エンゼルケアはどこでやる？葬儀屋と病院で行う際の違いを解説

更新日：2024.03.10

喪主

記事のポイントを先取り！

• エンゼルケアは遺体をきれいにする
• エンゼルケアの費用は葬儀屋と病院で異なる
• エンゼルケアは保険適用外

エンゼルケアとは遺体を清潔に整えて、生前の姿に近づける処置のことです。

エンゼルケアを葬儀屋と病院のどちらに依頼すればいいか、迷う方もいらっしゃると思います。

そこで、この記事では、葬儀屋が行うエンゼルケアについて解説します。
病院で行う場合の費用についても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。

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1. エンゼルケアとは
2. エンゼルケアの目的
3. 葬儀屋が行うエンゼルケアの内容
4. 病院が行うエンゼルケアの内容
5. エンゼルケア以外の故人の姿を整える方法
6. エンゼルケアの費用相場
7. エンゼルケアの注意点
8. エンゼルケアは葬儀社ごとに内容は違う？
9. 葬儀屋のエンゼルケアまとめ

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エンゼルケアとは

エンゼルケアとは、逝去された故人のご遺体に行う手入れや管理全般を指します。

医療器具の取り外しや消毒、清拭を行いご遺体を清める行為、整髪や化粧で故人の顔色を整えるなどの手入れ、ご遺体を冷却しての管理など死後に行うすべてのケアが該当します。

エンゼルケアは病院で行われるほかに、葬祭業を請け負う葬儀屋でも行ってくれます。
しかし、同じエンゼルケアでも病院と葬儀屋では内容に差異があります。

病院で行う医療器具の取り外しや、体液や血液の流出の抑制などの医療行為の延長にあたるエンゼルケアは葬儀屋では行いません。

葬儀屋のエンゼルケアは、安置中のご遺体の管理や、ご遺体の服を着替えさせたり、髪や顔を整えるなどが主になっています。

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エンゼルケアの目的

エンゼルケアの目的には、故人の尊厳の保持、遺族の心の整理、感染症の防止が挙げられます。
以下で項目ごとに説明します。

故人の尊厳の保持

死後のご遺体は、何も処置をしないと時間経過とともに血色が引き、皮膚の乾燥、硬直、腐敗が進み、火葬まで生前の姿を保つことは困難です。

しかし、エンゼルケアは死後にご遺体に起こる変化を抑制できるため、家族や親族、生前に縁を結んだ人たちと生前の姿のままお別れができます。

故人が生前に行えていた、髪や顔を整えたり、服を着替えたりする行為を代理として行い、故人の生前の姿を保つ手段であるエンゼルケアは、故人の尊厳を守ることに繋がります。

遺族の心の整理

生前の姿を保ち、安らかな故人の顔を見ながらお別れができるエンゼルケアは、遺族の心の整理に繋がるでしょう。

また、エンゼルケアは主に病院の看護師や葬儀屋の納棺師が行いますが、近年ではグリーフケアのひとつとして、家族が一緒にエンゼルケアをする場合もあります。

グリーフケアとは、大切な人と死別して悲嘆に暮れる遺族の心に寄り添い、心の整理に繋がる手助けを指します。

遺族も一緒に着替えや化粧などのエンゼルケアをする行為は、故人の死を受容する契機に繋がることが期待されています。

ただし、エンゼルケアを遺族が一緒に行えるかは病院や葬儀屋によって異なるため、希望する場合は事前に確認するようにしましょう。

感染症の防止

生体内でしか増殖できないウイルスとは異なり、細菌は条件が揃えば死後のご遺体内でも増殖できます。

そのため、病院でのエンゼルケアは感染症の防止も目的にしています。

医療器具を外した跡から滲出液が出ないように縫合し、血液や体液が流出しないための詰め物、口腔や目、鼻のケアなども行います。

このような感染症の予防を伴うエンゼルケアは、ご遺体を引き取る遺族や葬儀屋が安全に葬儀をするための大切な行為です。

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葬儀屋が行うエンゼルケアの内容

葬儀屋がおこなうエンゼルケアは、故人を生前の姿に近づけることが目的です。
そのため病院と、葬儀屋がおこなうエンゼルケアでは内容が違ったものとなります。

まずは葬儀屋がおこなうエンゼルケアの内容から解説します。

病院から引き継ぐ

病院では、医療に関する項目のエンゼルケアをします。
病院でのエンゼルケアは、故人を美しくすることを目的としていません。

病院での簡単なエンゼルケアがおこなわれたあとは、葬儀屋の出番となります。

全身の状態を整える

まずは全身の状態を整えるために、保湿用のオイルを染み込ませます。
その後、肌の状態を整えるためにマッサージを行います。

表情を作る

病院が処置していても、遺体の表情が変化してしまっていることがあります。
生前の姿に近づけるためにも、目元や口の表情の細部までこだわって表情を作ります。

死装束に着替える

故人の服を死装束に着替えさせます。
白い着物の死装束が一般的です。

故人の好みに合わせてスーツなどのカジュアルな服を選ぶ方もいます。

整髪・化粧

まずは性別に合わせた死化粧を施し、遺族の希望にしたがって仕上げます。
その後は髪型も死化粧に合わせて整えます。

横たわる姿勢ですので、髪がつぶれてしまうのがほとんどです。
しかし故人が生前おしゃれを気にしていれば、髪型まで気にする必要があります。

前髪をカールさせるなど、遺族の希望に沿って行います。

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病院が行うエンゼルケアの内容

病院がおこなうエンゼルケアは医療行為の延長です。
病院でおこなわれるエンゼルケアについて、簡単にご紹介します。

医療器具を取り外す

病院で亡くなるということは、最期まで医療器具をつけて過ごしていたということです。
故人を自由にしてあげるためにも、医療器具を外してあげてください。

排泄物・内容物の排出

遺体の中にある排泄物や内容物は、死後そのままでは腐ります。
そのため排泄物や内容物が腐らないためにも、排出しなくてはいけません。
排泄物や内容物を可能な限り体内から押し出します。

口腔ケア

口臭の防止のためや、腐敗防止のために口腔ケアをします。
消毒液を染み込ませた綿を、喉の奥に詰め混むのが一般的です。
この際、アゴの硬直が始まる前に素早く行います。

全身の清拭

全身をきれいに拭いて、故人の体を清めます。
体を拭いてきれいにすることを、清拭といいます。

全身の綿詰め

清拭を終えたら体液が漏れるのを防ぐために、全身に綿を詰めます。
病院によっては専用のゼリーを使用して、体液の漏れを防ぐ場合もあります。

着替え

病院が浴衣などを用意していれば、浴衣に着替えても問題ありません。
事前に遺族が普段着を用意していた場合には、普段着に変えることが可能です。

整髪・化粧

最後に故人の表情を整える意味でも、髪を整えて化粧を施します。
化粧の方法は普段の仕方と変わりません。

故人の状態や遺族の希望に応じて柔軟に対応します。

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エンゼルケア以外の故人の姿を整える方法

葬儀屋では、エンゼルケア以外に湯灌やエンバーミングなどをする場合があります。
エンゼルケアのように、ご遺体に対して行いますがエンゼルケアとは目的が異なるため、以下で説明します。

湯灌

湯灌は、故人を棺に納める前にご遺体をシャワーや浴槽で洗って清め、着替えや化粧を施します。
生前の疲れや汚れを落としてから旅立ってほしいという願いから行われる儀式です。

ご遺体に行う手入れのため、エンゼルケアのひとつともいえますが、基本的にはエンゼルケアと区別されています。

エンゼルケアとは異なり、湯灌には槽の準備をはじめとして、口上やお清めなどさまざまな作法があるためです。

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エンバーミング

エンバーミングは、遺体を長く保存することを目的としているため、主にご遺体の殺菌や防腐処置が行われます。

ご遺体の姿を整える点はエンゼルケアと同様ですが、ご遺体の表面の処置に留まるエンゼルケアとは異なり、エンバーミングはご遺体の体内まで処置します。

体内の血液と防腐剤の入れ替えなどをするため感染症の予防にも繋がり、2週間から10日ほどの期間ご遺体の腐敗を防げるといわれています。

そのため、火葬場が混雑しており、すぐに荼毘に付せない場合に検討される場合が多い処置です。

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エンゼルケアの費用相場

病院と葬儀屋でエンゼルケアをする場合では費用の相場が異なります。
それぞれの費用相場についてご紹介します。

葬儀屋での相場

葬儀屋でエンゼルケアをする場合、3万円〜10万円程度かかります。
葬儀屋であれば、遺族の要望に寄り添ったエンゼルケアが可能です。

ただしその分病院での費用よりも高くなりますので、注意が必要です。

病院での相場

病院でエンゼルケアをする場合、5,000円〜2万円程度が相場です。
必要最低限の場合は5,000円、死化粧まで施すと2万円を超える場合もあります。

費用にばらつきがあるため、事前に病院に相談すると良いかもしれません。

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エンゼルケアの注意点

エンゼルケアの際には、いくつか注意点があります。
それぞれの注意点について簡単にご紹介します。

家族が参加できない場合もある

簡単なケアであっても、感染症の恐れがあるため家族が参加できない場合もあります。
しかし家族であれば、少しでもエンゼルケアに関わりたいと考えるはずです。

そのため事前にエンゼルケアをしたいことを担当者に伝えれば、参加できるケアがあるかもしれません。

エンゼルケアは医療保険の適用外

エンゼルケアは治療ではありません。
そのため医療保険の適用外です。

実費で支払う必要があります。

後になって高額の請求に驚くことも考えられますので、保険の適用外であることは頭に入れておきます。

希望があれば事前に伝えておく

多くの場合には、事前にエンゼルケアの説明があるはずです。
その際に希望があれば伝えるようにしてください。

中には、事前の説明なしにエンゼルケアをおこなう場合もあります。
トラブルを避けるためにも、事前確認がない場合もあることを念頭に置いてください。

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エンゼルケアは葬儀社ごとに内容は違う？

エンゼルケアの内容は、葬儀屋のプランによって違います。

たとえば、費用が安い代わりに、簡易的なエンゼルケアをおこなっている葬儀屋、費用は高いけど、細部までエンゼルケアにこだわる葬儀屋などさまざまです。

比較検討した上で、満足いくエンゼルケアをしている葬儀屋を選ぶようにしてください。

一例ですが、最後のお風呂に入れてあげたいという場合には専用の浴槽を用いてご遺体を洗うなどといったサービスがあります。

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葬儀屋のエンゼルケアまとめ

ここまで葬儀屋のエンゼルケアの情報を中心にご紹介しました。
この記事のポイントは以下の通りです。

• エンゼルケアとは、死後におこなわれるケア
• 病院では5,000円〜2万円程度、葬儀屋は3万円〜10万円程度かかる
• エンゼルケアは保険適用外であるため、実費で支払う必要がある

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

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