お葬式
玉串奉奠の正しい順番は?全体の流れや玉串料についても解説
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.17
神道の玉串奉奠(たまぐしほうてん)という言葉をお聞きしたことはありますか?
実際に行われたことはあっても、意味や順番を理解している方は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、玉串奉奠の順番について詳しく説明していきます。
玉串奉奠の相場についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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玉串奉奠とは
玉串奉奠とは、神前式や神式葬儀などの神道儀式の際におこなわれるもので、玉串拝礼(たまぐしはいれい)とも言われます。
名前の通り玉串を奉奠する儀式で、神様に捧げ、奉奠することで願いが伝わると考えられています。
神式葬儀の際の玉串奉奠は、仏教の焼香にあたり、玉串を捧げることで故人を祈ります。
玉串とは
玉串とは、紙垂/四手(しで)という雷を模したギザギザの紙を、麻のひもで結って榊(さかき)の木の枝に吊るしたものを指します。
以前は、木綿(ゆう)といわれる楮(こうぞ)という木の皮から作られた紐を榊につるしていましたが、現在は紙垂のほうが一般的です。
玉串に使用される枝は地域によって異なる場合もありますが、一般的には榊の枝が使用されています。
榊の文字から察することができるように、榊には神様が宿っていると言い伝えられています。
神道の儀式においてこの玉串は、神様と人を結び付けてくれるものとされ、重要な役割を担っています。
神式と仏式葬儀の考え方の違い
神式葬儀と仏式葬儀は作法の違いだけではなく、考え方にも違いがあります。
仏教の葬儀は、故人が無事に極楽浄土へ辿りつけるよう、故人様の冥福(めいふく)を祈るものです。
人は亡くなった日から7日ごとに極楽浄土へ行けるかどうかの審判が行われ、49日目に判決が下されます。
この最初の審判の日が初七日(しょなのか)、判決が下される日が四十九日になります。
一方神道では、死は穢れ(けがれ)ているものと考えられており、故人は亡くなった日から50日間かけて霊から家を守る守護神になるとされています。
故人が守護神となる日には、五十日祭が行われ、守護神(神棚)へと迎え入れらえます。
この五十日祭は仏教でいう四十九日に当たります。
焼香と玉串奉奠の違い
玉串奉奠は、仏教での焼香に当たります。
焼香の香りは、故人だけでなく本人や周囲の汚れも落とすとされており、焼香を行うことで綺麗な心身で供養ができるといわれています。
他にも、焼香の香りは仏様と故人様の食べ物になることや、極楽浄土に無事にたどり着くための道しるべになるとされています。
神道の場合、家の守護神になられるため、道しるべを必要としません。
そのため焼香ではなく、故人が無事に家の守護神になれるようにという願いを込めた玉串奉奠が行われています。
スポンサーリンク玉串奉奠の順番マナー
玉串奉奠は葬儀だけではなく、結婚式などの慶事にも行われます。
葬儀と結婚式では、玉串奉奠を行う作法や順番は異なります。
ここでは、葬儀と結婚式においての玉串奉奠の順番を解説していきます。
葬儀
葬儀の場合には、一番初めに斎主(さいしゅ)が玉串奉奠を行います。
斎主とは神式葬儀の中心である神官のことです。
仏式葬儀では導師、キリスト教葬儀では牧師や神父がこれにあたります。
玉串奉奠の順番は、斎主→喪主→血縁関係にある遺族→親族→参列者で行うのが一般的です。
結婚式
結婚式の場合には、新郎新婦→媒酌人→両家代表(親族)の順で玉串奉奠が行われます。
媒酌人とは、仲人と同じように、新郎新婦の仲介やサポートを行います。
ただし媒酌人は、結婚式と披露宴のみに限られていることが特徴です。
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玉串奉奠の手順
ここでは、玉串奉奠の手順や正しい作法について説明します。
細かい作法についても記載しているのでご覧ください。
神主から玉串を受け取る
神主(かんぬし)のいる祭壇まで進み、まず初めにご遺族の方に一礼します。
その後、神主の前に進み、神主に一礼してから両手で玉串を受け取ります。
このとき、左手は下から玉串の葉側に添え、右手は上から包み込むように枝側を持ちます。
玉串は胸の位置で持ち、あまり高く持ち上げ無いよう注意しましょう。
左手(葉側)が右手(枝側)よりやや高くなるようにします。
祭壇の前にて祈念をおこなう
玉串案といわれる玉串を置く台の前まで進み、祭壇に一礼します。
その後、玉串が縦になるように90度回転させて両手で枝側を持ち、祈念(きねん)します。
玉串を回転させる際には、枝側を手前に90度回すのがマナーになります。
また神式葬儀での祈念とは、故人様が無事にご遺族の守護神になれるよう神様にお願いすることになります。
玉串を玉串案に両手で置く
玉串案に玉串を置く際には必ず両手で置くようにしましょう。
玉串の枝側が祭壇に向くよう置くことがマナーとなっていますので、覚えておきましょう。
二礼二拍一礼をする
玉串を玉串案に置いた後は、後ろに2歩下がり二礼二拍一礼をします。
このときに行う二礼二拍一礼は、神社での参拝や神前式など、神様への挨拶の際の基本的な作法です。
二礼することで一礼よりも深く神様に対し敬意を払い、二拍することで神様を招き悪いものを払うという意味があるとされています。
二礼二拍一礼が終わった後は2歩下がり、神官とご遺族に一礼して席へと戻ります。
スポンサーリンク玉串奉奠の作法での注意点
玉串奉奠の作法は地域や神社によって細かい点が異なる場合があります。
また、葬儀の場合は慶事などのお祝い事とは違う点もあるため、注意が必要になります。
二礼二拍一礼の回数は異なる
玉串奉奠の一般的な作法は二礼二拍一礼とされていますが、地域や宗派によって異なる場合があります。
有名なものでは、出雲大社を参拝する際の二礼四拍一礼のマナーがあります。
二礼二拍一礼は、神様への敬意を表す基本的な作法ですが、わからない場合は事前に葬儀社のスタッフに確認しておくと良いでしょう。
葬儀の柏手は音を立てずにおこなう
葬儀で拍手をする際には忍び手(しのびて)で行うのがマナーです。
神社への参拝の際は柏手(かしわで)といって音を立てて二拍するのに対し、神式葬儀の場合には忍び手といって音を立てずに二拍します。
右手の親指を中に軽く折りたたみ、親指以外の4本の指で左の手の平を音を立てないよう気をつけます。
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玉串料の相場
神道では、玉串ではなく代わりに玉串料をお供えする場合があります。
ここでは、玉串料の意味や相場について解説していきます。
玉串料とは
玉串料とは、玉串奉奠で玉串の代わりにお供えをするお金のことで、葬儀を執り行う神社への謝礼を込めてお渡しします。
玉串を自分で用意するのに時間や手間がかかるため、神社への感謝の気持ちと一緒にお金を奉納するようになり始まったのが玉串料です。
玉串料と似ていて間違われやすいのが初穂料ですが、玉串料と初穂料は奉納の理由がが異なります。
玉串料は葬儀や神前式などを行ってくれた神社へのお礼であるのに対し、初穂料は、無事に農作物を収穫することができたことによる神様へのお礼になります。
初穂とはその年初めて収穫されたお米です。
当初は、お米以外にも魚などを奉納していましたが、時期によって収穫ができないこともあり、いつしかお金を奉納するようになりました。
喪主として通夜・葬儀を行う場合
喪主として葬儀を執り行う場合の玉串料の相場は、30万〜40万円ほどです。
神社や祈念の種類によって明確な金額を設けている場合もあるため、事前に確認すると良いでしょう。
金額が決まっている場合にはその金額を用意しますが、お気持ちで結構と伝えられた場合には、相場の金額を用意するようにしましょう。
通夜・葬儀に参列する場合
参列者として参加する場合には、香典と同等の金額を用意すると考えるため、玉串料も香典と同様に、故人様との関係性によって金額が変わります。
関係性別の玉串料の相場は以下の通りです。
両親・義両親 | 5万~10万円 |
兄弟・義兄弟 | 3万~5万円 |
祖父母 | 1万~3万円 |
友人・知人 | 5000~1万円 |
会社関係者・隣人 | 3000~5000円 |
また、地域によって金額が異なる場合もあるため、わからない場合は事前に確認しておきましょう。
慶事の場合
慶事の場合には、その行事によって金額に差があります。
行事別の相場は以下の通りです。
七五三・お宮参り | 5000~1万円 |
結婚式 | 5万~10万円 |
地鎮祭 | 2万~3万円 |
新車の安全祈願 | 2万~3万円 |
玉串奉奠の順番のまとめ
ここまで、玉串奉奠の作法や玉串料の相場を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 玉串奉奠は神式葬儀の故人様のご冥福を祈る儀式
- 神道の考えでは亡くなった人は家の守護神となる
- 玉串奉奠は葬儀と神前式で作法が異なる
- 玉串の代わりに玉串料をお渡しすることが増加した
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
唐沢 淳(からさわ じゅん)
経歴
業界経歴10年以上。大手プロバイダーで終活事業に携わる。葬儀の現場でお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから大人数の葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとにも数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、ユーザー目線でのサービス構築を目指す。
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