法事法要
真言宗では初盆に何をする?初盆飾りに必要なものや飾り方を解説
更新日:2024.02.03 公開日:2021.12.09

記事のポイントを先取り!
- 真言宗の初盆の迎え方から送るまでの流れ
- 真言宗の初盆飾りに必要なものと特有のお供え
- 真言宗の初盆飾りは設置方法にあらゆる気遣いがある
真言宗の初盆は何が行われるのかご存じでしょうか。
また、真言宗では、一般的なお盆とは精霊棚や仏壇の飾り方が異なるため知らない方も多いと思います。
初盆飾りには何が必要なのか、どのような置き方をするのか知っておきましょう。
この記事では真言宗の初盆について詳しく説明していきます。
真言宗の初盆は通常より手厚い法要を行うため、初盆飾りに必要なものを事前に準備しておきましょう。
また、施餓鬼法要についても詳細に触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
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真言宗とは
真言宗は弘法大師空海によって、平安時代初期に開かれました。
「即身成仏」を教えとした密教です。
人も仏も本質的に同じであり、本来備えている仏性に目覚めれば、生きながらにして仏の境地に至ることができるという考え方です。
高野山奥の院では、禅定(永遠の瞑想)に入った弘法大師空海が、今も生き続けていると信仰されています。
また、真言宗の本尊は大日如来とするのが基本です。
18ある宗派において本尊が異なることはありますが、すべての仏様は大日如来につながると考えられています。
真言宗の経典は、「大日経」「金剛頂経(こんごうちょうぎょう)」です。
法要で唱えられるお経は「般若理趣経(はんにゃりしゅきょう)」「般若心経」「観音経」です。
また、「光明真言」や陀羅尼(だらに)、声明、ご詠歌、和讃を唱えることもあります。
真言宗の初盆で行うこと
真言宗は、お盆や年回忌法要を追善供養として捉えています。
追善供養は、現世に残された人々が故人の冥福や菩提のために、善行を積むことが供養になると考えられているのです。
ここでは、真言宗で行われる初盆の過ごし方を見ていきましょう。
なお、お盆の日程は地域によって異なりますので、事前確認が大切です。
迎え火・送り火
真言宗の迎え火は13日の夕刻、お墓や自宅前でおがらや箸木(はしのき)を焚いて、ご先祖様や故人を迎え入れます。
初盆では迎え火が焚き終わるころ、その火を白提灯や精霊棚のロウソク、燈籠に灯します。
お盆最終日の送り火は15日の夕刻に焚き、ご先祖様や故人の薄暗い足元を灯りで照らして送り出す灯りです。
迎え火や送り火は、地域によって日にちが異なることや、精霊舟に火を灯し海や川に浮かべ魂を送ることがあります。
棚経
棚経はお盆の時期に、菩提寺の住職が各家庭を訪問して、仏壇に読経することです。
読経は短時間ですが、親族が線香を手向けて合掌する、お盆に欠かせない仏事のひとつです。
初盆を迎える場合は、手厚い法要を執り行うため、親族や故人と親しかった知人、友人などを招くケースが多いでしょう。
また、お寺や葬儀場によっては初盆を迎える檀家だけを集めて、合同法要(盂蘭盆会)を行うところもあります。
お墓参りや法要
一般的にお墓参りは、「迎えは早く、送りは遅く」といわれています。
初盆では基本的に、僧侶を招いてお墓参りや法要が行われます。
真言宗のお墓参りでは、8月13日は午前中に参り、8月15日は夕方にお参りをします。
また、地域によっては墓前で迎え火を焚き、盆提灯に明かりを灯して自宅まで導いて一緒に帰ってくる風習もあるのです。
お墓参りにいくときは、お盆前にお墓の掃除を行い、きれいに浄めておくことも大切です。
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真言宗の初盆飾り
真言宗の初盆飾りには、精進料理という特有のお供えがあり、野菜や果物などと一緒に供えられます。
精進料理は、肉や魚を使わないのが特徴です。
ほかにもお団子や仏花などの様々なものが初盆飾りで必要になります。
初盆飾りでは準備するものがたくさんあるため、以下で詳しく解説していきます。
真言宗の初盆飾りで準備するもの
真言宗の初盆飾りは、特有のお供えなどがあるため事前に準備して揃えておきます。
ここでは、基本的な初盆飾りをご紹介します。
精霊棚・真菰のゴザ
精霊棚は位牌やお膳、お盆のお供え物、故人の好物などを供えるものです。
地方では特別に誂えたものを用いますが、なければテーブルなどに白布を掛けて代用します。
真菰のゴザは精霊棚に敷き、その上にお供え物を置いて使うものですが、ない場合は白い布で代用します。
精霊馬・精霊牛
精霊馬や精霊牛はキュウリとナスに、おがらで手足をつけて馬と牛に見立てたものです。
ご先祖様の魂はこの馬に乗ってこの世に戻り、牛に乗ってあの世に帰っていく乗り物とされています。
また、馬はご先祖様が早く帰って来てもらうために、牛はゆっくり帰ってもらうため遅い乗り物とされています。
盆提灯
盆提灯は、ご先祖様や故人の霊が迷わずに帰ってくるために灯しておくものです。
初盆飾りの白提灯は、清浄無垢の白が故人の霊を迎える意味があり、白木でつくられた白紋天の提灯が一般的です。
また、初盆の白提灯は飾るのは一度きりなため、お盆を終えると送り火や菩提寺でお焚きあげしてもらいます。
白提灯の詳細については、「初盆の提灯とは?意味や飾り方・送る時の注意点など徹底解説!」をご覧ください。
お団子
お団子は、基本的にあんこやきなこなどの味付けをしていない、シンプルな白い団子です。
お盆のお供えは、お迎え団子・お供え団子・送り団子の種類があります。
お供えする団子の数は地域によって異なり、2~4段の三角錐型に積むなど積み方も決まりがあります。
お盆にお供えする団子の詳細は、「お盆にお供えする団子の意味とは?作り方やお供えの際の注意点を紹介」をご覧ください。
仏花
初盆の仏花は、白い菊が多く、故人が好きだったお花や、傷みにくい日持ちする生花をお供えします。
一般的に供花に不向きとされる花は、トゲのあるものや匂いが強いものは避けることをおすすめします。
初盆飾りは仏花においても、しきたりを気にされる方がおられるため、状況にあわせて準備するのが良いでしょう。
ほおずき
真言宗では、ほおずきを盆提灯に見立てて飾り、ご先祖様や故人の霊を招きます。
ご先祖様や故人は、迎え火や提灯の灯りを頼りに帰って来られるため、盆提灯に見立てて精霊棚の中に招いているのです。
また、農作物の収穫が少なかった時代は、ほおずきの鮮やかな色が色取りを補う意味があったといわれています。
ほおずきについての詳細は、「お盆飾りのほおずきとは?ほおずきに関して徹底解説!」をご覧ください。
水の子
水の子とは、キュウリなどの野菜をさいの目に切り、洗ったお米と水を混ぜて蓮の葉や器に盛り付けたものです。
これは、ご先祖様や亡くなられた方だけではなく無縁仏や餓鬼も含め、お盆に帰ってくるすべての御霊の供養として用意します。
水の子はお盆を終えると、川に流す風習がありますが土に還すのが良いともいわれます。
閼伽水(あかみず)
閼伽水は器や蓮の葉にきれいな水を入れ、器の上にミソハギの花を5~6本束ねたものあるいは季節の花を添えます。
お盆の間はミソハギの束に閼伽水を含ませ、水の子やお供え物の上に静かに軽く注ぎます。
これは餓鬼に対する供養や救済を表しており、この行いがご先祖様やあらゆる精霊の喜びにつながると考えられているのです。
精進料理
精進料理は真言宗特有のお供えであり、野菜や果物などと一緒に供えられます。
料理は肉や魚を使わず、イモ類・なす・ししとうなどの精進揚げや、野菜・海藻など植物性の食品が中心です。
また、ニラ・らっきょう・にんにくねぎ・あさつきなどの五葷(ごくん)といわれる香味野菜は使いません。
真言宗の初盆飾りの置き方

真言宗の初盆飾りは、通常のお盆と異なる特徴があるため、事前に必要なものを揃えておきます。
また、初盆飾りの位置や向きは、ご先祖様や故人が目の前に帰って来られたと考えれば容易に理解できます。
精霊棚は真菰を敷いて仏壇の前に設置し、青竹や笹を四隅に立て真菰縄で結びます。
これは、ご先祖様や故人の霊以外は入って来られないようにする結界です。
精霊棚は小型のお膳・蓮の葉・精霊馬や果物、お花、故人が好きだったものを供えます。
位牌は仏壇から出して中央の奥に飾り、初盆の位牌は少し手前の中央に飾り、香呂・燭台・金の三具足を並べましょう。
初盆の家では白提灯を玄関や部屋の窓際、仏壇の前などに飾り、故人が迷わないように導きます。
また、精進料理はお箸を仏壇側に向けて供え、お団子の下に敷く半紙の尖った面が自分の方に向くようにします。
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真言宗の「施餓鬼」とは?
真言宗で行われる施餓鬼は、他の宗派より回数が多いといわれていますが、どのような法要なのでしょうか。
ここでは、いつ頃行われ、どのような意味があるのか見ていきましょう。
施餓鬼とは
施餓鬼とは、餓鬼に飲食を施すことです。
この世のあらゆる精霊や無縁仏への供養を目的として行われます。
それは自分の功徳になることはもちろん、ご先祖様や故人に功徳を届けることで悟りへの力とする供養になります。
施餓鬼会は、お釈迦様の弟子である阿難尊者と餓鬼の逸話が由来とされています。
お釈迦様の教えに従って、餓鬼に真言を唱え食事を施したところ、その功徳によって餓鬼が救われ、阿難も寿命を延ばすことができました。
餓鬼とは、仏教にある六道と呼ばれる世界の中に餓鬼道があり、生前の自らの悪行によって餓鬼になり苦しんでいると考えられています。
そのため真言宗は餓鬼への施しを毎日行うことが良いとされ、さらに護摩を焚いて祈祷することが重要とされているのです。
施餓鬼法要の時期
施餓鬼法要の時期は、真言宗ではお盆の時期に盂蘭盆会(うらぼんえ)とあわせて行われています。
特別に期日が決まっている訳ではありませんが、多くは5月~6月あるいは他の月に行うお寺もあります。
また、真言宗の本山では大施餓鬼供養会が行われており、お盆からお彼岸までお祀りしている寺院もあります。
このように施餓鬼法要は、春秋の彼岸やお盆とともに大切な行事なのです。
真言宗の初盆飾りまとめ

ここまで真言宗の初盆の迎え方や、初盆飾りに必要なものと設置方法を中心に書いてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 真言宗の初盆飾りに必要な白提灯や精進料理は事前に準備する
- 真言宗の初盆飾りは、ご先祖様や故人に向けて置くことが大切
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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