法事法要
お彼岸とお盆の違いは?お彼岸とお盆にやることやお供えを解説
更新日:2022.11.17 公開日:2022.01.29
お彼岸とお盆はどちらも先祖や故人と繋がりが深いものですが、細かなところまで詳しく理解している人は少ないかと思います。
本記事では、お彼岸とお盆の違いを由来や内容、お供え物などの観点から解説していきます。
この機会にお彼岸とお盆の違いについて知っておきましょう。
お彼岸やお盆の際に心を込めてご先祖様を供養するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
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お彼岸とは
お彼岸とお盆の違いを知るために、まずはお彼岸とはどういった行事か理解しておくことが重要です。
そこで、ここではお彼岸の意味や行われる時期について説明します。
お彼岸の意味
お彼岸とは春と秋に行われる仏教行事です。
彼岸には先祖への感謝とともに、仏教の「六波羅蜜(ろくはらみつ)」という6つの教えを実践し、修行に邁進すべき期間だとされています。
お彼岸にはあの世である彼岸と、こちらの世界である此岸が近づくとされています。
そのため、この時に極楽浄土へ祈りを捧げることで悟りに近づけると考えられているのです。
このお彼岸という行事は他の国では行われておらず、日本独自の仏教行事と考えられています。
お彼岸の時期
お彼岸の時期は春分の日と秋分の日を中心として、7日間行われます。
春分の日と秋分の日には、彼岸と此岸が最も近づくため、この日が中日として設定されているのです。
2022年の秋のお彼岸は9月20日(火)〜26日(月)の期間に行われ、23日が中日である秋分の日となっています。
また、2023年の春のお彼岸は、3月18日(土)〜3月24日(金)の期間に行われ、21日が中日である春分の日です。
次回以降のお彼岸は、上記の日程で行われるため、ぜひ参考にしてください。
こちらの記事でお彼岸について解説しているので、ぜひご覧ください。
お盆とは
次はお盆がどういった仏教行事であるかを解説します。
前述したお彼岸との違いを理解するために役立てていただければ幸いです。
お盆の意味
お盆とは日本古来から行われる仏教行事で、正式名称は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」です。
この期間にはご先祖や亡くなられた方があの世からこの世へと戻ってくると考えられています。
そのため、お盆は先祖や故人を家に迎え入れて供養し、お盆が終わる頃にあの世へ帰っていくのを見送るという行事になっています。
現在ではお盆の時期を多くの企業が連休として扱っており、この期間は仕事をお休みしてお参りや先祖の供養を行うという方も多いです。
また、日本独自の行事であるお彼岸と違い、お盆はインドや中国の供養行事が日本風に変わったものだと考えられています。
お盆の時期
お盆の時期は主に7月と8月の2種類があり、一般的には8月に行われることが多いですが、関東や東京では7月に行われることが多いです。
7月に行う場合は「7月13日〜16日」、8月に行う場合は「8月13日〜16日」という日程で行われます。
また、2023年のお盆は7月が「7月13日(木)〜16日(日)」、8月が「8月13日(日)〜8月15日(火)」の期間で行われます。
こちらの記事でお盆の時期について解説しているので、ぜひご覧ください。
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お彼岸とお盆でやること
ここからはお彼岸とお盆で共通して行われることを解説します。
お彼岸やお盆の行事に参加する際は、以下のことを行って先祖の供養などに努めることとなります。
お墓参り
お墓参りはお彼岸とお盆に共通して行うことの1つです。
お墓の掃除とお参りを行い、先祖の供養を行います。
お墓参りの際には、お参り道具としてろうそく、マッチ、ライター、線香、花、お供え物などを持参しましょう。
こちらの記事でお墓参りについて解説しているので、ぜひご覧ください。
仏壇の清掃
お彼岸やお盆の時期には、仏壇も綺麗にして先祖の供養を行います。
毛ばたきで仏壇全体のほこりを落とし、仏壇の中や外をぞうきんで拭いて綺麗に掃除しましょう。
また、位牌や仏具なども全て綺麗に磨き上げて手入れを行います。
こちらの記事でお彼岸の仏壇について解説しているので、ぜひご覧ください。
お供え物を供える
お彼岸やお盆などの仏教行事では、お供え物を仏壇へとお供えします。
仏教におけるお供え物は、「五供(ごく)」という5つのお供えが定番と考えられています。
この5つとは、「香・花・灯燭・浄水・飮食」のことを指します。
香とはお線香、花は仏花、灯燭はろうそく、浄水は水やお茶、飮食は仏飯のことです。
お彼岸の法要
ここからはお彼岸の法要の種類についてご紹介します。
お彼岸の法要は、大きく分けて合同法要と自宅法要の2種類があります。
それぞれの種類ごとにどういった内容なのかを説明していきましょう。
合同法要
合同法要とは、複数の家が一同に集まって法要を行うことを指します。
一般的に、お寺に檀家として所属している方や、その墓地にお墓を持っている方たちが合同法要に出席するケースが多いです。
場所はお寺の本堂や霊園の法要施設が使われます。
合同法要は別名「お彼岸法要」や「彼岸会」とも呼ばれます。
こちらの記事で合同法要について解説しているので、ぜひご覧ください。
自宅法要
お彼岸の法要では、自宅で法要を行うこともあります。
故人が亡くなってからまだ日が浅い1周忌や3回忌などの節目となる年には、自宅法要で個別に法要を行うことが多いです。
自宅法要で僧侶を招いた場合には、お布施として3万〜5万円ほどお包みするのがマナーとされています。
また、これとは別にお車代として5,000円〜1万円程度包む必要があるケースもあります。
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お盆でやること
ここからはお盆の期間に何をやるべきかご紹介します。
お盆にあまり馴染みが無い方は、以下の内容を参考にしてください。
盂蘭盆会
お盆の時期には法要を行うため、事前に僧侶に連絡をして予定を押さえておく必要があります。
お盆の時期の法要のことを「盂蘭盆会」ともいい、寺院か自宅のどちらかで僧侶に読経をしてもらうことで先祖の供養を行います。
この際、僧侶にお礼としてお布施をお渡ししますが、基本的に3万〜5万円程度包むことが多いです。
こちらの記事で盂蘭盆会について解説しているので、ぜひご覧ください。
送り火・迎え火
お盆に先祖を迎える際と送り出す際には、送り火・迎え火という形で火を焚きます。
お盆が始まる日である13日を迎え盆といい、この日に迎え火を焚いて先祖をお迎えします。
また、お盆が終わる16日の送り盆には、送り火として先祖を送り出すために火を焚きます。
送り火・迎え火は、焙烙(ほうろく)という皿の上に、麻の茎である苧殻(おがら)に火を付けて焚くのが正式な形だとされています。
ただし、地域の風習によって作法が異なる場合も多くあります。
こちらの記事でお盆の迎え火と送り火について解説しているので、ぜひご覧ください。
盆提灯や盆だなの飾り付け
お盆には盆提灯や盆棚といった飾りを出して、故人をお迎えします。
盆棚は先祖を迎えるための祭壇として機能します。
棚の上にはお供え物やお盆飾りを付け、仏壇の上にある位牌も盆棚へと移されます。
また、盆提灯は先祖が家に戻る際に迷わないようにする役割を担うとされており、盆棚などに飾ります。
こちらん記事でお盆の提灯について解説しているので、ぜひご覧ください。
新盆法要
新盆(にいぼん)は故人が四十九日を明けて初めて迎えるお盆のことを指します。
新盆には通常のお盆よりも、親族や生前親しかった人などを招いて新盆法要という形で、故人の供養をしっかり行うことが多いです。
こちらの記事で新盆について解説しているので、ぜひご覧ください。
お彼岸とお盆のお供え
ここからはお彼岸とお盆のお供えに選ばれることの多いものをご紹介します。
どういったものがお供えとして好まれるのか分からないという方は、以下の内容を通して理解を深めていただければと思います。
お彼岸のお供え
春のお彼岸にはぼた餅、秋のお彼岸にはおはぎをお供えします。
これらはどちらもあんこでもち米が包まれたお菓子のことです。
ただ、春と秋では呼び方や作り方が異なります。
春にお供えされるぼた餅は、こしあんを利用して牡丹の花を模して大きく丸く作られます。
一方、秋にお供えされるおはぎは、萩の花を模して小さく細長い形に作られます。
また、昔は収穫時期の関係からぼた餅にこしあん、おはぎに粒あんを使うという違いもありましたが、現在はこうした違いは無くなっています。
こちらの記事でお彼岸にお供えするおはぎについて解説しているので、ぜひご覧ください。
お盆のお供え
団子
お盆には迎え団子と送り団子という特有のお供え物があります。
13日の迎え盆には迎え団子として、タレやあんこのお団子をお供えします。
16日の送り盆では何も付けずに白いお団子をお供えします。
送り団子・迎え団子は6個以上など、地域や風習によって個数が指定されるケースもありますが、明確に決められているわけではありません。
こちらの記事でお盆にお供えする団子について解説しているので、ぜひご覧ください。
精進料理
仏壇などには精進料理をお供えとして供えます。
お盆の精進料理は、霊供膳(りょうぐぜん)にご飯、汁物、煮物、和え物、漬物の5種類を並べます。
きゅうり・なす
お盆のお供えとして特に特徴的なのがきゅうりとなすを使った精霊馬と精霊牛というお盆飾りです。
きゅうりで作られた精霊馬は、故人が自宅に帰ってくる際の乗り物として飾ります。
なすの精霊牛は、故人があの世へ帰る際に使う乗り物として飾られます。
精霊馬には足の早い馬に乗ってなるべく早く家に帰ってきて、長い間この世にいてほしいという思いが込められています。
一方、精霊牛には帰りは足の遅い牛に乗って、ゆっくりと帰ってほしいという思いが込められているのです。
こちらの記事でお盆のなすときゅうりについて解説しているので、ぜひご覧ください。
季節の果物や野菜
季節の旬の果物や野菜、故人の好物なども、故人のお供え物として一般的です。
お盆の時期には、かぼちゃ、きゅうり、さといも、いんげんなどが旬の野菜として有名です。
果物はスイカなどが良いでしょう。
水の子
水の子もお盆のお供えとして特徴的なものの1つで、これは餓鬼や無縁仏などのためのお供え物です。
お盆に先祖が帰ってくる際、餓鬼や無縁仏も一緒に付いてくると考えられているため、この水の子をお供えします。
水の子はなすやきゅうりを賽の目状に切り、お皿の上に蓮の葉を敷いて、そこに洗米となす、きゅうりを混ぜて、器に水を入れて作ります。
こちらの記事でお盆の水の子について解説しているので、ぜひご覧ください。
お供え物の表書き
お彼岸とお盆の表書きは、どちらも同じ表書きを書くこととなります。
一般的に表書きとして用いられるのは「御仏前(御佛前)」か「御供」のどちらかです。
表書きの下には、名前をフルネームで記入しましょう。
また、新盆には「新盆御見舞」という表書きでお供え物を送るケースもあります。
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初彼岸とは
お盆に初盆があるのと同じように、彼岸にも初彼岸という行事があります。
ここからは初彼岸の時期や初彼岸でやること、お供えなどを中心に詳しく説明します。
初彼岸の時期
初彼岸は、故人が亡くなって四十九日を終えてから初めて迎えるお彼岸のことです。
そのため、故人が亡くなってからであっても、四十九日を過ぎていない内に迎えたお彼岸については、初彼岸とは呼ばれません。
例えば、秋のお彼岸の直前に故人が亡くなったとしても、その秋のお彼岸は初彼岸とは呼ばれません。
その場合は四十九日を明けてからのお彼岸である春のお彼岸が初彼岸ということとなります。
初彼岸法要でやること
初彼岸ではお墓参りやお供えをすることで、故人の供養を行います。
初盆の際は、通常のお盆よりもより大きな規模で法要を行いますが、初彼岸ではそうした特別なことはしない場合が多いです。
そのため、通常のお彼岸と同様の形式で故人や先祖の供養を行いましょう。
また、法要をする場合には僧侶を呼んで読経してもらうため、お布施を3万〜5万円程度包むのが一般的です。
法要は通常の彼岸と同様、お寺の合同供養か自宅供養のどちらかの方法で行われます。
初彼岸のお供え物・相場
初彼岸でも、お彼岸と同じお供えをして故人の供養を行います。
例えば、ぼた餅やおはぎ、花、果物、お菓子、線香などがお彼岸のお供え物としての定番です。
お供え物の金額相場は、3,000〜5,000円となっており、これ以上は高額すぎて相手方に気を遣わせる可能性があるため注意しましょう。
また、初彼岸の品物のお返しをする場合は、お供えの金額の1/3を目安に品物を選ぶと良いでしょう。
初彼岸の服装
初彼岸は普通の服装で問題ないと考えられています。
ただし、あまり派手な格好や、常識的に考えておかしな格好はしないほうが良いでしょう。
男性の場合には地味な色のシャツとズボン、女性の場合も同様に地味な色のブラウス、スカート、ズボン、ワンピースなどを着用します。
また、法要に参列する場合には、喪服を着用するのがマナーとされているため、いつもの服装で行かないように気をつけましょう。
初彼岸の香典
初彼岸の法要に参列する際は、香典を包むこととなります。
この香典の相場は、故人との関係性によっても変わってきますが、一般的に3,000円〜5,000円が費用相場と考えられています。
香典をお渡しする際の表書きは、仏教・神道・キリスト教など宗教によって異なります。
仏教の場合は「御仏前」「御香典」「御香料」などの表書きが使われます。
神道の場合は、「御玉串料」が用いられます。
また、キリスト教では香典という概念がないため、「御花料」という表書きが代わりとして用いられます。
宗教によって香典の表書きが異なることを理解して、先方に失礼のないようにしましょう。
また、中袋には裏面に香典の金額、自分の氏名、住所を書きましょう。
香典の金額は旧字体で書くのが正式なマナーで、例えば「参阡圓」や「壱萬圓」といった形式で書きます。
水引に関しては、黒白の結び切りのものが幅広く用いられています。
ただし、地域などによっては黄白や銀色のものも使われています。
お彼岸とお盆まとめ
ここまで、お彼岸やお盆のマナーや注意点についての情報を中心にお伝えしました。
この記事のポイントをおさらいすると以下の通りです。
- お彼岸は春分の日と秋分の日を中心とした前後の3日間を含めた計7日間の期間
- お彼岸の時期は彼岸と此岸の距離が近くなっていると考えられている
- お盆の期間中は先祖や故人がこの世に帰って来ると考えられている
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てれば幸いです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
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監修者
山口 隆司(やまぐち たかし)
一般社団法人 日本石材産業協会認定 二級 お墓ディレクター
経歴
業界経歴20年以上。大手葬儀社で葬儀の現場担当者に接し、お葬式を終えた方々のお困りごとに数多く寄り添いサポートを行う。終活のこと全般に知見を持ち、位牌や仏壇をはじめ、霊園・納骨堂の提案や、お墓に納骨されるご遺族を現場でサポートするなど活躍の場が広い。