終活
遺影の飾り方に決まりはある?適した場所と方向・注意点を説明
更新日:2022.08.10 公開日:2022.05.30

記事のポイントを先取り!
- 遺影とは故人を偲ぶための写真
- 遺影は飾らなくてもよい
- 現代ではリビングに飾るのが無難
- 仏壇の中や上は避けて飾る
葬儀斎場や自宅に飾る故人の遺影ですが、その飾り方についてご存じでしょうか。
遺影を適切に扱うためにも、正しい飾り方を知っておくことが大切です。
そこでこの記事では、遺影の飾り方について解説します。
この機会に遺影を並べる順番を覚えておきましょう。
後半には宗教ごとの遺影と一緒に飾る道具についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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遺影とは
遺影とは、亡くなった方を偲ぶために用いられる写真や肖像画のことで、現代では写真であることがほとんどです。
日清戦争や日露戦争の後、戦争で亡くなった方の供養にと肖像画が描かれ飾られたことが起源といわれています。
遺影は主にお通夜や葬儀で用いられることが多く、斎場の祭壇に飾られます。
葬儀後は年忌法要で使われたり、自宅の仏間や仏壇と一緒に飾られたりすることが多く見られます。
そのことから遺影は、故人の最期の一枚として関係者の印象に残る写真とされています。
多くの葬儀は仏式で執り行われますが、遺影には宗教的な側面はありません。
つまり、遺影を飾らなくても何ら問題はありません。
遺影を葬儀で飾る場合は、胸から上の上半身だけの写真を用意します。
遺影用に写真撮影をする方もいますが、保管されているスナップ写真やデータの背景を加工して用いることも可能です。
遺影の飾り方に決まりはある?

葬儀斎場や自宅に飾る遺影ですが、飾るにあたっての作法や適切な飾り方はあるのでしょうか。
遺影の飾り方に決まりはない
基本的に遺影の飾り方に厳格なルールはありません。
一般的に多く見られる遺影を飾るとよい場所や方角などはありますが、必ず守るべき決まりではないため特に気にしなくても問題ありません。
必ず飾らなければいけないものではない
自分の遺影を飾りたくないという方も中にはいます。
また本人の希望だけでなく、さまざまな家庭の事情によって遺影を飾れない場合もあるかもしれません。
その際は、無理して遺影を飾る必要はありません。
遺影を飾るのに適した場所
遺影を飾るにあたって、適しているとされる場所がいくつかあるのでご紹介します。
仏壇の周辺
仏壇が自宅にある場合は、その周辺に遺影を飾るとよいでしょう。
仏壇は小さなお寺として家に置き、ご先祖さまを供養する際に手を合わせるものです。
その際に遺影が周辺にあれば、より深く故人を偲び供養できることでしょう。
仏間・床の間
自宅に仏間や床の間があれば、遺影を飾る場所の候補となります。
伝統的な遺影は、現代の洋風の住宅にはインテリアとして考えた場合、あまり似合うものではありません。
仏間も床の間も現代の住宅の間取りには採用されにくいかもしれませんが、遺影を飾っても違和感がないため、飾る場所としては適切といえるでしょう。
リビング・寝室
家族が集まりやすいリビングは、多くの方が遺影を目にする場所です。
遺影を日々目にすることで、さまざまな出来事に思いを巡らすなど、故人を忘れることなく近くに感じられます。
また1日の始まりや終わりの時間に使う寝室に遺影を置けば、特別な日や1日の出来事などを故人に報告する場にできるでしょう。
鴨居
かつて遺影を鴨居に吊るすことには、故人が天国から家族を見守っているといった意味があったようです。
また鴨居を利用すれば、複数の遺影を空きスペースで活用できる有効な飾り方ができます。
遺影を飾る方向(向き)
遺影の飾り方で方向を気にされる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし遺影を飾る方向にルールはないため、気にせずご家庭の事情に応じて飾るとよいでしょう。
飾り方にこだわりたい場合は、一般的に望ましいとされる南向き、もしくは東向きに遺影を飾りましょう。
複数の遺影を飾る場合
複数の遺影がある場合、その飾り方で頭を悩ませる方も少なくないでしょう。
どのような順番で何をもとに飾り方を決めるべきなのか、判断する基準は亡くなった順番とその起点です。
遺影の飾り方として一般的には、向かって右側が高い位とされています。
亡くなった順に右から左へ並べるのが基本的な飾り方です。
遺影を飾る際の注意点

特に決まりがない遺影の飾り方ですが、いくつか注意すべき点があるので覚えておきましょう。
仏壇の中に飾らない
仏壇の中には、お寺の中と同様にご本尊があります。
大切な家族やご先祖さまの遺影だとしても、ご本尊を遮り隠すことになるので、仏壇の中には飾らないようにしてください。
仏壇の上や中央に飾らない
仏壇の上や中央も遺影の飾り方としては不適切とされています。
仏壇の上や中央に遺影を置くことは、ご本尊を見下ろしお尻を向けることになるため、無礼とされるようです。
仏壇の上や中央は避け、周辺に置くのが適切な遺影の飾り方といえます。
宗派によっては飾り方が決まっている
仏教にはさまざまな宗派が存在します。
元はひとつの教えであっても、仏教発祥の地インドから中国大陸を経て日本に伝わった仏教には、さまざまな解釈があります。
遺影の飾り方ひとつとっても、宗派によっては慣習があります。
お寺や地域の違いがある場合も考えられるため、気になる方は地元の詳しい方に確認するとよいでしょう。
風水を考慮した向きの決め方
風水では、「写真の飾り方について良し悪し」があるといわれています。
遺影も写真の一部とみなして、風水を考慮して飾ってはいけないとされている場所を避けるのも良いでしょう。
風水において写真を飾ってはいけないとされているのは、「水回り」「火を取り扱う場所」「直射日光があたる場所」です。
風水では、写真は「火」の気が強いアイテムのため、「水」との相性は良くないとされています。
そのため、「水」の気が強い、風呂場やキッチンなどの水回りに写真を飾るのはNGとされています。
また、キッチンのコンロなど「火」の気が強い場所や直射日光が強くあたる場所も良くないです。
そもそも、遺影などの写真は紙でできているため水や火に弱いですし、直射日光にさらされると色あせる恐れもあります。
そのため、風水を考慮するしないに関わらず、これらの場所は遺影の飾る場所としては避けることが望ましいかもしれません。
スポンサーリンク後飾り祭壇での遺影の飾り方

後飾り祭壇とは葬儀後に自宅などに置く、遺影や遺骨を飾る祭壇のことです。
後飾りで用いる祭壇や道具は、仏教や神道、キリスト教といった宗教ごとに異なります。
ここでは、宗教ごとに後飾り祭壇での遺影の飾り方を解説するので参考にしてください。
仏式
仏式の後飾り祭壇には、白木素材もしくはその他の素材の祭壇に白いシーツや布をかけたものを使用します。
また祭壇は2段、もしくは3段式の棚を用意して遺影などを飾ります。
仏式の後飾り祭壇に飾るものは下記の通りです。
- 遺骨
- 遺影
- 遺影を立てる写真立て
- 白木の仮位牌(浄土真宗を除く)
- 香炉・焼香代
- 線香・線香立て
- ろうそく・ろうそく立て
- 生花・花立て
- お鈴・鈴棒(りんぼう・お鈴を鳴らすための棒)
- 仏飯器・茶器
祭壇の上段に遺骨と遺影、中段に仮位牌、下段にそれ以外を飾ります。
祭壇や遺影は基本的に四十九日法要まで飾られ、その後は片付けます。
神式
神式の後飾り祭壇には、片側に4本足のついた8本足の祭壇を用意します。
神式の後飾り祭壇に飾るものは下記の通りです。
- 白い布(祭壇が白木以外の素材の場合にかける)
- 遺骨
- 遺影
- 遺影を飾る写真立て
- 霊璽(れいじ・神式の位牌)
- 榊・榊立て
- ろうそく・火立
- 三方(供物を載せる台)
- 徳利(とっくり)
- 水器
- 皿2枚
- 玉串
神式での後飾り祭壇には上段に遺骨と遺影、中段に霊璽と榊立て、下段にそれ以外を飾ります。
祭壇は五十日祭まで飾られます。
キリスト教
キリスト教も仏式や神式と同様、白い布を台に敷きますが祭壇ではなく小さなテーブルで代用できます。
キリスト教で飾るものは下記の通りです。
- 十字架
- 遺影
- 遺骨
- 遺影を飾る写真立て
- 生花・花立て
- ろうそく・ろうそく立て
- 聖書
- 皿・パン
キリスト教の飾り方は上段に十字架、中段に遺影と遺骨、下段にそれ以外を飾ります。
祭壇や遺影は、埋葬の日まで飾られます。
遺影の飾り方のまとめ

ここまで遺影の飾り方についてを中心に解説してきました。
まとめると以下の通りです。
- 遺影とは、亡くなった方を偲ぶために用いられる写真や肖像画のこと
- 遺影は社会的にも宗教的にも、必ず用意する決まりはない
- 遺影を現代の住宅に飾る場合は、リビングか寝室が無難
- 遺影を仏壇の中や上に飾ることはご本尊に失礼にあたるため避ける
- 遺影が複数ある場合は、向かって右から左に亡くなった順に飾る
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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