法事法要
葬儀や法要のお布施の相場はいくら?表書きの書き方などのマナーも解説
更新日:2023.10.25 公開日:2021.08.31
葬儀でお坊さんに読経を依頼する際は、お布施を持参するのが一般的です。
しかし、お布施の表書きはどのように書けば良いのか、またどの程度の金額を包むのが良いのか迷われている方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、葬儀に持参するお布施の書き方や金額相場を解説します。
各宗教ごとの書き方や相場を詳しく紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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お布施とは
お布施とは、葬儀や法事などで、寺院側にお渡しする謝礼のことを言います。
あくまで、お坊さんへの心づけとしてお渡しするものなので、金額に相場はあっても明確なルールは存在しません。大切なのは感謝の気持ちをしっかりと伝えることなので、多くの金額を包まなければいけないというわけではありません。
葬儀のお布施の相場
葬儀でのお布施の相場は、菩提寺との関係や地域によっても変わってきます。
一般的には、15万円~50万円程度が相場と言われているようです。
地域ごとのお布施の相場
地域によってお布施の相場は異なります。
僧侶に通夜、葬儀・告別式を2日間依頼した場合、関東圏内の相場は20万円から35万円になりますが、関西圏内では、相場は20万円程度となります。
関東圏のほうが関西圏よりもお布施の相場が高いようです。
地域差の他にも、宗旨・宗派や、「戒名」の内容によってもお布施の金額は変わってきます。
宗派ごとのお布施の相場
宗派ごとのお布施の相場はどうなっているのでしょうか。
浄土真宗のお布施の相場
浄通夜、葬儀、告別式のすべてを行う場合、お布施の相場は、約10万円~30万円です。
浄土真宗のお布施は、阿弥陀如来への感謝を伝えるためのものとされています。
従って、金額は渡す方の気持ち次第ということになりますが、実際はやはり相場と言われる金額を包むのがほとんどです。
一方、他の宗派では、お布施は「僧侶」が読経を行っていただいたことへの感謝という意味合いがあります。
また、他宗派の場合、葬儀のお布施とは別に戒名をつけてもらうことに対するお布施が必要です。
浄土真宗の場合は、戒名の代わりに「法名」を付けてもらいますが、本来はお布施は不要とされていました。
最近では、お布施としておおむね3万円~10万円を包むことが多いようです。
浄土宗のお布施の相場
お布施の相場は10~30万円程度であり、仏教全体の相場よりも浄土真宗の相場は安いようです。
一方では、年収の1~2割を包むべきという意見もあります。
浄土宗のお布施は仏様へ捧げるものという考えがあるため、相場もはっきりしません。
そのため、寺院や葬儀社に相場を聞いてみるのがいいでしょう。
日蓮宗のお布施の相場
日蓮宗のお布施の相場は、約5万円~7万円です。
ただし、日蓮宗の葬儀は初七日が行なわれる前に、お通夜、葬儀、火葬式、3日法要などがあり、その都度お布施が必要です。
したがって、全部でおおむね20万円~40万円になってしまいます。
また、日蓮宗の戒名は、お布施のランクによっても違いますが、おおむね30万円~90万円が相場です。
曹洞宗のお布施の相場
曹洞宗のお布施は30万円~60万円と仏教全体のお布施の相場とよりもやや高めです。
曹洞宗の相場は、戒名のランクによっても、喪主や故人の社会的地位や寺院との付き合いによっても違ってきます。
さらに、葬式によっては僧侶が複数人読経する場合もあるので、お布施も人数に合わせて80万円~100万円が必要になる場合もあります。
真言宗のお布施の相場
真言宗のお布施の相場は30万円~60万円と仏教全体のお布施の相場よりもやや高めです。
曹洞宗の相場は、戒名のランクによっても、喪主や故人の社会的地位や寺院との付き合いによっても違ってきます。
さらに、葬式によっては僧侶が複数人読経する場合もあるので、お布施も人数に合わせて80万円~100万円が必要になる場合もあるようです。
臨済宗のお布施の相場
臨済宗のお布施は、戒名のランク次第であることが特徴です。
臨済宗では、葬儀だけなら約20万円~30万円がお布施の相場となっています。
戒名の相場は30万円が安価な方のランクで、50万円前後が一般的なランク、100万円が高価なランクです。
天台宗のお布施の相場
天台宗の葬儀のお布施の相場は、5万円~8万円程度です。
天台宗の戒名は一番下のランクで、30万円から50万円、一般的なランクで50万から70万円。
その上のランクが70万円~90万円、最高のランクで100万円以上となります。
天台宗のお布施の相場は40万円から100万円と差が大きいのが特徴です。
神式のお布施の相場
神式のお布施の相場は、約20万円~50万円です。
神式のお布施は、神官に対する祭祀祈祷の謝礼ということで「御祭祀料(おさいしりょう)」と言います。
神社の格式や地域によってもお布施の相場は違ってきます。
お札は、白い封筒か奉書紙に入れて、表書きに「御祭祀料」や「御榊料」、「御礼」と書いて渡しましょう。
キリスト教のお布施の相場
キリスト教のお布施の相場は10万円~40万円程度です。
キリスト教のお布施は、教会への献金の意味があります。
さらに、牧師や神父、オルガン奏者などへの謝礼の意味もあるようです。
白い封筒や奉書紙に包んで、表書きは、「献金」や、カトリックでは「ミサ御礼」「御ミサ料」、プロテスタントでは「記念献金」「召天記念献金」とします。
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法事・法要のお布施の相場
初七日法要のお布施の相場
葬儀と同じ日に初七日法要を行った場合でも、初七日法要のお布施は相場としておおむね3万円を別に包むのが一般的です。
四十九日法要のお布施の相場
本位牌に宿った故人の霊のために、僧侶にお経をあげてもらうのが四十九日法要です。
お布施の相場は約3万円~5万円程度になります。
お盆のお布施の相場
初盆のお布施の相場
初盆は初めてのお盆なので、親戚以外にも友人や交友のあった人などが参列するため盛大に行われます。
初盆のお布施の相場は3万円~5万円程度です。
通常のお盆のお布施の相場
通常のお盆では、家族や親戚のみで行われ、僧侶の読経もおこなわれないこともあります。
読経が行われる場合はお布施の相場はおおむね1万円~2万円です。
回忌法要のお布施の相場
一周忌法要のお布施の相場
一周忌のお布施の相場はおおむね3万円~5万円程度です。
一周忌は、遺族にとってはこの日をもって喪が明けるため法要が行われます。
一周忌法要以降のお布施の相場
一回忌法要以降は、三回忌や七回忌、十三回忌といった回忌法要があります。
年数が経つと僧侶の読経は行われなくなる傾向がありますが、読経のお礼としてお布施が必要ですが、相場は約1万円~5万円です。
お彼岸のお布施の相場
お彼岸の時期に僧侶にお経をあげていただく場合はお布施が必要です。
寺院で行われる合同のお彼岸法要の場合、相場は春も秋も約3000円~1万円になります。
また、個別に寺院にお彼岸法要をお願いする場合、相場は春も秋も約3万~5万円です。
納骨のお布施の相場
通常、四十九日の法要が終わったら納骨が行われます。
納骨式は、位牌にいらっしゃる故人の魂がお墓へ移動していただくための儀式です。
お布施の相場は約1万円~5万円です。
お布施以外の費用
お布施には、読経料や戒名料とは別に、御車代や御膳料が必要です。
御車代
御車代は、僧侶の送迎の費用です。お寺で葬儀を執り行うとき以外はお包みするようにしましょう。
一般的に、御車代は5000~1万円です。
県外や県内でも遠方の場合や、飛行機や新幹線を利用する場合には、かかる交通費を計算して御車代としてお包みします。
御膳料
葬儀が終わったら、精進落としと呼ばれる食事会が行われることが多いです。その精進落としに僧侶が参加しない場合、御膳料をお渡しする必要があります。
御膳料の相場は5000~2万円程度です。
あらかじめ、出欠席の意向をお尋ねしておきます。お食事される場合には不要です。
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お布施の書き方
各宗教ごとのお布施の書き方を紹介していきます。
お布施には「〜〜料」と表記することがありますが、お布施はあくまで、お坊さんや寺院への感謝の気持ちを表すものです。
読経に対する対価を支払うものではありません。
宗派ごとの表書きの書き方
仏教の表書き
仏教の場合は、表書きは「御読経料」と書きます。その他「御回向料」や「御礼」と書くこともできます。
浄土真宗の表書き
浄土真宗の場合は、表書きは「お布施」と書きます。
神道の表書き
神道の場合は、表書きは「御祭祀料」もしくは「御初穂料」と書きます。
キリスト教の表書き
キリスト教の場合は、表書きはカトリックであれば「謝礼」、プロテスタントであれば「記念献金」と書きます。
無宗教の場合の表書き
無宗教の場合は、読経を依頼しないことがほとんどだと思われますので、その際は、お布施を用意する必要はありません。
宗教 | 表書き |
---|---|
仏教 | 御読経料・御回向料・御礼 |
浄土真宗 | お布施 |
神道 | 御祭祀料・御初穂料 |
キリスト教カトリック | 謝礼 |
キリスト教プロテスタント | 記念献金 |
無宗教 | 用意しない |
裏書きや中袋の書き方
奉書紙の裏や中袋に、金額と住所氏名を書きます。
金額は「金 壱拾萬圓」のように、旧漢字(大字)を使って書きます。
中袋がない場合には外包みの裏側に、ある場合には中袋の表面に記入します。
いずれの場合も左側に住所氏名を、右側に金額を記入しましょう。
お布施の封筒の選び方
お布施を用意する際、お金を直接用意するのはマナー違反です。
外からお金が見えないように、封筒などで包む必要があります。
お布施を包むものとして、どのような入れ物を用意するのか紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
白封筒
お布施を包む入れ物として、もっとも一般的なものが白い封筒です。
誰でも簡単に用意ができて、表書きなどもしっかりと書いておけばマナー違反となることもありません。
ただし、白い封筒でお布施を包む際にはいくつか注意点があります。
まず、郵便番号記入欄や不要な印刷のないものを選ぶ必要がありますので、基本的には完全無地のものを選びましょう。
特に、茶色の封筒などを使用しないようにしてください。
また、弔事においては2重の封筒もマナー違反とされています。
これは考え方の問題ですが、2重の封筒は不幸が2重で起こるとされていることからあまり好まれません。
奉書紙
お布施を包むうえで、もっとも格式的なものとして奉書紙があります。
奉書紙はしっかりとした和紙で、公文書などで使われていたものになりますが、今ではお布施を包む際にも利用されるようになりました。
僧侶への感謝の気持ちをしっかりと伝える際は奉書紙で包むと良いでしょう。
また、奉書紙で包む際は中袋の代わりに半紙でお金を包み、その上から奉書紙で包みます。
包み方にもマナーがありますので、別項で紹介する包み方を参考にしてください。
印字されている封筒
文具店などやコンビニなどでも、最初から「お布施」や「御布施」と印刷されている封筒が売っていることがあります。
こういった封筒はお布施を包むために作られてものであることから、使用してもマナー違反とはなりません。
時間がない場合や手書きに自信がない場合などは、お布施の印刷が為されている封筒を使っても良いでしょう。
ただし、お布施以外の印刷がある封筒を利用するのはマナー違反となりますので、そうした封筒を使う場合は白無地の封筒を使うようにしてください。
不祝儀袋では包まない
弔事でのお金であることから、香典袋のような不祝儀袋を使おうと思っている方もいるでしょう。
しかし、お布施は僧侶への感謝の意を示すためのお金であり、弔事へのお金ではありません。
お布施を包む際は、弔事へのマナーではなく一般的な公的マナーとなります。
そのため、弔事のマナーとなる不祝儀袋で包むのは逆にマナー違反となるのです。
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葬儀でのお布施の渡し方
お布施は葬儀直前の時間があるときに渡すのが一般的です。
お布施を持参する際には、お布施は袱紗(ふくさ)と呼ばれる布袋に包んでおきます。渡す前に袱紗から取り出し、切手盆といわれる小さなお盆にのせて差し出します。
順番としては、上から順に「御布施」「御膳料」「御車料」となるように重ねます。施主の名前や家名が読みやすいよう僧侶に向けて渡しましょう。
切手盆がない場合には、袱紗を軽く畳み、その上にのせて両手で差し出します。
「本日は〇〇の葬儀のお勤めよろしくお願いいたします」「昨日は〇〇の葬儀を滞りなくお終えさせていただきありがとうございました。」などと言葉を添えましょう。
なお、お布施を包むときは数えやすいようお札の顔写真が上にくるようにそろえて入れるのがマナーです。
葬儀のお布施のまとめ
葬儀についてお布施の相場やマナーについて解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下のとおりです。
- お布施には表書き・額面・住所氏名を書く
- 読経料の相場は15万円~50万円程度
- 戒名料、御車料、御膳料は別に準備する
- お布施は郵便番号欄のない白封筒か奉書紙を使い、濃墨で書く
これらの情報が皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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