法事法要
中陰とは?中陰期間がある意味と種類を説明
更新日:2022.11.17 公開日:2022.04.09
中陰とは死後49日間のことですが、その意味についてご存知でしょうか。
中陰の意味や中陰法要の種類について知っておきましょう。
そこでのこの記事では、中陰について詳しく説明していきます。
特に重要だとされる満中陰法要(四十九日法要)や満中陰志についても紹介します。
中陰期間の裁判を行う王についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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中陰とは
中陰とは、人が死後、極楽浄土へ行って次に生を受けるまでの49日の期間のことをさします。
ここでは、中陰について詳しく説明していきます。
中陰の語源
中陰の語源は、生と死、陰と陽の狭間にいるという考え方から来ているものです。
後述で詳しく説明しますが、仏教では、人が亡くなったあとの49日間は来世が決まらないため、この世とあの世を彷徨っているとされています。
つまり、中間的な存在であるということから「中陰」と呼ばれるようになりました。
また、出生を「生有」、出生から亡くなるまでを「本有」、亡くなることを「死有」と呼ぶことから、亡くなったあと次の生を受けるまでのことを「中有」とも呼びます。
中陰の数え方
中陰の数え方は、亡くなった日を含めて数えていくのが一般的です。
つまり、亡くなった当日を1日目として数えると、亡くなってから6日後が7日目になります。
ただし関西では、亡くなった日の前日を1日目として数える場合があるので覚えておきましょう。
中陰期間がある意味
仏教の教えでは、故人の霊は7日ごとに生前の罪を裁く裁判が行われ、死後49日目に仏になると考えられています。
この中陰期間の裁判によって、故人が極楽浄土へ行けるかどうか判断されるのです。
期間中の故人の霊は、この世とあの世を彷徨います。
そのため49日目までは7日ごとに法要を行い、故人が無事成仏できるように供養するのです。
中陰法要の種類
中陰法要には全部で9つの種類があります。
名称と死後の日数が異なる場合もあるので、死後の日数とともに中陰法要の種類を説明していきます。
付け七日(つけなのか)
付け七日は、死後1日目(死後当日)に、還骨勤行(かんこつごんぎょう)に合わせて初七日に行う法要のことをいいます。
還骨とは、故人が火葬されてお骨に還ったことを意味し、還骨勤行とは、お骨に還った故人をお迎えする際に行う仏事のことをいいます。
初七日(しょなのか)
初七日は、死後7日目に行われる法要で、「しょしちなのか」「初願忌(しょがんき)」ともよばれています。
初七日は、還骨勤行の法要や告別式と同時に行われるのが一般的です。
二七日(ふたなのか)
二七日は、死後14日目に行われる法要で、「にしちにち」「以芳忌(いほうき)」とも呼ばれています。
二七日以降は、名称と死後の日数が異なるので注意しましょう。
三七日(みなのか)
三七日は、死後21日目に行われる法要で、「さんしちにち」「酒水忌(しゃすいき)」とも呼ばれています。
四七日(よなのか)
四七日は、死後28日目に行われる法要で、「ししちにち」「阿経忌(あぎょうき)」とも呼ばれています。
初月忌(しょがっき)
初月忌とは、故人様が亡くなられてから一番初めの月命日の法要になります。
五七日(いつなのか)
五七日は、死後35日目の法要で、中陰の中でも重要とされる法要ですが、近年では省略される場合がほとんどのようです。
また、地域によっては、五七日を忌明けとしているところもあります。
五七日は、「ごしちにち」「三十五日(ごしちにち)」「小練忌(しょうれんき)」とも呼ばれています。
六七日(むなのか)
六七日は、死後42日目に行われる法要で、「ろくしちにち」「檀弘忌(だんこうき)」とも呼ばれています。
七七日(なななのか)
七七日は、四十九日法要のことで、一周忌の法要までの間で最も重要視されている法要になります。
七七日には、四十九日以外にも「しちしちにち」「忌明け」「満中陰」「尽七日(じんしちにち)」「大練忌(だいれんき)」といった呼ばれ方もあります。
七七日は省略せずに、親族や故人が生前親しくしていた友人を呼んで法要や会食を行います。
この際、一般的には納骨法要も同日に行います。
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浄土真宗の中陰の考え
浄土真宗は他の宗派とは異なり、念仏を唱えればすぐに極楽浄土へ行けるという「他力本願」という考え方をします。
そのため、「故人様を偲び、仏様の教えに接する」というのが浄土真宗での中陰の意味とされており、中陰の考え方も他の宗派とは異なります。
満中陰法要について
満中陰とは「中陰が満ちる」つまり中陰が終わる四十九日のことをいい、満中陰法要とは四十九日法要のことを指します。
中陰が尽きるという意味で「尽中陰」といった別名もあります。
満中陰法要に必要な準備
満中陰法要は、中陰期間の法要の中でも特に重要視されている法要です。
遺族だけでなく、生前故人が親しくしていた親戚や友人にも参列してもらいます。
そのため他の法要と比べても、行うべき準備はたくさんあります。
ここでは、満中陰法要に必要な準備について詳しく説明していきます。
日程を決める
まずは、法要の日程を決める必要があります。
可能であれば、満中陰当日に法要を執り行うことが望ましいですが、平日で難しい場合には四十九日直前の土日祝日に日程を組むと良いでしょう。
満中陰法要は、葬儀のように六曜を気にかける必要はありません。
ただし、満中陰を過ぎてから法要を行うのはタブーです。
故人様が浄土へ向かう際に迷ってしまうといわれているためです。
僧侶への連絡
日程は僧侶の予定に合わせるのが一般的です。
そのため、僧侶の予定が埋まる前に予約が取れるよう、満中陰法要を執り行いたい日程が決まったらすぐに僧侶へ連絡することをおすすめします。
案内状の送付
日程が決まったらすぐに案内状を送付します。
故人様が亡くなられてから満中陰法要までの期間は短く、その間に案内状の送付、返信の確認、料理や引き出物の手配を行わなくてはいけません。
法要の準備をスムーズに進めるためにも、法要の日程が決まり次第早めに案内状を出しましょう。
また、案内状を出す際には、往復はがきの使用または返信はがきを同封することを忘れてはいけません。
出欠を確認し、料理や引き出物の数を把握するためです。
法要会場の手配
ご先祖様の時代からお世話になっている菩提寺(ぼだいじ)があれば、そちらで法要を行うか、ない場合には法要会場を探すか自宅で行います。
自宅以外の場所で執り行う場合には、早めに予約を取りましょう。
料理・引き出物の手配
満中陰法要のあとに、僧侶や参列者への感謝の気持ちを意味する会食や、引き出物の用意を忘れてはいけません。
満中陰志とは
満中陰志とは「香典返し」のことで、満中陰法要までに用意する必要があります。
ここでは、満中陰志の金額や品物などについて説明していきます。
満中陰志を用意する際の参考にしてください。
満中陰志の金額
満中陰志の金額は、いただいた香典の半分の金額をお返しする「半返し」が基本です。
ただし、いただいた香典の金額が多い場合には、1/3ほどのお返しでも問題ありません。
また、高額の香典には金銭的援助という意味が含まれている場合もあります。
相手との関係性などから臨機応変に対応しましょう。
品物
満中陰志に贈る品物は「消えもの」が基本です。
消えものには、お茶やお菓子、海苔などといった「食べて消えるもの」や、石鹸やタオルなどの「使って消えるもの」があります。
遠方から参列される方がいる場合には、持ち運びがしやすいように、かさばらないものを選ぶと良いでしょう。
また近年では、満中陰志を受け取った人が好きなものを選べる「カタログギフト」の需要も増えてきています。
食べ物を送る場合には、以下のような注意点に気を付けて選びましょう。
- 日持ちするものを選ぶ
- 肉や魚などの法要の贈り物として好まれないものは避ける
- お酒や鰹節などは慶事の際の贈り物であるため避ける
挨拶状
満中陰志には挨拶状を添えるのが一般的です。
挨拶状は、業者に依頼するか、定型文を少しアレンジして書けば良いでしょう。
ご自身で書く場合には、以下のポイントを押さえておいてください。
- 「拝啓」などの頭語
- 法要参列への感謝
- 満中陰法要を無事に終えることができた報告
- 授かった戒名
- 直接挨拶をできないことに対する謝罪
- 満中陰志を受け取ってほしいこと
- 「敬具」などの結語
- 施主のフルネームと日付
満中陰志の掛け紙
掛け紙とはいわゆる「熨斗(のし)紙」のことです。
熨斗は厳密にいうと、熨斗紙の右上にある飾りを指します。
熨斗のついた紙は、慶事や一般的な贈り物など、お祝いの際に使われるものです。
そのため弔事の際には、熨斗飾りのついていない紙を選ぶ必要があります。
弔事の際の掛け紙のデザインは、「無地または蓮の描かれたもの」です。
その他のマナーについては、関東と関西で異なりますので、以下を参照ください。
関東 | 関西 | |
---|---|---|
水引 | 黒白の結びきり | 黄白の結びきり |
表書き | 志 | 満中陰志 |
名前 | 施主のフルネーム | 施主のフルネーム |
使用する墨 | 濃墨または薄墨 | 濃墨または薄墨 |
掛け紙のマナーは関東か関西かだけではなく、地域や宗派によっても異なるため事前に確認しておきましょう。
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中陰期間の裁判を行う王
中国の信仰には「十王信仰」といわれるものがあります。
十王信仰とは、故人が冥土の世界で飢えや寒さなどに苦しみながら十王の元を回り、三周忌までの間に生前行ったことに対する裁きを受けるというものです。
この裁判では、それぞれの裁判によって王が異なります。
それぞれの裁判の王と、王の本当の姿とされる「本地仏(ほんじぶつ)」を以下にまとめたのでご参照ください。
初七日
初七日に裁判を行う王は「秦公王(しんこうおう)」で、本地仏は「不動明王(ふどうみょうおう)」だといわれています。
二七日
二七日に裁判を行う王は「初江王(しょこうおう)」で、本地仏は「釈迦如来(しゃかにょらい)」だといわれています。
三七日
三七日に裁判を行う王は「宋帝王(そうていおう)」で、本地仏は「文殊菩薩(もんじゅぼさつ)」だといわれています。
四七日
四七日に裁判を行う王は「五官王(ごかんおう)」で、本地仏は「普賢菩薩(ふげんぼさつ)」だといわれています。
五七日
五七日に裁判を行う王は「閻魔王(えんまおう)」で、本地仏は「地蔵菩薩」だといわれています。
六七日
六七日に裁判を行う王は「変成王(へんじょうおう)」で、本地仏は「弥勒菩薩(みろくぼさつ)」だといわれています。
七七日
七七日に裁判を行う王は「太山王(たいざんおう)」で、本地仏は「薬師如来(やくしにょらい)」だといわれています。
百日目
故人が亡くなった日から100日目である百日目に裁判を行う王は「平等王(びょうどうおう)」で、本地仏は「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」だといわれています。
一年目
一周忌の一年目に裁判を行う王は「都市王(としおう)」で、本地仏は「阿閦如来(あしゅくにょらい)」だといわれています。
三年目
三周忌の三年目に裁判を行う王は「五道転輪王(ごどうてんりんおう)」で、本地仏は「阿弥陀如来(あみだにょらい)」だといわれています。
スポンサーリンク中陰のまとめ
ここまで中陰の意味や、中陰法要の種類、満中陰法要などを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 中陰とは亡くなってから生まれ変わるまでの49日間のこと
- 中陰法要とは忌日法要や年忌法要など全部で9つある
- 満中陰法要とは四十九日の法要、満中陰志とは香典返しのことをいう
- 生前の罪は十王によって裁かれる
- これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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