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法事法要

お盆の棚はどのように飾る?飾るタイミングや片付け方も説明

更新日:2022.05.17

お盆

お盆の精霊棚

記事のポイントを先取り!

  • お盆の際には精霊棚を準備する
  • 精霊棚に霊供膳や精霊馬を飾る
  • 精霊棚は宗派によって違う

お盆の時期、祭壇のような棚にお供え物が飾ってあるのを見たことがありませんか?
お盆の棚の正式な飾り方や、何をお供えするのかをご存知でしょうか。

今回はお盆の棚の作り方や飾り方、お供え物の詳細についてお伝えします。
また、お盆の棚の飾り付けと片付けのタイミングや宗派ごとに異なる初盆の棚についてもご説明します。

ぜひ最後までご覧ください。

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  1. お盆の棚とは
  2. お盆の棚には何を飾る?
  3. お盆の棚の飾り方
  4. お盆の棚の片付け方
  5. 初盆での飾り方について
  6. お盆の棚まとめ
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お盆の棚とは

お盆の時期に作る特別な棚のことを、精霊棚(しょうりょうだな)盆棚(ぼんだな)といいます。
精霊棚の精霊とはご先祖様や故人の霊を意味します。

精霊棚はご先祖様の霊を迎えるための棚で、お盆期間中は魂が留まるとされています。
また、ご先祖様にお供えする品物や飾り物も置く大切な棚です。

お盆の棚には2つの形状があります。
棚を2~3段作る階段のような祭壇タイプと、1段の棚の四隅に青竹の支柱を立てる平面タイプです。

お盆の棚を作る場所に特に決まりはありませんが、仏壇の前や脇などが多いようです。
床の間に棚を作る場合もあり、その家の慣習によってさまざまです。

お盆の棚を作るスペースがない場合は仏壇のスライド式の棚を利用します。
もしくは経机(きょうづくえ)なども活用して作れます。

経机は横幅が40~80cmで奥行きが25~40cm、高さ20~30cm位の小さな机です。
香炉やりんを置いて普段使いもできます。

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お盆の棚には何を飾る?

ノートパソコンをもって紹介ているビジネスウーマン

お盆の棚にはどんなものを飾るのでしょうか?
地域や宗派によって異なる点もありますが、基本の飾り物やお供え物は以下のようなものになります。

ご先祖様の位牌

お盆の棚を飾っている期間は、位牌を仏壇から棚へ移動させます。

位牌は一番右側に古い位牌を置くようにしましょう。
新しい位牌ほど左側にくるように置きます。

盆提灯

盆提灯には吊るすタイプの御所提灯と、床に置くタイプの大内行灯の2種類があります。

宗派によっての決まりはないため、棚のスペースや好みのデザインで決めても問題ありません。
盆提灯はお盆の棚の両脇に置くようにしましょう。

盆提灯は基本的に二対一台で準備しますが、二対一台にこだわらず、単品の提灯でも問題ありません

初盆のときのみ白提灯を1つ用意しておきます。

まこものゴザやまこも縄

お盆の棚の上にはまこものゴザを敷き、その上にお供え物を置くようにします。

まこもとは神社の神事や祭事で昔から使われてきた植物のことです。
干して編んだものをゴザにします。

まこも縄は、干したまこもを依って作るしめ縄のようなものです。
平面タイプの棚を作る際、上部にまこも縄を張ってほおずきや昆布を挟んでお供えします。

まこも縄を張ることで結界を作るという意味合いがあります。

笹竹

支柱タイプの棚の四隅に立てる葉付きの笹竹です。

四隅に立てたら上部にまこも縄を張ります。

香炉

お盆には僧侶を迎えてお経をあげてもらう場合もあります。
お盆の棚の前であげてもらうため、棚経と呼ばれています。

棚経の際は参列者が焼香するため焼香用の香炉が必要です。
また、線香用の香炉も別途必要ですが、こちらは仏壇で使用していたものを使ってもOKです。

お線香

仏壇でもお墓参りでも線香はお参りに欠かせないアイテムです。

仏教の教えでは、故人が亡くなった後は香りを食べるとされています。
良い香りの線香をお供えしましょう。

精霊馬・精霊牛

精霊馬や精霊牛はキュウリやナスで作るお盆の飾り物です。

ご先祖様に早く戻ってきてほしいという願いを込めて精霊馬を作ります。
精霊牛はゆっくりとこの世を惜しみながら帰ってほしいという願いが込められています。

キュウリとナス、それぞれ割りばしで脚部分をさし込んで作るのが一般的です。
まこもを折って作る場合もあります。

精霊馬・精霊牛についての詳しい知識は、「お盆になすときゅうりをお供えする理由とは?飾り方や作り方も紹介」をご覧ください。

生花

お花は提灯同様に二対で左右対称になるように用意します。
基本は3・5・7本など奇数の本数で揃えるようにします。

お盆に咲く花として桔梗やリンドウ、ハギなどがあります。

初盆に招かれた際は白い花を持っていくようにしましょう。

水の子

水の子とは、キュウリやナスをさいの目に切り、洗ったお米と混ぜたものです。
水を張った器に蓮の葉を浮かべ、その上に盛り付けします。

ご先祖様はお盆に帰ってこられるとき、無縁仏や餓鬼も連れて来るとされています。
餓鬼はいつでもお腹を空かせていて、常に喉が渇いているとされています。

そのため野菜を小さく切ってお供えするようになったのが始まりです。

ミソハギ

ミソハギとはお盆時期に咲く花のことです。
盆花精霊花とも呼ばれています。
茎の先端に、フリル状で紫色の小さな花が密集して咲きます。

ミソハギは禊(みそぎ)という儀式で使われていた花です。
禊とは神道の言葉で穢れを払う儀式のことです。

お盆のお供え物や玄関のお浄めにも使われます。

閼伽水(あかすい)

閼伽水とはお浄めした水のことです。
器に蓮の葉を入れて水道水を注ぎ、ミソハギの花を5~6本浮かべて作ります。

水の子などお供え物に振りかけてお浄めするのに使用します。

ほおずき

ほおずきをお供えするかという理由には、いくつかの説があります。
農作物が不作だった際の棚の色どりにするためという説や、霊を迎えるための灯の代わりといった説です。

また、ほおずきはまこも縄に吊り下げてお供えします。
お盆の起源である盂蘭盆会(うらぼんえ)の意味が逆さ吊りのためという説もあります。

昆布

昆布は家が細く永く続くようにという願いを込めてお供えされます。

ほおずきと同様にまこも縄に吊り下げてお供えします。

素麺

祖霊が帰ってくる際の馬の手綱として素麺がお供えされます。

束ねた乾麺をお供えする地域と、素麺を茹でてお汁に入れたものをお供えする地域があるようです。

旬の野菜・果物

旬の野菜は、ご先祖様へ収穫した野菜の感謝の意味を込めて供えられます。

果物をお供えする場合は丸いものが良いとされています。
丸いもの=円を表し、円=縁とされ、ご先祖様との縁をつなぐという意味となります。
お盆の時期であればスイカやメロン、桃などがおすすめです。

ただし、お盆期間中は棚にお供えし続けるため、日持ちする果物を選びましょう。

霊供膳(れいぐぜん)

ご先祖様に家族と同じものを食べていただくためにお供えする御膳です。

お供え専用の小さな御膳に一汁三菜の精進料理をのせてお供えします。
宗派によってお皿やお椀の位置が異なるため注意しましょう。

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お盆の棚の飾り方

お盆の棚の飾り方についてご説明します。
祭壇タイプと平面タイプに分けてお伝えします。

祭壇タイプでの飾り方

祭壇タイプは3段くらいの棚で作ります。
一般的には祭壇の手前に経机という小さな机を置くことが多いようです。

祭壇の上段・中段・下段に分けてご説明します。

上段

上段の真ん中にはご先祖様の位牌を置きます。
位牌は新しいものが一番左側にくるように置きましょう。

位牌と一緒に茶湯器(さゆき・さとうき)を置く場合もあります。
茶湯器とは蓋付きの湯のみのような器で、お茶や水を入れてお供えするものです。
茶湯器を用意する場合は位牌の数と同じ数を準備します。

また、地域によっては上段の両脇に段盛(だんもり)を置くところもあります。
段盛は3~4段の丸板がついたラックのような棚です。
お菓子などを入れてお供えします。

中段

中段の真ん中には霊供膳(れいぐぜん)をお供えします。

霊供膳の横には高坏(たかつき)という脚の付いたお皿にのせた果物を置きます。
反対側には、同じく高坏にのせたお菓子などを置きます。

手前には精霊馬や精霊牛、水の子などをお供えします。

下段

下段の真ん中にはお線香用の香炉を置きます。
香炉の両脇にロウソクと燭台、さらに両脇には花瓶を置いて花を生けます。

祭壇の下段前に経机を置きます。
机の中央に焼香用の香炉を置き、右側にりんりん棒を置きます。
左側にはお線香と経典を置いておきます。

平面タイプでの飾り方

平面タイプは棚が1段のため、奥行きのある飾り方になります。

お盆棚の作り方

  1. 1枚の棚の上にまこものゴザを敷く
  2. 四隅に葉の付いた笹竹を支柱として立てる
  3. 笹竹の上部にまこも縄を張り、ほおずきや昆布などを網目に挟む

お供え物の供え方

棚の一番奥、中央部分に位牌を置きます。
その手前に霊供膳を置き、両脇に果物や野菜を供えます。

棚の一番手前には香炉やりん・りん棒を置いてお参りしやすいようにします。
精霊馬や精霊牛、水の子なども手前の両脇あたりに飾ります。

提灯の飾り方

盆提灯は二対一台が基本となっています。
お盆の棚の両脇に左右対称になるよう置きます。

提灯には家紋が入っているものもあります。
家紋入り以外にも提灯があるときは、家紋入りを一番奥に置きます。
その手前に絵柄入りの提灯を置くようにしましょう。

盆提灯には床に置いて回転するタイプがありますが、回転式は絵柄入り提灯よりもさらに手前に置きます。

お供えする花や仏具も左右対称となることからもわかるように、仏教では二対でセットのものが多くあります。
なぜかというと仏教の教えで「中道(ちゅうどう)」があるからです。
中道とは1つの事柄にこだわり、偏ることは避けて中間の道を進むべきという教えです。

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お盆の棚の片付け方

お盆の棚は8月16日(新の盆の場合は7月16日)の夕方以降に片付けます。
片付ける際のポイントについてお伝えします。

繰り返し使えるもの

お盆の棚に飾りつけしたお供え物の中には繰り返し使えるものがあります。
盆提灯やまこものゴザ、まこも縄などは汚れをしっかりと落として乾かし、箱に入れておきましょう。

きちんと汚れを落とすことで数年は使えます。
できれば、乾燥材や防虫剤なども一緒に入れておくと安心です。

汚れを拭き取るときは薬品付きだと変色の恐れがあります。
柔らかいクロスで傷つけないよう、水拭きするのがおすすめです。

いただくもの

果物やお菓子など、食べられるお供え物は家族でいただくのが良いとされています。
仏様のお下がりといわれており、食べ物を粗末にしないという仏教の教えに沿ったものです。

素麺も乾麺でお供えする地域は茹でて食べられますし、食べきれないものは来客に持ち帰ってもらってもOKです。

処分するもの

野菜で作った精霊馬や精霊牛、また送り火で残ったオガラの灰などは処分が必要です。
昔は川に流して処分していたようですが、現在は難しいでしょう。

庭などがあれば埋めてもいいですが、処分できない場合は一般ごみとして廃棄も可能です。

廃棄する際は塩を振りかけてお浄めした後、白い紙に包んで捨てましょう。

提灯は基本的に使いまわしができますが、初盆で用意する白提灯はその年限りで廃棄します。
送り火と一緒に燃やすやり方が正式なようですが、菩提寺でお焚き上げしてもらってもいいでしょう。

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初盆での飾り方について

初盆は通常のお盆とは異なる点がいくつかありますのでお伝えします。

お盆と初盆での違い

初盆は故人が亡くなってから初めて迎えるお盆のことです。
正確にいうと四十九日の忌明け後に初めて迎えるお盆が初盆になります。
忌明け前にお盆を迎えた場合の初盆は翌年となるので注意してください。

初盆はご先祖様が初めて家に帰ってこられるので、迷わないように白提灯を窓際に吊るします。
白提灯は初盆のみ用意する特別な提灯です。

また、初めてのお盆ということで僧侶を迎えて読経をあげてもらって法要します。
親しい親族や知人を呼んで法要の後は会食なども行います。

法要を行うため、僧侶へのお布施の用意が必要です。
参列者からは香典をいただくので香典返しの準備もしておきます。

初盆以降の通常のお盆は、白提灯や法要がないというだけで飾り物などは基本的に変わりません。
初盆以降は祭壇ではなく、簡易的な盆棚にする家などはあるようです。

初盆に使う白提灯とは

どの宗派でも、初盆に白提灯をお供えするのは共通のことのようです。
初盆に白提灯をお供えするのは、初めてのお盆で故人が迷わずに帰ってこられるようにという願いからです。

地域によっては白提灯に故人の戒名や経文を書くためという理由もあります。

昔は初盆の場合、親族が白提灯を送るのが一般的だったようです。
しかし、近年は住宅事情などから御提灯代として金銭を渡すことが増えています。

その場合は遺族が白提灯を用意します。
お盆時期は混みあうため、2か月ほど前から依頼しておくことをおすすめします。

盆提灯は二対一台が基本ですが、白提灯は単体で用意します。
白提灯は窓際の目立つ位置に吊り下げましょう。

宗教によるお盆棚の違い

宗派によって初盆の棚に違いがあります。

浄土真宗

浄土真宗は、そもそもお盆供養や飾りつけをしません。
亡くなった方は即仏様になるとされており、霊という概念がないからです。

お盆だからといって特別な飾りつけはしませんが、法話会などは開かれています。
浄土真宗でもお盆は提灯を供えることが多いようです。

他の宗派と同様に、初盆には白提灯を用意してお供えします。

曹洞宗

曹洞宗は仏壇の前にお盆の棚を作ります。
お盆の棚に白い布を被せるのが曹洞宗の特徴です。

棚の飾り方は基本的なものと変わりませんが、オガラで作った梯子を盆棚と床にかけるのは特徴的です。
梯子の段数は7段か13段と決められています。

また、霊供膳にはお箸をつけてお供えしますが、箸は仏様側に置くようにします。

日蓮宗

日蓮宗もお盆の棚は仏壇の前に作ります。

最上段の中央には日蓮大聖人像を置き、一番奥に曼荼羅(まんだら)を飾ります。
奥の両脇に青竹を立てるのが特徴です。

真言宗

真言宗では家族と同じものを、すぐ食べられる状態にしてお供えするのが特徴です。

精進料理を箸と一緒にお供えしたり、果物も皮をむいて小さく切り、フォークなどを添えてお供えします。

神道

神式のお盆は、初盆祭新御霊祭(あらみたままつり)という名称で儀式を行います。
仏式と同様に、神式でも初盆は特別なものとなります。

御霊が残された家族を守護してくれるように儀式を行います。
宮司を迎えて祝詞奏上を行い、玉串奉奠(たまぐしほうてん)をします。

祭壇は基本的に仏式とほとんど変わらないようです。
祭壇を北向きに置かないことと、お供え物として日本酒や海の幸、塩を置くのが特徴です。

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お盆の棚まとめ

ここまで、お盆の棚の情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りになります。

  • お盆に作る棚のことを精霊棚や盆棚という
  • お盆の棚に飾るものは位牌や霊供膳など基本的なものは決まっている
  • 初盆のお供え物は宗派によって多少異なるが、白提灯を用意するのは共通

これらの情報が少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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監修者

評価員(はかまだ)

袴田 勝則(はかまだ かつのり)

厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター

経歴

業界経歴25年以上。当初、大学新卒での業界就職が珍しい中、葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから皇族関係、歴代首相などの要人、数千人規模の社葬までを経験。さらに、大手霊園墓地の管理事務所にも従事し、お墓に納骨を行うご遺族を現場でサポートするなど、ご遺族に寄り添う心とお墓に関する知識をあわせ持つ。

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