法事法要
四十九日を過ぎると故人はどこに行くの?死後の行き先について紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.03.31
四十九日法要は、故人やその遺族にとって非常に大切なものとなりますが、四十九日の法要後に故人はどこに行くのかをご存知でしょうか。
四十九日後の故人の行き先を知ることで、法要の大切さをより一層実感することができるでしょう。
そこでこの記事では、四十九日後故人はどこに行くのかについて詳しく説明していきます。
この機会に四十九日後の故人の行き先を知り、法要の目的や供養の大切さを知っておきましょう。
宗派宗教における考えの違いについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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四十九日経つと故人はどこに行く?
仏教において四十九日法要は、葬儀や告別式の次に非常に重要なものであると考えられています。
この理由としては、四十九日を境に故人の魂があの世へと旅立つためです。
四十九日を迎えるまでは故人の魂の行き先が決まっていないので、故人の魂はどこに行くのかわからずさまよっているとされています。
四十九日法要の時点で、故人の魂がどこへ行くのか決定されるため、非常に大切なものといえるのです。
四十九日は、遺族にとっても非常に意味のあるものとなります。
この理由としては、四十九日を忌明けと考えるケースが多くなっているためです。
四十九日までは喪中となり、文字通り「喪に服する」とされ、故人の死を悼み、慎んだ行動をすべきとされています。
四十九日法要を終えることで遺族も悲しみを乗り越え、気持ちを切り替え日常生活をしっかりと歩むタイミングでもあると考えられています。
四十九日後の行き先は?
次に、四十九日後の故人の魂の行き先について紹介していきます。
六道を種類別にそれぞれ説明していきますので、ぜひご覧ください。
生前の行いによって行き先は変わる
インドの仏教の教えでは、人間は亡くなるとその後は輪廻転生して生まれ変わると考えられています。
日本の仏教では、亡くなってから49日間でこの世からあの世に向かう旅に出るとされています。
このときに、故人はどこに行くのか裁判にかけられます。
生前無垢の善人は仏となり極楽へ上がりますが、少しでも悪いことをした場合には地獄へ落ちてしまうと考えられています。
死後の行き先については、天国から地獄まで6通りの行き先があるとされ、これを「六道」と呼びます。
人間は生まれ変わって死ぬたびにこの六道のどこかで生まれ変わり、魂を鍛えることで極楽浄土へ行けるとされています。
この行き先は、故人の生前の行いと現世の人が行う法要によって決まると考えられています。
そのため、遺族は故人が極楽浄土へ行けるように願いを込めて法要を行い、供養する風習となりました。
もし、四十九日の裁判で地獄に落ちたとしても、その後何度か審理が行われ、再び極楽に行くチャンスが巡ってくるとされています。
そのたびに法要を行い、僧侶や家族が供養をすることで故人が極楽へ行けるように後押しします。
六道の種類
故人があの世に行く際の行き先は、地獄から天国まで6つに分かれていると考えられています。
これを「六道」といい、以下でそれぞれの意味合いについて詳しく紹介していきます。
天道
天道とは別名、「天上界」や「天界」とも呼ばれています。
苦しみや迷いもなく、楽しみの多い世界だとされています。
しかし、極楽浄土ではありませんので、苦しみなどが全くないわけではありません。
生前に良い行いをした者が行く世界であり、人間よりも優れた天人が住んでいるとされています。
人道
人道(人間道)とは、現在私たちが住んでいる世界のことです。
六道の中では唯一仏教に触れることができ、六道から解脱できる世界であるとされています。
人道はこの世で生きている私たちが実感しているように、四苦八苦に悩まされながら生きる世界です。
四苦とは、「生」「老」「病」「死」の四つの根源的な苦しみです。
八苦とは、この四苦に「愛別離苦(あいべつりく)」「怨憎会苦(おんぞうえく)」「求不得苦(ぐふとくく)」「五蘊盛苦(ごうんじょうく)」を加えた八つの苦しみのことです。
簡単にいいますと、人間界では生まれてから死ぬまでの間、徐々に年老いて病気に悩まされたり、死への不安を持って生きていかなければいけないという意味です。
また、愛する者を亡くしたり、気の合わない人と出会ったり、欲しい物が手に入らなかったりと、思うようにいかないこともたくさんあるということです。
修羅道
修羅道(しゅらどう)とは、須弥山(しゅみせん)の北、巨海の底にあるとされる阿修羅(あしゅら)の住む世界です。
阿修羅とは、戦いを好む鬼や悪魔のことです。
生前に他人を蹴落として自分の地位や名誉を獲得したり、醜い争いをした者が行く世界とされています。
常に雷鳴が轟き、争いや戦いが絶えず苦しみや怒りも絶えない世界となり、負傷し非業の死を遂げます。
再度生まれ変わったあとも、戦いを続けては血を流し続けなくてはなりません。
畜生道
畜生道(ちくしょうどう)とは、この世で目的を達することができないまま非業の死を遂げた者や恨みを訴えようとして死んだ者が落ちる世界です。
ここで言う畜生とは、動物や鳥、虫などを指します。
生前に動物の命を粗末にした者が行く世界だとされています。
この世界に落ちた者は人間ではなく、犬や豚、鶏など3億〜4億種類の動物のいずれかに生まれ変わるとされています。
弱肉強食の世界であるため、強い者から襲われる恐怖と常に戦いながら生きていかなければいけません。
餓鬼道
餓鬼道(がきどう)とは、さまざまな鬼に生まれ変わる世界のことです。
欲深い者が住む世界には、ガリガリにやせ細り、骨と皮だけの貧相な姿の餓鬼と呼ばれる鬼が住んでいるとされています。
生前、自己中心的で欲望のままに生きた者が行く世界であるとされています。
この世界では、食欲があっても食べることができず、のどが渇いても水を飲むことができません。
そのため、常に飢えとのどの渇きに苦しまされる世界です。
鬼として生きることで、地獄よりもじわじわと苦しみを味わうことになります。
地獄道
地獄道(じごくどう)とは、六道の中では最も苦しみが深く、辛い思いをする世界となります。
この世界は文字通り地獄のような世界であり、傷つけ、殺し合い、あらゆる苦しみを長い時間受け続けます。
生前、罪深い行いをした者が行く世界だとされています。
この罪の重さによって苦しみの度合いも異なります。
例えば、生前殺人などを犯した者は熱鉄の斧で1000年間もの長い間切り裂かれたり、炎の刀で体の皮をはぎとられ、沸騰した熱鉄を体内にそそがれたりします。
このように、さまざまな罰の種類があり、罪のレベルに応じて罰を受けることとなります。
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忌日法要と裁判の関係性
7日毎に閻魔大王らによって裁かれ、今後故人はどこに行くのか検討されていきます。
そのため、遺族や親族による忌日法要はとても大切なものとなります。
以下でそれぞれの法要のタイミングや裁判との関係性を紹介していきます。
初七日
初七日(しょなのか)は、故人の命日から7日目に行われる法要のことです。
この日は、故人が三途の川に到着する時期とされています。
穏やかな流れの川を渡れるように、僧侶や親族、故人と関係が深かったゆかりのある人たちで祈り供養をします。
初七日法要では、故人の写真や位牌を拝みながら、僧侶の読経のもとで参列者がお焼香をしていきます。
開催場所は自宅のケースもあれば、葬儀場や寺院で行うケースもあります。
お寺に故人の遺骨などを持ち込み供養してもらう場合もあり、開催場所については人数や利便性を考慮し親族で相談して決めると良いでしょう。
近年では、繰り上げ法要や繰り込み法要と言い、葬儀の日に初七日法要も執り行う人が増えています。
親族の負担も考慮し、初七日法要のスケジュールを組むようにしましょう。
人間は亡くなると魂となり、まずは泰広王(しんこうおう)の前で審理を受けるとされています。
裁判では、生前の罪を全て記録した「獄録」というものをもとにして審判がくだされるとされています。
そのため、いくら偽ったとしても逃れようがありません。
二七日
ニ七日(ふたなのか)は、故人の命日から14日目に行われる法要のことです
一般的には僧侶と親族のみで執り行うことが多く、規模は小さくなります。
ニ七日では、故人が生前に行った盗みの罪について初江王(しょこうおう)によって審理されます。
死者は三途の川を渡ることになりますが、善人であった場合には橋を渡ることができます。
自力で川を渡る場合には、罪の軽い人が渡る浅瀬の「三水瀬(さんすいらい)」、罪の重い人が渡る難所の「江深淵(こうしんえん)」があります。
また、「六文」を支払い渡し船で渡る方法があるとされています。
しかし、船だからといって安心はできず、川の流れが速いので転覆する恐れもあります。
川を渡りきった先には大きな木があり、その下に奪衣婆(だつえば)と懸衣翁(けんえおう)という二匹の鬼がいるとされています。
ここを通る死者たちの着物を奪って木の枝にかけ、枝のしなり具合によって罪の重さを測ると言われています。
そこで、ニ七日法要を行うことによって、少しでも故人の罪を軽減できるように祈ることが大切であるとされています。
法要で祈ることによって、故人の魂がより良い世界へ旅立てるように後押しするのです。
ニ七日法要で故人にお供え物をする場合は、食料品や消耗品といった形に残らないものを供えることが良いとされています。
これは、不祝儀が長く残らないようにという気持ちを表わし、願いを込めたものであり、線香やろうそく、果物やお菓子がよく選ばれています。
三七日
三七日(みなのか)は、故人の命日から21日目に行われる法要のことです。
二七日同様、僧侶と親族のみで執り行うことが多くなっています。
また、家庭によっては、三七日法要を執り行わないという家庭もあるようです。
このように、必ずしも執り行わなければならない法要ではなくなってきています。
親族で必要性を相談し、法要のスケジュールについて決めていくことが大切です。
仏教の教えでは、三七日のタイミングで宋帝王(そうたいおう)の裁きを受けるとされています。
宋帝王は、猫や蛇を使って現世での邪淫の有無を調べます。
邪淫のある者は猫によって乳首を噛みちぎられたり、蛇に首を締め上げられてしまうと考えられています。
四七日
四七日(よなのか)は、故人の命日から28日目に行われる法要のことです。
この法要も三七日法要と同じく、親族だけで執り行われるケースが多くなります。
家庭によっては四七日法要を省略するところもあり、必ずしも行わなければいけないものではありません。
四七日は、冥界の4番目の王である五官王(ごかんおう)によって審判されます。
ここでは、言葉による罪について裁きを受けるとされており、秤(はかり)に死者をひとりずつ乗せて、現世での嘘の罪を裁くことになります。
重罪であれば地獄へと落とされ、中罪は餓鬼道へ、軽い者でも畜生道に落とされるとされています。
五七日
五七日(いつなのか)は、故人の命日から35日目に行われる法要のことです。
近親者と僧侶のみで読経をあげて行い、故人の冥福を祈るのはこれまでの法要と同様となります。
地域によっては、五七日を忌明け日として、忌明け法要を行う場所もあります。
不明な場合は、僧侶や近親者に相談すると良いでしょう。
五七日には5番目の王である閻魔大王(えんまだいおう)の審理を受けます。
閻魔大王が死者を大きな鏡の前に立たせると、生前のあらゆる悪業が映し出されるとされています。
審判の際に嘘をついた者は、この際に釘抜きで舌を抜かれてしまうと考えられています。
しかし、同時に現世の人たちが供養してくれている姿も映し出されると言われ、親族などの功徳の深さも審理に考慮されます。
六七日
六七日(むなのか)は、故人の命日から42日目に行われる法要のことです。
これまでの裁きと同様に六七日には、6番目の王である変成王(へんじょうおう)から生前の罪に関しての裁きを受けるとされています。
裁きを受けながらも、変成王が生まれ変わった世界で正しく修行を積むことができるように教えを説いてくれると言われています。
七七日
七七日(なななのか)は、故人の命日から49日目に行われる法要のことです。
その裁きの7回目である、七七日は、すなわち四十九日と呼ばれ法要の中では最も知られています。
この日は故人の進む行き先が決定し、故人の魂があの世の決められた行先に向かって旅立つ重要な日とされています。
四十九日には、泰山王(たいせんおう)の裁きを受けます。
ここには6つの鳥居があり、この先が六道のいずれかに通じ、罪によって導かれるとされています。
そのため、僧侶や親族だけではなく、故人と生前ゆかりがあった人たちも集まり冥福を祈ることが一般的となっています。
忌日法要・年忌法要の目的とは?
ここからは、忌日法要や年忌法要の目的を紹介していきます。
まずは忌日法要と年忌法要の意味合いについて紹介していきます。
四十九日などの7日ごとに行われる法要を忌日法要といいます。
一周忌や三回忌などの年ごとに行われる法要のことを年忌法要といいます。
忌日法要も年忌法要も「追善供養」のひとつになります。
様々な追善供養の中でも、故人の命日から数えて7日ごとに行われる法要をとりわけ「忌日法要」、年ごとに行われる法要を「年忌法要」と呼びます。
死後の裁判で良い評価を貰うため
忌日法要や年忌法要を行う理由としては、故人がより良い世界に生まれ変われるように祈るためです。
生きている人が故人の冥福を祈り供養をすることで、故人が極楽浄土へ行く際の手助けとなり、より良い世界に行くことを後押しできるとされています。
また、故人を供養することでその善行が遺族自身にも返ってくると考えられています。
しかし浄土真宗では、人間は亡くなるとすぐに阿弥陀如来の力で成仏できると考えられているため、原則として追善供養は不要となります。
十王裁判と十三仏裁判について
十三仏(じゅうさんぶつ)とは十王をもとにした冥界の審理に関わる13の仏様のことです。
また、初七日から三十三回忌までの十三回の追善供養をそれぞれ司る仏様としても知られています。
一般的には、三回忌までが十王裁判、三十三回忌までが十三仏裁判と呼ばれています。
全ての裁判が終了するため、三十三回忌で弔い上げをすることが一般的となっています。
十王裁判とは
百箇日忌、一周忌、三回忌は中国で生まれ、儒教に基づいていると言われています。
初七日から三回忌までは、「十王裁判」と言って十王による十回の裁判が行われるとされています。
十三仏裁判とは
中国の十王信仰をもとにして、日本独自で考えられたのが十三仏になります。
七回忌、十三回忌、三十三回忌にも「十三仏裁判」と呼ばれる裁判が行われます。
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宗派宗教における考えの違い
次に、宗教や宗派ごとの死後の行き先の考え方の違いを紹介していきます。
同じ仏教でも宗派が異なれば、考え方も違ってきますのでぜひ参考にしてください。
浄土真宗における死後の行き先
浄土真宗では、人間は亡くなったらすぐに成仏して生まれ変わると考えられています。
そのため、他の宗派のように49日間故人の魂がこの世にとどまるとは考えられていません。
浄土真宗においての49日間とは、故人はもうすでに生まれ変わっているとされるので、悲しみを癒やして仏様への感謝をする期間であると考えられています。
これらのことから浄土真宗における49日は、故人が与えてくれた思いを深める期間となります。
神道における死後の行き先
神道では、亡くなった故人の魂は家や遺族を守る守護神となると考えられています。
そのため葬儀に続く一連の儀式の目的は、故人を守護神として定め祀ることになります。
神式では、五十日祭を通じて家庭を守る守護神として自宅の神棚である祖霊舎に迎え入れることになります。
一般的には、「五十日祭」を終えると、遺族は忌明けとなります。
キリスト教における死後の行き先
キリスト教において死後の世界は、大まかに言うと「天国」と「地獄」の2種類に分かれています。
天国には神様が存在しており、神様の支配の基に成り立っている世界であると考えられています。
天国は悲しみや苦しみもない、明るい世界とされており、神から発せられる光によって光輝いているので、夜が無い世界であるとも考えられています。
一方で地獄とはその真逆の世界となります。
キリスト教では他教を信じた者や大きな罪を犯した者が地獄に行くとされています。
簡単に言いますと、神様の存在を信じなかったことが大きな罪とされるということです。
四十九日後の故人はどこにまとめ
ここまで四十九日後、宗教や宗派別に故人はどこに行くのかを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 死後の行き先は天国から地獄まで6通りの行き先があり、これを六道と呼ぶ
- 遺族は故人が極楽浄土に行けるように願いを込めて法要を行うことが大切である
- 四十九日は故人の魂の行き先が決定するため、非常に重要な法要である
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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