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お葬式

自宅で遺体安置をするには?末期の水についても紹介

更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.28

喪主

故人が中に眠っている棺

記事のポイントを先取り!

  • 十分な搬入経路の確保が必要
  • 部屋を冷やして腐敗を遅らせる
  • 遺体安置期間は2~3日程度

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  1. 自宅での遺体安置について
  2. 自宅で遺体安置をするには?
  3. 自宅で安置するメリット・デメリット
  4. 遺体安置はいつまでするの?
  5. 末期の水のとり方
  6. マンションだけど自宅で安置はできる?
  7. 自宅安置での「寝ずの番」とは
  8. 宗教による遺体安置の違い
  9. 自宅での遺体安置まとめ
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自宅での遺体安置について

死亡診断後の遺体を、斎場ではなく自宅で遺体安置する手順についてご存知でしょうか。

自宅でも遺体安置できる、適切な環境作りは知らない方も多いと思います。

そこでこの記事では、自宅での遺体安置について詳しく説明していきます。

この機会に自宅での遺体安置のメリットとデメリットを覚えておきましょう。

自宅がマンションの場合の遺体安置についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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自宅で遺体安置をするには?

自宅で遺体安置をするケースは時代と共に減少傾向にありますが、現在でも一般的に行われています

家族を亡くした直後は大きな悲しみやショックで、冷静な対応ができないことがあるかもしれません。

大変な状況だからこそ、適切な対応で故人の最期を自宅で平穏に迎えたいものです。

遺体安置を自宅で行う場合、大事なことは事前の準備と段取りの把握です。

自宅で遺体安置をするための準備と段取りは、遺体が運ばれる前と後に分けられます。

以下でそれぞれについて具体的に解説しますので、ぜひ参考にしてください。

遺体が運ばれる前

遺体が自宅に運ばれる前にすることは、主に遺体安置のための環境を整えることです。

安置する場所を用意する

自宅で遺体安置をする場合は仏壇のある仏間が理想ですが、畳の部屋や使っていたベッドでもかまいません

搬入経路を作る

遺体はストレッチャーに乗せて運ばれるため、十分な搬入経路が必要です。

正面玄関から入れるのか、庭の窓から入れるのかなど事前に考えておくと搬入がスムーズです。

室温を調整する

遺体をなるべく腐敗させないためにも、室温調整が必要です。

特に夏場は室温が常に18℃以下になるように設定してください。

冬場でも暖房や加湿器の使用は控えてください。

布団を用意する

シーツは白色で統一して、布団やベッドのある部屋に寝かせます。

布団は新しいものではなく、以前から自宅で使用していたものでかまいません。

遺体安置において、枕の向きは北向きが正規の安置方法として知られています。

北向きが難しければ西向きですが、自宅の事情で方角を調整できない場合はどの向きでも問題ありません

遺体が運ばれた後

遺体が自宅に運ばれた後にすることは、主に宗教の作法やしきたりに関連したことです。

手を組ませ数珠を持たせる

布団に寝かせ遺体安置ができたら、手を組ませて自宅にある数珠を持たせましょう。

数珠は故人が使っていたものか、なければ家にあるものでかまいません

数珠をつけさせる意味としては、煩悩を消す効果があるとされているからです。

守り刀を用意する

守り刀とは、穢れ(けがれ)や魔物から身を守る道具のことです。

故人が無事にあの世へ行けるために用意しますが、守り刀の用意がなければナイフなどの刃物で代用可能です。

枕飾りを供える

枕飾りとは簡易的な祭壇のことで、小さなテーブルに白い布を引いて遺体のそばに置きます

枕飾りには香炉、ろうそく、花立て、一膳飯、水の入ったコップを乗せます。

ドライアイスを用意する

ドライアイスは、遺体の腐敗を遅らせるために用意します。

遺体は内蔵近辺から腐敗し始めますので、下腹部を中心に設置します。

神棚封じをする

自宅に神棚がある場合は神棚封じを行います。

神棚封じとは、神棚の扉を閉めて白い紙を貼って封じることです。

神道では死を穢れたものとする考え方があるため、神が祀られている神棚を封じる必要があるのです。

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自宅で安置するメリット・デメリット

「merit」と「demerit」が乗せられた天秤

自宅で遺体安置をする場合には、メリットとデメリットがあります。

以下でそれぞれ説明します。

メリット

自宅であれば遺体安置場所にかかる費用の支払いが発生しません

また、故人や遺族にとって住み慣れた自宅での安置は、精神的に負担がかからないというメリットもあります。

デメリット

自宅の事情によりますが、遺体安置のための場所を確保することに手間がかかる場合があります。

また、搬入や葬儀社の訪問などで人の出入りが多くなり、近隣への配慮に神経を使うといったデメリットもあります。

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遺体安置はいつまでするの?

頭にクエスチョンマークを浮かべているスーツの男性の後ろ姿

自宅で遺体安置することを考える時に気になるのは、いつまで安置するのかということではないでしょうか。

遺体安置の期間は短くても1日、通常は2〜3日が一般的です。

遺体安置しておく期限の判断として、死亡後24時間経過を基準としています。
その理由は、日本では死亡確認後24時間が過ぎなければ火葬の許可が出ないためです。

また状況によっては、一般的な2〜3日経過以降も自宅で安置し続けることがあります。
その理由は、火葬場の予約が多く順番を待つために、遺体安置の期間が伸びてしまうことがあるからです。

その他にも友引を避けることを優先し、日付を後ろにずらすなど理由はさまざまです。

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末期の水のとり方

末期の水(まつごのみず)とは、遺体安置後に行う仏教のしきたりのひとつです。

末期の水の目的や手順についてご紹介します。

末期の水の目的

末期の水は、亡くなった方の喉の渇きを潤す目的で執り行われる儀式です。

末期の水には用意するものや執り行う手順があります。

末期の水の手順

末期の水の手順は以下の通りです。

  • 箸とお椀に入れた水、脱脂綿、くくりつける糸を用意します
  • 箸の先に脱脂綿を糸でくくりつけます
  • 水の入ったお椀などに脱脂綿をつけて水を吸わせます
  • 脱脂綿を遺体の口元にあてて湿らせます
  • 上唇の左から右へ、下唇の左から右という順番で湿らせます
  • おでこ、鼻、顎の順番で締めくくります
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マンションだけど自宅で安置はできる?

マスクをつけて悩む女性

ここまで自宅の遺体安置についての情報をお伝えしてきましたが、マンションにお住まいの場合は遺体安置はできるのでしょうか。

一軒家に比べ、マンションはコンパクトに作られている傾向があります。

高層マンションであればエレベーターに乗せる必要もあります。

ご自宅がマンションの方が遺体安置をする場合、安置するスペースと搬入ルートが十分であることが必須条件です。

遺体はストレッチャーに乗せられて移動しますので、エレベーターに乗るかどうかがポイントです。

特に高層階にお住まいの方であれば、エレベーターに入るかどうかは確認必須となります。

一般的なストレッチャーとエレベーターでは、搬入に十分とはいえません。

マンションに貨物用のエレベーターがある場合は、自宅までの経路が確保できていることになります。

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自宅安置での「寝ずの番」とは

無事に自宅での遺体安置を終えてお通夜も自宅で行う場合、寝ずの番について考える必要があります。

寝ずの番とは、お通夜の後に遺族や親族で一晩線香を絶やさずに故人を見守る儀式です。

寝ずの番にはどのような役割があり、どのような手順で執り行えばいいのでしょうか。

あらかじめ寝ずの晩について知っておけば、現場で慌てず臨機応変な対応ができるはずです。

そこで寝ずの番について、以下で網羅的に解説します。

寝ずの番の役割

寝ずの番は、亡くなった人が目を覚ましたり意識を取り戻したりしないか確認するために行われていたそうです。

昔は現代よりも死亡確認の技術や知識が乏しかったこともあり、万が一のために交代で遺体を見守る役割がありました。

また宗教的側面では、線香の煙は亡くなった人の食事とされています。

加えて身を清める効果のある線香の煙で、自らの心と体をよい状態に保つという役割もあります。

そもそも寝ずの番は必要?

寝ずの番は現代では必要とされていません

しかし形式としては残っているため、今でも任意で行われる慣習として扱われています。

寝ずの番のやり方

寝ずの番を執り行う場合は、以下の手順で進めてください。

寝ずの番をする人

特に決まりはありませんが、主に遺族や親族が寝ずの番をします

人数などの制限もないため、交代でやるか複数人でやるかは自由です。

寝ずの番がすること

寝ずの番がすることは、寝ないで線香とろうそくの火を絶やさないことです。

現実的には、それよりも火事にならないように火の番をすることが重要です。

寝ずの番の服装

服装は寝まきやジャージなどのラフな格好で構いません

ただし派手な服やカラフルすぎる格好は、状況にふさわしくないのでマナー違反となります。

寝ずの番はいつまでするの?

基本的に寝ずの番は翌日の朝まで行われます。

ただし翌日の葬儀も控えているため、遺族側の事情や斎場の都合により数時間だけで終わることもあります。

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宗教による遺体安置の違い

ここまで主に仏教での遺体安置について解説してきました。

代表的な他宗教の神式とキリスト式の遺体安置についてもご紹介します。

神式での遺体安置

神道の遺体安置は枕の向きを、西か東に向けるという仏教との違いがあります。

枕飾りには榊や玉串といった、神式ならではのものが置かれるのも特徴です。

キリスト式での遺体安置

キリスト教では、組んだ手に十字架を握らせます

枕飾りと同じく、小さな台に白い布を敷いて聖書や生花を捧げます。

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自宅での遺体安置まとめ

「KEY POINT」と書かれたスタンプとペンとノート

ここまで遺体安置の情報や、自宅での遺体安置について中心にお伝えしてきました。

この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。

  • 遺体安置で重要なことは、遺体が腐敗しないための室温管理
  • 住み慣れた自宅で遺体安置することは、遺族にとって精神的負担が少ない
  • 自宅がマンションの場合は、貨物用エレベーターがないと搬入が難しい

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(たなか)

田中 大敬(たなか ひろたか)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。

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