法事法要
七七日忌ってどんな日?行われる儀式とお布施・香典返しを説明
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.31
故人が亡くなったあとに行われる「七七日忌(なななのかき)」をご存知ですか?
仏教において大切な法要である、七七日忌の儀式について学んでおきましょう。
この記事では、七七日忌の詳細について解説していきます。
この機会に、七七日忌のお布施相場や熨斗(のし)の書き方についても知っておきましょう。
神式やキリスト教の儀式についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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七七日忌とは
まず、七七日忌の読み方や意味についてご説明します。
四十九日とは異なる法要なのかもお伝えします。
七七日忌の読み方
七七日忌の読み方は、「なななのかき/しちしちにちき」です。
「なななぬかき」と読むこともあります。
「七」が2つ重なっていますが「ななじゅうなな」とは読みません。
七七日の意味
仏教において「七」の数字はとても重要です。
故人が亡くなってから7日ごとに「忌日(きじつ/きにち)」と呼ばれる命日がやってきます。
最初に訪れる忌日を「初七日(しょなのか)」、2回目を「二七日(ふたなのか)」といいます。
6回目の「六七日(むなのか)」のあと、7回目に訪れる忌日を「七七日忌」と呼びます。
仏教において、故人は亡くなったあと、7日ごとに魂の審判を受けるとされています。
忌日ごとに遺族が法要することで、生前に悪い行いをしても極楽浄土へいける可能性が高くなるといわれています。
四十九日との違い
四十九日と七七日は同様の意味となります。
どちらも7の倍数で審判を受ける最後の日を意味します。
そのため、七七日忌は四十九日法要と言い換えても問題ありません。
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七七日忌までの数え方は、関東と関西で異なります。
それぞれ説明していきます。
関東
関東では故人が亡くなった当日を1日目としてカウントします。
関西では亡くなる前日を1日目でカウントするため、参列者に関西の方がいる場合は注意が必要です。
関西
関西は故人が亡くなった日の前日を1日目としてカウントします。
1日早い理由は諸説ありますが、「お逮夜(おたいや)」という慣習も影響しています。
お逮夜とは、年忌法要など供養日の前夜に設けられる会食の席のことです。
亡くなった日を供養日として、その前日をカウントするためという説です。
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七七日忌法要の流れ
七七日忌法要と四十九日法要は同じ儀式となります。
儀式では主に以下の4つを行うのが一般的です。
忌明け法要
七七日忌を迎えると、遺族も喪に服す期間が終わるため忌明け法要をします。
故人が亡くなってから49日目までは「中陰(ちゅういん)」といって、故人がこの世とあの世を彷徨う期間があります。
故人は中陰の間に7日ごとの審判を受け、極楽浄土へ行けるかどうかが決まります。
七七日忌法要は中陰が終わる大切な法要です。
納骨法要
七七日忌法要と同日に納骨を行う喪家は多いようです。
流れとしては忌明け法要が終わった後、お墓まで移動して納骨の儀式と読経を行います。
納骨する期限は特に法律で決められていません。
しかし、葬儀後の法要で一番早く行われる大規模な法要が七七日忌法要のため、納骨も併せて行うのが一般的です。
開眼法要
開眼法要とは、新しくできたお墓や仏壇に故人の魂を入れる儀式のことです。
魂入れやお性根入れとも呼ばれます。
七七日忌までは白木位牌という仮の位牌を供えますが、忌明け以降は本位牌を安置します。
そのため、本位牌の開眼供養が必要となります。
お墓を新しく建立した場合も開眼供養が必要ですので、覚えておきましょう。
お斎
お斎とは、参列していただいた方へ感謝の気持ちを込めて行われる会食です。
全ての法要が終わった後に、斎場に併設された食事会場や料亭などで会食します。
お斎は通夜ふるまい、葬儀後の会食、精進落としを含んで言われることが多いようです。
通夜の後の通夜振舞いは、参加人数が特定できないため大皿に盛られたオードブル形式が多いです。
精進落としは遺族が七七日忌法要を境に忌明けとなり、精進料理から通常の食事に切り替えるお斎のことです。
葬儀の後に行う精進落としと似ていますが、お斎は一人ひとりに御膳がつくスタイルが一般的です。
精進落としは大皿に盛られた料理を取り分けて食べるスタイルです。
お斎では施主からの挨拶のあと、献杯の合図で唱和してから食事をとります。
食事後は参加者へ香典返しを渡して解散となります。
お斎には僧侶にも来ていただきますが、都合の悪い場合は「御膳料」として5,000〜2万円を包んで渡します。
スポンサーリンク七七日の香典返しののし
七七日忌に参列する方からは香典をいただきます。
香典返しの熨斗の書き方について詳しく説明していきます。
表書き
関東では香典返しの表書きとして「七七日忌志」や「七七日志」と書きます。
宗教ごとにも違いがあり、仏教では「忌明志(きめいし)」、キリスト教では「偲(しの)び草」と表します。
西日本では「満中陰志(まんちゅういんし)」と書くところもあります。
七七日忌の当日が「満中陰」と呼ばれるためです。
宗教や宗派が分からない場合は「志」のみで問題ありません。
七七日忌明志とは
香典返しの表書きとして「七七日忌明志(なななのかきめいし)」と書く場合もあります。
特に名古屋でよく用いられる表書きです。
「七七日の忌明けの志」という意味で、「お陰様で忌明け法要を無事に終えられました」という報告の意味を含みます。
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七七日忌のお布施の相場
七七日忌で僧侶に渡すお布施は、3万〜5万円が相場です。
地域によって異なる場合がありますが、宗派による違いはほとんどないようです。
わからないときは親族や葬儀社に相談しましょう。
法要をお願いする菩提寺へ直接聞いても問題ありません。
お布施の一覧を用意しているお寺もあります。
お布施のほかに、交通費として僧侶へ御車代を5000〜1万円ほど包むのがマナーです。
お斎がある法要で僧侶が参加しない場合は、「御膳料」という食事代を包みます。
御膳料の相場は5000〜2万円ほどです。
法要のお布施と一緒に包まず、それぞれを包み、重ねて渡すのがマナーです。
スポンサーリンク神式・キリスト教式で法要となるもの
仏教では故人が亡くなったあと、7日ごとに法要があると説明しました。
四十九日以降も百日法要や一周忌・三回忌などの年忌法要があります。
仏教以外の宗派では法要に当たる儀式はあるのでしょうか?
神式とキリスト教について説明します。
神式
七七日忌にあたる神式の儀式は、故人が亡くなってから50日目に行われる五十日祭りです。
故人の冥福を祈る期間である「忌服」が明けるタイミングでもあります。
神式の葬儀の際、「死=穢れ(けがれ)」とされているため、神棚や祖霊舎(それいしゃ/ご先祖様の霊が祭られている場所)に白い紙を貼って封じます。
五十日祭りでは、その紙を剥がす「清祓の儀(きよばらいのぎ)」が行われます。
また、故人の霊璽(れいじ)を祖霊舎に移す「合祀祭(ごうしさい)」も併せて行われるのが一般的です。
神式ではほかにも、故人が亡くなった翌日に行われる「翌日祭」・逝去後10日目の「十日祭り」、逝去後30日目の「三十日祭」があります。
これらは仏教でいう初七日法要にあたる儀式です。
神主が祝詞(のりと)奏上し、親族や友人で玉串奉奠(たまぐしほうてん)が行われます。
玉串奉奠とは榊の枝に紙垂(しで)を付けたものを、神前にお供えする儀式のことです。
仏教では故人が極楽浄土へ行けるよう願いを込めて法要(儀式)をします。
神式では、故人がその家の守護神となるように願う儀式となります。
神式の儀式は自宅やお墓の前で行われるのが一般的です。
神社は祭りごとをする神聖な場所であるため、神式の儀式にあたる神事は行いません。
キリスト教
キリスト教と仏教では、そもそもの死生観が異なります。
キリスト教において「死」とは、神様のもとへ旅立てる喜ばしいこととされています。
そのため、キリスト教に「供養」という概念はありません。
七七日忌や一周忌のような法事・法要はありませんが、追悼の儀式は行います。
追悼の儀式は故人を思い出し、死の悲しみを受け入れることが目的です。
キリスト教にはカトリック系とプロテスタント系などの宗派があります。
カトリック系は「追悼ミサ」、プロテスタント系は「記念集会(記念式)」と儀式の呼び名は異なります。
カトリック系の追悼ミサは、故人が亡くなってから3・7・30日後に行われます。
故人と特に親しかった親族や友人を招き、聖歌の合唱や祈祷、聖書の朗読を行います。
この他にも11/2 は「死者の日」とされており、特別なミサがあります。
プロテスタント系の記念集会は、故人の死後、7・10・30日目に教会や自宅で行われます。
その後、1・3・7年後の記念日(命日など)に教会で集会をします。
教会で行う場合は、賛美歌を歌い、牧師の説教や祈祷が行われます。
自宅で行う場合は祭壇を作り、遺影や十字架を飾って祈りを捧げます。
追悼ミサや記念集会には普段着で参列できます。
日本の儀式では喪服、もしくは喪服に近い服装が基本ですが、キリスト教の場合はТシャツにジーンズでもOKです。
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七七日忌のまとめ
ここまで、七七日忌の情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りになります。
- 七七日忌とは四十九日法要と同様の意味を持つ
- 七七日忌は関東と関西ではカウントの起点が異なる
- 七七日忌のお布施の相場は3万~5万円
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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