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多様化する葬儀形式のなかで注目されている一日葬は、葬儀を1日に集約するという特徴があります。この記事では、一日葬の準備や段取りから葬儀当日の流れ、一日葬の費用相場をご紹介します。一日葬のメリット、デメリットも説明しているので、葬儀形式を検討する際に役立ちます。ぜひ最後までご覧ください。
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。
さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。
一日葬は、通夜に儀式を省略して葬儀・告別式と火葬の1日に集約させる葬儀形式です。通夜に儀式をおこなう葬儀は2日かかりますが、通夜を省く一日葬は名前のとおり1日で葬儀が終了するため負担の軽減につながります。さらに、親族や身内のみが参列する家族葬のように参列者に対する制限はなく、会社関係者や近所の方など一般参列者が招かれる場合も多いのが一日葬の特徴です。また、親族を中心とした家族葬を一日で行う場合もあります。
一日葬の準備と段取りをご説明します。
医師が死亡の確認をしたら、死亡診断書(死体検案書)が発行されるため受け取ります。死亡診断書(死体検案書)はA3用紙で、左半分が死亡届になっています。死亡届は火葬許可証の取得など、自治体や葬儀後の手続きで使用するため、紛失に注意して大切に取扱いましょう。
ご遺体をそのままにしておくと腐敗が進んでしまうため、故人の死後はエンゼルケアと呼ばれる死後処置を施します。エンゼルケアでは、ご遺体を清めたり、体液などの流出を防ぐ処置をしたり、死化粧などが施されます。病院で亡くなった場合は、看護師がエンゼルケアをしますが、自宅などで亡くなった場合は葬儀社の担当者がおこなう場合もあります。ひと昔前のように葬儀サービスが確立していない時代では、ご家族がご遺体の処置をおこなっていました。その名ごりとして湯灌があり、現在は専門のスタッフが葬儀サービスの一環として、納棺とあわせてご遺族をリードしてくれることがあります。病院と葬儀社ではエンゼルケアの内容に差異がありますが、所要時間は1時間ほどになっています。
人が病院で亡くなると、自宅や葬儀社の安置施設などに搬送して最低24時間は安置します。日本の法律では死後24時間以内の火葬は禁じられており、病院では滞在できる時間が限られているためです。安置後は、仏式の葬儀を予定している場合は、故人の枕元で読経する枕経をしますが、近年では枕経は省略されることも増えています。また、安置施設の設備によっては枕経がおこなえない可能性もあるため、事前に搬送する安置施設の設備確認をおすすめします。ご逝去直後のデリケートな時間を過ごすタイミングですので、自宅以外に安置する際には、安置先がどのような環境なのか、また、安置の条件(納棺が必要など)による弊害がないかを、しっかりと確認した上で、後悔しない安置場所を選ぶようにしましょう。面会不可や即時の納棺が条件の場合は、故人を偲ぶ大切な時間を失うことに繋がります。
ご遺体の安置が終了すると、葬儀の打合せを葬儀社とします。打合せで一日葬を希望している旨を担当者に伝え、参列者の人数や予算、故人の宗教・宗派などによって適切な式場を選びます。葬儀式場の広さや設備は参列者数や予算にも影響するため、葬儀社に詳細を聞きながら家族と相談して希望をまとめていくことをおすすめします。その他にも葬儀当日の式次第や会食の有無などを打合せ、葬儀の内容を詳細に決めていきます。
葬儀社との打合せを終えて一日葬の内容が決定したら、葬儀に招く予定の親族や故人の友人知人、仕事関係の人に連絡をして訃報を知らせます。関係・縁者には基本的には電話で連絡し、葬儀形式、日時、式場の場所、喪主の名前と連絡先を伝えます。さらに、香典や供花などの取扱いについてやそれらを辞退する意向がある場合は、その旨を一緒に伝えるようにしましょう。
一日葬の当日の流れをご説明します。
ご遺体を清めて、死装束や死化粧で身なりを整えて棺に納める儀式を納棺と呼びます。葬儀社のプランには、ご遺体を清める方法が清潔な布で拭く清拭以外に、浴槽やシャワーなどで清める湯灌という方法もあります。さらに高度で近代的な衛生保全処置にエンバーミングがあります。故人を清潔に送り出したい、元気だった頃の姿に修復して故人の尊厳を守ってあげたいなど、双方の想いを大切にして送ることを希望する場合は、打合せの際に、ご遺体をケアする各処置について、葬儀社と相談することをおすすめします。また、棺にはご遺体だけでなく、思い出の品や手紙などの副葬品も一緒に納められますが、火葬場よっては禁じられている副葬品もあるため注意が必要です。
一日葬の葬儀・告別式の流れは一般的な葬儀と同様に、受付で参列者を出迎え、読経、弔辞・弔電の紹介、焼香と続きます。宗教者が退場すると、最後のお別れをして、出棺に先立ち喪主が参列者に向けて故人の思い出や参列の感謝を伝える挨拶をします。
葬儀式場から火葬場に移動するために、棺を霊柩車に運びます。喪主と一緒に火葬場に同行する遺族や親族は、霊柩車に後続するハイヤーやマイクロバスに乗車して移動します。一方、一般参列者は出棺が故人と最後のお別れになるため、棺に花などを手向けて霊柩車を見送り解散になります。一般参列者でも予めご遺族に火葬場同行の承諾を得ている場合には、同行して収骨を一緒にすることもあります。
火葬場に到着すると、職員に火葬許可証を提出して棺を火葬炉の前に運びます。炉前で読経や焼香をする納めの式が終了したら、棺が炉に入れられ火葬されます。炉前での読経や焼香がおこなえない火葬場もあるため、事前に確認するようにしてください。火葬が終了するまでの1時間〜2時間ほどは、待合ロビーや待合室で過ごします。火葬時間は火葬場ごとに異なり、早い所では約1時間ですが、遅い所では3時間近くを要する火葬場もあります。待機時間により火葬場での過ごし方も変わりますので、事情に精通している葬儀社と調整することが大切です。
火葬が終了すると、職員の案内にしたがって骨上げをおこないます。骨上げの作法は地域ごとに異なります。例えば、東日本ではすべての遺骨を骨壺に納める全収骨が一般的であるのに対して、西日本では部分収骨という一部の遺骨のみを骨壺に納めます。地域によって用意する骨壺の大きさも異なるため、不明点は葬儀社に確認しておきましょう。特に西日本地域では、大きな骨壺(収骨容器)をお墓に納骨する際に支障をきたす場合があります。
通常、故人の命日から7日目にする初七日法要ですが、後日再び参列する負担を軽減するために近年では葬儀と同日におこなう場合が増えています。火葬後にする初七日法要を繰り上げ初七日法要といい、骨上げ後に会場に移動して読経や焼香、精進落としなどの会食をおこないます。また、繰上げについては宗教者や葬儀社とも相談して、火葬前の告別式のあと(葬儀式中)や、火葬の待ち時間におこなうなどさまざまです。
一日葬の費用相場は40万〜150万円ほどです。金額に幅が生じる理由は、式場が自宅かそれ以外かで金額差が生じやすいこと、祭壇・棺などの葬具のグレード・その他の希望によって大きく金額が変わってくることが主な要因です。通夜もおこなう葬儀の相場は208万円のため、一般的な葬儀よりも一日葬は費用を抑えやすい傾向にあります。ただし、葬儀社が提案している一日葬のプランの料金が安すぎる場合は注意が必要です。相場よりも安い金額の場合、必要な内容が含まれてなく葬儀後に大幅な追加料金を請求される可能性があります。一日葬を依頼する場合は見えている広告料金だけで選ばず、プラン内容を確認して式場や火葬場の料金を含めた総額費用で検討するようにしましょう。
火葬許可証については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
葬儀自体にかかる費用は以下のとおりです。
費用相場は40万〜100万円ほどで、棺や祭壇の種類で金額が増減します。
しかし、一日葬をする際の必須項目でもあるため、葬儀自体にかかる費用の大きな削減は難しいでしょう。
一日葬の施設使用料には、葬儀・告別式をする式場の利用料金と火葬場の利用料金が該当します。式場には葬儀社が所有しているセレモニーホールの他に寺院、集会場などがあり費用相場は2万〜50万円ほどです。自宅で一日葬ができる場合は式場使用料を無料にできます。
一方、火葬場の利用料金は公営と民営で異なります。公営火葬場の費用相場は無料〜5万円ほど、民営火葬場は10万〜20万円ほどです。公営火葬場は料金が安価ですが、該当の自治体に故人の住民票があるなどの条件があり、民営火葬場は公営よりも料金が高い分、条件が緩く設備が充実しているという特徴があります。
一日葬の参列者をもてなす費用には、参列の感謝を伝える会葬礼状と会葬御礼品、香典返し、精進落としの会食などの費用があります。会葬礼状の印刷費用は、参列者数によりますが8,000円〜1万円ほどです。会葬御礼は800円〜1,000円ほどのお茶やハンカチなどの品物を参列者の人数分用意します。香典返しは、いただいた金額の3分の1から半額程度で準備して、四十九日法要終了後の1ヵ月後を目安に送ります。精進落としの会食の費用相場は、1人あたり4,000円〜6,000円です。参列者の接待にかかる費用は参列者数に左右され、参列者の人数が多いと高額になりやすい項目ですが、その分だけ香典収入も見込めるため相互扶助が働き実質負担が軽減されます。
寺院・僧侶(宗教者)の費用には、戒名代と読経代を包んだ御布施と宗教者の交通費の御車代、御膳料があります。仏式の葬儀では御布施で用意しますが、神式では神饌料、キリスト式では献金として包みます。戒名料の相場は宗派と戒名の種類によって異なるため、30万円ほどの場合もあれば100万円を超える場合などさまざまです。読経料の相場は1座10万円です。一日葬の読経葬儀・告別式と希望により火葬前に炉前読経をおこなってもらいます。御車代は、5,000円や1万円などキリがよい数字を包みます。御膳料も同金額を包むことが多いですが、宗教者によっては別途のお気遣いを不要とする場合もあります。
読経や焼香については、以下の記事でも紹介していますのでご参考ください。
一日葬のメリットには、費用を抑えられる点と一日で葬儀を集約できる点にあります。以下で詳しく説明します。
一日葬は通夜をしないため、通夜の際に必要な経費を削減できます。例えば、飲食費用や返礼品の費用が抑えられるでしょう。2日間にわたっておこなう一般的な葬儀では200万円以上かかる可能性もある葬儀費用ですが、一日葬は葬儀の規模次第で一般的な葬儀よりも額面的には費用を抑えられます。
通夜をする一般的な葬儀の場合、葬儀・告別式同様に参列者の出迎え、会葬御礼の準備や会食時の対応が必要ですが、一日葬ではそれらの負担が軽減できます。さらに、遺族側だけでなく、参列者の負担も軽減されます。参列者が遠方から訪れる場合、通夜と葬儀・告別式をすると2日間にわたるため宿泊先の手配が必要になります。しかし、1日で葬儀が終了する一日葬であれば、日帰りで済むため参列しやすくなります。拘束時間も短くなるため、心身の負担が軽減されます。一日葬は、喪家と参列者の両方の負担を軽減できる葬儀形式です。
一日葬を検討する際は、デメリットも把握しておきましょう。以下で項目ごとに説明します。
一般的な葬儀では、納棺の儀式は通夜の前におこないます。しかし、通夜を省く一日葬では告別式の前に納棺をするなど一般葬より時間の余裕がなく、全体的に忙しくなる傾向があります。1日で葬儀が終了する分、段取りよく進行しないと全体的にせわしなくなってしまうので、葬儀社との密な打合せ・連携が大切です。
故人と最後の夜が過ごせない可能性が生じます。通夜とは文字通り夜を通して故人の傍らに付き添い、近い人が代わるがわる寝ずの番をして、線香の火を絶やさないようにします。この時が、ゆっくりと故人と向き合う貴重な機会なのですが、その偲ぶ時間を意図せず省いてしまう形になりやすいのが一日葬なのです。
一日葬は、昼頃に開始して告別式と火葬までおこなう流れが大半です。そのため、日中に都合がつけられない人は参列が難しくなります。働き世代の方々は、仕事が終わる通夜の時間帯であれば弔問の都合が付きやすいですが、日中となるとほぼ参列が難しくなるでしょう。
一般的な葬儀であれば、日中の告別式に参列できなくても前日の夜におこなわれる通夜に参列して故人とお別れする選択肢があります。しかし、一日葬は告別式でのお別れのみになってしまうため、参列できなかった人へは後日弔問の機会を設けることをおすすめします。ただし、弔問に訪れる人が多すぎると対応に追われて負担になる可能性があるため、案内は慎重におこないましょう。
宗教・宗派によって通夜におこなう宗教儀式の流れが決まっていますが、通夜をしない一日葬はそれらの儀式を端折ることになります。そのため、宗教儀式を重んじる親族や菩提寺から、故人がいたたまれず成仏できないと感じる可能性があります。特に菩提寺の理解を得られないと、遺骨の受け入れを拒否され、お墓に入れないなどの事例もあります。葬儀後に無用な問題が発生しないよう、事前に親族や菩提寺の了承・納得を得てから一日葬をおこなうことをおすすめします。
一日葬では斎場の利用日数は1日だけですが、2日分の利用料が必要になる場合があります。例えば、葬儀当日の準備のために前日から利用したり、ご遺体を前日に運び入れたりする場合です。一日葬は、通夜の式場利用料の軽減も利点の一つですが、斎場によっては2日分の使用料がセットとして必要になるため想定よりも費用が高額になる可能性があります。予算内の費用で済ますには、斎場の使用料を含めた総額の確認が重要です。
一日葬をおこなう際の注意点をご紹介します。
一日葬でも、告別式や出棺前には喪主の挨拶が必要になります。参列への感謝や生前の故人への厚意に対する感謝を伝えるために、挨拶文を事前に用意しておきましょう。挨拶文を作成する際は忌み言葉や重ね言葉を避け、長くなりすぎないように3分程度に収めます。自力で作成するのが大変な場合は、葬儀社の担当者に相談すると作成を手伝ってくれます。
葬儀場の設備によっては、告別式の前日から仮眠して安置中の故人と最後の夜を過ごせます。しかし、仮眠が可能な葬儀場であっても、人数に合わせた寝具の手配が必要な場合もあります。入浴の設備の有無や、仮眠部屋が和室か洋室かなど設備により過ごしやすさが変わってくるため、事前に施設を確認するようにしましょう。
一日葬では、故人の思い出を語りながら会食する通夜振る舞いの席がありません。葬儀式を終えてから精進落としの席を設けるか調整するようになります。また、繰り上げ初七日法要をする場合は、その後に精進落としの席を用意するようになります。会食の席を用意する際は、参列者のアレルギーなどにも可能な範囲で考慮した食事への配慮を心がけましょう。
故人との関わりが深くても、仕事の都合で一日葬に参列できない方もいます。そのような場合は、葬儀が終了した後に「お線香をあげたい、お墓参りをしたい」などの問合せがあることが想定されます。弔問を希望する人が多いと、その対応に追われて葬儀後に落ち着ける時間が少なくなるでしょう。また、近所付き合いの多い地方地域では、一日葬に参列できなかった人から不平が出やすくなることもあります。故人の交友関係が広い場合は、お通夜をしない一日葬ではなく一般葬や家族葬の検討をおすすめします。
ここまで一日葬の流れや費用、メリットやデメリットを中心にお伝えしてきました。
葬儀を1日に集約する一日葬はメリットも大きいですが、検討する際にはデメリットや注意点も把握しておく必要があります。一日葬の重要なポイントは以下になります。
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