法事法要
弔い上げ(三十三回忌)をしないという選択について
更新日:2022.05.17
弔い上げとは、三十三回忌など最後の年忌法要に行われる供養です。
遺族の中には弔い上げをしたくないと考える方もいるでしょう。
この記事では弔い上げをしないという選択について紹介していきます。
記事の後半では位牌の処分方法についても触れているので、ぜひ参考にしてください。
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- 弔い上げとは
- 主な年忌法要について
- 弔い上げをするタイミング
- 弔い上げ(三十三回忌)をしないという選択
- 弔い上げの後にすること
- 日蓮宗には弔い上げという概念はない
- 各宗教における弔い上げ
- 位牌の処分をする方法
- 弔い上げをしないという選択についてまとめ
弔い上げとは
弔い上げは、最後となる年忌法要で行われる行事です。
年忌法要とは、一周忌・三回忌など、決められた年の故人の命日に遺族などが集まる追善供養の儀式です。
追善供養は、故人のために祈りを捧げることで、生きている人が善行を積むことができるという仏教の考えが基になっています。
そしてその善行は故人にとっての善行にもなり、善行を行うことで再び自分にも返ってくるとされているのです。
弔い上げが行われると、その後は年忌法要が行われなくなります。
年忌法要は宗派によっていつまで行われるかは様々ですが、三十三回忌で弔い上げになることがほとんどです。
弔い上げを行うと、故人は仏様の仲間入りをします。
主な年忌法要について
年忌法要は故人の命日に行われる法要のことです。
決められた年には、故人の命日に法要を行い、故人の冥福を祈ります。
ここでは主な年忌法要についてご紹介していきます。
一周忌
一周忌は故人が亡くなった翌年の命日に行われる年忌法要です。
一般的に一周忌を迎えるまでが喪中で、一周忌明けから喪明けとなります。
そのため、遺族にとってはひと段落となるタイミングで、重要な法要の一つです。
参列者には親しい知人や親族などを呼び、僧侶に読経を行ってもらうことで故人の冥福を祈ります。に祈りを捧げます。
また、「一回忌」という似た言葉がありますが、こちらは故人の命日当日のことを指す言葉です。
言葉は似ていますが、意味は大きく違うため注意しましょう。
三回忌
一周忌の次は三回忌となります。
一周忌以降は「◯回忌」と数えるのが一般的です。
「◯回忌」は故人が亡くなった年を含めて数えるため、三回忌は故人が亡くなってから2年目の命日に行われます。
三回忌も一周忌と同等の規模で行うことが多く、親しい知人や親族、僧侶を呼んで法要を行い、故人の冥福を祈ります。
七回忌
一般的に三回忌の次は、七回忌です。
七回忌は故人が亡くなった年を含めて七年目の命日に行われます。
七回忌以降は、三回忌よりも規模を縮小して行うのが一般的です。
参列者も、規模を縮小して親族など限られた範囲で行われます。
遠方の親族がいる場合には、地元の親族のみで行う場合も多いでしょう。
十三回忌
十三回忌は故人が亡くなった年を含めて十三年目に行われる年忌法要です。
一般的に遺族のみで行うなど、小さな規模でしめやかに行われます。
三十三回忌
三十三回忌は故人が亡くなった年を含めて三十三年目の命日に行われる法要です。
これをもって弔い上げとすることも多いため、重要な法要の一つだといえます。
通常は親族や遺族のみで行われますが、弔い上げということで親しい知人も参加する場合があります。
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弔い上げをするタイミング
弔い上げをするタイミングは宗教や宗派によって異なります。
しかし一般的には三十三回忌・五十回忌で弔い上げとする場合が多いでしょう。
三十三回忌を迎えると、故人の罪が赦されて極楽浄土へ行けると考えられているため、節目とする場合が多いとされています。
一方、五十回忌は五十年間家系を守ってきたということでおめでたい儀式とも考えられています。
しかし近年では上記以外にも十七回忌など、以前よりも早いタイミングで弔い上げをすることが増えています。
これには、日本の高齢化が関係しています。
故人が亡くなった年齢が高齢であった場合、法要に参列する方も同様に高齢であることが多いでしょう。
その場合、何十年も法要を続けていくことは現実的ではありません。
そのため近年は十七回忌など早めに弔い上げをし、その後の年忌法要をしないことも増えているのです。
弔い上げ(三十三回忌)をしないという選択
弔い上げは三十三回忌や五十回忌が一般的というのは前述した通りです。
しかし、三十三回忌での弔い上げをしないという選択も可能です。
法要をいつまで行うかは、遺族の中で判断して問題ありません。
するかどうかはその家が決めることであり、遺族がやらないと決めたら三十三回忌を行わなくても問題ありません。
地域や宗教によっては三回忌までで、弔い上げとする場合もあります。
三十三回忌までを無理して行う必要はないことを覚えておきましょう。
以下では、弔い上げをしない選択をする場合、どういった理由が考えられるかご紹介します。
以下の理由に当てはまる場合は、無理して三十三回忌まで年忌法要を行う必要はないでしょう。
健康面での問題
前述したように、日本では高齢化問題が深刻で、故人も高齢になってから亡くなることが増えています。
そうしたケースでは、喪主となることの多い故人の子どもも高齢になっている場合がほとんどです。
そうなると健康面から考えて、三十三回忌まで無事に故人の法要を行えないっていけないということも考えられます。
そのような場合は、将来的に故人の供養が行えなくなるという事態が発生しないよう、早い段階で弔い上げにしても問題ありません。
経済面の問題
当然ながら、法要を行う場合には会食や会場の手配などにお金がかかります。
法要は、僧侶を呼んで読経や法話も行ってもらう必要があるため、お布施などの負担も大きくなりがちです。
三十三回忌まで法要を続けるとなると、それだけ経済的な負担も強いられます。
もし経済的に法要を行っていくことに不安を感じる場合には、早めに弔い上げを行うのも手です。
必ず三十三回忌まで行う必要はないため、経済的に限界を感じるようであれば、しないという選択をしても良いでしょう。
親族間での問題
最近では、親族が遠方に住んでいることも多く、日程を合わせるのがなかなか法要で集まるのが難しい場合があります。
また、親族間での関係性が希薄化しており、親族が法要で集まる習慣がない場合もあるでしょう。
中には親族同士の仲があまり良くないというケースもあります。
このように親族間で何らかの問題がある場合、年忌法要を長期に渡って行うのことが負担になる長い間行っていくということは遺族の負担になります。
もし親族間での問題がネックとなっていて法要が行いづらい場合には、三十三回忌をしない選択も可能です。
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弔い上げの後にすること
弔い上げを行った後は、その後の年忌法要が省略されるだけでなく、故人のためにやっておくべきことがあります。
以下で行うべきことを具体的に解説していきます。
永代供養の手続きをする
弔い上げが行われた後には、寺院にてお願いして永代供養の手続きを行うこととなります。
永代供養では、お墓の管理を寺院や霊園が行ってくれるものです。
将来的にお墓の管理者がいなくなっても、代わりにお墓の管理と故人の供養を行ってくれます。
永代供養に手続きをする場合、先祖代々の墓のままか合祀墓のどちらかに故人の遺骨を移します。
合祀墓に入れた場合には、遺骨故人の骨を後から取り出すことが不可能となるため注意しましょう。
また、永代供養にかかる費用は、供養をお願いする寺院・霊園によって異なるため事前に確認しておく必要があります。
故人のお墓をどうするか、遺族でよく話し合って決める必要があるでしょう。
位牌を片付ける
弔い上げを行った後には、仏壇にある故人の位牌を片付ける必要があります。
故人の魂は、弔い上げが終わると同時に故人だけの位牌から、先祖代々の位牌へと移されます。
これは弔い上げが終わると、故人が仏様の仲間入りをするためです。
故人の魂を移すには、僧侶に「魂抜き」と呼ばれる儀式をしてもらう必要があります。
通常、位牌は魂抜きをした後に処分するものとされています。
魂抜きをした故人の位牌は、寺院などにお願いしてお焚き上げをしてもらいましょう。
日蓮宗には弔い上げという概念はない
仏教の宗派の一つである日蓮宗には、弔い上げという概念がありません。
これは、この概念が浄土経を経典とした宗派による考え方であり、日蓮宗は法華経を教えの中心としているためです。
そのため、日蓮宗は基本的に弔い上げをしない宗派です。
日蓮宗の経典教えの中心である法華経では、この世の誰もが成仏できると説いています。
そのため、弔い上げをする必要がないと考えられているのです。
しかし、日蓮宗であっても他の宗派仏教と同様に年忌法要は行われます。
一般的に十七回忌までは通常通り行い、その後二十五回忌を営む場合が多いようです。
代わりに、日蓮宗では弔い上げをしない代わりに、法要を仕切る人物が亡くなるとそこで終了となるのが一般的です。
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各宗教における弔い上げ
ここからは宗教別に弔い上げの流れについて解説していきます。
仏教以外の主要な宗教では、どのタイミングで行うのでしょうか。
神道における弔い上げ
神道は仏教とは違い、亡くなった人は神様となり、家族を守ってくれる存在になると考えられています。
神道では故人の死後、「霊祭」と呼ばれる儀式を行いますが、これは仏教における法要と同じようなものです。
五十日目に行う五十日祭や百日目に行う百日祭などを通して、故人へ祈りを捧げます。
また、仏教における年忌法要と似た儀式として、神道では式年祭(しきねんさい)があります。
式年祭は一年祭・三年祭・五年祭・十年祭などがあり、十年祭の後は十年ごとに霊祭が行われます。
神道の弔い上げは、故人の死後三十年目の霊祭である、三十年祭で行われるのが一般的です。
キリスト教における弔い上げ
キリスト教では成仏という概念がなく、人は亡くなると神様の元へと召されると考えられているため、年忌法要も弔い上げもありません。
しかしながら故人を偲ぶために行われる同じような儀式に、追悼ミサと記念式があります。
この儀式は仏教での法要と同様に、故人の死後一ヶ月、一年など節目となるタイミングに行われます。
故人の知人や親族が集まり、祈りを捧げる儀式で、カトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは記念式と呼びます。
宗派や地域により儀式が行われる時期は異なりますが、基本的に一年を過ぎるとこれらの儀式が行われることはありません。
位牌の処分をする方法
ここからは、弔い上げなどを迎えて位牌を処分する必要が出てきた場合の処分方法をご紹介します。
以下の方法のいずれかで位牌を処分すると良いでしょう。
お寺に預ける
位牌の処分方法として一番主流なのがお寺に預けるという方法です。
魂抜きの儀式が終わり、不要になった位牌はお寺でお焚き上げを行ってもらえます。
お焚き上げを行うことで故人の供養にもなります。
お寺に預ける場合、魂抜きからお焚き上げまでをなどを含めて、1万〜数万円程度の費用が相場ですかかるでしょう。
販売店に依頼
位牌の販売店に連絡して、いらなくなった位牌を引き取ってもらうという方法もあります。
販売店では不要になった位牌を回収しているところもあり、そうした店に依頼すれば数千円程度で処分することが可能です。
遺品整理業者に依頼
遺品整理業者に依頼することでも、位牌を引き取ってもらうこともが可能です。
こうした業者を利用する場合には、実績が豊富であったりユーザーの評判が良かったりするところを選びましょう。
位牌は故人の魂が宿っていた大切なものです。
雑に処分するような業者に渡さず、しっかり供養してくれる業者を選びましょう。
燃えるゴミの日に出す
故人の魂を抜いた位牌を処分することに抵抗がない方は、自分で処分するという方法もあります。
自分で処分する場合は、不要となった位牌をゴミの日にゴミ袋に入れて出しましょう。
位牌が木製である場合には燃えるゴミとして出し、プラスチックや金属製の場合には燃えないゴミとして出します。
しかし、地域によっては位牌をゴミとして出すことが認められていない場合があります。
住んでいる地域が位牌をゴミとして出して良い地域かどうか、事前に確認しておきましょう。
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弔い上げをしないという選択についてまとめ
今回は弔い上げのタイミングや、しない場合の対応を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 弔い上げのタイミングは三十三回忌・五十回忌が多い
- 理由がある場合には弔い上げを早めたり、弔い上げ自体をしないという選択も可能
- 日蓮宗では弔い上げをしない
- 神道の弔い上げは三十年祭で行われる
- キリスト教では弔い上げは行われない
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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