法事法要
霊祭では何をするの?霊祭の過ごし方や祭祀料の相場などを紹介
更新日:2022.11.17 公開日:2022.06.09
神道を信仰している場合、仏教でいう回忌法要の代わりに霊祭という儀式を行います。
日本での葬儀は九割が仏式で行われるため、霊祭がどのようなものか分からない方が多いと思います。
そこでこの記事では、霊祭について詳しく説明していきます。
霊祭のやり方や種類など、霊祭を開催するうえで必要なことに触れていきます。
神道においてのお盆やお彼岸の過ごし方についても解説していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
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霊祭とは
霊祭とは神式で葬儀を執り行った場合に行われる忌日法要のことで、仏教においては四十九日などと同様の儀式になります。
家を守る神様となったご先祖様を祀る行事で、追悼の儀式でもあります。
神道では仏教の法要にあたる追悼儀式のことを霊祭または式年祭と呼び、故人の死後100日までの儀式を霊祭、一年目以降の年忌法要を式年祭といいます。
仏教の法要はお寺で行うこともありますが、霊祭は自宅や墓前で行うのが決まりとなっています。
式年祭の中でも、仏教の一周忌にあたる一年祭は重要なもので、大規模な祭祀になることが一般的です。
また、葬儀以外でも各神社が一定の期間ごとに開催する祭祀のことも式年祭と呼ばれます。
有名な伊勢神宮の式年遷宮や諏訪大社の御柱祭も、式年祭に該当します。
霊祭の種類
霊祭には、十日祭・二十日祭・三十日祭・四十日祭・五十日祭・合祀祭・百日祭があります。
各霊祭を、仏教の法要と照らし合わせながら解説していきます。
翌日祭
故人が亡くなった翌日に葬儀が無事に終了したことを報告する儀式です。
仏教の位牌にあたる霊璽(れいじ)やお墓の前で行います。
以前は親族などが集まって開催されていましたが、近年は遺族のみで行うのが一般的です。
十日祭~四十日祭
十日祭は故人の命日から数えて10日後に行われる、仏教の初七日にあたる儀式です。
十日祭では遺族だけでなく親族や知人なども参加してもらい、神職を招いて祝詞の奏上を行います。
このとき、親族や知人は仏教の焼香に該当する玉串奉奠(たまぐしほうてん)をします。
玉串奉奠は玉串を神前に捧げ礼拝をする儀式です。
その後、献杯や会食を行い故人を偲び、遺族は参列者にお返しを渡します。
これ以降の二十日祭から四十日祭までは、参列者は呼ばずに遺族だけで行います。
五十日祭
五十日祭は仏教における四十九日にあたり、故人の冥福を祈り喪に服す期間を終える忌明けとなります。
そのため、霊祭の中でも特に重要な祭祀となります。
親族や知人を招き行われることが多く、神職に祝詞の奏上をしてもらいます。
一般的にはこのタイミングで納骨をします。
合祀祭
合祀祭は五十日祭の翌日に行われ「清祓いの儀」によって、忌明けのお祓いとお清めをします。
故人の霊璽を仮の霊舎から、仏教の仏壇にあたる祖霊舎に移し、先祖の霊と合祀する儀式を行います。
神道では祖先の霊は守り神であるため、この儀式により故人も守り神となります。
合祀祭は本来は五十日祭の翌日に行うものですが、近年では五十日祭と同時に開催されることが多くなっています。
百日祭
故人の命日から100日後に行われる祭祀で、仏教における百箇日(ひゃっかにち)にあたります。
正式には神職や親族などを招いて行われるものですが、身内だけで供養し儀式を行わない場合もあります。
また、合祀祭と合わせて行うこともあるので、どのような形式で行うかは各家庭の事情によって異なります。
式年祭
式年祭は仏教の年忌法要に当たります。
- 一年祭
- 三年祭
- 五年祭
- 十年祭
と開催され、十年祭以降は10年ごとに開かれます。
満50年の五十年祭が最後の式年祭で、供養を終了する弔い上げとなります。
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霊祭のやり方
ここでは霊祭の内容や当日にどのような流れで霊祭を行うのかを説明していきます。
霊祭の内容
霊祭は仏式の法要のことです。
霊祭を行う日は斎日(いみび)と呼ばれています。
仏教の法要は49日かけて故人の霊を極楽浄土に送りだす儀式なのに対して、霊祭は五十日祭を通じて自宅の祖霊舎に守り神として迎え入れる儀式となります。
霊祭は神社で行われることはほとんどなく、自宅やお墓で行われます。
神社は祝福や厄払いのための祭りを行う場所であり、穢れである死に関する行事は神様がおられる神社では開催できないためです。
五十日祭の流れ
ここでは霊祭の中で最も盛大に行われる五十日祭を例に、霊祭の流れを具体的に説明していきます。
献饌(けんせん)
献饌は祭壇やお墓の前にお供えすることで、故人の好きだったものなどの他に、酒・塩・米・海産物などをお供えします。
参列者はお供え物を持参するほかに、近年は御供物料として現金を渡すこともあるようです。
祝詞奏上
神職により祝詞が奏上されます。
神式の葬礼では必ず祝詞奏上が行われます。
玉串奉奠
榊の枝に紙でできた紙垂(しで)を結び付けた玉串を祭壇に捧げる儀礼で、神式の祭祀には欠かせない儀礼となっています。
葬礼の場で行われる玉串奉奠は、仏教の焼香にあたります。
一般的に喪主・遺族・親族・知人という順番で玉串を捧げます。
玉串を捧げたあとは二礼・二拍手・一礼をしますが、この回数は地域によって異なる場合があるので注意しましょう。
直会(なおらい)
祭祀が終わると神に捧げられたお供え物である神饌(しんせん)を祭壇からおろし、参列者全員でいただきます。
神饌をいただくことで、神霊の力を分け合い、尊い存在と結びつきを強める意味があります。
また、参列者が故人のことを偲び思い出を語る場でもあります。
以上が五十日祭の当日の流れになります。
スポンサーリンク霊祭の各種作法
霊祭で行う各儀式にも具体的な作法があります。
ここでは手水と玉串奉奠のやり方を順番に説明します。
手水(ちょうず)のやり方
手水とは、神社にある手水舎で口や手をすすぐことで心身を清めることで、神社でお参りをする際は最初に行うべき作法です。
やり方は以下の通りです。
- 右手で柄杓をもって水をすくい、左手に水をかけます。
- 左手に柄杓を持ち替えて右手にも水をかけます。
- 再び右手に柄杓を持ち替え、左手に水を注ぎ口を清めます。
- 口を清めるために使った左手に、水をかけて清めます。
- 柄杓の椀を上にして柄杓の柄に水を流して清め、柄杓を元の位置に戻します。
玉串法要のやり方
神道の儀式では必ず行われる最も重要な儀式が玉串奉奠です。
奉奠には「つつしんでお供えする」という意味があり、玉串奉奠は「神様に玉串をつつしんでお供えする」という意味になります。
- 遺族と神職に一礼し、玉串の根元が右手側に来るように受け取り、左手で支え持ち玉串案(玉串を捧げる場所)の前に進みます。
- 玉串案の前で一礼し、玉串の根元が手前に来るように時計回りに180度回転させ、玉串の根元が手前に来るようにして、玉串を玉串案に捧げます。
- 一歩後退し、深く二礼、2回柏手を打ち、最後に深く一礼します。
- 二歩ほど後退し、神職と遺族に一礼して席に戻ります。
玉串奉奠は神式の儀式において、葬礼以外でもよく行われる儀式になります。
そのため、参加する機会も多いでしょうから覚えておいて損はないと思います。
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霊祭の祭祀料はいくら包む?
祭祀料とは霊祭を執り行ってくれた神職に渡すお礼のお金のことです。
仏教のお布施に相当するものになります。
ここでは祭祀料の相場やマナーなどを解説します。
お礼の相場
五十日祭の相場は3~5万円程度とされています。
祭祀の金額は神社によって決まっているところとそうでないところがあるので、いくら包めばいいか分からない場合は神社に問い合わせてみると良いでしょう。
金額が決まっていない場合でも、大体の相場は教えてくれるでしょう。
お礼の表書き
神職へのお礼は、喪家への表書きと同じく「御玉串料」を用います。
もし、喪家と神職を区別したい場合は、「御祭祀料」や「御初穂料」を使用すると良いでしょう。
謝礼を入れる封筒は白黒の結び切りの水引がかかった不祝儀袋を使います。
不祝儀袋のほかに奉書紙を使用した、無地の白い封筒を用いる場合もあります。
表書きの文字は喪家への表書きと違い、薄墨でなく濃い墨で書くようにしましょう。
お礼の渡し方
祭祀料を渡すタイミングとしては、祭祀が終わった後がいいでしょう。
神職に感謝の言葉を述べた後に渡しましょう。
この時、直接手渡しするのではなく、袱紗または切手盆に乗せて渡すのが正式な作法となります。
霊祭の服装
神式の葬礼には神道特有の服装に関するマナーはありません。
そのため、五十日祭であれば四十九日と同等の喪服で問題ありません。
ただし主催者側は参列者と比べて格式高い服装であることが求められるため、正喪服を着用することが正式な作法となります。
しかし実際は、主催者側も準喪服を着用することが多いようです
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参列者のマナー
参列者側にも覚えておくべきマナーがあります。
お供え物
神式のお供え物は「神饌物」といい、神饌をお供えすることを献饌といいます。
神饌は主に食べ物をお供えすることになっており、米や酒、塩、魚などが選ばれます。
参列者としてお供え物を持っていく場合は、季節に合わせて餅やお菓子など日持ちがいい物を持っていくと良いでしょう。
神饌に禁止されているものはないので何をお供え物に選んでも問題ありませんが、神道では葬礼で花を飾る風習はないので、花はおすすめできません。
また、仏教で用いられる線香をお供えすることはタブーとなります。
お供え物の熨斗は神式でも仏式と同様で、弔事用の白黒5本の結び切りのものを用います。
表書きは「御供」や「奉献」「奉納」と書くのが一般的です。
熨斗の下には送り主のフルネームを書き、誰が送ったのか一目でわかるようにしましょう。
香典
香典の相場は、友人や知人として招かれた場合は5000円から1万円になります。
お金を入れる不祝儀袋には白黒の結び切りのものを選びましょう。
表書きは「御神前」や「御玉串料」「御榊料」と書きましょう。
「御霊前」は神式や仏式問わず使用できる表書きですが、あらかじめ神式と分かっている場合には「御神前」などを用いるのがふさわしいでしょう。
服装
参列者の服装に神道特有のマナーはありません。
五十日祭であれば四十九日と同等の服装で問題ありません。
神道ではお盆法要や彼岸法要はどうするの?
仏教の行事だと考えられがちなお盆やお彼岸ですが、神道でも仏教と同じくお盆やお彼岸を迎えます。
ここでは、神道においてどのようにお盆やお彼岸を過ごすのかを解説していきます。
神道におけるお盆の過ごし方
仏教の盂蘭盆という言葉から、お盆は仏教から始まったと思う方は多いと思います。
ただ、実際は仏教の先祖供養と、神道の祖先崇拝が合わさったものが、現在日本で行われているお盆になります。
そのため、お盆は仏教の行事と明確に区別できるものではなく、仏教と神道が合わさった日本独自の文化だと言えるでしょう。
このように、お盆は神道の祖先崇拝の側面も持ち合わせるため、神道でも行われる行事になっています。
神道のお盆の過ごし方はあまり仏教と違いはありません。
まず、お盆を迎える前に祖霊舎やお墓を掃除しておき、仏教の精霊棚のような神道の祭壇を用意します。
祭壇は祖霊舎の前に設置し、榊と燭台を左右に飾り、お供え物として酒や塩、海の幸、お菓子などを用意します。
これらの準備ができたら仏教と同じように、お盆の初日の夕方に迎え火を焚き祖先の礼を迎えます。
お盆の中日には、家族で墓参りをしたり神職に祝詞をあげてもらったりして過ごし、最終日には送り火で送り出します。
このように、細部や使う道具などに若干の違いはありますが、ほとんど仏教と同じようにお盆を過ごします。
神道における彼岸の過ごし方
日本のお彼岸ではお墓参りをするのが一般的ですが、この風習は日本独自のものです。
日本の行事の多くは仏教と神道が混ざりあって形成されたもので、お彼岸は神道では「日願」であることから、神道と結びつき今のお彼岸の形になったようです。
このように仏教と神道の合わさった行事なので、神道でのお彼岸の過ごし方も、仏教のお彼岸と大きな違いはありません。
お墓参りをしお供え物として、春はぼた餅、秋はおはぎをお供えするのが一般的です。
仏教と神道では大きな違いがあると考えがちなお盆とお彼岸ですが、同じ日本で行われる行事なので、そこまで差異はないのが実際のところです。
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霊祭まとめ
ここまで霊祭についての情報を中心にお伝えしてきました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- 霊祭は神道の忌日法要であり、仏教の初七日や四十九日にあたる儀式
- 霊祭は故人の死後10日ごとに行われる
- 忌明けの霊祭となる五十日祭がもっとも盛大に開催される
- 玉串奉奠は神道の行事では必ずと言っていいほど行われる最重要の儀式
これらの情報が少しでも皆様のお役に立てば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
田中 大敬(たなか ひろたか)
厚生労働省認定 葬祭ディレクター技能審査制度 一級 葬祭ディレクター
経歴
業界経歴15年以上。葬儀の現場で数々のお葬式を担当し、身寄りのない方の弔いから著名人や大規模な葬儀までを経験。お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、特に士業や介護施設関係の領域に明るい。
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