法事法要
初七日法要のお返しには何がおすすめ?返礼品の選び方や相場を紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.05.18
葬儀後は7日ごとに四十九日忌まで忌日法要(きにちほうよう)をしますが、初七日(しょなのか・しょなぬか)法要もその1つです。
初七日法要に参列いただくのはありがたいことですが、お返しに何を送るべきか悩まれる方も多いようです。
そこでこの記事では、初七日法要の返礼品について詳しく説明していきます。
この機会に、初七日法要を含めた仏事の返礼品について覚えておきましょう。
後半では繰り上げ法要(くりあげほうよう)についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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初七日法要とは
初七日の法要とは葬儀を終えて最初に行う忌日法要で、仏教では大切な追善供養です。
仏教では、人は亡くなると浄土に向けた49日間の旅に出るとされています。
旅の途中では7日ごとに生前の行いに対する裁きを受けるとされており、初七日は三途の川のほとりにたどり着く日です。
この日の裁きによって、故人が三途の川を渡る際の流れの緩急(かんきゅう)が決められるとされています。
そのため、遺族は故人の功徳を積むための供養をし、できるだけ流れの緩い(ゆるい)場所を渡してもらえるよう祈ります。
お返しをするタイミング
本来、初七日の法要は亡くなった日も含めて7日後に行うもので、お返しも香典返しと同様に忌明けのタイミングで送るのがマナーです。
しかし初七日は葬儀の2〜3日後にあたりますので、近年では葬儀当日に繰り上げて行うケースも少なくありません。
香典返しも即日返しが増えつつあるため、初七日法要のお返しも当日に渡すケースも多いようです。
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お返しする品の選び方
忙しい中に時間を作って、初七日法要に参列いただけることは、故人にとっても遺族にとっても大変ありがたいことです。
お返しに渡す品物も、先方に失礼のないよう配慮して選ぶ必要があります。
選び方
初七日法要のお返しも、香典返しと同様に弔事にまつわる贈り物ですので、後に残らないものがよいとされています。
ただし当日に渡す場合は先方が持ち帰りやすいよう重いものは避け、かさばらないものがよいでしょう。
消えもの
弔事に関する贈り物は、悪いことが続かないように消えものを選ぶのがマナーです。
消えものとは、食べてしまえば無くなる食品や、使えば無くなる消耗品などを指します。
傷みにくいもの
飲み物や食品はすべて消えものといえますが、先方がすぐに食べるとは限りません。
そのため賞味期限が短いものは避け、傷みにくいものを選ぶ必要があります。
おすすめの品
参考までに、初七日法要のお返しによく利用されている品物を以下に紹介します。
- 海苔やお茶などの乾物
- コーヒーや紅茶
- 調味料や洗剤などの消耗品
- せんべいやクッキーなどのお菓子
- タオルやハンカチなどの日用品
乾物でも昆布や鰹節はお祝いに利用される品ですので、初七日法要のお返しには適しません。
カタログギフトでも大丈夫
香典返しや法要の返礼品は選ぶ際に制約があるため、ついつい同じものばかりになりがちです。
しかしカタログギフトであれば、贈られた方が好きなものを選べますし、持ち帰る際にも邪魔になりません。
また弔事のお返しにはタブーとされる肉や魚・お酒類なども、カタログギフトであれば贈れます。
お返しの相場
香典のお返しの相場は地域によって異なりますが、おおむね香典の1/2〜1/3ほどとされています。
初七日法要の香典は3,000円〜1万円ほどのケースが多いので、お返しの金額は1,000円〜5,000円ほどが一般的です。
後日お返しする場合
初七日法要のお返しを後日贈る場合は、いただいた香典の額によって予算を決めます。
故人との関係性によって香典の額も変わりますので、1/3返しから半返しを目安にするとよいでしょう。
当日お返しする場合
初七日法要のお返しを当日渡す場合は香典の金額が分からないので、一律で同じものを贈ります。
金額としては3,000円〜5,000円ほどの品物を選んでおけば、先方に失礼になることもないでしょう。
もしも香典が高額だった場合は、後日あらためてお返しを送るのも1つの方法です。
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お返しのマナーについて
初七日法要のお返しはお礼として相手に贈るものなので、贈り物の作法に従う必要があります。
以下に初七日法要のお返しのマナーを紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。
表書きの書き方
初七日法要のお返しの品には、のしを付けるのがマナーです。
のしの表書きは、中央上部に志(こころざし)・粗供養(そくよう)と書くのが一般的ですが、関西地方では満中陰志(まんちゅういんし)とする場合もあります。
また中央下部には〇〇家と名字を記載するのが通例です。
水引の選び方
初七日法要は仏事なので、原則としては結びきりの黒白水引を用います。
ただし関西地方の一部では、黄白の水引を使用する場合もありますので注意が必要です。
お礼の手紙について
本来、香典返しや初七日法要のお返しは、忌明けの報告をかねて相手方を訪問して手渡すのがマナーです。
しかし近年では遠方からの参列者も多いため、郵送するケースが増えつつあります。
そのため、後日に初七日法要のお返しの品を郵送する場合は、挨拶状を添えるケースが多いようです。
初七日法要でも会葬御礼は必要
通夜・葬儀では、参列いただいた方に会葬返礼品をお渡ししますが、香典返しとは目的が異なります。
混同されがちですが、しっかりと区別しておきましょう。
会葬御礼と香典返しの違い
会葬御礼として渡すお礼状と会葬返礼品は、式場まで足を運んでいただいたことに対するお礼として渡すものです。
そのため香典を辞退している場合でも、用意しておく必要があります。
もう一方の香典返しは、いただいた香典のお返しに贈るものなので、香典を辞退している場合は必要ありません。
会葬御礼の相場
会葬御礼の相場は500円〜1,000円ほどが相場ですが、予算に余裕がある場合は1,500円ほどのケースもあります。
ただし必要以上に高額になると、受け取った方が恐縮してしまう場合もあるので、最大でも1,500円程度に納めましょう。
会葬御礼におすすめの品
会葬御礼の品選びも、基本的な考え方は香典返しと同様で消えものが一般的です。
- スティックコーヒーや紅茶パック
- 軽いお菓子
- 緑茶や海苔などの乾物
- タオルやハンカチ
- クオカード
上記のような品物が良く利用されます。
香典返しと一緒でも大丈夫?
前述したとおり会葬御礼と香典返しは目的が異なるので、別々に用意する必要があります。
ただし、相手に渡すタイミングは一緒でも問題ありません。
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繰り上げ法要した場合のお返し
初七日法要は、死後7日目に行うのが本来の流れです。
しかし現在では、親族が遠方に暮らしていることも多くたびたび集まるのも困難なため、初七日法要を葬儀当日に行うケースが多くなっています。
繰り上げ法要とは
繰り上げ法要とは、本来行うべき時期よりもタイミングを早めて営む法要を指します。
葬儀・告別式に続いて行われる初七日法要も、繰り上げ法要の1つです。
火葬の前に行う初七日法要は繰り込み法要、火葬後に初七日法要するケースは繰り上げ法要と呼び分けられることもありますが、どちらも繰り上げ法要である点は変わりません。
また、繰り上げ法要する理由は、人が集まりにくいというだけではありません。
繰り上げ法要する理由を、いくつか紹介します。
三月(みつき)またぎは縁起が悪い
例えば5月末に亡くなった場合、四十九日の忌明けを迎えるのは翌々月の7月に入ってからになり、5月・6月・7月と3か月にわたります。
こういったケースを三月またぎといいますが、三月を「身付き」四十九日を「始終苦」と捉えて「始終、苦しみが身に付く」とする語呂合わせから、縁起が悪いと考えられました。
この三月またぎを避けるために、初七日法要を早めて忌明けを2ヶ月以内に納めるというものです。
お正月に忌明けを迎えるのを避ける
日本には古くから、祝儀と不祝儀を重ねるべきではないという考えがあります。
そのため、慶事であるお正月に弔事である忌明けを迎えるのは避けられてきました。
亡くなったタイミングによっては、上記のような状況を避けるために繰り上げ法要する場合もあります。
地域による習慣の違い
一般的には四十九日をもって忌明けとする地域が多いですが、五七日(35日)で忌明けとする地域もあります。
また初七日法要だけでなく四十九日の法要まで、葬儀当日に執り行う習慣がある地域も一部存在します。
こういった地域特有の葬送習慣から、繰り上げ法要が行われるケースもあるようです。
繰り上げ法要でのお返し
繰り上げ法要をした場合も、基本的には忌明け後にお返しを贈るのがマナーです。
香典返しを即日返しにする場合は、初七日法要のお返しを一緒に渡しても問題ありません。
ただし四十九日の法要を葬儀当日に繰り上げて行った場合は、少し時間をおいてから贈ったほうが無難です。
四十九日の法要が済んでいるからといって、葬儀後すぐにお返しを贈るのは非常識と捉えられる可能性もありますので、おすすめできません。
本来の四十九日が正月にかかってしまうようなケースでは、松が明けてから贈るなど工夫しましょう。
初七日法要のお返しまとめ
ここまで初七日法要のお返しの選び方や、お返しの時期などを中心にお伝えしてきました。
まとめると以下の通りです。
- 初七日法要のお返しを贈る時期は基本的に忌明け後だが当日返しも可能
- 初七日法要のお返しは乾物や日用品などの消えものを選ぶ
- 初七日法要のお返しには「志」と表書きしたのしと黒白水引をかける
- 初七日法要は葬儀当日に繰り上げて行う場合もある
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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