お葬式
なぜご遺体の手を組む必要があるの?手を組む理由や注意点も紹介
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.28

記事のポイントを先取り!
- 腕を固定させるために手を組む
- 手は死後硬直前に組む
- 近年では手は組まないことが主流
葬儀やお通夜、病院などで故人とお別れの際は、ご遺体の手を組むことが多いです。
しかし、その理由を知っている方は少ないかと思います。
そこで、この記事ではご遺体の手を組む理由について解説していきます。
故人とお別れの時間を大切に過ごすためにも、参考になれば幸いです。
手を組む以外に必要なことについても触れているので、ぜひ、最後までご覧ください。
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遺体の手を組む理由とは
まずは遺体の手を組む理由について紹介していきます。
さまざまな理由がありますので、参考にしてください。
昔からの習わし
子どもの頃などに手を組むことは、死んだ人がすることであるため、やってはいけないと注意された方もいるのではないでしょうか。
このように昔から日本では、亡くなられた方の腕を組む習わしがありました。
手を合わせることで相手に危害を与えない意味合いがあるのと同時に、見た目的にも穏やかな印象になります。
故人が安らかに眠っているように見えることで遺族の悲しみも軽減され、安心感にも繋がります。
こうしたことから古くからの習わしとして遺体の手を組むことが多いです。
手を固定するため
搬送する際に手がだらんと横にあると、思わぬ衝撃などで故人の遺体を傷つけてしまうこともあります。
手を組ませて固定していればこのような危険もなく、遺体をきれいな状態で保つことができます。
そのため、手を組ませることで故人の遺体を守ることができるため、組ませるようになったとも言われています。
宗教上の理由
仏教でよく目にする合掌とは両方の手のひらを合わせることであり、宗教上の意味合いとして右手は仏様、左手は生きている世界の俗世を表しているとされています。
両方の手をあわせることで、仏様と一体になり自分の身を清めて故人が極楽浄土へ旅立つとされています。
このことから亡くなられた方も手を組むことで、極楽浄土に旅立てるようにするといった遺族の想いから手を組む風習が始まったとされています。
ただし、本来合掌とは「掌と掌を合わせる行為」であり、指を組む行為ではありません。
仏教的にも故人の遺体を合掌させる風習はないとされる意見もあります。
キリスト教では、手を組む他にも宗派によっては十字架を置いたり、手を組むこと自体が十字架を示しているといった意味合いもあるそうです。
宗教によって手の組ませ方は異なり、指を折り曲げて組ませたり、指を伸ばして組ませたり、胸の上に置くだけのところなどさまざまです。
そのため、詳しくは僧侶や年配の親戚などに確認することをおすすめします。
手を組む際の注意点

次に手を組む際の注意点について紹介していきます。
注意点を理解しておくことで、スムーズな対応ができると思いますので、ぜひ参考にしてください。
死後硬直前に済ませる
遺体は時間が経つにつれて「死後硬直」という変化がみられます。
一般的には死後、2~3時間で徐々に始まり、半日もすると主な筋肉は固まってしまったようになります。
そのため、故人の遺体の死に装束への着替えや胸の上で手を組むなどの死後慣習のみならず、入れ歯の復元などは亡くなられた直後に行わないと、そのまま固まってしまいます。
たとえば、足が曲がったまま硬直してしまうと、そのまま曲がった状態になったり、口が開いたままだとそのまま硬直してしまうこともあります。
場合によっては首元にタオルを置いたり、時には膝や足首なども固定したりすることもあります。
これらは死者儀礼の1つであることも考えられますが、故人の遺体の形状をなるべく安らかにしてお見送りしたいという現れであるとされています。
故人の利き手に合わせる
腕を無意識に組んだときに右手が上になる人と左手が上になる人がいます。
逆の手を上にしていただけるとわかると思いますが、違和感があり何となくしっくりこないと思います。
これは故人も同様、普段手を組むときと同じようにしっくりくる組み方にすることをおすすめします。
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手を組ませられない場合の対応
手を組ませたいのに組ませられない場合の対応について紹介していきます。
基本的には硬直していた場合でも腕を組むことは可能になります。
専用の合掌バンドやタオルを使用して葬儀スタッフが手を組ませてくれます。
腕バンドや包帯などで手を縛るのは、避けるべきであるとされています。
この理由としては、圧迫した部位に跡が付いたり、圧迫部位が変色してしまうリスクがあり、痛々しい印象になってしまうためです。
手をうまく組ませることができない場合には、肘の下にタオルなどを入れて高さをつけると組みやすくなるため、おすすめです。
また、必ずしも手を組ませる必要はないため、身体に添わせたり、腹部の上に手を軽く置くだけでも問題ありません。
近年では手を組むことは減っている?
古くから日本では、亡くなられた方の手を組む風習がありましたが、近年ではさまざまな理由から手を組むことは減ってきています。
その理由を以下で紹介していきます。
しっかり遺体を冷やすため
遺体は時間が経過すると共に徐々に腐敗が進んでいきます。
そのため、葬儀スタッフはドライアイスなどを使用して遺体を冷やし、腐敗を防止するように処置をしてくれます。
腐敗が早い部分としては、脳や腹部などの臓器が詰まっている部分が挙げられます。
特に腹部は消化器官があるため腐敗しやすく、脂肪などもあり冷やしづらい部位になります。
そのため腹部の上で手を組ませていると、冷やすことが難しくなってしまいます。
手を組んでいた方が安らかに眠っているようには見えますが、手を組むことで腐敗が早く進んでしまうのでは本末転倒になってしまいます。
最後のお別れの時間までできるだけきれいに故人の遺体を保つことを最優先とした場合には、手を組まない方がいいとされています。
こういった理由から、近年では手を組まないことが主流になってきています。
水腫や腫脹などが生じる
手を組むことにより、末梢の循環障害が生じて指が浮腫んできてしまう指の腫脹が起こるリスクが高いです。
また、手首が拘束されるため、手の甲には大きな水腫や腫脹が発生してしまい、皮下出血を起こしてしまうこともあります。
皮下出血や腫脹があると見た目的にも変色したり、腫れて痛々しい印象を与えてしまいます。
手を組むことにはリスクがあることを確認しておきましょう。
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手を組む以外に必要なこと
最後に手を組む以外に必要なことについて紹介していきます。
一般的なものを1つずつ紹介していきますので、参考にしてください。
末期の水
地域や宗派によっても異なりますが、医師より死亡の確認がされると、臨終に立ち会った看護師や家族、親戚が枕元にて「末期の水」という儀式をすることがあります。
末期の水とは、故人の口に水を含ませる儀式のことで「死に水」とも呼ばれています。
末期の水を行うようになった理由としては、「故人が帰ってきますように」、「死後の世界で喉が渇いて苦しむことがありませんように」といった遺族の想いからとされています。
仏教に由来する儀式になりますが、仏教以外の宗教や宗派でも行うケースがあります。
末期の水の手順としては、新しい筆もしくは割りばしの先に脱脂綿を巻いて糸で結んだものを用意し、それを水で浸して故人の唇を優しく湿らせることが一般的です。
順番としては、喪主が最初に行ったあと、血縁の近い順に行うことが多いようです。
湯灌
故人が亡くなると病院で看護師などによってエンゼルケアが行われます。
また、できるだけきれいな姿で見送るために湯灌(ゆかん)が行われることもあります。
湯灌とは、故人の身体や髪を洗って清める儀式を意味します。
湯灌をする理由としては、できるだけ衛生的に保つことで、納棺までの間に遺体の腐敗が進行することを防止するためです。
また、宗教上の理由としては、現世における煩悩をきれいに洗い流すことで、故人が無事に成仏できるようにといった意味が込められているとされています。
このように清拭や湯灌は、故人を偲ぶための大切な儀式の1であることがわかります。
着替え
清拭や湯灌を行い、故人の遺体がきれいになったら、次は故人を新しい衣装に着替えさせます。
「死装束」と呼ばれる白い浴衣を着せることが一般的ですが、希望があれば故人が好きだった衣服を着せることもできますので葬儀スタッフに相談するといいです。
死化粧
人は亡くなると血色が悪くなってしまうため、血の気が引いた青白っぽい不健康そうな顔になります。
そのため、生前の姿に少しでも近づけて、葬儀の参列者に安らかなお顔を見ていただくために、死化粧をすることが一般的です。
ひと昔前は女性だけの儀式でしたが、近年は男性も薄化粧をしたりすることが増えてきています。
死化粧は基本的に葬儀社のスタッフが行いますが、希望すれば故人が使っていた化粧道具を使って化粧していただけるケースもありますので、相談してみることがおすすめです。
また、希望があればご遺族も一緒に化粧を行うことができる場合もありますので、希望がある場合には担当スタッフに確認してみるといいです。
遺体の手を組むまとめ

ここまで、遺体の手を組む理由や注意点の情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 故人が安らかに眠っているように見えるため古くからの風習として手を組んでいる
- 硬直していても専用の合掌バンドやタオルを使用し手を組ませることが可能である
- 手を組むことで指の腫脹や手の甲には水腫や腫脹が発生するリスクがある
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者

袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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