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盂蘭盆会とは?盂蘭盆会に行うことやお布施・お中元との関係をご紹介

更新日:2022.05.17

お盆

霊園

記事のポイントを先取り!

  • 盂蘭盆会とはお盆のことであり、盂蘭盆経に基づく行事
  • 日本では、日本古来の祖霊信仰と結びついて現在の風習となっている
  • 盂蘭盆経は偽経といわれる経典のこと

盂蘭盆会(うらぼんえ)という言葉をご存じでしょうか。

日本では、お盆は、盆・暮れ・正月というように季節を示す行事としておなじみですが、盂蘭盆会は仏教に親しんでいる方でないとなかなか耳にしないと思います。

そこでこの記事では、盂蘭盆会について詳しく説明していきます。

大蔵経や偽経についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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  1. 盂蘭盆会とは
  2. 盂蘭盆会にすること
  3. 盂蘭盆会でのお布施の相場
  4. 盂蘭盆会とお中元
  5. 海外の盂蘭盆会の様子
  6. 盂蘭盆経が偽経と言われる理由
  7. 盂蘭盆会のまとめ
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盂蘭盆会とは

盂蘭盆会とは、旧暦の7月15日を中心に7月13日〜7月16日に行われる祖先の冥福を祈る仏事のことを言います。

お釈迦さまの弟子であった目連(もくれん)という僧が、餓鬼道(がきどう)に堕ちて苦しんでいる母親を助けようと、多くの僧を供養して功徳を積んだという故事に基づくものとされています。

盆と正月という言葉があるように、お盆は日本の夏の行事として定着しています。

お盆は日本固有の行事及び呼び名で、元をたどれば盂蘭盆会に行き着きます。

さらに、新暦に併せて、一月遅れの8月15日前後に行われるのが主流になっています。

ここでは、盂蘭盆会の由来や意味、日本に普及した経緯などを説明します。

盂蘭盆会の由来・意味

盂蘭盆会は古代インドの言語であるサンスクリット語のウランバナ」に由来する言葉です。

ウランバナは、「吊るす」あるいは「ぶら下げる」という意味を持ちます。

盂蘭盆会は、盂蘭盆経に基づくものとされています。

盂蘭盆経はお釈迦さまの高弟の一人である目連が死後餓鬼道に堕ちて苦しむ母を救うために行ったとされる供養について説いた経です。

盂蘭盆経に記載されている供養とは以下のようなものです。

お釈迦さまの十大弟子の一人である目連は、亡くなった母親が飢鬼道に落ちて苦しんでいるのを見つけます。

そこで、母親を少しでも苦しみから解放しようと食べ物や飲み物を与えますが、さらに苦しめることにしかなりませんでした。

そこで、お釈迦さまに相談します。

お釈迦さまは次の二つのことを目連に説きます。

  • 7月15日に90日間の修行を終える修行僧たちに、馳走をふるまい供養すれば、母親が救われる
  • 7月15日にさまざまな飲食物を盆に盛って、多くの人を供養して功徳を積めば、先祖は苦しみから救われ、現世の人も幸福を得ることができる

目連がこの教えを実践して功徳を積んだことで、母親は極楽往生を遂げたとされています。

こうして、この教えをきっかけに、旧暦の7月15日に盂蘭盆会の仏事が行なわれるようになったといいます。

日本での盂蘭盆会の歴史

盂蘭盆経にもとづく仏事である盂蘭盆会は、7世紀頃に日本に伝わったとされています。

仏教の餓鬼道に堕ちた者を供養によって救うという教えが、日本古来の祖霊信仰(祖先の霊を敬う)と融合して現在のお盆の形になったといわれています。

日本書紀に、盂蘭盆会が斉明天皇や聖武天皇の時代にも行われたとの記載があります。

聖武天皇の時代である733年以降には、盂蘭盆会は年中の仏教行事となり、貴族社会や武家社会に広まっていきます。

鎌倉時代末期には、民衆の間にも先祖のために読経し、仏前にお供え物を用意する風習が根付いたようです。

江戸時代になると、盆棚(精霊棚)を準備してお坊さんに棚経をあげてもらうことや、迎え火や送り火なども行われるようになりました。

このような歴史を経て、現在の日本でも、お盆は亡くなった方を偲ぶために親族や親戚、親しい人々が集まり、先祖に感謝し供養する仏事として普及しています。

お盆は、地域によっては、盆会魂祭りお精霊祭りなどとも呼ばれます。

お盆にまつわる行事として、七夕や盆踊り迎え火送り火精霊流し花火大会などが催されます。

地域特有の行事としては、京都の五山の送り火や、岐阜の郡上おどり、徳島の阿波踊りに沖縄のエイサー、そして長崎の精霊流しなどがよく知られています。

盂蘭盆会の期間

お盆は、地域によって行われる時期がさまざまです。

新暦で行われる場合には、通常は7月13〜15日に行なわれます。

新暦7月に行う地域・特別な日程で行う地域を除き、全国的には旧暦で行なうことが一般的で8月13〜15日に行われます

なお、東京や一部の地域では7月15日を中心に7月13〜16日の4日間となる場合もあります。

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盂蘭盆会にすること

盂蘭盆会で行なうことは、宗派や地域の風習などによって異なります。

一般的には以下のようなことを行っていましたが、現在は核家族化などの影響もあり、簡略化の方向に進んでいるようです。

  • 仏壇の前などに、盆棚あるいは精霊棚を作る
  • 先祖や故人の霊が迷わず帰ってこられるように、盆提灯を目印として飾る
  • 仏壇や盆棚に、盆花、季節の果物や野菜などをお供えする
  • 祖先の霊をお迎えする前に、お墓参りを済ませておく
  • 祖先の霊を迎えるため、門前で麻幹(おがら)を燃やして迎え火を焚く
  • お盆の間は一日3回精進料理をお供えして、家族も同じ料理を食べる
  • 僧侶を招いて棚経(たなぎょう)をあげてもらう
  • 門前で送り火を焚いて先祖の霊をお送りする

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盂蘭盆会でのお布施の相場

盂蘭盆会では、菩提寺のお坊さんなどに棚経をあげてもらいます。
この場合は、お坊さんにお布施が必要です。

お布施の額は地域やお寺との関係によって異なりますが、一般的には5000〜2万円が目安になります。

親族が亡くなってから初めて迎えるお盆である新盆(にいぼん)などの特別な場合には3万〜5万円などと、多めにお包みするとようでしょう。

また、お布施とは別に、お車代やお斎料(御膳料)を用意することもあります。

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盂蘭盆会とお中元

お中元とお歳暮は、親戚やお世話になった方などに謝意を示すために品物を送るという風習として、日本にも定着しています。

お中元は、盂蘭盆経の教えと中国の道教で行なわれる中元節の教えを基にして出来上がった風習といわれています。

旧暦の7月15日に、先祖に供えた食べ物や果物などを親戚や近所に配ったり、お供え物を届けたりする「盆礼」または「盆供」と呼ばれる風習がありました。

江戸時代にこの風習が変化して、取引先やお世話になった人に贈り物を送るようになり、中元として普及しました。

夏の時期には、7月初旬〜7月15日にかけてお中元を贈りますが、盂蘭盆会を旧暦で行なう地域では、お中元も8月に送ることもあるようです。

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海外の盂蘭盆会の様子

盂蘭盆会は、中国をはじめ、香港、台湾、韓国などの東アジア地域においても旧暦の7月から8月を中心に行われています

儒教や仏教とならぶ中国の三大宗教の一つである道教の年中行事、中元節が旧暦7月15日に執り行われています。

旧暦の7月は鬼月と呼ばれ、霊界の門が開いて霊魂がこの世をさまようため、中元節は霊魂が最も多いとされています。

そこで、死者の霊や悪霊を供養して鎮めるという意味の「普渡」が行われます。

中元節にはお供えをして霊魂を慰め、霊魂が道に迷わないように提灯を灯し線香も焚き、金紙(きんし)と呼ばれる紙のお金を燃やして見送ります。

また、鬼月の期間は霊魂がさまよっているため、様々なタブーがあります。

結婚式・引っ越し・旅行は控え、夜に洗濯物を干さない、玄関に靴を出したままにしないなどが挙げられます。

中元節は、台湾では中元節や盂蘭盆会、香港では盂蘭勝会と呼びます。

韓国では、仏教行事ではないのですが、旧暦8月に秋夕(チュソク)という祖霊信仰の行事が行われ、墓参りをしたり、祭壇に供え物をしたりします。

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盂蘭盆経が偽経と言われる理由

盂蘭盆会の元となる盂蘭盆経は偽経(ぎきょう)といわれ、擬経や疑似経典と書くこともあります。

偽経と書きますが、お釈迦様の教えであることには変わりはなく、ニセモノという意味ではありません。

ここでは、偽経とはどういうものか、なぜ盂蘭盆経が偽経と呼ばれるのかについて説明します。

大蔵経に収録されていない

仏典や経典それらを解釈した論書などを集大成した叢書を大蔵経または一切経といいます

大蔵経は僧としての生活規律を説いた律蔵と、説教を述べた経蔵と、それらの解釈をした論蔵の三蔵で構成されています。

お経はお釈迦さまの説法を記録したもののことで、仏典や経典とも呼ばれます。

経典は古代インドのサンスクリット語で書かれており、その量は膨大です。

古代インドで生まれた仏教は中国にも広まり、2世紀頃には経典が中国の漢語に翻訳されました。

大蔵経は、その書かれた言語に基づき、3系列あります。

  • パーリー語三蔵:インド西部で使用されていたパーリー(巴利)語で書かれていた経典で、いわゆる南伝仏教の経典
  • チベット大蔵経:サンスクリット語からチベット語に翻訳されたものであり、特徴として密教関係の経典が多く含まれています
  • 漢訳大蔵経:中国でサンスクリット語から漢語に翻訳したものです。翻訳経典のほか、中国の僧の著作や大乗仏教の経典も含まれています

この大蔵経に収録されていないお経を偽経と呼びます。

お釈迦様の教えではある

上記で説明したように、偽経は、大蔵経に収録されていない経典のことで、大蔵経を真教と呼ぶこともあります。

偽経には、原典から抜粋して漢語で記したものや大蔵経から抄出して記されたものもあり、また、中国だけでなく朝鮮や日本において書かれたとされるものもあります。

偽経は大蔵経に収録されているかどうかで真経と区別されていますが、お釈迦さまの教えについて説いていることには違いありません。

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盂蘭盆会のまとめ

ここまで盂蘭盆会について、その由来や行うこと、お中元との関係を中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 盂蘭盆会は盂蘭盆経に基づく仏教行事で、日本ではお盆として定着している
  • 盂蘭盆会(お盆)には、七夕や盆踊り、精霊流しなどが催される
  • 盂蘭盆会の時期には、中国や台湾では道教の中元節も行なわれる
  • 仏教の経典は大蔵経としてまとめられており、大蔵経にない経典は偽経とよばれる

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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