法事法要
精進落としの挨拶のタイミングは?場面ごとの例文を紹介
更新日:2022.11.18 公開日:2022.01.18
法要後に行われる会食、「精進落とし」に参加した経験はありますか?
精進落としの挨拶はどのタイミングで行われ、何を伝えるのか知っておきましょう。
そこで、この記事では精進落としの挨拶について解説します。
精進落とし以外の挨拶のタイミングについても解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
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精進落としとは
「精進」とは、仏道修行に励むという仏教の言葉です。
今では世間一般に広まり、当たり前のように多くの方が使用しています。
精進落としを行う側である場合、その内容についてしっかり理解しておくことが重要です。
まずは精進落としについて詳しく解説していきます。
精進落としの意味
現代において精進落としとは、故人に対する供養やお世話になった参列者、僧侶などに対して、労いの意味をもって設ける食事の席のことです。
本来精進落としは、四十九日法要が終わるまでは精進料理を食べ、四十九日の忌明けに通常の料理に戻す区切りという意味でした。
しかし、時代の変化とともに本来の意味は薄れ、精進落としは初七日法要後や火葬後に行われる食事の席へと変化しました。
精進落しを行うタイミング
基本的に精進落としを行うタイミングは、初七日法要後や火葬の後です。
近年では、葬儀・告別式の日以降に再び家族や親族が集まることが難しくなっています。
そのため、本来であれば亡くなってから7日目に行われる初七日法要を、葬儀や告別式に組み入れて行うことが一般的になっています。
通夜振る舞いとの違い
通夜振る舞いと精進落としでは、いくつか違う点があります。
相違点は以下の通りです。
- 意味合い
ともに参列者を労う点は同様です。
しかし、通夜振る舞いには故人と最後の食事をするという意味が含まれます。
- タイミング
通夜振る舞いは通夜の後に行われます。
精進落としは初七日法要の後、もしくは火葬後に行われます。
- 参加者
通夜振る舞いは通夜の参列者が参加します。
精進落としは火葬まで参列された方、つまり故人と関係性の深い方が参加します。
- 料理
精進落としはあらかじめ参加者が予想しやすいため、個別に用意されます。
通夜振る舞いの場合は参加人数が事前に分からないため、オードブル形式が一般的です。
また、通夜振る舞いでは軽く食事をした後、長居せず早めに退席します。
しかし精進落としでは、主に親族がゆっくり過ごします。
精進落としで挨拶をするタイミング
精進落としの挨拶は、精進落としの前後と、献杯前のタイミングに行います。
開始・終了の挨拶は、喪主が行うことが一般的です。
しかし、必ずしもそうしなければならないわけではありません。
喪主の代わりに親族から代理人を立て、挨拶をしてもらうことも可能です。
また、献杯の挨拶は故人と親しかった友人や知人でもかまいません。
それぞれの挨拶の基本的な文例を紹介しますので、参考にしてください。
開始の挨拶
【喪主の場合】
本日はお忙しいところご参列いただき、誠にありがとうございました。
皆様のおかげで故〇〇の葬儀・告別式を滞りなく終えることができました。
あらためてお礼申し上げます。
ささやかではございますが、皆様への感謝と慰労を兼ねて、お食事を用意いたしました。
故人を偲びながら、ごゆっくりお召し上がりください。
本日はありがとうございました。
喪主以外の親族が挨拶をする場合は、故人との関係性を明かします。
そして簡単に自己紹介を述べた後に、上記と同様の挨拶を行います。
献杯の挨拶
【喪主の場合】
引き続き献杯の挨拶をさせていただきますので、ご唱和お願いいたします。
献杯。
【喪主以外が行う場合】
私は△△(故人との関係)の〇〇(自分の名前)でございます。
皆様のおかげで滞りなく葬儀を終えることができ、故人も安堵していることと思います。
心からお礼申し上げます。
それでは献杯のご唱和をお願いいたします。
献杯。
終了の挨拶
【喪主の場合】
本日は皆様、最後までお付き合いいただきまして誠にありがとうございました。
皆様に温かく見守られ、故人も喜んでいることと思います。
故人の生前の思い出話をお聞きしたいところではございますが、遠方からお越しいただき、お疲れの方もいらっしゃると思いますので、これにて終了とさせていただきます。
本日はありがとうございました。
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精進落とし当日の流れ
精進落としは、葬儀・告別式、火葬の後に行われることが一般的です。
そのため、当日のスケジュールは大変忙しくなります。
あらかじめ、精進落としの流れを確認しておくと良いでしょう。
一般的な精進落としの当日の流れを解説していきます。
開始の挨拶
基本的には、喪主が開始の挨拶をします。
葬儀を滞りなく終えることができたこと、これから先のご厚誼をお願いする気持ちを伝えます。
献杯
献杯の挨拶は、開始の挨拶に引き続いて簡潔に行います。
喪主が開始に続いて行う場合は、挨拶が重複する点は省略し、長くても1分程度で済ませましょう。
喪主以外の方が挨拶する場合は、はじめに故人との関係と自身の紹介を行います。
その後、喪主と同じように挨拶し、献杯を発します。
献杯は乾杯とは異なり、声を高らかに発することではありません。
故人を偲び、控えめな声で言うように心がけましょう。
宴席の開始
料理を食したり、お酒を嗜んだりしながら故人の思い出話をします。
通夜振る舞いとは違い、精進落としはゆっくりと歓談する時間があります。
そのため、遺族は一人ひとりの席を回り、感謝の気持ちを込めてお礼を伝えます。
今後の法要の日時決め
終了の挨拶の前に、決められる範囲で今後の予定を決めておきましょう。
予定がある程度決まれば、終了の挨拶の際にお知らせすると良いでしょう。
終了の挨拶
精進落としが開始して1時間〜1時間半程度で頃合いを計り、終了の挨拶を行います。
あらためて葬儀の参列者に感謝の気持ちやお礼を伝え、今後の予定をお知らせします。
引き出物・お供え物の配布
引き出物の配布を行います。
会食前に参列者の椅子の下に置いておく方法や、会食後に出口付近で手渡しする方法が通例です。
手渡しする場合は、主に遺族や親族、葬儀社スタッフが担当します。
僧侶が参加している場合は、式を滞りなく終えることができたお礼を伝え、初めに渡すようにしましょう。
スポンサーリンク精進落としのマナー
故人を偲び、参列者に感謝を伝える精進落としの場では、守るべきマナーがあります。
マナーを知らずに精進落としを行うと、相手を不快にさせてしまう恐れがあります。
精進落としの基本的なマナーを学び、参列された方々をしっかり労いましょう。
お招きする人
精進落としへの参加は任意ではなく、招待制にするのがおすすめです。
参加を任意にした場合、参列者はつい遠慮してしまいがちです。
一般的には、火葬まで参列した方々をお招きします。
精進落としは招待制にして、ゆっくり過ごしてもらいましょう。
席順に注意する
精進落としの席順は、葬儀とは異なります。
席順は以下を参考にしてください。
- 最上座には僧侶を案内します
- 遺族以外の血縁関係の深い人から順に上座に座ります
- 世話役や葬儀委員長がいる場合は上座にご案内します
- 喪主・遺族は下座に座ります
血縁関係のない方の席順には決まりはありません。
上記の席順は通夜振る舞いでも同様ですので、覚えておくと良いでしょう。
故人の死を思い浮かべるような話題は避ける
精進落としは、亡くなってからあまり月日が経過していない段階で行われます。
そのため、遺族は心の整理がついていない可能性があります。
遺族のことを考え、故人の亡くなった原因や死に関する話は控えるのがマナーです。
故人との明るい思い出話をするように心がけましょう。
僧侶が辞退した場合は御膳代を渡す
精進落としの際は、故人を供養してくださった僧侶にも参加していただきます。
ただし、僧侶にも予定があり、参加を断られる可能性があります。
その場合は、御膳料として5000〜1万円程度お渡しします。
金銭は白い封筒に包み、表書きに御膳料と記載します。
僧侶に足を運んでいただいている場合は、お車代も忘れないよう渡しましょう。
所要時間
精進落としの所要時間は、1時間〜1時間半程度です。
喪主はキリのいいタイミングを見計らって、終了の挨拶をします。
参加者には食事だけでなく、お酒も振る舞われることがよく見られます。
故人の思い出話をすることはかまいませんが、くれぐれもお酒を飲んで気が緩まないよう注意しましょう。
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精進落とし以外の挨拶のタイミング
一般的に弔事の際の挨拶は、喪主か喪主の代理人が務めます。
そのため、精進落とし以外の挨拶についても把握しておかなければいけません。
お通夜や葬儀、告別式などの際、精進落とし以外の挨拶はどのタイミングで行われるのでしょうか。
ここでは精進落とし以外の挨拶について、例文を交えつつ解説していきます。
通夜が終わった時
通夜に参列していただいた方々に挨拶をします。
通夜が終了し、通夜振る舞いに移る前が挨拶のタイミングです。
挨拶では、式に参列していただいたことへの感謝や告別式の案内、結びの挨拶をします。
挨拶の参考例は以下の通りです。
本日はご多忙の中、〇〇の通夜にお越しいただき、誠にありがとうございました。
生前賜りました格別のご厚意に対し、厚くお礼申しあげます。
なお、明日の葬儀・告別式は〇〇時より執り行わさせていただきますので、何卒よろしくお願い申しあげます。
本日はありがとうございました。
告別式中や出棺の時
告別式の中盤、または出棺の際にも喪主による挨拶が行われます。
挨拶では、参列者へのお礼や故人が生前お世話になったことへの感謝、遺族とのこれからのご厚誼をお願いします。
挨拶のタイミングは葬儀の形式によって異なります。
そのため、事前に葬儀社に確認しておきましょう。
文例は以下をご覧ください。
本日はお忙しい中、〇〇の葬儀にご参列いただき、誠にありがとうございました。
皆様に温かく見守られ、さぞかし故人も喜んでいることと存じます。
生前、賜りました故人へのご厚情に対し、心よりお礼申しあげます。
残された私どもは未熟ではありますが、変わりなきご厚情を賜りますようお願いいたします。
本日はありがとうございました。
実際に挨拶をする場合には、故人の生前のエピソードを入れると、より参列者の心に伝わります。
通夜振る舞いの時
通夜振る舞いの際、喪主は開式の挨拶と閉式の挨拶を行います。
開式の挨拶は通夜が終わった時の挨拶に加えて、以下のように挨拶します。
ささやかではございますが、お食事を用意させていただきました。
お時間の許す限り、ゆっくりとお召し上がりいただきながらお過ごしいただきたいと存じます。
本日はありがとうございました。
閉式の挨拶は以下を参考にしてください。
本日はご参列いただき、誠にありがとうございました。
皆様のお陰で滞りなく通夜を終えることができました。
皆様には温かな励ましの言葉を頂戴し、遺族一同心より感謝申しあげます。
名残惜しくはございますが、お疲れの方もいらっしゃると思いますので、この辺りで終了させていただきます。
本日はありがとうございました。
精進落としの挨拶のまとめ
ここまで、精進落としの挨拶について解説してきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 精進落としは、本来区切りの食事という意味だった
- 現代では、精進落としは火葬の後に行うことが多い
- 挨拶は開始・献杯・終了のタイミングで行う
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
袴田 勝則(はかまだ かつのり)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
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