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記事のポイントを先取り!
家族葬の範囲や喪主の挨拶のタイミングなどをご存知でしょうか。
家族葬は、近親者を中心におこなうことが多いため、連絡する範囲の基準や、参列する人・参列しない人の線引きが難しいものです。
そこでこの記事では、家族葬をおこなう際の連絡方法を中心に説明していきます。後半では、家族葬でおこなう喪主挨拶のタイミングやポイントについても触れていますので、ぜひ最後までご覧ください。
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。
さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
喪主は
家族葬のような小規模な葬儀であっても、他の葬儀と同様に以下のような役割を担います。
なお喪主は、故人の配偶者や年長の子供が務めることが一般的ですが、年長者以外の家族が複数人で務める場合もあります。
家族葬の基礎知識や費用、参列者のマナー、ご逝去直後の手続きについて、以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
家族葬の範囲については、明確な基準がありません。1人の場合もあれば、親戚や仲のよい友人などが多めで、50人ほどになることもあります。
このように、家族葬は家族しか参列できないわけではなく、故人とのつながりが重要視される傾向があります。そのため、どこまで参列してもらうか迷った際は「故人が最後に会いたいと思うか」「家族葬に参加しなかった場合に角が立たないか」を考慮して選ぶことをおすすめします。
以下の表で、家族葬の規模ごとに参列者の目安をまとめましたので参考にしてください。
故人が会社に勤めていた場合は、
また、近所付き合いがある場合には、家族葬の日時が決まってから、早めに訃報を伝えることが大切です。
故人が近所との親交が深かった場合特に、心配する人がいるかもしれません。近所の方々への連絡は、まず町内会長や自治会長に連絡し、回覧板などを回してもらうとよいでしょう。
近所の人の参列をお断りする際は「家族・親族で葬儀をおこないますので、ご参列、御香典を辞退させていただきます」といったメッセージを会長に伝え、近所の方々にも共有してもらいます。
会社や近所の方々への訃報連絡については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
ここからは、家族葬に参列する人へ連絡する際のマナーについてご紹介します。
家族葬をおこなう場合でも故人や家族にとっての要人への訃報連絡は、
危篤状態にある場合、
危篤状態の連絡は、電話でおこなうと確実に情報を伝えられますが、電話が通じない場合はメールやSNSを活用する場合もあります。しかし、メールやSNSで連絡すると読まれるタイミングがわからなかったり、重要性が伝わらなかったりするため注意が必要です。緊急度によっては、再度電話で連絡することも考慮しましょう。
連絡時には、病院の名前や住所、病室の部屋番号のほか、面会時間が決まっている場合には、あわせて伝えるようにします。連絡する時間帯が深夜や早朝になる場合は「夜分に失礼します」などといった前置きをいれて、相手の状況にも配慮するようにしましょう。
前述のとおり、葬儀社との打合せで家族葬の日程や場所の詳細が決定したら、適切な範囲に連絡します。
家族葬には明確な定義がないため、
家族が知りえないところで故人と深い縁があった人にとっては、
以降の関係性も踏まえて生活に支障をきたさないように、無理な線引きをしないことも検討しましょう。縁のあった人たちには、社会的な区切りとしてお知らせし、参列については相手にゆだねるのが基本的なマナーになります。
家族葬をおこなう際は、故人と家族の関係者を考慮して、想定される参列者を予測し、お知らせする範囲や基準を検討しましょう。しっかりとお知らせをしておくべき先はどこか、家族葬の後にお知らせをしても支障がない関係先はあるかを、
あえて参列基準を設けてしまうと相手によっては不義理を感じ「どうして呼んでくれないんだ?」と不満を持たれる可能性が生じます。今後の関係性にも影響を及ぼしたり、故人の人生を否定されたりすることにならないよう注意が必要です。
諸事情により訃報を知らせずに家族葬をおこなった場合には、後日あらためて訃報をかねた挨拶状を送ります。挨拶状を送るタイミングに明確な基準はなく、宗教・宗派によっても異なります。
なかには当日の都合がつかなかった人、あるいは遅れて訃報を知った人が、葬儀・家族葬の後に香典や供花・供物で弔意を表したり、弔問を希望したりする人もいる場合があります。お気持ちや厚意を無碍にできない面もありますので、きちんとした対応をすることが望ましいでしょう。諸々を一貫して辞退する場合は、挨拶状にその旨を記載しておきます。
葬儀当日は、参列された方々に向けて喪主挨拶をします。
家族葬で喪主が挨拶をする理由は、
ここからは喪主の挨拶のタイミングや通夜や告別式、通夜振る舞いや精進落としの食事会での挨拶のポイントについてご紹介します。
喪主挨拶のタイミングは、
受付などの開始前に係員の人へ、宗教者が到着された際、通夜式の終了時、告別式中または出棺の前、通夜振る舞いの席、精進落としの席です。特に受付開始前には防犯のためにも、集まっている方々と挨拶を交わしておくと双方が安心できます。喪主が誰なのかを周囲に伝えることで、葬儀の運営が円滑に運びやすくなったり、何かあった時でも、コミュニケーションがとりやすくなったりします。さらに踏み込んだ対応が必要な人には翌日の連絡をするケースもあり、挨拶をする相手やタイミングによってその内容は若干異なります。
ここでは、各挨拶のタイミングや伝える内容を解説していきます。
受付係、返礼品を渡す係、道案内係など、葬儀・家族葬の規模によっては身内で賄いきれない部分を一般の人に手伝ってもらう場合があります。
菩提寺の住職などがお越しの際は、まずは式場に迎え入れて、葬具などに不備がないか確認してもらいます。その後は、着替えや休憩ができる宗教者専用の控室にご案内してご挨拶を交わし、
御布施を渡すタイミングは、このご挨拶の時におこなう場合が多く「2日間、故人の弔いを宜しくお願いします。」と述べて渡すのがよいでしょう。丁寧にされる場合には、後日にお寺に出向いて本堂に納める形をとります。この場合には、住職にご挨拶する際に、その旨をお伝えしましょう。
通夜での挨拶は、僧侶による読経と焼香が終わり、僧侶が控室にさがったあと、通夜が終了して通夜振る舞いに移る前におこないます。
挨拶の内容としては、参列いただいたことへの感謝と故人が生前にお世話になったことへのお礼・通夜振る舞いの案内・告別式の日程や場所など、次の日の予定を簡単に伝えましょう。もし、喪主が忙しく挨拶をおこなうのが難しい場合は、他の遺族が代行します。数名の家族葬などでは、挨拶を割愛される場合があります。
通夜での挨拶のポイントは以下のとおりです。
ポイント
通夜振る舞いは、
区切りをつけたい時には、お開きの挨拶をして、通夜振る舞いに参加してくれたお礼と、次の日の告別式の案内をして、お通夜の締めとします。
通夜振る舞いでの挨拶のポイントは以下のとおりです。
数名の家族葬の場合には、挨拶は割愛されます。
ポイント
通夜振る舞いの挨拶内容や例文については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
告別式では、出棺の前に参列者に向けて挨拶をします。
出棺前の挨拶では、
なお、出棺前の挨拶の時には、前日の通夜に参加できなかった人も参加している可能性があるため、通夜の時と挨拶の内容が似てしまっても問題ありません。式場のつくりによっては、参列者よりも高い位置から、やむを得ず挨拶をする場合があります。その際は一言「高い位置から失礼いたします…」と添えてから挨拶をするように心がけましょう。
告別式(出棺前)の挨拶のポイントは以下のとおりです。
ポイント
告別式(出棺前)の挨拶内容や例文については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
精進落としでは、
開始時の挨拶では、まず葬儀のお手伝いをしてくれた親族や宗教者に感謝を伝えます。精進落としの場は、喪主・家族側が親族などを労う場になりますので、本来は末席に座して進行するようになります。
続いて献杯(けんぱい)に移りますが、献杯には故人への敬意を表す意味があります。この挨拶は、親族代表に相応しい人を選び、事前にお願いしておくとよいでしょう。故人を偲ぶ挨拶のあとは、大きな声でおこなう乾杯とは異なり、献杯の発声は静かに唱和して盃を軽く持ち上げる程度にとどめます。
終了時の挨拶では、再度参加への感謝と法要の日時が決まっていればその案内をします。
精進落としでの挨拶のポイントは以下のとおりです。
ポイント
数名の家族葬の場合には、場面ごとの挨拶が割愛されます。
喪主が挨拶をする際には、簡潔にまとめ、忌み言葉に気を付けることがポイントです。
ここからは、喪主挨拶の各ポイントについて説明します。
喪主の挨拶の内容には、自己紹介や参列者への感謝、故人の最後の様子、故人との思い出などを盛り込みつつも、
挨拶に慣れておらず、緊張で考えた内容を忘れてしまう心配がある場合は、挨拶原稿を見ながらでも問題ありません。たとえ感極まり上手く話せなくなったとしても、誰も咎める人はいません。無理して暗記する必要はなく、ゆっくりはっきりと落ち着いて話すことを心がけましょう。
喪主挨拶の内容を考える際は、忌み言葉を使用しないように気を付けましょう。
忌み言葉とは、
例えば「しばしば」や「ますます」のように同じ言葉が重なる重ね言葉は、不幸が重なることを連想させます。また「再び」や「引き続き」などの続き言葉は、不幸が続くことを連想させるので喪主挨拶では避けたほうがよいでしょう。
その他、宗教・宗派によって死生観が異なるため、挨拶の内容も合わせる必要があります。
例えば、浄土真宗以外の仏教では、死後は冥土の道をたどり、四十九日に成仏するといわれています。また、キリスト教では、神様の元へ召されるとされており仏教とは死生観が異なります。
忌み言葉や宗教・宗派に気を付けつつ、簡潔な挨拶を考えるのは大変です。挨拶の内容に困った場合や伝え方に悩んでいる場合は葬儀社に相談してみるのも一つの手です。
ここまで、家族葬の範囲や連絡方法、喪主の挨拶を中心にお伝えしてきました。
家族葬をおこなう時に重要なのは、故人の真意、深い所にある想いを家族が汲み取れるかです。例えば、故人に社会的地位があり「のこされた家族に負担がかかる」と考え「誰にも知らせず家族だけで葬儀をしなさい」と、謙遜して言い残すことがあります。それを受けた家族は頑なにそれを守ろうとしますが、人徳・人脈がある人には、それを支えてくれてた数多くの関係者・縁者がいます。
この人たちの力があってこそ、故人の地位が成り立っていた訳ですから、支えてくれた人たちに対して不義理をしてしまったり、家族葬によって偲ぶ機会を奪ってしまったりすることは避けたいものです。
ご家族も間接的にその支えを受けてきた訳ですが、故人の遺言通り誰にも知らせず家族葬をして、関係者の想いを無碍にしてしまうと後々の対応に翻弄されてしまう場合があります。この場合、遅れて訃報を知った方々から不規則なタイミングで「お線香をあげたい」「せめてお墓参りをしたい」などの申し出が続き、葬儀後に家族の負担が大きく増していきます。これでは、故人の真意とは真逆の結果になってしまいますから、本当の意味で負担を減らすのであれば、無理な線引きをせずに分け隔てのない葬儀をして、一堂に会して皆で偲ぶことになります。
やり直しがきかない葬儀…。家族葬という言葉に囚われすぎず、最後のお別れの時間を親しかった人たちと過ごすことを第一に考えましょう。昨今では、きちんとお知らせをしても高齢化や社会情勢により、結果的に小規模の家族葬になることが多いので、無理に線引きをしなくてもお葬式が大げさにならない傾向があります。
この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです。
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