お葬式
通夜振る舞いとは?開式から閉式までの流れと気を付けるべきマナー
更新日:2022.11.19 公開日:2021.12.24
お通夜の後に参列者や僧侶とともに、故人を偲びながら食事を行う「通夜振る舞い」をご存知でしょうか。
通夜振る舞いに参加する際、何に気を付けるべきか、きちんと知っておきましょう。
そこでこの記事では、通夜振る舞いについて詳しく説明していきます。
通夜振る舞いの費用・相場に関しても触れているので、ぜひ最後までご覧ください。
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- 通夜振る舞いとは
- 通夜振る舞いの流れ
- 通夜振る舞いの後にすべきこと、してはいけないこと
- 通夜振る舞いでの料理
- 通夜振る舞い時に気を付けるべきマナー
- 通夜振る舞いの費用・相場
- 通夜振る舞いには参加するべきなの?
- 通夜振る舞いまとめ
通夜振る舞いとは
通夜振る舞いとは一体何なのでしょうか。
以下で詳しく説明します。
通夜の後におこなう食事会
通夜振る舞いは、通夜の後に設けられる食事の席のことで、
「遺族が僧侶や弔問客に対して感謝の意を表す」「故人を偲ぶ」
という2つの目的があります。
通夜の参列者は、故人の思い出話をしながら食事をし、故人を偲びます。
通夜振る舞いは、通夜と一緒に必ず行うものというわけではありません。
地域の風習によって違いがあります。
「一日葬」という告別式のみの葬儀の場合、また家族葬の場合は一般的に通夜振る舞いを行いません。
また、通夜に参列される方は訃報を聞き、急いで駆けつけたという方も多く、通夜振る舞いに出席するための時間がない場合もあります。
通夜の会場で通夜振る舞いの部屋を確保できないといった事情から、通夜振る舞いを行わないケースもありますので覚えておきましょう。
また、通夜振る舞いは宗教によっても異なります。
神式の葬儀では、仏式の通夜振る舞いの代わりに直会(なおらい)が行われます。
キリスト教では、そもそも通夜にあたる儀式がないので、通夜振る舞いも行われません。
ただし日本独自の慣習で、お茶菓子などを振る舞って、通夜に相当する儀式が行われる場合もあります。
通夜振る舞いと精進落としの違い
葬儀の後に食事を振る舞う席として、「精進落とし」があります。
精進落としも通夜振る舞いと同様、僧侶や弔問客に対して感謝の気持ちを示しつつ、故人を偲んでもらうための場として設けられます。
本来、精進落としとは故人が浄土へ行けるように肉や魚を食べることを避け、四十九日の法要明けに普通の食事に戻すことでした。
現在では、火葬場から戻った際や初七日の法要後に開くことが一般的です。
通夜振る舞いと精進落としの違いは、席を設けるタイミングと出席する人の範囲です。
精進落としは、前述のとおり火葬場から戻った際や初七日の法要後に行われますが、通夜振る舞いは通夜の後に行われます。
また、精進落としは僧侶と親族など火葬場に同行した人のみで行われることが多いですが、通夜振る舞いは地域によっては通夜に参列した方全員が対象となります。
通夜振る舞いの流れ
次に、通夜振る舞いの流れを説明します。
失礼にならないためにも、あらかじめ通夜振る舞いの流れを知っておくと安心です。
ご案内
通夜の最後に、喪主や葬儀社スタッフが通夜振る舞いの案内をします。
勝手に会場に入り食事を始めることはマナー違反となりますので、案内に従って会場へ向かうようにしましょう。
通夜振る舞いの席順は明確に決まってはいませんが、僧侶が上座に座るのが一般的です。
僧侶の隣には、親族の中から選ばれた接待係が座り、喪主に近い場所には親族が着席します。
途中で退席することが予想される場合は、出入口付近に着席すると良いでしょう。
なお、僧侶が通夜振る舞いの参加を辞退した場合は、お膳料として5000~1万円程度を渡すのが一般的です。
通夜振る舞い開式のご挨拶
通夜振る舞いの開始に際し、喪主が挨拶をします。
喪主の挨拶では、参列者への感謝を表す言葉を述べ、故人を偲びながらゆっくりとくつろいで食事をしていただきたい旨を伝えます。
途中で退席する人がいることに配慮して、できるだけ手短に済ませるのが良いでしょう。
なお、出席者は、喪主の挨拶が終わるまで食事には手をつけないように注意しましょう。
<挨拶例>
本日はお忙しい中、◯◯(故人の名前)の通夜に足をお運びいただき、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで通夜式を滞りなく終えることができ、故人も喜んでいることと存じます。
ささやかではございますが、食事を用意いたしました。
お時間の許す限り、食事をしながら故人の思い出話などお聞かせいただければ幸いです。
会食
食事の始まりに際し、全ての参列者に飲み物を注ぎ終えたら献杯をします。
献杯では、グラスを高くあげたり、参列者とグラスを合わせたりすることは避けましょう。
会食中、遺族は参列者の席をお酌をしながら回り、挨拶をします。
なお、参列者の都合も考慮して、話は手短にすませましょう。
お酒を飲むことは問題ありませんが、飲みすぎは禁物です。
故人を偲ぶ場ですので、大きな声を出したり、酔っぱらわないように気をつけましょう。
また、閉式挨拶の前に退席しても失礼にはあたりません。
その際は、「お先に失礼します」と遺族の方に一言伝えてから退席するのがマナーです。
告別式に参加する予定であれば、退席前に日時を確認しておくと良いでしょう。
通夜振る舞い閉式のご挨拶
通夜振る舞いの時間は、長くても1時間程度とすることが一般的です。
通夜振る舞いの終わりに際して、喪主が挨拶をします。
閉会の挨拶では、参列者に再度お礼を述べます。
また、翌日の葬儀・告別式に参列する人のために、会場の場所や開始時間を正確に伝えるのが重要です。
<挨拶例>
本日はお忙しい中、◯◯(故人の名前)の通夜にご参列いただき、ありがとうございました。
お陰様で、滞りなく通夜を終えることができました。
名残り惜しいですが、夜も更けてまいりましたので、本日はこれにて終了とさせていただきます。
なお、明日の告別式は△△(場所)にて◇◇時から行います。
何卒、よろしくお願いいたします。
本日は、誠にありがとうございました。
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通夜振る舞いの後にすべきこと、してはいけないこと
通夜振る舞いは終わった後にすべきことや避けるべきことも大切です。
通夜振る舞い終了後にすべきことと、逆に避けるべきことの両方をご紹介します。
葬儀の準備をする
まず通夜振る舞いが終わった後は、翌日の葬儀(告別式)の準備をしましょう。
特に喪主や世話役は、葬儀社スタッフと翌日の葬儀の流れ・弔辞の順番・喪主の挨拶などを確認します。
合わせて受付や会計係が預かった香典も受け取りましょう。
また寄せられた弔電についても、読み上げるべきものを選んで決めるべきです。
ほかにも儀式終了後に出棺していただく方の人選も行います。
弔問客を見送らない
一方通夜振る舞いが終わった際、弔問客を見送る必要はありません。
代わりに自身の席から退出する弔問客に目礼するのが一般的とされています。
通夜振る舞いでの料理
通夜振る舞いの料理は、もともとは精進料理が一般的でしたが、現在はあまりこだわらず、故人が生前好きだった食べ物なども振る舞われます。
しかし、鯛や伊勢海老、昆布や紅白なますといった祝いの席で出されるものは不向きです。
通夜は出席人数の想定が難しいため、軽食・オードブル・寿司桶などの盛り合わせ料理を用意するのが一般的です。
飲み物は、日本酒やビールに加えて、ノンアルコールビールや子どものためのソフトドリンク、お茶なども用意するようにします。
子ども向けのチョコレートやクッキーなどのお菓子、年配者向けのお饅頭や半生菓子などの和菓子も用意するとより親切でしょう。
最近では洋食や中華のオードブルも増えており、アレルギーの方のために、アレルゲン食品を避けた料理を選ぶこともできます。
また、近年増えているホテル通夜では、立食パーティー形式の通夜振る舞いも多くなってきています。
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通夜振る舞い時に気を付けるべきマナー
次に、通夜振る舞いの席で注意すべき点やマナーについて説明します。
ポイントは以下のとおりです。
- 故人と関係のない話は避ける
- 大きな声で話す・笑うのは控える
- 忌み言葉は使用しない
- 長居しすぎない
以下で詳しく説明します。
故人と関係のない話は避ける
通夜振る舞いは、単なる食事会や宴席ではなく、あくまで故人を偲ぶ席になります。
故人と無関係な話に終始することがないように気をつけましょう。
また、仕事関係の方とも挨拶程度の会話に留め、その場で名刺交換をしたり仕事の話を始めたりしないように注意してください。
大きな声で話す・笑うのは控える
故人を偲びながら話しているうちに、笑ってしまうこともあるかもしれません。
しかし、遺族の方の悲しみに配慮し、大きな声で話したり笑ったりするのは控えるのがマナーです。
また、遺族の方は通夜振る舞いの進行で忙しい場合が多いですので、話に夢中になって進行を妨げることがないように気をつけましょう。
忌み言葉は使用しない
通夜振る舞いは葬儀の儀式なので、忌み言葉を使うことは避けましょう。
忌み言葉とは、不吉なことを思わせるため使用を避けた方が良い言葉のことをいいます。
例えば、「浮かばれない」「迷う」「追って」などは使用しないようにしてください。
また、「次々」「いろいろ」などの重ね言葉も避ける方が無難です。
長居しすぎない
一般の参列者の場合は、通夜振る舞い開始後30分程度で退席することがマナーです。
しかし、料理に箸を付けることが故人の供養になりますので、必ずひと口は食べるようにしましょう。
また、退席の際は遺族の方に「お先に失礼します」などと声をかけてから退席するのが礼儀です。
通夜振る舞いの費用・相場
一般的に通夜振る舞いにかかる費用は、1人当たり2000~3000円程度が相場となっています。
ホテルの立食を利用する場合は、3000~5000円程度と少し高くなります。
なお、僧侶が通夜振る舞いを辞退した場合は、お膳料として5000~1万円程度をお渡しすることを忘れないようにしましょう。
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通夜振る舞いには参加するべきなの?
ここでは、通夜の席で通夜振る舞いの案内を受けた場合、参加するべきかについて説明します。
案内を頂いたら基本的に参加するべき
通夜振る舞いに案内される人の範囲は、地域によって異なります。
一般的に関東地方では、遺族や親族のみならず、通夜に参列した一般会葬者も案内することが多いようですが、関西地方では、遺族や親族のみで執り行うことが多いです。
案内を受けた際、故人や遺族との関係性が深い場合や遺族から参加を請われた場合は、参加するほうが良いでしょう。
もし辞退する場合は、遺族に挨拶と辞退する旨を告げて、目立たないように退席します。
辞退せざるを得ない事情があることを伝えておくと、より丁寧です。
また通夜振る舞いでは、食事に箸をつけることが故人の供養になるとされています。
したがって、参加した場合は一口でも食事をするのが礼儀です。
故人や遺族と親しい間柄でない場合は、長居せず30分程度で退席しても構いません。
通夜振る舞いを執り行わないこともある
通夜振る舞いは、必ず行うというものではありません。
通夜振る舞いの慣習がない地域も多いことを覚えておきましょう。
また、家族葬では基本的に通夜振る舞いは行われません。
折詰や商品券、ビール券といった粗供養品(そくようひん)を渡すことで、通夜振る舞いに代えることもあります。
最近では、通夜振る舞いの時間を確保できない場合や、案内しても辞退する人が多いといった理由から、開催しないケースも増えてきています。
また、通夜の会場の都合で、十分なスペースのある部屋を用意できないといった理由から開催しない場合もあります。
通夜振る舞いまとめ
ここまで通夜振る舞いについて、流れや気をつけるべきことなどを中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 通夜振る舞いは、故人を偲ぶための会食の席のこと
- 通夜振る舞いの実施は、宗教や地域の慣習によって異なる
- 通夜振る舞いでは、喪主が手短に挨拶を行う
- 通夜振る舞いの参列者はマナーに気をつけること
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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