お墓
納骨しないで家に置くのは問題ない?手元供養の方法について紹介
更新日:2022.04.23
火葬した遺骨は、四十九日などの法要と同日に、お墓へ納骨するのが一般的です。
納骨しないで、遺骨をずっと家に置くことはできるのでしょうか?
この記事では、家で遺骨を手元供養する方法や注意点について、詳しくお伝えします。
また、遺骨からダイヤモンドへの加工や手元供養の処分方法についても、詳しくご説明します。
ぜひ最後までご覧ください。
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遺骨を納骨しないで家に置くことはできる?
遺骨を納骨しないで、家に置くことは法律上、何の問題もありません。
お墓や埋葬方法について、定められた法律に、「墓地・埋葬等に関する法律」があります。
この法律によると、「墓地以外の区域に、埋葬または焼骨の埋蔵をしてはならない」とあります。
埋葬する場所については規定があるものの、いつまでに納骨するのかという期限に関して、記述はありません。
スポンサーリンク手元供養とは
お墓に納骨しないで、遺骨を家で供養することを、手元供養といいます。
近年、増えつつある新しい供養方法のひとつです。
手元供養には、全骨供養と分骨供養の2種類があります。
全骨供養は、火葬された遺骨を全て引き取り、供養することで、分骨供養は、遺骨の一部を手元に残して供養することです。
手元供養のやり方
遺骨を家に置く際の代表的な保管方法を、3つご紹介します。
骨壺に入れて保管する
火葬した後の遺骨は骨壺に入れられ、骨壺を家に置く保管方法があります。
持ち帰った遺骨は、四十九日まで祭壇に祀られますが、四十九日の忌明け法要を過ぎると、祭壇は撤去されます。
骨壺が小さければ仏壇に置けますが、全骨供養の場合は、骨壺が大きく仏壇に収まらないことがあります。
その場合は祭壇を撤去せず、そのまま利用して保管します。
仏壇で保管する方法もありますが、仏壇とは本来、お寺の本堂をコンパクトな形にしたものです。
そのため、ご本尊と遺骨を一緒の仏壇に供えるということに、違和感のある方もいます。
分骨して遺骨の量が少ない場合は、ミニ骨壺で保管できます。
ミニ骨壺は、自宅安置用として人気のあるタイプです。
ガラスや真鍮(しんちゅう)、ステンレスなど素材もさまざまで、お部屋のインテリアに合わせて選べます。
ミニ骨壺と遺影をお部屋の一角に置けば、故人の思い出スペースが作れます。
アクセサリーに入れて身に着ける
遺骨をアクセサリーにする、保管方法もあります。
ペンダントやブレスレットなどに加工すれば、いつでも身に着けることができるため、故人を身近に感じられます。
遺骨をアクセサリーにする方法は、3種類ほどあります。
- 遺骨の成分を取り出して、宝石のように成型
遺骨には、さまざまな成分が入っています。
炭素成分を抽出して、ダイヤモンドに類似した宝石に加工する方法があります。
カラット数にもよりますが、30万~200万円ほどの費用がかかるようです。
こちらについては、後ほど詳しくお伝えします。
同様の方法により、サファイアのように仕上げる加工もあり、25万~70万円ほどの費用となります。
- 遺骨を他の成分と一緒に溶かしたり、固めたりする
少量の遺骨を樹脂で固めて、リングやペンダントの貴金属部分と同一化させる加工です。
8万~20万円ほどで加工でき、水や衝撃にも強い点がメリットです。
また、石英を用いて加工する方法もあります。
リングやペンダントのほか、数珠にするのも人気があるようです。
- 遺骨をそのまま収蔵
通常のアクセサリーに、遺灰を入れるインナーポケットが付いているタイプもあります。
2万円ほどの価格で購入できるため、安価で仕上げたい方におすすめです
加工して飾る
遺骨を粉状にして、置物やプレートに加工することもできます。
プレートには、故人の名前や写真・出生~没年月日などを彫刻できます。
また、一見、遺骨と分からないため、リビングに飾っておいても違和感がありません。
プレートは10万~30万円ほどの価格となります。
骨壺の中に収めたままだとカビが生える心配がありますが、加工してしまえば衛生面でも安心です。
手元供養の特徴
手元供養することで、どんなメリットがあるのかをご説明します。
いつでもお参りがしやすい
お墓へ納骨すると、お墓参りの時にしか、故人に手を合わせられません。
しかし、遺骨がいつでも手元にあるため、毎日お参りができます。
故人を身近に感じられ、見守ってもらっているような気持ちになれます。
費用が不要
手元供養は費用が0円です。
新たにお墓を購入する場合は、墓石代だけで110万円ほどかかってしまいます。
また、納骨式は僧侶を迎えて読経してもらうため、お布施が必要ですし、参列者へ会食の振る舞いもします。
それがないため、墓石代だけではなく、納骨式などの法要にかかる費用も、手元供養なら不要です。
お墓に納骨すると、寺院や霊園への年間管理料や、墓石のメンテナンス費なども必要です。
樹木葬や納骨堂など、墓石のない納骨方法でも、30万~100万円程度の費用がかかります。
手元供養はお墓にかかる費用を抑えたい方にとって最適な供養方法といえるでしょう。
墓じまいにもなる
お墓が遠方にあったり、お墓の継承者がいない場合も手元供養はおすすめです。
費用をかけずに墓じまいができます。
現在あるお墓の墓じまいには、閉眼供養や墓石撤去代などがかかります。
しかし、遺骨の移動先が自宅であれば、それ以上の費用はかかりません。
遺骨の新しい収蔵先に悩むこともありませんし、手間も省けます。
また遺骨が手元にあることで、いずれ自分が高齢者施設へ入ることになったときも大切に持っていけます。
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遺骨で作るダイヤモンドとは
遺骨でダイヤモンドの成型が可能なのをご存知でしょうか?
正確には合成ダイヤモンドですが、本物と変わらない硬度と輝きを持っています。
合成ダイヤモンドを作成するには、遺骨全体の1/4~1/5程度の量が必要です。
業者によって異なりますが、多いところで300gほどの遺骨が要るようです。
関東では全骨供養が一般的なため問題ありませんが、関西では分骨が主流です。
事前に加工を決めているのであれば、遺骨を多めに手元に残しましょう。
合成ダイヤモンドの加工は、遺灰から炭素成分を抜き出し、熱処理後にカット(研磨)をして完成します。
カラット数によっても価格差がありますが、40万~200万円程度の費用が必要です。
カラット数のほかに、カットの方法で光の入り方が異なり、輝き方も変わってきます。
同じカラット数でもカットありの場合は少し高くなります。
例えば1カラットのダイヤモンドを加工した場合、通常は200万円弱ですが、カットすると250万円ほどになります。
分骨のやり方
遺骨を2か所以上に分けて供養する場合には、分骨が必要です。
分骨に必要な書類などについてお伝えします。
分骨には書類が必要
分骨には、分骨証明書が必要です。
分骨証明書は、分骨するときに必要な書類ではなく、分骨した遺骨を他の場所へ納骨するときに、必要な書類です。
つまり、遺骨を納骨しないのであれば、分骨証明書は不要ということになります。
分骨した遺骨を散骨する場合、分骨証明書は要りません。
手元供養する場合は、分骨証明書の取得をおすすめします。
何らかの事情で、将来的に遺骨を納骨することになった場合必要になるからです。
火葬した際に分骨する場合は、「火葬証明書(分骨用)」を火葬場から発行してもらいます。
既に納骨した遺骨を分骨する場合は、「分骨証明書」を寺院や霊園の管理者から発行してもらいます。
どちらも300円程度で発行可能です。
分骨証明書を紛失した場合でも、氏名と没年月日、火葬日が分かれば再発行可能です。
分骨の管理方法
分骨した遺骨はアクセサリーのほかにも、ミニ骨壺に入れて保管もできます。
ミニ骨壺はおしゃれなデザインも多く、リビングに置いても、インテリアとして使用ができます。
ミニカーサイズの小さな骨壺もあり、置く場所によってサイズが選べて便利です。
残った遺骨の扱い方
分骨して残った遺骨は、新たな移送先へ納骨するか散骨するという手段を取ります。
散骨する場合は、海洋散骨や山林散骨を業者へ依頼するのが一般的です。
手元供養の遺骨が残ったからといって、自宅の庭へ埋葬するのは法律違反となりますので気を付けましょう。
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遺骨を家に置くときの注意点
遺骨の家に置く場合の注意点についてお伝えします。
保管場所に注意
遺骨を家に置く際に注意すべきなのが、保管場所です。
遺骨の入っている骨壺に湿気が溜まると、遺骨にカビが生えることがあります。
遺骨は800~1200度の高温で焼かれます。
火葬後の遺骨は乾燥しており、骨壺などの密閉した空間の中に入れると空気中の湿気を吸湿します。
骨の表面に水分が付くことで、遺骨にカビが生えてしまいます。
カビを防ぐには普段の掃除も大切ですが、ちょっとした工夫で湿気をこもりづらくできます。
骨壺の蓋は密閉されているように見えますが、実は隙間があります。
気温差があると、この隙間から水分や菌が侵入してしまいます。
そのため遺骨を持ち帰ったら、すぐに口と本体の境目をテープで巻いて、密閉状態にします。
骨壺自体を置く場所も、水回りや押し入れの奥の方で保管しないよう気を付けましょう。
紛失や破損のリスク
ペンダントやブレスレットなどアクセサリーで手元供養した場合、うっかり壊したりなくしたりするリスクがあります。
また、家に置いていても地震などの災害で、プレートなどが落ちて破損する可能性もあります。
アクセサリーは身に着けられていいのですが、紛失と破損のリスクはついてまわります。
親族によるトラブル
手元供養は、近年に入ってから増えつつある、まだまだ新しい供養方法です。
そのため、先祖代々からのお墓に入るのが当たり前だと思っている、高齢の方もいらっしゃいます。
また「納骨しないと成仏できない」、「体は土に還るもの」という考えの方もいます。
親族には、手元供養にしてから事後承諾ではなく、できれば事前に話しておくのがおすすめです。
将来的な対応について
手元供養をするのなら、自分に万が一のことがあった場合のことも、考えておく必要があります。
特に家やお墓の継承者がいない場合は、自分の遺骨も手元供養の遺骨も行き場を失います。
遺骨の引取り手がいない場合は、自治体に管理され、無縁墓へ埋葬されることが多いようです。
手元供養はいつまでと期限を決めて、その先はどうするのかということをよく考えましょう。
手元供養品の処分方法
もしも手元供養ができなくなったら、どのような方法で手放せばいいのでしょうか?
手元供養品の処分方法
アクセサリーなど遺骨と一体化している供養品の場合は、菩提寺や仏具店に相談してみましょう。
お寺で魂抜きをしてもらったり、お焚き上げしたりしてもらえるかもしれません。
いずれ処分することを前提とするなら、お焚き上げは不燃物や、燃やすと有害物質の発生するものはお焚き上げできないので、注意しましょう。
供養者に万が一のことがあった場合、棺に一緒に入れてもらえます。
遺骨が分離できる供養品であれば、白い紙に包んで普通に処理してもOKです。
名前や写真入りの場合は、お焚き上げしてもらえるか、菩提寺に相談してみます。
骨壷の処分方法
骨壺を処分するには、まず遺骨を取り出して、納骨か散骨をします。
残った骨壺は容れ物であるため、不燃物として処理しても問題ありません。
故人の氏名が入っている場合は、砕いて新聞紙などに包んで廃棄しましょう。
廃棄することに抵抗のある方は、菩提寺への相談をおすすめします。
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納骨しないで家に置く場合のまとめ
ここまで、納骨しないで家に置く場合の保管方法や注意点の情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りになります。
- お墓に納骨しないで遺骨を家に置くことは、法律違反ではない
- 手元供養の種類として、骨壺に入れる、アクセサリー、プレートやオブジェ
- 分骨は分骨証明書をもらう、残った遺骨は業者に依頼
- 自宅での遺骨の保管は、カビや紛失に注意
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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