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大切な家族を弔うお葬式は人生の節目にあたる儀式です。しかし、ご逝去~お葬式~火葬までのすべてを家族だけでおこなうのは難しく、基本的には葬儀社に一連の仕切りを任せる人が多いでしょう。
葬祭業務全般を任せることができる葬儀社ですが、大きく分けて4種類あることをご存じでしょうか。4種類ともお葬式の準備や手続きを任せられますが、葬祭への関わり方がそれぞれ異なります。
この記事では、4種類の葬儀社の特長の説明や葬儀社の仕事内容を紹介します。葬儀社・葬儀屋さんを選ぶ前の確認事項や絞り込むポイントについても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。
さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
葬儀社とは、
葬儀や葬祭をおこなうために公的な資格や、国や自治体の認可は必要なく、誰でも葬儀社を営業することは可能です。ただし、有料のご遺体の搬送は貨物自動車運送事業に該当するため、認可を受けた車両でないと搬送できません。
また、公的資格は不要ですが、葬祭に関する認定資格は複数存在しています。葬祭ディレクターや仏事コーディネーター、終活カウンセラーなどの資格の取得には、葬儀や葬祭に関する専門的な知識が必要なため、資格保有者が在籍している葬儀社に依頼すれば専門的な相談がしやすくなるでしょう。
2018年に経済産業省が実施した特定サービス産業実態調査によると、葬儀業務に従事している事業者8,201社のうち、
また、株式会社矢野経済研究所によると、2023年の葬祭業の市場規模は前年比105.0%と予測されており、コロナ禍の影響により2020年時点で縮小していた市場規模が回復傾向を見せています。
しかしコロナ禍以前とは葬儀形式に変化があり、大人数で高単価な一般葬よりも少人数で低単価な家族葬や直葬・火葬式への移行が進んでいます。今後10年で葬儀単価は下落すると考えられており、葬儀社は葬祭業だけでなく、生前の介護などの支援や葬儀後の相続などの支援業務を、幅広くおこなっていくことが検討されています。
出典:特定サービス産業実態調査報告書
出典:矢野経済研究所
葬儀社の仕事には人の死が関わっているため、いつどこで葬祭業務が必要になるか予測できません。そのため、葬儀社は
家族が亡くなった悲しみのなかでも、逝去後すぐにおこなう必要がある手続きは多くあります。そのため、家族を支え柔軟に対応することに重きを置く葬儀社の多くは24時間・365日営業しています。
葬祭業務をおこなう葬儀社は主に以下の4種類に分かれます。
同じ葬祭業務をおこなう葬儀社でも、それぞれ経営形態が異なり提供するサービス内容や品質にも違いがあるため、よく確認しましょう。
専門葬儀社の仕事は、ご遺体の搬送や葬儀場の貸し出し、葬儀の準備と進行、火葬場の手配や手続き代行など幅広く、大手葬儀社では専門部署を設けて葬儀後の支援をしている葬儀会社もあります。専門葬儀社の特徴は、以下の通りです。
専門葬儀社者の特徴
また、専門葬儀社は
一方、中小規模の葬儀社の多くは地域を基盤にしており、地域特有の葬儀の風習にも対応できます。大手葬儀社と比較すると人材は少ないですが、打合せから当日の葬儀まで担当者が同じ場合が多いため、信頼関係を築きやすい傾向があります。
冠婚葬祭互助会は、
冠婚葬祭互助会の特徴
葬儀だけでなく結婚式の際にも利用でき、毎月の支払額は1,000〜5,000円ほどで、契約金額によって利用できるサービスが異なります。集められた会費は式場の建設や冠婚葬祭に必要な衣装や備品に使用されます。
会員がお金を出し合う事により、相互扶助的なお葬式や結婚式を実現しています。また、冠婚葬祭互助会は全国に展開しているため、加入者の利便性を考慮した冠婚葬祭が可能になっています。
冠婚葬祭互助会については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
協同組合は、共通の目的を達成するために集まった人たちが運営する相互扶助組織です。協同組合には
協同組合の特徴
利用者は基本的に組合員のみになりますが、各組合が定めている条件を満たせば組合員以外も利用できる場合があります。ただし、組合員よりも葬儀費用は高くなる傾向があります。
また、生活共同組合の葬祭業では、直営の葬儀場を利用する以外に専門葬儀社や互助会と提携している葬儀場を利用するケースもあり、葬祭業務の形態はさまざまです。
葬儀仲介業者は、
葬儀仲介業者の特徴
これまで紹介してきたように葬儀社にはさまざまな種類があり、保有している葬儀場によっても得意な葬儀形式が異なります。希望に沿った葬儀ができる葬儀社を探したくても、家族が急遽亡くなった場合は葬儀社の選定に時間をかけられません。いざという時に慌てないために事前に知識を得ておきましょう。
葬儀社の主なサービス内容には、ご遺体の搬送や、お葬式をおこなう準備・段取り、役所での手続き代行の他に、お葬式が終了したあとのサポートまでもおこなっている場合があります。
それぞれのサービス内容についてご紹介します。
故人が自宅以外の病院や介護施設で亡くなった場合や、死因究明のため警察がご遺体を引き取っていた場合、ご遺体のすみやかな引取りを求められます。そのため、死亡診断書が発行され家族から連絡を受けたら、
搬送先は自宅や、斎場・火葬場の他、葬儀社が保有している安置施設への搬送も可能です。安置場所に到着したら、ドライアイスなどでご遺体の保全をおこない、枕飾りを設置して弔いの準備をします。安置する場所の環境によって大切な時間の過ごし方が変わりますので、故人の安置先は慎重に選ぶようにしましょう。
安置が終了すると、
宗教・宗派や予算の確認、家族や参列者の事情に合わせた設備が整っている葬儀場の提案、火葬場の手配、当日の喪主の挨拶の内容や御布施の金額の相談にも応じます。宗教儀式に則ったお葬式を希望していても菩提寺がない家族には、宗教者の紹介もおこないます。
故人を荼毘に付すには、
故人を棺に納める前に、
また、最も高度で手厚いご遺体のケアとしてエンバーミングという技術があります。このご遺体の腐敗を防ぎ生前の姿に近づけるエンバーミングを希望する場合は、取扱い葬儀社が限られるため、エンバーミングに対応している葬儀社か否かは葬儀社の力量・技術力をはかる一つの目安にもなります。
通夜・葬儀の当日は
通夜や葬儀・告別式の
会葬御礼品は受付けで記帳をおこなった参列者に挨拶状とともに渡すため、予想される参列者の人数よりも多めに用意して不足がないようにしましょう。会葬御礼品は、余った時に引取りが効く商品を選択しておくと安心です。
出棺の際には故人を霊柩車に乗せて火葬場に向かいます。霊柩車・ハイヤー・マイクロバスなどの車両で葬列を組みながら火葬場に向かいます。火葬場に到着したら火葬許可証を提示して手続きを行い、最期のお別れをして荼毘に付されます。
火葬炉に納めた後は火葬終了までの間、休憩室で待機するあるいは一度葬儀式場に戻って時間を過ごす流れになります。火葬場により火葬時間に差があるため、一時間前後で火葬を終える火葬場では休憩室で待機する流れになり、二時間前後を要する火葬場の場合には、一度葬儀式場へ戻る形を取るようになります。利用する火葬場によって料金や過ごし方が変わりますので、事情を熟知している葬儀社と相談することが重要になります。
お葬式が無事に終了したあとも何かと行うことが多く、専門的な知識が必要な煩雑な手続きもあります。そのため、専門部署を設けて葬儀後の負担を軽減するサポートを提供している葬儀社が存在します。
サポートの内容は多岐に渡りさまざまで、
葬儀社を選ぶタイミングとしては、事前か事後かにわかれます。燦ホールディングス(株)が2023年3月に行った調査によりますと「故人が逝去してから葬儀社で見積りをした人が62%」で「予め葬儀社に費用の相談をしていた」のは22%という結果になっています。
出典:全国の喪主経験者2,000名を対象にした調査/燦ホールディングス株式会社
大半の葬儀社は事前相談を受付けており、生前のうちに葬儀社を検討する人が増えています。生前であれば時間に余裕があるため、
事前に見積りが出ていれば、万が一に備えて葬儀費用の準備もしやすく、葬儀社によっては生前に予約しておくと割引をしている場合もあります。家族と相談して生前に葬儀社に目途をつけておくと、万が一の際に慌てずにお葬式の準備ができ、穏やかな時間の中で偲ぶことができたり、納得のいくお見送りにしたりすることができるでしょう。
故人の逝去後に葬儀社を選ぶ際は、周りに急かされながら意思決定を迫られるようになります。例えば、病院などで逝去した場合、すぐにご遺体の搬送についてどうするかを問われたり、病院が提携している葬儀社に葬儀の営業をかけられる場合もあります。冷静な判断が難しく情報が乏しい段階で葬儀社を決めると後悔する可能性があるため、
葬儀社に目途が付いていれば、その葬儀社に最初から最後までを任せるのがスムーズですが、目途がついていない場合には、場面を分けて対処することも必要です。例えば、病院が提携している葬儀社へは搬送のみを依頼して急場をしのぎ、葬儀を依頼する葬儀社の決定は、故人の安置後に落ち着いてからおこなう方法もあります。ただし、故人を自宅に安置できない場合は、安置先から検討しなければなりません。この場合には、近隣の安置施設情報など専門的な情報を得る必要性が生じます。複数の葬儀社の提案を聞いてメリット・デメリットを把握し、最適な安置先を選択するようにしましょう。大半の葬儀社は24時間・365日受付けをしているため、気持ちを整理してから深夜や早朝でも遠慮なく相談してください。この時に時間を問わず丁寧に、しっかりと対応してくれる葬儀社こそが候補になります。
満足のいく葬儀社を選ぶには、予算や参列人数、葬儀をする場所や葬儀場の設備を、事前に確認しておく必要があります。以下項目別に説明します。
葬儀費用は、
全体のおおよその予算だけでなく、予算の内訳を理解する必要があります。費用をかける項目と抑える項目に目途をつけておくと、葬儀社に見積りを提示してもらう際に円滑に話を進めやすくなります。
葬儀形式は基本的には故人の希望を優先しますが、のこる人たちのことも踏まえて故人の社会的な地位や地域との繋がりを考慮するとよいでしょう。故人の人脈が広く、葬儀を知らせる範囲に迷う場合は、葬儀社に相談する方法もあります。
葬儀社が所有している葬儀場の場所の確認も大切です。家族や親族が訪れやすい場所にあることはもちろん、参列者もできる限り来場しやすい場所にある葬儀場を選定して比較検討しましょう。
さらに、
上述した「葬儀社を選ぶ前の確認事項」の内容によって、ある程度は葬儀社を絞り込めますが、絞り込んだ葬儀社から1社を決定するには、以下で説明するポイントが大切になります。
各ポイントについて具体的に見ていきましょう。
葬儀の形式には、一般葬や家族葬、一日葬、火葬式・直葬などさまざまな種類があり、宗教宗派に則った葬儀をする際には、決められた儀式が存在します。しかし、多くの人は葬儀に不慣れなため、葬儀形式や葬儀の儀式を正確に理解している人は稀です。そのため、葬儀プランの内容や見積りの項目に疑問を持ち、担当者に確認する場合もあると思います。
確認した際に、担当者の説明がわかりにくかったり、説明を拒んだりする葬儀社であれば葬儀を依頼するのは避けましょう。
葬儀社が用意している
見積りの料金にだけ納得して内訳を確かめずに葬儀社を決定すると、あとから追加項目が発生して揉めてしまう可能性があります。そのため、葬儀社を決定するには葬儀の料金プラン、また内訳を明確にしている葬儀社を選ぶようにしましょう。
故人が逝去してから葬儀当日まで家族を支えてくれる、葬儀の担当者の人柄はとても重要です。事前に準備をしても葬儀当日には予期せぬ問題が発生する可能性があります。しかし、問題が発生しても、
葬儀社によっては見積りの説明を担当した人と、葬儀当日の式典運営は担当者が異なる場合があります。その場合は、当日の担当者を紹介してもらい、顔合わせをして信用できると判断した人が在籍している葬儀社を選ぶと、安心して葬儀を任せられます。
宗教・宗派に則った葬儀をおこなう場合、葬儀社が対応しているか確認する必要があります。また、対応していても実際の
例えば、仏式の宗派は多岐にわたり、儀式の流れや教義が異なる可能性があります。キリスト教の葬儀は、カトリックとプロテスタントで葬儀の流れ自体が異なります。宗教儀式は簡略化できる儀式と、正確におこなう必要がある儀式があるため、葬儀社が対応している宗教・宗派の確認も一歩踏み込んでおこなうようにしましょう。
葬儀の種類には、家族や親族、一般参列者など幅広く招いておこなう一般葬や、近親者のみの少人数でおこなう家族葬、通夜を省き1日でおこなう一日葬があります。さらに、お葬式をしないで火葬だけで弔う火葬式・直葬や形式に囚われない自由葬も近年では注目されており、葬儀の種類は多様化しています。
葬儀社が有している葬儀場は、
葬儀社を選ぶ前の確認事項や選ぶ際のポイントを紹介してきましたが、検討する項目は複数あるため、迷ってしまう人も多いと思います。そのような場合は、私たち第三者機関を
「みんなが選んだお葬式」では24時間・365日、通話料無料で電話相談を受付けています。多数在籍している終活カウンセラーが、複数の葬儀社から希望にマッチしそうな1社を選定するサポートをしておりますので、何なりとご相談ください。
葬儀社に関するよくある質問と回答をご紹介します。
葬儀社によって得手不得手があり対応できる葬儀は異なります。
葬儀社で働くうえで資格の取得は必須ではありませんが、資格を所持した人材が在籍している葬儀社はあります。葬祭に関する資格は、以下の通りです。
葬祭に関する資格の例
どの資格も葬祭に関する専門的知識を有していないと取得できないため、
葬儀費用を抑えるためには、内容を深く理解して取捨選択を行い、項目ごとの費用に強弱をつけて無駄をなくす事が大切です。例えば、葬儀の見積りを複数社から取り寄せても、専門的で中身を読み解くことができないことが多く、各社の違いや良し悪しも書面からはハッキリしないため、合計金額で判断することになりがちです。
見えている金額だけで決めてしまうと、気持ちを込めるべきことに気づくことなく、大切なことが見落とされたまま時間が流れてしまいます。葬儀はやり直しがきかないため、後悔しやすくなります。失敗を防ぎ後悔を避けるためには、
葬儀社とお互いを信頼できる関係を築くことで納得のいく、よい葬儀をおこないやすくなります。葬儀社との付き合いは3〜4日ほどと短いですが、良好な関係を構築するためにも、
葬儀社によっては、葬儀後のサポートとして遺品整理を掲げています。ただし、一般的には葬儀社自体が遺品整理をするのではなく、
遺品整理は専門の業者がおこないますが、遺品整理に関する相談に応じてくれる葬儀社もあるため、気になることは相談してみることをおすすめします。
ここまで葬儀社の種類や仕事内容、葬儀社の選び方を中心にお伝えしてきました。
お葬式の全般を安心して任せられる葬儀社を選ぶには、条件に合っているかはもちろん、担当者と信頼関係を築くことも大切です。最後にあらためて葬儀社についてのポイントをまとめておきます。
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