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家族葬に参列する際のマナーについてご存知でしょうか。
近親者だけでおこなうイメージの強い家族葬ですが、通常の葬儀と同様に服装や香典の渡し方についてはマナーがあります。
この記事では、家族葬への参列基準や服装、香典や焼香のマナーなどを説明していきます。
家族葬に参列できなかった場合の注意点についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。
さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
家族葬は、
規模や参列人数は明確に決まってないので、配偶者と子供2名の家族葬もあれば、親族や関係者が集まり30名や50名での家族葬もあります。一般の葬儀に比べて参列人数が少ない場合が多く、弔問客の対応に追われずに故人を弔えるのが特徴です。親しい人を中心に送りたいというニーズの高まりから、近年では家族葬を選ぶ人が増えています。
家族葬の基礎知識や費用、喪主向けの内容、ご逝去直後の手続きについて、以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
前述のとおり、家族葬の参列者に明確な基準はありません。
しかし一般的には、
実際のところ、故人との最後の時間をゆっくり過ごすことを希望して家族葬を選ぶ人が多いため、30名以下のこぢんまりとした葬儀になりやすい傾向があります。
このように、家族葬の基準はあいまいなので、案内が来た場合に参列するか迷ってしまう人も多くいます。
以下の表に、家族葬に参加するケースとしないケースの目安をまとめていますので、参考にしてください。
参加する | 参加しない |
---|---|
|
|
家族葬に参列する際にかける言葉や服装、香典の渡し方には一般の葬儀と同様にそれぞれのマナーがあります。
以下で詳しくご紹介します。
家族葬の通夜や葬儀に参列した際には、故人を偲び遺族への思いやりを表すためにお悔やみの言葉を伝えるのが一般的です。
例えば
ただし、宗教・宗派によって使わないほうがよい言葉もあります。「ご冥福をお祈りします」という言葉は、浄土真宗や神道、キリスト教では適切ではないため注意しましょう。
遺族が心の支えとなるお悔やみの言葉を慎重に選び、遺族の心情に配慮しつつ、気持ちに寄り添いながら葬儀を迎えることが大切です。
家族葬の参列者の服装は、一般的な葬儀と同じです。
喪服には3種類あり格式の高い順に、正喪服、準喪服、略喪服があります。
正喪服は喪主が着用し、和装が中心になります。男性なら羽織・袴など、女性は帯締めの着物です。洋装では男性はモーニング、女性ならブラックフォーマルが一般的です。
一方で参列者は、
ワイシャツは白無地のレギュラーカラーで、黒い無地のネクタイを選びます。その際、タイピンは使用しないようにしましょう。靴も光沢のない黒を選び、靴下も黒で統一します。
女性の準喪服は、黒のワンピースやスーツ、アンサンブル、パンツスーツなどが適しています。スーツの場合はインナーも黒でまとめ、スカートはふくらはぎ丈が好ましいです。靴は光沢のない黒のパンプス、またはストラップ付きを選びましょう。ストッキングも基本的には黒ですが、仮通夜などの場面によっては肌色でも支障がない場合もあります。
指輪は結婚指輪のみにし、ネックレスを付けるのであれば一連のパール、お化粧はナチュラルメイクにし、ネイルは控えます。
もし、家族葬の案内において平服で参加するよう指定された場合は、略喪服を着用します。
略喪服は黒一色でなくても問題ありませんが、地味な色調のスーツやワンピース、アンサンブルを選び、光沢感のあるものは避けましょう。
喪服がない場合は、喪服のレンタルを利用する方法もあります。葬儀社や紳士服店、インターネットでの手配を検討してみてください。
家族葬の服装については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
香典は、葬儀で線香や抹香、お花の代わりにお悔やみの気持ちを表すために供えられる金銭のことを指します。
家族葬を選択する人のなかには、
そのため、家族葬の参列の案内があった場合は、香典を持参すべきか事前に確認しておき、辞退の意向があった場合には香典を包まないようにしましょう。
家族葬の場合でも、香典袋の記載方法は一般的な葬儀と同じです。
香典袋は、外袋と中袋の2つがあり、中袋はお金を入れる封筒になっています。
外袋と中袋に記載する内容は以下のとおりです。
それぞれの宗教・宗派の表書きをまとめましたので、参考にしてください。
宗教・宗派 | 表書き |
---|---|
仏式 (浄土真宗を除く) | 御霊前、御香料、御香典 |
浄土真宗 | 御仏前 |
神式 | 御神前、御玉串料、御榊料 |
キリスト教 (カトリック) | 御ミサ料、御花料 |
キリスト教 (プロテスタント) | 御花料、献花料、弔慰料 |
無宗教または不明 | 御霊前、御香典 |
香典の外袋に書く名前は、包む人の人数によって変わります。
香典袋に名前を書く際のペンは、薄墨の筆ペンを使用します。現代では必ずしも白墨である必要はありませんが、薄墨を使うことで、悲しみの涙で硯の墨が薄まったというお悔やみの気持ちが、昔ながらの表現として受け継がれています。
香典の中袋にはお金を入れ、表面に金額を記入し、裏面には郵便番号と住所、氏名を書きます。こちらでは受付の人がわかりやすいように通常の筆ペンやインクペンを使用します。
中袋の表面の金額の数字は、旧漢数字を使って縦書きで書きます。
例えば1万円なら「金壱万圓」と書き、末尾に「也」を書くかどうかは任意なので省略しても大丈夫です。
香典は袱紗に包んで持参するのがマナーとされています。袱紗は香典袋にシワや折り目がつき汚れたりするのを防ぐために使われ、遺族に敬意を表すための昔からの風習です。
家族葬の案内に香典や供花を辞退される記載がない場合には、香典を渡します。家族葬の参列者は故人や遺族との縁が深い人が多く、通夜と告別式の両日に出席することがあります。
そのため、香典をどちらの日に渡したらよいか迷うかもしれませんが、基本的には通夜に参列する時に香典を渡すことが多いです。
遺族が受付をされている場合は「このたびはご愁傷さまでございます」とお悔やみの言葉を添え、深く一礼してから香典を手渡すと丁寧です。ただし、親族以外の人が受付をしている場合は黙礼ですませても差し支えありません。
受付がない場合は直接遺族に手渡しましょう。
香典で包む際は、
地域によっては、偶数は割り切れるので縁が切れると避けられていたり、お札の枚数が多すぎると、紙幣が重なり不幸も重なると受け取られたりする可能性があるため多少の配慮が必要です。
以下の表で故人との関係ごとの香典の相場をまとめたので、参考にしてください。
故人との ご関係 | 香典相場 |
---|---|
両親 |
|
祖父母 |
|
兄弟・姉妹 |
|
親戚 |
|
知人や友人 |
|
家族葬においても一般的な葬儀と焼香の作法は同じです。
焼香は仏式の葬儀における供養の一つであり、
立礼焼香が一般的な形式ですが、自宅での葬儀や会場が狭い場合には、まわし焼香や座礼焼香でおこなわれることもあります。
以下の表に、焼香の形式ごとの作法をまとめましたので参考にしてください。
故人と親しくしていた人であっても遺族がその存在を知らず、訃報が届かない場合があります。しかし、その後の遺品整理などで遺族が関係性を知り、葬儀後に訃報を知らされることがあります。
ここからは、葬儀後に訃報を知った場合の香典や供物などの注意点をご紹介します。
訃報を葬儀後に知った場合、香典や供花、供物を弔問の際に持参するものか、迷うこともあるでしょう。
まずは
辞退文面ごとの正しい対応をまとめましたので、参考にしてください。
辞退の文面 | 正しい対応 |
---|---|
香典は辞退させていただきます。 | 香典は控えることになりますが、供花や供物は受け付けている可能性があるため確認をしましょう。 |
ご厚意辞退申し上げます。 | 香典・供物・供花・弔電など葬儀にいただく物すべてを辞退しているので控えることになります。 |
供花・供物の儀はご辞退申し上げます。 | 香典は受付けてくれますが、供花・供物類は控えるようにします。 |
家族葬に参列しなかった場合の香典については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
逝去の際、故人の関係先への連絡がおぼつかず、葬儀後に関係性を認知して訃報をメールやSNSで知らせてくることもあります。その際は、訃報を知らせてくれたメールやSNSに返信して弔意を伝えてください。文面は手紙と同じように、
メールでお悔やみを伝える方法については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
弔電は、葬儀に参列できない場合に取り急ぎお悔やみを伝える手段です。
告別式までに弔電を送ることができず、葬儀後に弔意を伝えたい場合は手紙を書くことをおすすめします。故人を偲ぶ想いを丁寧に表現した手紙であれば、相手にとっても心温まるものになります。
弔問とは、故人の家を訪れて遺族にお悔やみの言葉を伝えることです。通夜や葬儀に参列するのが一般的ですが、都合がつかず通夜の前や葬儀のあとにご自宅へ伺いたいケースもあります。いずれの場合も遺族に失礼のないよう、言葉遣いなどの最低限のマナーをはじめ、服装や持ち物にも配慮して訪問時期についてお伺いを立てることが大切になります。
お断りされた場合には遺族の気持ちを尊重し、諦めるよう心がけてください。
弔問する時のマナーについては、以下の表にまとめていますので参考にしてください。
弔問する時のマナー | |
---|---|
弔問するタイミング | 葬儀3日後から四十九日頃まで |
服装 | 略喪服(平服) |
香典や供花、供物 | 辞退の意向がなければ持参する |
ここまで、家族葬に参列する際のマナーについてお伝えしてきました。
家族葬を選ばれる多くの人は、故人とのお別れの時間を大事にしています。遺族の悲しみに寄り添い、負担にならないように最大限の配慮をおこなうようにしましょう。
この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
葬儀に参列する際のマナーは細かいものも多く、自分のやり方が
遺族に対して失礼とならないか不安な人もいるでしょう。
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