法事法要
併修でのお布施の相場とは?包み方や渡し方のマナーと注意点を解説
更新日:2022.03.31
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- 併修でのお布施について
- 併修とは
- 併修でのお布施の相場
- 併修でのお布施以外の費用
- 併修でのお布施の包み方と渡し方
- 併修の際のお返し
- 併修を行う際の条件
- 併修の日程の決め方
- 併修での注意点
- 併修を行うメリット
- 併修をする際は仏様全員分の塔婆を立てる?
- 併修でのお布施のまとめ
併修でのお布施について
2つ以上の法要を同時に行う併修では、お布施の金額や包み方などに気をつける必要があります。
通常と異なる法要の場合でも、お布施の相場や作法を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、併修のお布施について詳しく解説します。
この機会に、併修ができる条件も覚えておきましょう。
後半には併修で塔婆を立てる場合についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
併修とは
併修(へいしゅう)とは、七回忌や十三回忌などの2つ以上の年忌法要を同時に行うことです。
例えば「年内に予定している母親の七回忌と、祖父の十三回忌を同日に行う場合」などは併修にあたります。
併修を行うことは、遺族や法要に参列する親族にとっての利点があります。
法要のためのお布施や香典といった金銭的負担や、遠方からの移動などの交通費や身体的負担、時間の拘束が併修によって緩和されるからです。
ただし併修は通常と異なり、複数人分の供養が行われるため一般的な法要と異なる点に注意が必要です。
特に気になる併修でのお布施の相場について、これより解説していきます。
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併修でのお布施の相場
併修は通常の法要と異なり複数人の供養を同時に行うため、包むべきお布施の金額は増えるものと想像されます。
しかし2人分の併修だからといって、お布施に相場の2倍の金額を包む必要はありません。
多くの場合は、お布施の相場金額の1.5倍が併修のお布施の相場とされています。
参列者の香典も同様で、香典の相場金額の1.5倍程度を包むと良いでしょう。
例えば、十七回忌法要のお布施の相場が5,000円〜1万円なので、2人分の十七回忌併修のお布施相場は7,500円〜1万5,000円となります。
併修でのお布施以外の費用
併修の際、お布施以外にも持参するべき費用があるので確認しておきましょう。
御車代
僧侶が在籍するお寺以外に出向いて法要を行う際にかかる、移動手段の利用料が御車代です。
御車代の相場は5,000円〜1万円程度です。
御膳料
御膳料(おぜんりょう)は、法要後の会食に僧侶が参加されない場合にお渡しするお金です。
ただし会食がない場合や、僧侶が会食に参加される場合は渡す必要がありません。
御膳料の相場は5,000円〜1万円程度です。
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併修でのお布施の包み方と渡し方
併修で用意するお布施には、正しいとされる包み方や渡し方の作法があります。
お布施の包み方
ここでは、お布施を包む2つの封筒の種類についてご紹介します。
奉書紙に包む場合
奉書紙(ほうしょし)とは、正式なお布施の封筒とされている紙のことです。
素材には和紙が使われており、格式の高い封筒として知られています。
紙として厚みがあり、色は純白という特徴があります。
白無地の封筒に包む場合
併修のお布施の封筒は、奉書紙がなければ白無地の封筒でも問題ありません。
ただし郵便番号の枠などが印刷済みの封筒は、白色でもマナーに反しているため使用しないように注意してください。
お札の入れ方
使用するお札は新札を用意すると良いです。
お札を入れる際は肖像画の書いてある面が表側に来るようにいれましょう。
お布施の渡し方
お布施にはふさわしいとされる渡すタイミングや、渡し方の作法があります。
渡すタイミング
お布施を渡す適切なタイミングは法要の前か後です。
供養の最中に渡すことは避けてください。
より望ましいタイミングは、法要後に僧侶が片付けをしているときとされています。
法要の前に渡すことも問題ありませんが、慌ただしい印象を受けるといった意見もあるようです。
渡し方
お布施を僧侶に直接手渡しすることは、マナーに反する行為です。
正しいお布施の渡し方は、切手盆(きってぼん)という小型のお盆を用いた渡し方です。
お布施の封筒を切って盆に乗せ、僧侶に差し出して受け取ってもらいます。
切手盆が用意できないという場合は、袱紗に包んで渡すことが望ましいです。
お布施を差し出す際は、お礼の一言を添えるようにしましょう。
併修の際のお返し
併修を主催として催す際に注意したいのは、参列者へのお返しの予算です。
参列者は香典を持参し、主催者はお返しを渡すのが併修を含む法要の慣例です。
併修の場合は通常の法要と異なり、香典を多めに包まれる方がいるため、お布施と同じくお返しの相場も1.5倍と考えておくと良いでしょう。
またお返しの品につける「のし紙」には、他の法要と同じく表書きに「志」「粗供養」と記すことが多いようです。
誰の併修なのかを明記したい場合には、下記の記入例のように表記します。
記入例(右から縦書き)
「亡父 十三回忌
亡母 七回忌
志(粗供養) OOO(主催の氏名)」
一番右に最も早く亡くなった方、その左に次に早く亡くなった方の故人名と何回忌かを書きます。
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併修を行う際の条件
2つ以上の法要を同時に行える併修ですが、行うためには2つの条件をクリアしている必要があります。
併修ができるのは七回忌から
命日から三回忌にかけての四十九日や一周忌法要などは、特に重要な供養とされているため併修をせずに単独で行います。
そのため基本的には七回忌以降の法要でないと基本的に併修はできません。
ただし、お寺や宗派、地方によって決まりがある場合もあります。
事前にお寺に併修ができるかどうか相談するようにしましょう。
併修ができるのは同じ年に行われる法要だけ
併修として同日に行える年忌法要は、予定している2つ以上の法要が同じ年に行われる場合のみ適用されます。
また同じ年であっても、1月と12月のように大きく離れている場合の併修も推奨されていません。
併修の日程の決め方
通常であれば故人の命日に合わせるところですが、併修となると数日から数ヶ月変わるのが普通です。
その場合の判断基準には下記の2通りの方法があるので、どちらかから選ぶと良いでしょう。
その年の早いほうの命日に合わせる
併修を行う故人の命日を、その年の早いほうに合わせる方法があります。
例えばある年に2人分の併修を行う場合、命日が2月と7月だったら早いほうの2月に設定します。
後に亡くなったほうの命日に合わせる
母親の七回忌と父親の十三回忌のように、異なる回忌の併修も多くあります。
その場合は後に亡くなったほう、上記の例では七回忌の命日に合わせるという方法も一般的です。
いずれの場合にせよ、他の法要同様、命日よりも前に行うようにしましょう。
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併修での注意点
金銭や身体的、時間的にもメリットのある併修ですが、たとえ条件をクリアしていても注意すべき点があります。
お寺への確認
七回忌以降の法要が同年にあるからといって、すべてのお寺が同じ併修に条件を設定しているとは限りません。
お寺ごとに異なる場合もありますし、亡くなった家族の法要を軽く見ていると推測されるとお寺からよく思われない場合もあります。
お寺とは併修について直接依頼するのではなく、事前の確認を少しずつ行うのがおすすめです。
併修の案内状
親族などを併修に招く際は、案内状に必ず併修であることを明記する必要があります。
回忌数の少ない故人の名前から記し、誰と誰の併修で、それぞれ何回忌なのかも書くようにしましょう。
併修を行うメリット
併修のメリットをおさらいすると下記のようになります。
- 年忌法要の回数が減り、開催する主催者の負担が少なくなる
- 参列者も訪問の交通費や、遠方であれば宿泊費などの負担が減る
- お布施や香典といった金銭的負担も軽くなる
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併修をする際は仏様全員分の塔婆を立てる?
仏教の宗派によりますが、年忌法要の際に塔婆を新たに立てることがあります。
塔婆(とうば)とは、お墓の後ろなどに立てかけてある背の高い木の板のことです。
主に故人の関係者が故人へ向けて立てる塔婆ですが、具体的にどのような意味があるのでしょうか。
また併修の場合、供養する人数分の塔婆を立てるべきかについても解説します。
塔婆を建てる意味
塔婆を立てることは故人を供養する上で良い行いとされており、故人だけでなく立てた人も徳を積めるという意味があります。
そのため生きている人が複数回にわたり行える善行として「追善供養(ついぜんくよう)」とも呼ばれています。
併修する仏様の人数分を建てる
基本的には、併修する人数分の塔婆を立てます。
2人分の併修であれば2本、3人分の併修であれば3本の塔婆を立てましょう。
併修でのお布施のまとめ
ここまで併修の情報や、併修のお布施について解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 併修とは2つ以上の年忌法要を同時に行うこと
- 併修でのお布施の相場は一般的な法要時の1.5倍
- 併修は七回忌以降しか行えない、同じ年に行う法要だけという条件がある
- 併修で塔婆を立てる際には、併修で供養する人数分の塔婆が必要
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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