お墓
お墓にはどんな意味があるの?宗教や形状の違いによる意味も紹介
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.27
お彼岸やお盆など、一定の時期になるとお墓参りに行くことが一般的です。
ですがお墓はどのような目的や意味で作られたのか、答えられる方は少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、お墓の意味について解説します。
この機会にお墓の意味や歴史について知っておきましょう。
仏壇の意味についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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お墓の意味とは
お墓とは故人の遺骨を埋葬する場所で、現代ではさまざな形式のものがあります。
お墓は昔から存在していますが、どのような意味をもって建てられているのでしょうか。
ここでは、お墓の目的や歴史について解説していきます。
お墓の目的
お墓にはさまざまな形式がありますが、目的は同じです。
お墓の目的を、故人に対する役割と遺族に対しての役割に分けて解説していきます。
故人に対する役割
お墓の役割の1つは、故人の遺骨を納める場所であることです。
定められた区域から故人の安らげる場所を選び、お墓を立てて供養することで、故人の魂が安心して休める場所となります。
遺族に対しての役割
お墓は故人のためだけでなく、遺族が故人と出会える場でもあります。
本来、お墓参りは故人の冥福を祈り、あの世でも元気で過ごせるようにお供え物をして線香をあげるものです。
しかし実際には、お墓に家族の近況を伝えに訪れる方もいて、単に祈りの場としてだけではなく、故人に会える場所としての役割を果たしています。
お墓の歴史
古い時代のお墓といえば、世界最大の前方後円墳である人徳天皇陵などの古墳やピラミッドがあげられます。
が、これらは地位の高い人間のお墓となっており、当時の庶民は埋葬された後にお墓が建てられることがありませんでした。
日本で一般庶民がお墓を建てられるようになったのは、江戸時代中期頃、仏教の普及によるものだと言われています。
江戸幕府はキリスト教の弾圧など、宗教統制をとるために檀家制度を発布します。
檀家制度とは、寺院がそれぞれの家の葬祭供養を執り行う独占契約を結ぶ制度です。
檀家制度が広まった結果、寺院と庶民との間に繋がりができ、お墓を建てる習慣が根付きました。
その後土地不足などの理由から、庶民のお墓も土葬から火葬に変わり、現在に至ります。
宗派や宗教におけるお墓の意味
宗教・宗派によってお墓の形が異なるだけでなく、お墓の意味も異なります。
また、お墓の持つ意味は各宗派の教えが深く関係しています。
ここでは、浄土真宗や神道、キリスト教の教えとお墓の意味について解説していきます。
浄土真宗における意味
浄土真宗とは、浄土宗の開祖・法然の弟子である親鸞が興した宗派です。
ひたすら念仏を唱えることで極楽浄土へ行けるとする浄土宗の教えとは違い、浄土真宗は念仏を唱えずとも、阿弥陀仏を信じることで救われるという他力本願の教えを説いています。
また、故人の霊魂は死後すぐに成仏して極楽浄土へ旅立つため、お墓には霊魂が宿るものではないと考えられています。
その考え方は墓石に刻む文字や墓誌を法名碑と呼ぶ事、五輪塔を建てないことにも現れており、魂を入れる開眼供養なども行われていません。
神道における意味
神道とは、古くからある日本固有の宗教です。
教祖や経典などはなく、山や大地などの自然や自然界には霊が宿るとする自然信仰の考えから生まれた民族宗教です。
神道と仏教のお墓の形に大きな違いはありませんが、神道では個人のお墓を奥津城(おくつき)と呼びます。
お墓参りの際には、故人のご冥福を祈り、感謝を伝えます。
奥津城には線香立てが無い代わりに、お供え物の台を設置して戒名は用いません。
また、墓石には自然石を使用したり、墓前に鳥居を設けたりするのも、神道の自然信仰の教えが現れた特徴の1つです。
キリスト教における意味
キリスト教とは、神の子であるイエス・キリストの教えを信じる宗教です。
イエス・キリストは誰も憎まず、神と隣人を愛することが大切だと説いています。
キリスト教において、お墓は魂が宿るものではなく、個人が生きてきた証を証明する記念碑を意味します。
そのため納骨式以外の式では、教会を使用することが一般的です。
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お供え物をする意味
故人があの世で食べるものに困らないようにという慰めと、自分達がここに存在することは故人のおかげだという感謝の気持ちを持ってお供え物をします。
お供え物には適しているものやそうでないものもあり、何も考えずお供えするとマナー違反になる可能性があります。
ここでは、お墓のお供え物の基本である五供(ごくう)について解説していきます。
香
亡くなった後の霊魂にとっても食べ物は、香りであるとする香食(こうじき)という仏教の言葉があります。
香とは線香のことで、お墓参りや仏壇に手を合わせる際に焚かれます。
線香の煙と香りは故人の食べ物となるだけでなく、線香をあげる本人やその場を清める効果もあります。
現在では、花やフルーツなどさまざまな香りのする線香が販売されていますので、故人の好みに合わせてお供えすると良いでしょう。
花
土葬が主流であった時代は、動物から遺体を守るために毒のある花をお供えしていましたが、現代では毒や棘のある花、匂いの強い花、派手な花をお供えするのははマナー違反とされています。
お墓には生花をお供えすることが通例とされているのですが、これはお供えする花にも命があり、いつかは滅びるという仏教の教えを現してのことです。
灯燭
灯燭(とうしょく)とはともしびのことで、ロウソクの明かりを灯すことをいいます。
灯燭の役割は以下をご覧ください。
- お墓の周囲を照らすことで、故人やご先祖様に誰がお参りにきているのか知らせる役割。
- お盆やお彼岸の時期に迎え火をするのと同様に、故人の霊魂があの世からこの世に帰ってくる際の目印としての役割。
- 不浄を祓い(はらい)、辺りを清める役割があり、ロウソクの明かりによって煩悩を捨て去り、悟りに至ります。
浄水
冷たく清らかな水で、お供えした本人の心や周囲を清めます。
死後の世界は喉の渇きが感じやすいと言われているため、浄水をお供えすることで、故人の喉を癒します。
わざわざ買ってきた水をお供えする必要はありませんが、墓石にかける水と、お供えする水とは分けるのがマナーです。
それぞれ別々の桶で準備してお供えしましょう。
飲食
飲食と書いておんじきと読みます。
日々食べるものに困らず過ごせていることに感謝して、故人の好きなものをお供えします。
一般的には果物やお菓子、お酒が通例で、日持ちのするものが好まれます。
お墓の形の意味
お墓の形は宗教・宗派によって異なり、部材1つずつに意味があります。
ここでは、それぞれの意味について解説していきます。
和型墓石の意味
江戸時代に一般化し、現代も多くの方が使用している墓石です。
お釈迦様の遺骨を納めた仏舎利塔を原形としており、白や黒のほか、最近ではグリーンやダークグレーなどの墓石も見られるようになりました。
一般的には芝台という敷石の上から中台石、上代石、竿石と重ねて1つのお墓となり、上の竿石から家庭円満の天・人望や出世の人・財産維持の地を表します。
兜巾型墓石の意味
兜巾方墓石は神道のお墓です。
特徴的な竿石のてっぺんの尖りは、神道の三種の神器である天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)を表しています。
洋型墓石の意味
主にキリスト教の墓地に見られることが多くありましたが、現在では宗教に関わらず、さまざまな方に使用されています。
基本的に洋型の墓石は横長で、和型と違い刻む文字に決まりはありません。
それだけでなく、墓石の形も自由に選択できるため、故人に合ったお墓を建てたい方におすすめです。
五輪塔の意味
五輪塔とは五つのパーツから構成される和型墓石の一つです。
墓跡の上から宝珠形、半月形、三角形、円形、方形のパーツで構成されており、それぞれのパーツには名称や意味があります。
それぞれの名称と意味は以下の通りです。
- 空
五輪塔の一番上にある宝珠形石材を空輪といいます。
空間を表しており、災難を取り除き、水を清める意味合いがあります。
- 風
五輪塔の上から2番目にある半月形の石材が風輪です。
風は呼吸を表します。
- 火
五輪塔の上から3番目にある三角形の石材が火輪です。
火は体温を表します。
- 水
五輪塔の上から4番目にある円形の水輪です。
水は血液や水など流れるものを表します。
- 土
五輪塔の上から5番目が方形の土輪です。
土は大地を表します。
五輪塔には上記の意味が含まれ、亡くなった人を極楽浄土にいざなう役目があります。
宝篋印塔の意味
供養塔として建てられる仏塔の1つです。
供養以外にも祈願を意図して建てられており、個人のお墓としても用いられるケースがあります。
多数の如来が集まっていると考えられているため、先祖を供養するだけでなく、子孫繁栄へと導くという説もあります。
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卒塔婆の意味
卒塔婆(そとば・そとうば)とは、墓石とともに追善供養として建てられた仏塔のことです。
追善供養とは、葬送や納骨・年忌法要・お盆・お彼岸・お墓参りなど、故人の冥福を祈り、成仏を願って行われる供養を指します。
細長い板のような形をした卒塔婆には、先述した五輪塔と同じように5つの意味が表されています。
また、卒塔婆を立てることで善を積むことができます。
生きている人の善は故人の前になるとも考えられているため、故人のためにも卒塔婆を立てることが勧められています。
墓誌の意味
墓誌(ぼし)とは、お墓の区画内に建てられる石碑で、宗旨宗派によっては墓標や霊標、戒名板、法名碑などと呼ばれます。
墓誌の役割は、お墓に埋葬されている人の名前を記すことです。
墓石に戒名などを彫刻できる場合はかまいませんが、余裕がない場合は、墓誌を建てると良いでしょう。
基本的に墓跡の左右どちらかに建てられることがほとんどですが、明確な決まりはありません。
墓誌に戒名や俗名、没年月日を彫刻することでご先祖様の存在を知り、改めて供養できます。
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お墓に砂利が敷かれる意味
お墓に砂利を敷く意味をまとめましたので、以下をご覧ください。
- 雑草が生えにくくなる
- 雨が降った時に土にぬかるみができにくく足元が安定する
- 景観がよくなる
砂利を引くことでこのような利点があり、日頃の手入れの負担が軽減できるだけでなく、気持ちよくお墓参りができます。
お墓の砂利の種類には玉砂利や砕石・砂利などがあり、それぞれ1キロあたり100〜200円程度で購入可能です。
スポンサーリンク仏壇の意味
仏壇は家の中の小さな寺院と考えられています。
仏壇は寺院に模して造られており、中央には本尊が祀られ、そのほかには位牌や仏具、お供え物が飾られます。
一般的には仏壇に向かうことで故人を偲び、供養したり、近況報告などの対話をしたりする方が多いことでしょう。
しかし、実際にはそれだけではなく、仏様に心を向けることで安らぎを感じ、豊かに生活することができます。
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お墓の意味まとめ
ここまで、お墓の意味についての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事をおさらいすると以下の通りです。
- お墓は故人の遺骨を納め供養する場所
- 宗教宗派によってお墓の考え方は異なる
- お供え物は五供が基本
- 宗教宗派によってお墓の形や意味は異なる
- 卒塔婆は追善供養のために建てる仏塔
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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