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お盆の由来とは?お盆が始まった由来や今のお盆について解説
更新日:2022.05.17 公開日:2021.11.05

記事のポイントを先取り!
- お盆は盂蘭盆経という仏教のお経の名前が由来
- 全国のお盆の時期の違いは7月の新の盆と8月の旧盆とがある
- お盆にお団子を供えるのはご先祖様にくつろいでもらうため
お盆とは「盂蘭盆会(うらぼんえ)」が正式名称です。
あの世から戻ってくる個人やご先祖様をお迎えし、家族とともに過ごしながらあの世での冥福を祈る期間のことです。
このお盆は地方によって行われる時期が違うようです。
どうしてこのような違いが生まれたのでしょうか。
またなぜお盆と言う名前が付いたのでしょうか。
この記事ではお盆の由来について詳しく解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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お盆の由来

お盆にはどういった由来があるのでしょうか。
元々のお盆の由来
お盆の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という正式な名前は、仏教の盂蘭盆経(うらぼんきょう)というお経の名前が由来です。
「盂蘭盆(うらぼん)」の意味は、サンスクリット語の「ウラバンナ(逆さ吊り)」です。
昔、お釈迦様の弟子の目連(もくれん)が亡き母が地獄で逆さ吊りの刑を受けていることを知らされました。
そこで、目連はお釈迦様に母親を救済する方法を訪ねます。
するとお釈迦様は目連に新暦の7月15日に供養するようにと伝えました。
それを実行した結果、母を救済することができたのです。
この伝説が現在のお盆の風習の由来だとされています。
現在お盆の時期が分かれている理由
現在、東京近くでは新暦の7月にお盆が行われ、他の地域では旧暦の8月に行われることが多いです。
これは、明治時代に旧暦から新暦に変更したことが関係しているとされています。
皇居のある東京では新暦にお盆が行われ、その名残が今も残っているのです。
一方で全国の地域は、旧暦のままお盆を行いました。
全国のお盆の時期の違い

お盆の時期は、全国各地によって異なります。
代表的なものをそれぞれ見ていきましょう。
7月13~16日の間の「新の盆」
「新の盆」とは7月13~16日の間のお盆のことです。
新暦の導入の浸透が早かったのでお盆も7月15日にすんなりと移行できたようです。
しかし、この時期となった理由は定説ではないものが多く他に由来があるのかもしれません。
この期間にお盆を行うのは、東京の都市部(多摩地区以外など)や神奈川の一部の地域、金沢、静岡市などです。
お盆のスケジュールとしては、13日の夕刻に「迎え火」をかかげてご先祖様をお迎えします。
14、15日は、精霊棚にいらっしゃるご先祖様にお膳や果物、お菓子などのお供えをして供養します。
最後は、16日の夕刻に「送り火」を焚いてご先祖様を送り出します。
新盆(にいぼん)との違いに気をつける
新盆(にいぼん)とは故人の没後、四十九日が過ぎて最初にやって来るお盆のことです。
「初盆(はつぼん・ういぼん)」と呼ぶ地域もあれば、「新盆(にいぼん・あらぼん)」などと呼ぶところもあります。
仏教では四十九日が経って、故人があの世で成仏されると考えられているので、それを待ってからお盆を迎えようというわけです。
新盆の時期は通常のお盆の時期と変わりなく多数の地域で8月13日~16日に、あるいは地域によっては7月13日~16日に行われます。
故人の没後、四十九日より先にお盆がやってくる場合は、新盆は翌年に行います。
新の盆と新盆は大変似かよった言葉であり、よく取り違えられがちです。
新の盆は7月13日~16日のお盆のことを言い、新盆は故人の没後、四十九日経って、最初にやって来るお盆のことを言います。
両者の違いをしっかり認識しておきましょう。
8月13~16日の間の「旧盆」
旧盆とは8月13~16日にかけてのお盆のことです。
沖縄県、鹿児島県奄美地方を除く、ほぼ全国的にこの期間にお盆が行われます。
企業や商店のお盆休みも旧盆の期間が多いようです。
この「旧盆」がたくさんの地域で行われている由来には、いろんな説があります。
7月は農業の繁忙期であること、梅雨明けとなっていないことが由来という説もあります。
あるいは、お盆の時期をずらすことで東京に住んでいる人が帰省しやすいという説もあります。
そのため、たくさんの家族や親戚が実家に集まることができるというわけです。
このように旧盆となった理由にはさまざまな説があります。
しかしいずれの説も定説ではなく、はっきりした理由は不明です。
最初の13日、日が落ちてからご先祖様をお迎えするため「迎え火」を焚きます。
そして、14、15日は果物や甘味、お膳などをお供えし、精霊棚にいらっしゃるご先祖様を供養します。
最後は16日の夕方、「送り火」を焚き、ご先祖様を送り出すのです。
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意外な関連性があるハロウィンの由来

ハロウィンとお盆とは意外な共通点があります。
どういった点が共通するのでしょうか。
ハロウィンの起源
「ハロウィン」は最近、日本でも人気があり、渋谷の交差点付近など各地でハロウィンイベントが開催されます。
しかしハロウィンのもともとの由来を知っている人は少ないようです。
ハロウィンの起源は、古代ケルト民族がおこなっていたサウィン祭(死者をこの世に迎え入れるための行事)だと言われています。
ケルト民族にとって、新年は11月1日から始まるため、10月31日は大晦日でした。
ケルト民族は大晦日にサウィン祭を行いました。
サウィンとは「夏の終わり」の意味です。
ケルト人にとって新年は餓死や凍死といった現実的な「死」がさしせまっている時期なのです。
サウィン祭では、冬の食料を確保するために家畜を食肉処理して、その骨を焼いた伝統的な「ボンファイヤ(骨のかがり火)」をかかげます。
あの世からも帰ってきた死者の霊をいろんなお供え物でもてなして夏の収穫を感謝するとともに、これから迎える冬の無事を祈念したのです。
ハロウィンとお盆の共通点
サウィンと日本のお盆は似たところがあります。
多神教であることと、死後の世界があるという考えです。
故人やご先祖様の霊をお迎えして供養するのは日本のお盆と同じです。
ハロウィンでは、ジャック・オー・ランタンという、かぼちゃをくり抜きいて中にローソクを灯したものを悪魔払いに使います。
ジャック・オー・ランタンはハロウィンのシンボルです。
一方、お盆ではキュウリの馬やナスの牛などをお盆のシンボルとして飾ります。
シンボルとなるものがどちらも野菜で作られている点も共通しています。
加えて、家族や親戚がそろって故人を供養したり、故人といっしょに食事したりする点も同じです。
ハロウィンとお盆の相違点
日本のお盆ではこの世に帰ってくるのはご先祖様や故人です。
しかし、ハロウィンの場合は悪霊も一緒にこの世に帰ってきます。
そのため、ハロウィンではジャック・オーランタンを照らして悪霊を追い払います。
一方、お盆の方は、迎え火や送り火をしてご先祖様や遺族が歩く道がわかりやすいように灯されます。
お盆はご先祖様や故人を供養し、あの世での冥福を祈る行事です。
しかし、ハロウィンはそれに加えて、収穫祭や大晦日、さらに節分も兼ねているのです。
お盆にお団子を供える理由

お盆のお供えには、「五供(ごく)」と呼ばれる物が一般的です。
「五供」とは、香、明かり、花、水、食べ物の5つがあります。
五供の他に、お団子がお供え物としては有名です。
お盆の団子は、タイミングによってお供えする種類も異なります。
迎え団子
「迎え団子」とはお盆の初日にご先祖様をお迎えするためにお供えします。
あの世から帰ってきたご先祖さまに食べていただくためのものです。
長い旅の疲れをねぎらう意味が込められています。
あんこが入った団子やタレ付きの団子を6個以上用意したり、積み上げる形にする場合は20個で四段にしたりします。
お供え団子
「お供え団子」はご先祖様がこの世の滞在している期間にお供えするお団子のことです。
落ち着いてゆっくりいてしてほしいという願いを込めて「落ちつき団子」と呼ぶ地域もあるようです。
その他にも、お供え団子やお供え餅、おけそくなどさまざまな呼び方があります。
「おはぎ」は有名なお供え団子です。
お迎え団子と同じように、何個用意するかは明確な規定はないようです。
白いシンプルなお団子がピラミッドのように積み上げられたものもあります。
送り団子
「送り団子」とは、ご先祖様をお見送りするためのものです。
お盆明けの16日に、お供えします。
なにも付けない白いお団子が使わることが多いようです。
持ち帰った白いお団子をあの世で好きなように食べていただくという願いが込められています。
お盆の期間中に毎日同じ種類の団子をお供えする例もあるようです。
団子の個数などは諸説あり、はっきりした決まりはありません。
団子を4段のピラミッド型に積み上げるの形が一般的ですが飾り方は地方によってさまざまです。
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お盆の由来まとめ

ここまでお盆の由来や時期の違いなどについて解説してきました。
- お盆は盂蘭盆経という仏教のお経の名前が由来
- 全国のお盆の時期の違いは7月の新の盆と8月の旧盆とがある
- ハロウィンとお盆の共通点はこの世に帰ってきたご先祖様を供養する点など
- お盆にお団子を供えるのはご先祖様にゆっくりくつろいでいただくため
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
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監修者

山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。
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