お葬式
葬儀で使う樒(しきみ)とは?特徴や使う場面、価格を解説
更新日:2022.11.18 公開日:2021.07.02
葬儀では私たちの生活になじみの薄いものや言葉が数多く使われます。
特に樒(しきみ)は葬儀によって大きな意味を持つことがあり、仏花との違いやどのような場面で使うべきか悩むこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は葬儀で使われる樒について詳しく解説します。
ぜひ最後までご覧ください。
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樒とは?葬儀で樒が使われる理由
樒はマツブサ科シキミ属に分類される常緑小高木です。
およそ10mほどにまで成長し、やや波打ったような楕円形の葉を茂らせます。
シキミのほか、シキビという読み方で呼ばれることもあります。
葬儀で樒が使われるのは、樒が仏教と縁の深い植物であるためです。
花の形が天竺(てんじく)に咲く青蓮華(しょうれんげ)の花に似ており、鑑真和上(がんじん わじょう/おしょう)が唐から持ち込んだと言われています。
仏教とつながりがあることから木に仏(佛)と書いて「梻」、密教とつながりがあることから木に密と書いて「樒」という漢字があてられました。
このように仏教との関係が深いことから、樒は葬儀でしばしば使われます。
樒の特徴
樒には他の植物にはない特徴がいくつかあります。
独特な香り
樒は独特な香りを放つことから「香の木(コウノキ)」、「香の花(コウノハナ)」「香芝(コウシバ)」の別名があります。
樒の香りが悪霊や邪気といったよくないものから故人を守ると言われています。
その香りから、樒は抹香や線香の材料として用いられるほか、昔は防臭剤や防虫剤にも利用されていました。
強い毒性
樒は葉や実、茎、根を含む植物全体に強い毒性を持っています。
毒を持つ「悪しき実」から転じてシキミとなったという説があるほどです。
樒はその毒性から、西洋では「誘惑」、「猛毒」というよくない意味の花言葉を持ちます。
そのためシキミは贈答用には適しません。
仏事においては先に紹介した仏教とのつながりが重要視されるため、葬儀で使われることがあります。
また、樒の持つ毒性が逆に邪気を祓うとも考えられています。
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葬儀で樒を使う場面
実際に葬儀で樒を使う場面を解説します。
仏教とつながりが深いことから、樒は仏式葬儀の多くの場面で用いられています。
供花や花輪よりも丁寧なお供え物
供花(くげ)や花輪のように、参列者がお供え物として花を用意することは多いです。
これらの供花や花輪の代わりに樒を供える場合があります。
特に京都や大阪など、関西地方では樒はより丁寧なお供え物として考えられる地域が多いです。
門樒
樒の使われ方として、葬儀会場の入口や寺院の門前に門樒(かどしきみ)という、樒を用いた飾りを置く場合があります。
門樒は別名を大樒(おおしきみ)、樒塔(しきみとう)とも言います。
形態は様々ですが、門の脇に一対の樒を用いた大きな飾りを置きます。
門樒を置く場合には、祭壇の後方に二天樒(にてんしきみ)という一対の樒を飾ることが多いです。
4つの樒を斎場に設置することで結界を張り、よくないものを遠ざけるという意味があります。
門樒や二天樒は主に関西地方で使用されます。
祭壇に飾られる
樒は葬儀会場だけでなく、祭壇に飾られる場合もあります。
遺影やお供え物、供花などで華やかかつ荘厳に飾り付けられる祭壇も、樒を用いることでまた異なった雰囲気を出すことができます。
白木祭壇
祭壇として、最も一般的なのは白木祭壇です。
白木祭壇は戦前から使われているもので、その名の通り白木で祭壇を組みます。
白木で組まれた祭壇は小さな寺院のようで、しめやかな雰囲気を醸し出します。
祭壇の両脇を花で飾ることで見た目を華やかにすることも可能です。
白木祭壇の飾り付けに、花の代わりに樒を使うケースもよく見られます。
樒の緑が白木祭壇の白とよく調和し、参列者に落ち着いた印象を与えることができます。
花祭壇
近年では葬儀も多様化し、祭壇の形式も従来の考え方に囚われないものが出てきています。
中でも人気なのが花だけで作る花祭壇です。
花祭壇では祭壇を数多くの生花で飾り立てることで、華やかで個性的な祭壇を作ることができます。
樒は、花祭壇に使われることもあります。
樒を使うことで華やかな雰囲気を引き締め、より洗練された雰囲気を出すことが可能です。
そのため、花祭壇に緑色が欲しいときには、樒から緑色を取ることも多いです。
樒がメインの祭壇
生花をほとんど用いず、樒をメインに祭壇に飾ることもあります。
樒をメインとした祭壇を、特に樒祭壇と呼びます。
祭壇の周囲を樒でぐるりと囲んだ樒祭壇では生花がほとんど使われず、樒の緑で飾られた祭壇は見る人に凛々しい印象を与えます。
樒祭壇は日蓮正宗の流れをくむ宗派でよく用いられます。
枕飾りの花瓶
樒は遺体が葬儀場へ送られるまでに必要な、枕飾りでも用いられます。
臨終後、遺体は通夜式が行われるまで自宅や葬儀場などに安置されます。
その際、遺体の枕元に設けられる祭壇が枕飾りです。
枕飾りは仮祭壇とも呼ばれる、価格としては約1~3万円ほどの、ごく小さな祭壇です。
枕飾りは小さな机や香炉、花を活けた花瓶、枕飯や枕団子などの食事、ロウソク、線香の総称です。
枕飾りは死者の魂を慰め、未練なくあの世へ送るために設けられます。
枕飾りの花瓶に花を活ける代わりに樒を使うことがあります。
枕飾りで用いられるのは一本花といわれる一輪挿しの花瓶です。
樒の場合は一本樒という呼称が用いられます。
末期の水、納棺で使われる
樒は末期の水(まつごのみず)や納棺の際にも使わることがあります。
末期の水とは、お釈迦様が死の間際に水を求めたことに由来する仏事のひとつです。
亡くなる間際や亡くなった直後の人の口に少量の水を含ませ、口元を湿らせることを言います。
樒の葉を浮かべることで水を清浄に保ったり、口元を湿らせる道具として使ったりします。
地方によっては遺体を納棺するときに、棺の底に樒を敷き詰める風習が残っている地域があります。
故人が亡くなり葬儀を終えるまでに数日かかることから、遺体の腐敗による悪臭の防止や獣除けのため、強い香りを持つ樒が用いられました。
現代ではドライアイス技術が発達しており、安置しているときに遺体が腐敗することはほとんどありませんが、以前の名残として棺に樒を敷くことが残っている地域もあります。
板樒と紙樒
関西地方などでは葬儀会場の入口に一対の門樒を設ける風習が今も根強く残っています。
しかし、門樒は大きく、値段もかかります。
葬儀会場が住宅街にある場合、スペースや美観の問題から門樒を設置できないケースも珍しくありません。
門樒の代わりとして板樒、紙樒というものが用いられることがあります。
門樒の代わりに自分の名前や所属を記したものを会場の入口に掲示することができるのです。
板に記したものが板樒、紙に記したものが紙樒です。
板樒や紙樒は門樒よりもずっと安価で、スペースも小さく済ませることができます。
近年では家族葬など葬儀を小規模で済ませようという需要が高くなっており、板樒や紙樒が人気をのばしています。
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樒と榊の違い
樒と同じく葬儀でよく使われる植物として榊(さかき)があります。
樒と榊は見た目もよく似ているため混同されやすいですが、似て非なるものです。
ここからは、両者の違いを見ていきます。
榊とは
榊はモッコク科サカキ属の常緑小高木です。
比較的低木が多いですが、大きいものでは高さが10mを超す場合があります。
葉の形は楕円形をしており、葉の先端が尖っているのが特徴です。
古来より、神道では植物に神が宿るという考えがありました。
特に先の尖っているものは神が君臨する依り代として特別な意味があるとされ、そのため榊は神事に広く用いられています。
漢字で木に神と書くのも、神道において特別な意味を持っているためです。
榊は神式葬儀で使われる
榊は多くの神事において用いられる植物です。
神式葬儀でも使われます。
神式葬儀では、仏式における焼香にあたるものとして玉串奉奠(たまぐしほうてん)というものが執り行われます。
玉串奉奠は参列者は四手(しで)という紙片を下げた榊の枝(玉串)を捧げる儀式で、これにより個人の冥福を祈ります。
玉串には神が宿ると考えられており、故人をしのぶ気持ちを神に託し、御霊の平安を祈る意味合いが込められています。
神棚に樒を供えてもいい?
普段仏式に慣れ親しんだ人だと神式との違いに直面することが多くあります。
特に榊と間違えて樒を用意してしまい、神棚に供えても失礼がないか不安に思うこともあるかもしれません。
まず原則として、神棚には榊を供えます。
榊の代用として樒を供えることが可能な地域もあると言われていますが、基本的によくありません。
間違えてしまったときは改めて榊を用意することをおすすめします。
反対に榊の代用品として名高いヒサカキは、仏式でも用いられます。
ヒサカキはある地方では「仏さん柴」とも言われ、仏壇へのお供え物として使われることがあります。
葬儀の樒のまとめ
樒は仏教と縁が深く、葬儀でよく使われる植物です。
樒の利用には地域・宗派による差も大きく、生まれて初めて見るという方も少なくないかもしれません。
今回は葬儀でよく使われる樒について以下の点を中心に紹介しました。
- 樒は仏教と深い関わりのある植物で、仏式葬儀でよく用いられる
- 樒は独特の芳香と強い毒性を持つ常緑樹
- 樒は関西地方や日蓮正宗系の葬儀を中心に、葬儀会場や祭壇の飾り付け、末期の水といった多くの場面で用いられる
- 類似の植物に榊があり、神式葬儀で用いられる
ここまで樒の特徴や、樒を葬儀で使用する場面などを中心にお伝えしてきました。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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