので、とりわけ早めに相談して依頼をするとよいでしょう。

また、菩提寺に属している場合は必ず菩提寺に依頼します。

棚経を断る場合は早めに相談する

棚経は基本的に年に一度、定期的に行うものですが、さまざまな事情によりお盆の時期に棚経を行えないこともありえます。
しかしご先祖さまを迎え入れる大事な法要のため、棚経は基本的には断ることができません。

もしも棚経を断る場合は、菩提寺へできるだけ早めに連絡することがマナーです。

棚経を受ける時の服装

棚経は各家庭で行われ、参加するのは身内だけというケースが基本です。

そのため服装は普段着で構いませんが、新盆の棚経では喪服を着用するのが一般的です。

お坊さんの迎え方

棚経でお経を読んでいただくお坊さんの迎え方で気をつけるべき点は、できるだけ涼しい部屋を用意することです。

お坊さんはお盆の暑い中袈裟を着て各家庭を訪問してまわるため、熱中症になる恐れがあります。
できるだけ快適にお経をあげていただけるような部屋を用意してください。

また、余裕があればお菓子など用意すると良いでしょう。

棚経が終わったら食事を振る舞う

棚経の後には参列した親族や僧侶に食事を振る舞います。
そのため食事の準備を事前にしておく必要があります。

基本的には伝統的な精進料理ですが、最近ではこだわらない家庭も増えています。

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棚経を受ける時のお布施について

その他、棚経について気になる点といえばお布施の相場ではないでしょうか。

お布施の相場や渡し方などについてご紹介します。

お布施料の相場

棚経のお布施の相場は2,000〜1万円程度です。

檀家であるかどうかや、地域ごとにも異なりますので明確な金額は近隣の詳しい方に聞くとよいでしょう。

お布施の表書きの書き方

お布施の表書きは薄墨ではなく濃墨で「お布施」「お礼」と書き、その下に名前を書きます。
お布施の封筒は奉書紙(ほうしょし・ほうしょがみ)という格式の高い紙製の封筒が形式的にはよいとされています。

しかし、無地の封筒であれば特に問題ありません。

お布施の渡し方

お布施の封筒は基本的に袱紗(ふくさ)に包みます。

袱紗とは冠婚葬祭で使う封筒を包む布のことです。
お布施は直接手渡しするのではなく、一度袱紗の上に乗せて両手で差し出します。

差し出したお布施をお坊さんに受け取ってもらうのが、正しいお布施の渡し方です。

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宗派による棚経の違い

木のベンチの上に載っている玉串

棚経はお盆に行う仏教の法要です。
日本の仏教は複数の宗派に分かれています。

宗派による棚経の違いについてご紹介します。

曹洞宗

曹洞宗の棚経では食事に加えて午前と午後におやつと、あの世に持ち帰るためのお団子も用意します。
また、食事を亡くなった方全員分を1日3食分用意しなくてはいけません。

最終日には精霊流しをする地域もあります。

浄土真宗

浄土真宗の教えでは死んだ人は誰でもすぐに仏になり、極楽浄土にたどり着きます。

そのため他の宗派と違い、お盆にご先祖さまが家に帰ってくるという考えはありません
浄土真宗のお盆は、ご先祖さまをお迎えするのではなく感謝することが主になります。

具体的には僧侶を家に招いてお話を聞いたり、「歓喜会」という行事に参加したりします。

真言宗

真言宗では一般的なお供え物以外にも「水の子」や「閼伽水(あかすい・あかみず」というお供え物を捧げます。

水の子とは茄子や胡瓜に洗った米を混ぜたものです。
閼伽水は蓮の葉などにミソハギという花の束に水を加えたものです。

どちらもご先祖さまの食事になります。

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その他のお盆法要

数珠を持ち合唱する女性

お盆は仏教において重要な時期のひとつです。

そのため仏教では棚経以外にもお盆の時期に法要があります。
大きく分けて2つの法要がありますが、それぞれどのような意味や目的で行われるのでしょうか。

また、具体的にいつ行われ、どのような形態なのか解説します。

盂蘭盆会

盂蘭盆会(うらぼんえ)はお盆の正式名称ともいわれています。
盂蘭盆会は具体的には旧暦7月15日を中心とされています。

仏教の祖であるお釈迦様が、母親の苦しみに悩む弟子の相談に対し回答したことで、その母親が往生できたという話があります。
お釈迦様の答えとは「修行を終えた者たちに7月15日にご馳走をふるまい供養せよ」というものでした。

そこからお盆の時期の盂蘭盆で、人々がご先祖さまを想い供養する行事を執り行うようになったということです。

施餓鬼法要

施餓鬼(せがき)とはお盆に食べ物や飲み物をお供えする仏教の供養行事です。

施餓鬼の餓鬼とは、仏教において飢えに苦しんでいるもののことです。
お盆の時期に施餓鬼法要でお供えをすることは、ご先祖さまだけでなく苦しんでいるものへの供養になります。

その行いは徳を積む行為として、推奨される法要の一つとなっています。

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お盆の棚経まとめ

「ま」「と」「め」と書かれた積み木と電卓と時計

ここまで棚経の情報や、お盆の法要などを中心にお伝えしてきました。
内容をまとめると以下のようになります。

  • お盆の棚経では各家庭でご先祖さまを迎え、僧侶にお経をあげてもらう
  • 棚経の依頼や断りは早めに連絡し、新盆では喪服を着る
  • お盆には棚経以外に盂蘭盆や施餓鬼という法要がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(やまぐち)

山口 隆司(やまぐち たかし)

一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター

経歴

業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。

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