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お葬式の御布施や香典返しの費用相場はご存知でしょうか。
御布施は報酬ではなく感謝の意を示すお礼のため、明確な金額は決まっていません。そのため、用意する場合は相場を参考にする人が多いです。
そこでこの記事では、御布施の相場や香典返しの費用、葬儀後に必要な仏壇や墓石、位牌の費用などを項目ごとにご紹介していきます。葬儀費用を抑える方法にも触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。
さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
燦ホールディングス株式会社の調査によると、過去5年以内に執りおこなった葬儀の平均金額は131万6,000円です。
お葬式の費用は、
お葬式一式の費用は、式場利用料や祭壇、人件費、寝台車や霊柩車の費用が含まれており、平均金額は68万2,000円です。通夜振る舞いなどの飲食や会葬御礼といった返礼品の費用が含まれた飲食接待費の平均金額は17万8,000円で、御布施などのお寺に納める費用は27万7,000円が平均金額でした。
葬儀費用の相場や種類別の費用、故人の資産、葬祭費補助金制度について、以下で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
お葬式本体以外に必要な付帯費用の一覧は以下のとおりです。
費用の種類 | 費用相場 |
---|---|
会葬返礼品 | 500円〜1,000円×参列人数 |
香典返し | 香典の金額の半分または3分の1 |
通夜振る舞い | 2,000円~5,000円×参列人数 |
精進落とし | 2,000円~1万円×参列人数 |
御布施 | 20万円~50万円(読経+戒名) |
戒名料 | 20万円(戒名の位による) |
読経料 | 3万~10万円×読経回数 |
御車代 | 5,000円~1万円 |
御膳料 | 5,000円~1万円 |
お葬式以外にかかる費用として、返礼品・飲食接待費用があります。ここからは、返礼品と飲食接待費用を項目ごとにご紹介します。
会葬返礼品は、
香典返しは、
例えば、1万円の香典を受け取った際は、5,000円程度の品を目安に選ぶことが多いです。
関西地方では香典の3分の1の品を返す習慣が一般的でしたが、近年では参列者が全国各地から来ることが増え、地域ごとに金額を分けるのが難しくなりました。そのため、関西地方でも半返しが主流になってきています。
ただし、親族や会社の人から高額な香典を受け取った場合は、必ずしも半返しにする必要はありません。高額な香典は、葬儀の費用や遺族の生活をサポートする気持ちが込められているので3分の1のお返しでも大丈夫です。
香典返しの品物については下表にまとめております。
香典返しの 品物 | 特徴 |
---|---|
飲食品 |
|
日用品 |
|
カタログ ギフト |
|
通夜振る舞いは、
正確な参列人数がわからない場合は、オードブルや寿司などのみんなで取り分けられる料理を用意すると安心です。
精進落としは葬儀や火葬のあとに、
精進落としは、火葬場で収骨をする遺族や親族を中心におこなうため参加人数が事前にわかります。そのため用意する料理は、お膳で個別に振る舞います。費用の相場は1人あたり2,000円〜1万円で、葬儀を手伝ってくれた僧侶や親族への感謝と労いの意味があるため、通夜振る舞いより金額は高くなります。
精進落としについては、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
お葬式以外にかかる費用として、お寺に納める費用があります。ここからはお寺に納める費用に含まれる御布施や御車代、御膳料などを項目ごとに説明します。
御布施は、
御布施は、報酬や料金とは性質が異なるため金額に決まりがないのが特徴です。
また、御布施は読経料の割合が大きいですが、読経の回数は葬儀の種別ごとに違います。
葬儀の種別ごとの御布施の費用相場をまとめたので参考にしてください。
葬儀の種別 | 費用相場 |
---|---|
一般葬、家族葬 (通夜、告別式) | 20万~50万円 |
一日葬 (告別式のみ) | 15万~25万円 |
直葬・火葬式 (火葬のみ) | 5万~15万円 |
広義で仏教では死後に仏の弟子として成仏します。
戒名には位があり、高位順に「院居士・院大姉」「院信士・院信女」「居士・大姉」「信士・信女」で位ごとに費用相場が異なります。
宗派 | 位ごとの費用相場 |
---|---|
浄土宗 | 院信士・院信女:70万円~ 居士・大姉:50万~60万円 信士・信女:30万~40万円 |
真言宗・天台宗 | 院居士・院大姉:100万円~ 院信士・院信女:80万円~ 居士・大姉:50万~70万円 信士・信女:30万~50万円 |
臨済宗 | 院居士・院大姉:100万円~ 居士・大姉:50万~80万円 信士・信女:30万~50万円 |
曹洞宗 | 院居士・院大姉:100万円~ 院信士・院信女:100万円~ 居士・大姉:50万~70万円 信士・信女:30万円~ |
浄土真宗 | 居士・大姉:20万円~ 信士・信女:20万円~ ※法名には位号が付かないことが多い。 |
日蓮宗 | 院居士・院大姉:100万円~ 院信士・院信女:30万~50万円 居士・大姉:50万~70万円 信士・信女:30万円~ ※戒名ではなく法号と呼びます。 |
戒名料については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
読経料は
読経の費用相場は、1回3万〜10万円×読経回数が目安になります。
通夜を省く一日葬や、火葬のみの直葬・火葬式の場合は一般葬や家族葬に比べ読経回数が少なくなります。そのため葬儀の形式によって読経料は変わります。
御車代は
ただし、ハイヤーを手配したり遺族などが僧侶の送迎をおこなった場合は、御車代は必要ありません。
通夜、葬儀・告別式後の会食は僧侶をもてなす目的もあります。しかし、僧侶が忙しく会食に参加できない場合や喪家の意向で会食を省く場合には、
御膳料の相場は5,000円〜1万円で、僧侶が複数人の場合は人数分の金額を用意し、ひとつの封筒にまとめて御布施や御車代と一緒に渡します。もし僧侶が会食に参加する場合は、御膳料の用意は必要ありません。
葬儀が終わったあとにも、納骨や墓石、法要などさまざまな費用が必要になります。ここからは葬儀後にかかる費用を項目別にご紹介します。
納骨は葬儀が終わって落ち着いてきた頃の、四十九日法要の時におこなうことが多いです。
お墓を建立して納骨する場合の費用内訳とそれぞれの支払先は以下のとおりです。
内訳 | 費用相場 | 支払先 |
---|---|---|
お墓建立 | 50万円~200万円程度 | 石屋 |
納骨作業 | 2万円~3万円 | 石屋 |
彫刻料 | 3万円~5万円 | 石屋 |
御布施 | 3万円~5万円 | お寺 |
御車代 | 5,000円~1万円 | お寺 |
卒塔婆代(宗派による) | 1枚2,000円~1万円 | お寺 |
会場代 | 1万円~5万円 | 会場 |
会食費 | 3,000円~1万円×参列人数 | |
引き出物(法事のお返し) | 2,000円~5,000円×参列人数 | |
お供え物 | 5,000円~1万円 |
お墓の建立および納骨には上記の表の費用が必要になりますが、
納骨については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
法事・法要には、
「法要」は仏式の用語なので、神式など他の宗教・宗派では使いません。ただし、法要に似た儀式は神式にもあります。神式には命日から1年未満でおこなわれる「霊祭」と命日から1年後に年単位でおこなう式年祭があります。
一方、キリスト教には故人の冥福を祈って供養する考えはなく、法要に近い儀式はありません。葬儀後におこなう儀式はカトリックだと「追悼ミサ」でプロテスタントでは「記念集会」です。
宗教・宗派別に葬儀後の儀式と香典の相場は以下のとおりです。
宗教・宗派 | 葬儀後の儀式名 | 香典の費用相場 |
---|---|---|
仏式 | 忌日法要(初七日、二七日、三七日、四七日、五七日、六七日、四十九日、百カ日) 年忌法要(一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌、五十回忌) | 忌日法要 3,000円~5,000円 年忌法要 両親:1万円~3万円 (会食あり3万~5万円) 兄弟姉妹:1万円~3万円 (会食あり3万~5万円) 祖父母:1万円~3万円 (会食あり3万~5万円) 叔父叔母:5,000円~1万円 (会食あり1万~3万円) |
神式 | 霊祭(十日祭、五十日祭、百日祭) 式年祭(一年祭、三年祭、五年祭、十年祭、以降10年ごと) | 両親:1万円~5万円 兄弟姉妹:1万円~3万円 祖父母:1万円~3万円 叔父叔母:1万円~3万円 |
キリスト教 (カトリック) | 追悼ミサ | 両親:5万円〜10万円 兄弟姉妹:3万円〜5万円 祖父母:1万円〜5万円 叔父叔母:1万円〜3万円 |
キリスト教 (プロテスタント) | 記念集会 | 両親:5万円〜10万円 兄弟姉妹:3万円〜5万円 祖父母:1万円〜5万円 叔父叔母:1万円〜3万円 |
仏壇・仏具には宗教・宗派によって様々なタイプがあります。基本的には、ご本尊や仏具もそれぞれの宗派にそって揃えていくようになりますが、まずは生活スタイルの中で、お参りに適した場所を想定して「設置位置」に目途をつけましょう。仏壇を置くお部屋やスペースにあわせて、大きさや調和するデザインを選ぶようにしていくと、数ある中から絞り込みがしやすくなります。
仏壇の種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
唐木仏壇 | 60万円~110万円 | 中国から輸入した紫檀や黒檀で作られている |
金仏壇 | 100万円~150万円 | 黒の漆塗りが施され内部は金箔で装飾されている |
モダン仏壇 | 50万円~150万円 | リビングや洋室に合うデザインで機能性が重視されている |
上置き仏壇 | 30万円~100万円 | 土台がなくコンパクトなため、台や棚の上に置いて祀れる |
ミニ仏壇 | 2万円~10万円 | 持ち運びができるので賃貸住宅や老人ホームに持ち込める |
仏壇の種類以外にも、
墓石のデザインは複数あり、
お墓と聞くと、このような墓石で建てられたものをイメージする人が多いと思います。
しかし近年では、それぞれの家族の事情に合わせてお墓の種類も多様化しています。建物の中のお墓に納める納骨堂タイプや、遺骨の管理や供養を寺院などがおこなう永代供養墓、自然のなかに埋葬する樹木葬もあります。
以下でお墓の種類ごとに費用相場をまとめています。
お墓の種類 | 費用相場 |
---|---|
墓地・墓石 | 100万円~200万円 |
納骨堂 | ロッカー型:20万〜80万円 仏壇型:50万〜150万円 自動搬送型:80万〜150万円 墓石型:約100万円 位牌型:10万〜20万円 |
永代供養墓 | 単独墓:50万〜150万円 集合墓:20万〜60万円 合祀墓:5万〜30万円 |
樹木葬 | 個別埋葬型:30万〜120万円 共同埋葬型:15万〜65万円 合祀埋葬型:5万〜20万円 |
墓石やお墓の種類については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
どのようなお墓を選べばよいか迷った場合は「みんなが選んだお墓」にご相談ください。
本位牌の種類と費用相場は以下のとおりです。
位牌の種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
塗位牌 | 国内製:2万〜10万円 海外製:8,000円〜3万円 | 木地を漆でコーティングしてあり呂色の鏡面磨きには高級感が漂う |
唐木位牌 | 1万〜7万円 | 黒檀や紫檀という唐木を材料に使っている |
モダン位牌 | 1万〜5万円 | 現代風の部屋や家具にも溶け込みやすい ガラス製の位牌もある |
蒔絵位牌 | 国内製:4万〜10万円 海外製:2万〜5万円 | 蒔絵という日本伝統の漆塗りの工芸技法が施されている |
繰出位牌 | 2万〜20万円 | 複数の戒名を記した木の札をまとめることができる |
相続にはさまざまな書類が必要になりますが、銀行口座、不動産、自動車など相続するものによって必要な書類は異なります。相続手続きが複数あると個人でおこなうのは難しいため、専門家に依頼する人も多いです。
なお、相続時に必要な被相続人と相続人に関する書類は区役所などで請求する際に手数料がかかります。例えば、以下のような書類が挙げられます。
書類 | 費用 |
---|---|
被相続人と相続人全員の戸籍謄本 | 1通450円 |
被相続人の除籍謄本 | 1通750円 |
被相続人の住民票の除票 | 1通300~400円 |
ここからは葬儀費用の総額を抑えるために、葬儀場の検討や葬儀プランの内容を見直す方法などをご紹介します。
葬儀場の種類 | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
自宅 | 0円 | 慣れ親しんだ場所で利用時間に制限もないのでゆっくりお別れが可能。 スペースの確保と近隣住民への配慮が必要。 |
公民館・集会所 | 5,000円~5万円 | 地域の組合が運営しているため利用は組合に所属している人が中心。 葬儀専用でないため設備が足りない場合持ち込みが必要。 |
公営斎場 | 5万~10万円 | 公共団体が運営しているので市民料金が適用される。 日延べしやすいため希望の日時で葬儀ができないこともある。 |
民営斎場・セレモニーホール | 10万~30万円 | 葬儀専門の式場なので設備が整っている。 利用するには運営している葬儀社に依頼する。 |
寺院 | 20万~50万円 | お寺の敷地内にある施設。 檀家でなくても利用できるところもある。 |
予め提示されている葬儀プランは、喪家にとって過不足が生じる可能性があります。祭壇の選択や会葬返礼品、通夜振る舞いや精進落としのメニューなど内容をよく確認して、
永代供養には血縁関係のない複数の人々をまとめて埋葬する合祀という方法があり、
以前はお寺や霊園が管理と供養をしてくれるため、後継者がいない人に選択されてきました。しかし、近年は子どもたちの金銭的負担を減らしたい人にも選ばれるようになっています。
前述のとおり、御布施や心付けは感謝を示す金銭です。明確な金額は決まっていないため、
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